JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第165号 5月号 2017年5月29日発行 ―目 次―  トピックス 1. 持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF)に関する NGO・外務省意見交換会                清水 直治(JANNET会長/ 認定NPO法人 日本ポーテージ協会会長) 2.「セミナー SDGゴール16(平和と公正)と市民社会の取り組み」参加報告               上野 悦子(公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会) インフォメーション 1. JANNETのロゴが決まりました。 2.JDF主催:国連障害者権利条約・障害者権利委員会報告会のご案内 3.バリアゼロの社会を目指す「ゼロプロジェクト」ー2018年の認定に向けた事例の推薦は6月17日まで 4.国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 イベント情報 1. ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業 第18期生成果発表会 2. 日本作業療法士協会主催「グローバル活動入門セミナー」 3. NGO-労働組合国際協働フォーラム シンポジウム 4. 支援付き意志決定・意志決定支援 実践シンポジウム 5. 文学で語る難民問題  トピックス 1.持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF)に関するNGO・外務省意見交換会               清水 直治(JANNET会長/ 認定NPO法人 日本ポーテージ協会会長) 2017年5月11日(木)に標題の意見交換会が、外務省本省南396会議室において10時〜11時30分行われました。それに先立って、NGO事前会合が同会議室で9時〜10時、そして本会合後に、NGO総括会議がTKP新橋内幸町ビジネスセンター会議室610で開催されました。本会合の参加者は、外務省側は横地晃・地球規模課題総括課長、堀田真吾・同課主席事務官、石橋恵・同課課長補佐、吉橋明日香・同課事務官の4名、NGO側はSDGs市民社会ネットワークがとりまとめ、38名が参加しました。   最初に「全体説明」(外務省・堀田首席事務官)があり、2016年はSDGs推進本部の設置、円卓会議の実施、12月には実施指針の策定などの取組を行いましたが、2017年はこれらをベースに国内外に発信していくとのことです。今年7月17日〜19日に開催されるHLPFでの自発的国別レビュー(VNR)は、日本を含めて44カ国が行い、約15分間のプレゼンテーションの時間に、@体制、A日本の取組、B政府外ステークホルダーとの連携を説明し、加えてサイドイベントを実施し、情報の発信をするそうです。   次いで、事前提出議題についての外務省の回答(横地課長)と意見交換が行われ、次の5事項にかかわる課題が挙げられました。@「Process」HLPFのプロセス、A「Principles」SDGsの原則、B「People」ゴール1〜6、C「Prosperity」ゴール7〜11および「Planet」ゴール12〜15、D「Peace」ゴール16および「Partnership」ゴール17に関して、NGO側から喫緊の課題が指摘されました。   外務省の回答のいくつかは、SDGsは国内外各方面にまたがり、官民連携で進めており、今後は都道府県だけでなく市町村にも働きかけていくとの内容でした。2016年実施指針にもとづき、2017年は各省庁に呼びかけSDGsに紐づけて予算を策定するように依頼しているとのことです。国内の施策もSDGsと密接にかかわっており、ODAのほとんどはSDGsに関連する事項であり、さらに追加すること、企業のSDGsへの取組は、政府としてリードしたいこと、外務省は今後も市民社会と連携していく考えである、ということでした。 2.「セミナー SDGゴール16(平和と公正)と市民社会の取り組み」参加報告               上野 悦子(公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会)  5月9日(火)に日比谷文化図書館にて、一般社団法人CSOネットワーク主催のSDGゴール16に特化した表題のセミナーに参加したので報告します。  SDGゴール16は平和と公正といわれますがその内容は多岐にわたり、子どもへの暴力・拷問の撲滅、法の支配、組織犯罪の根絶、汚職の大幅減少、良い統治(ガバナンス)や人権がここに含まれます。  このセミナーでは、SDGゴール16を推進している国際的枠組みである民主主義共同体(Community of Democracies : CoD)についても紹介がありました。私を含めて参加者のほとんどがあまりなじみのないCoDは、2000年に設立された政府間機関で110か国が加盟し、そのうち30か国が運営理事会に入り、日本は運営理事会に入っています。CoDは、政府間での協議・交渉もあるが、他にも学術諮問委員会・議会関係者・市民社会の3つの関連団体があり、設立当初から市民社会組織(CSO)の関心が高かったそうです。主催団体代表理事で当日の進行を務めた今田克司さんは、CoDとSDGsがついたことの意義が大きいと述べました。ゲストスピーカーであるアンセルモ・リーさん(アジア民主主義ネットワーク事務総長、韓国)もCoDに関わってこられた方で、人権やガバナンスがしっかりしていないと貧困削減には結びつきにくく、法の支配や透明性を主張するゴール16は重要です、と述べました。  リーさんは講演の中で、民主主義や人権は普遍的ですが、国によっては語られにくいことがあります。