JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第171号 11月号 2017年11月30日発行 −目次− トピックス 1. 第2回SDGs勉強会 開催報告 公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 奥平真砂子 2. ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業 第19期研修生のご紹介 インフォメーション 1. 国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 2. 平成29年度障害者週間(12月3日〜9日) 3. デイビッド・ヒューム著『貧しい人を助ける理由』翻訳出版 イベント情報 1. JANNET研究会のお知らせ(12月2日) 2. 日本財団 あすチャレ!Academy(12月18日) トピックス 1.第2回SDGs勉強会 開催報告(10月31日) 日本障害者リハビリテーション協会 奥平真砂子           日本障害者リハビリテーション協会(リハ協)では、JANNETの協力により、10月31日に「インクルーシブな社会の実現を目指して 〜他分野団体や企業の方々と、ともに知り考える〜」と題した第2回SDGs勉強会を開催しました。  まずは、基調講演者として外務省国際協力局地球規模課題総括課の甲木浩太郎課長をお迎えしてSDGsに関する政府の最新動向についてお話しいただきました。内容としては、政府として取り組む優先課題が1番目にあらゆる人々の活躍の推進、2番目に健康長寿、3番目に成長市場の創出等であることや、障害分野については付表に「障害者」という小項目があり、具体的な施策の推進が謳われていることなどについてお話しされました。  次に、他分野のNGOや企業、そして異なる3つの障害種別の団体の方々をパネリストに迎え、それぞれの団体の紹介と、SDGsへの取り組みを含めてお話しいただきました。加えて、リハ協が事務局を務める障害者団体のネットワークである日本障害フォーラム(JDF)の説明も行いました。それらパネリストは、@日本NPOセンターの新田英理子氏、A電通ダイバーシティラボの林孝裕氏、B難民を助ける会から野際紗綾子氏、C全日本ろうあ連盟からは中西久美子氏、DDPI日本会議からは2名、中西由起子氏と田丸敬一朗氏、E日本発達障害ネットワークの橋口亜希子氏、そしてJDF事務局の原田潔氏です。  内容を一つ簡単にご紹介するなら、やはりこの分野ではなかなか聞く機会のない電通の林さんのお話でしょう。林さんの通常の所属はマーケティングソリューション局ですが、電通社員の有志が集まってダイバーシティを前提とした課題解決に向けて力を合わせて活動するダイバーシティラボのユニットリーダーでもあり、障害、ジェンダー、多文化、ジェネレーションという4つのテーマをもって取り組んでいるそうです。「みんなの未来」をビジョンとして、そのような社会を作るには企業として、どのように、どのようなことに取り組むべきかなどを念頭に置いてクライエントに提案するそうです。また、会社として「インクルーシブマーケティング」をテーマとしていくと、2017年8月に発表したこともお話しくださいました。これらは、大いにSDGsと関連しますね。  参加者は多分野からの申し込みがあり、当日も障害者はもちろん、コンサルタント会社や他分野のNGO、大学、病院、そして複数の企業からも来ていただきました。 「このような多分野の人たちが一堂に会し話し合う機会はあまりなかったので良かった」や、「これからも回を重ねてほしい」、「ここで出来たネットワークを具体的なアクションにつなげたい」というような意見が多く聞かれたこともあり、リハ協としては継続してSDGsの普及活動を行っていく予定です。 (写真:勉強会の模様) 2. ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業 第19期研修生のご紹介    ダスキン愛の輪基金の委託を受け、日本障害者リハビリテーション協会が実施するダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業は、本年で第19期を迎えます。本年も研修生たちが9月に来日しました。現在は日本語・手話研修の真最中で、12月には日本語や手話の成果発表会が控えていて、2月からは目標に沿った個別研修が始まります。研修受け入れにご興味のある方/団体は、日本障害者リハビリテーション協会研修課までご連絡ください。(Tel: 03-5273-0633 FAX: 03-5273-1523 E-mail: inquiry@dinf.ne.jp)  一生懸命に研修に取り組んでいる研修生5名をご紹介します。 Kaewkul Tantipisitkul / カォクン・タンティピシックン 性別:女性 年齢:30歳 国籍:タイ 研修目標:・行政交渉      ・ろう協会と政府との協働および取組み        ・情報アクセシビリティ(手話通訳や字幕サービスに関する政策 および法律、手話ニュースの運営)      ・政府やろう協会によるろう者および難聴者の就労支援の方法      ・ろう者と難聴者の政策的役割の機会 Solongo Batbayar / ソロンゴ・ バトバヤール 性別:女性 年齢:27歳 国籍:モンゴル 研修目標:・障害のある人によるワークショップの運営 (洋裁部門があるのが理想)      ・ろう学校における教員による子どもたちとの関わり方を理解する      ・障害のある人に役立つ被服作成や障害のある人がおしゃれを楽 しむためのヒントを得る Krishneel Kunal Sharma /クリシェール・クナル・シャーマ 性別:男性 年齢:27歳 国籍:フィジー 研修目標:・インクルーシブスポーツ      ・視覚障害者のアスリートチームの形成の仕方とその運営方法      ・行政交渉及び行政と障害者団体の協働      ・アクセシビリティ(建物、公共交通機関、教育など)      ・視覚障害者団体の運営やそのサービス内容      ・歩行訓練や調理実習 Laxmi Nepal /ラクシミ・ネパール 性別:女性 年齢:25歳 国籍:ネパール 研修目標:・視覚障害者の雇用 (視覚障害者が就いている職種、就労支援)      ・教育についてのアクセシビリティ      ・視覚障害者のための対応したインフラや道路、銀行の利用 や選挙におけるアクセシビリティ      ・女性問題 Anam Shahzadi / アナム・ジェヘザディ 性別:女性 年齢:25歳 国籍:パキスタン 研修目標:・障害者(特に女性障害者)が効果的に働く方法        ・日本の自立生活運動の歴史および障害者の自立生活プロ グラムの実施方法      ・日本の障害に関する差別解消法や日本で施行されている 障害に関連する法律      ・障害女性の結婚生活を含む生活で直面する問題      ・ピアカウンセリングと介助サービス       ・女性のネットワーキング       ・車いすの修理 インフォメーション 1. 国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報     (関連サイト:http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html) 署名国・地域数160/ 締約国・地域数 175 (2017年11月末現在) https://treaties.un.org/Pages/ViewDetails.aspx?src=IND&mtdsg_no=IV-15&chapter=4&lang=en 2. 平成29年度障害者週間:12月3日〜9日 国民の間に広く基本原則に関する関心と理解を深めるとともに、障害者が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加することを促進するため、毎年、12月3日から9日を障害者週間と定め、様々な取り組みや行事を行ってます。平成29年度は、例年のとおり、内閣府主催による「障害者週間のポスター」原画展と、「連続セミナー」などが行われます。 http://www8.cao.go.jp/shougai/kou-kei/index-kk.html 3. デイビッド・ヒューム著『貧しい人を助ける理由』翻訳出版 『Should Rich Nations Help the Poor?』(Polity, 2016)の日本語版刊行 日本語版:『貧しい人を助ける理由〜遠くのあの子とあなたのつながり〜』 監訳・佐藤寛 訳・太田美帆、土橋喜人、田中博子、紺野奈央 日本評論社 2017年  定価1700円 イベント情報 1. JANNET研究会のお知らせ  2017年のJANNET研究会のお知らせです。  多くの皆様のご参加をお待ちしています。 【第2回】ダリットとして生きる ―インド社会で虐げられてきた人々の声に聴く― 南インドのNGO代表カリラトナムさん講演会    「ダリット」とは、サンスクリット語で「砕かれた」という意味。カースト制度の外に置かれた人々は自らをそう呼びます。厳しい差別を受けながらも、彼らがどのように声をあげ、権利を獲得するに至ったのか。ダリット出身のムルガン・カリラトナムさんが、自らの体験や30年以上にわたる活動をお話しします。 ・日時:2017年12月2日(土) 14:00〜16:30 ・会場:東京YMCA 東陽町センター(東京都江東区東陽2-2-20)     東京メトロ東西線「東陽町」下車徒歩5分 ・参加費: 無料 ・共催:アジア保健研修所 JANNET(障害分野NGO連絡会) ・協力:東京YMCA  2017年度第2回JANNET研究会はアジア保健研修所(AHI)との共催で、インドのNGO代表ムルガン・カリラトナムさんからお話しを伺います。自らもカースト制度の外という厳しい立場でありながら、弱い立場の人々をエンパワメントする活動に取り組んでいらっしゃるカリさん。特に農村における障害者支援(CBR)は、州政府とも連携してThiruppani Trust Association (TTA) の主たる活動になっています。  今年度のJANNET研究会のテーマでもあるCBRについて、実践者の生の声を聞くことができる貴重な機会です。ぜひご参加ください。 2. 日本財団 あすチャレ!Academy  パラリンピックやパラスポーツを題材に障がい者の“リアル”を当事者講師から聞き、学び、一緒に考えるダイバーシティセミナーです。 ・日時:2017年12月18日(月)、2018年1月26日(金)(いずれも東京) ・実施地域:【個人受講】東京・大阪・福岡            ※実施地域を順次拡大予定。       【団体受講】全国各地へ講師を派遣し、実施。 ・詳細はこちら: https://www.parasapo.tokyo/asuchalle/academy/ 編集後記  先日、11月4〜14日、ハンガリー・ブダペストにて第3回世界ろう者中間会議が開催され、出席してきました。ハンガリーに於いては2009年に手話言語法制定されました。  ハンガリーろう・難聴協会会長であるアダム・コーシャ氏は欧州議員も務めています。  11月7日、日本に於いては衆議院会館にて“手話を広める知事の会”が開催されました。 この場所でアダム・コーシャ氏から映像でメッセージが発信され、「日本国に於いても手話言語法が制定されるよう心から祈っている。知事や市長、議員の方々にも力を貸していただきたい」と心強い言葉をいただきました。  今年、ハンガリーろう・難聴協会は創立110周年を迎えました。手話言語法制定後も内容、実効性をさらに充実させるために現在も日々、奮闘しています。私たちも負けていられないと決意を新たにする機会となりました。 嶋本恭規(全日本ろうあ連盟/JANNET広報・啓発委員)  JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/