しかしSDGsのゴールのひとつに取り上げられたことで話しやすい状況が生まれた、とCoDとSDGsの結びつきを歓迎しています。ゴール16の指標は公式には23作られていますが、これでは不十分としてCoDは補足指標を作成しており、今年9月に米国ワシントンDCで開催予定のCoD政府間会合で補足指標を提出するとのことです。本セミナーでは外務省総合外交政策局人権人道課中川課長が、CoDに対して日本政府がこれまで支援してきたこと、そしてゴール16の補足指標の作成にも積極的に支援するとコメントしました。  ゴール16は、2019年のハイレベル政府間会合でゴール10(不平等の是正)とともに報告されることになっており、今後も注目に値すると思われます。 ************************************************************************************** インフォメーション 1. JANNETのロゴが決まりました。 5月27日に戸山サンライズにおいてJANNET総会が開催され、今年度の事業計画、予算、中期計画が承認されました。右図は採択されたJANNETのロゴです。多様性を示す多色のデザインとともにJANNETの文字が力強く表現されています。 これからロゴを掲載した新しいパンフレットが印刷されますので、ご期待ください。 2. 国連障害者権利条約・障害者権利委員会報告会のご案内 障害者権利条約の締約国は、権利条約の国内実施状況について国際的な監視機関である障害者権利委員会の建設的対話(審査)を受けます。建設的対話においては、政府報告とともに市民社会が作成するパラレルレポートも重要な役割を担います。そこで、日本障害フォーラム(JDF)では日本でのパラレルレポート作成に向けて他国の建設的対話を傍聴するためジュネーブに傍聴団を派遣しました。傍聴報告会は次のとおりです。 日時:2017年6月7日(火) 15:00-16:45    場所:参議院議委員会館 B107会議室    参加費:無料  *展示資料、手話通訳、要約筆記あり 3.バリアゼロの社会を目指すゼロプロジェクト  障害者の生活が向上するための革新的で効果的な実践と政策を認定しているゼロプロジェクトが、2018年の認定に向けて事例の推薦を受け付けています。ゼロプロジェクトは、障害者権利条約の原則と目標に基づき、バリアのない世界を目指し活動することを目的にしています。日本からの推薦数は少ないので、よい実践をご存じの方はこの機会にぜひ推薦されてはいかがでしょうか。推薦の方法はゼロプロジェクトのサイトを参照ください。 締切は6月17日です。https://zeroproject.org/   4. 国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報     (関連サイト:http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html)     署名国・地域数160/ 締約国・地域数 173 (2017年4月末現在) https://treaties.un.org/Pages/ViewDetails.aspx?src=TREATY&mtdsg_no=IV-15&chapter=4 &clang=_en イベント情報 1.ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業 第18期生成果発表会 * 日時:2017年6月4日 (日) 13:30-16:30 (13:00 開場) * 会場:戸山サンライズ 2階 大研修室 * 参加費: 600円(介助者は無料) * 定員:100名(先着順) * 申込締切:5月29日(月) * 主催:ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業18期生。 〔公財〕ダスキン愛の輪基金  〔公財〕 日本障害者リハビリテーション協会   申込・詳細: http://www.normanet.ne.jp/~duskin/infomation/2017/clipmail.html 2. 日本作業療法士協会主催「グローバル活動入門セミナー」 * 日時:2017年7月2日 (日曜日)  10:00-16:30 * 会場: 箕面学園(学校法人)福祉保育専門学校 * 参加費:4,000円(会員・一般) * 主催: 日本作業療法士会 * 参加申込: 日本作業療法士会HPをご参照ください。  https://www.jaot.or.jp/ 3. NGO-労働組合国際協働フォーラム シンポジウム * 日時:2017年7月26日 (水曜日)  13:00-16:00 * 会場: 全電通労働会館 多目的ホール * 参加費: 無料 * 定員: 100名(先着順) * 対象: NGO関係者、労働組合関係者、一般 * 参加申込: 右記URLからお申し込みできます。 https://goo.gl/forms/tkjxhdLhObY2X1CH2 * 主催: NGO-労働組合国際協働フォーラム * 締切:7月24日(月) * 詳細: http://www.janic.org/event/ngorousosympo2017.php 4. 支援付き意志決定・意志決定支援 実践シンポジウム * 日時:2017年7月9日 (日曜日) 15:30-18:30 * 会場:東京大学本郷キャンパス工学部2号館213番教室 * 参加費: 2,000円 * 定員:200名(先着順) * 申込締切:6月30日(金) 主催:意志決定支援モデル開発プロジェクトチーム(SDM-Japan) * 申込:  Eメール: sdm.pt2015@gmail.com     ファックス:03-6676-6384 5.  文学で語る難民問題     * 日時:6月3日(土曜日)14:00-15:30 * 会場: 都市センターホール * 参加費: 1,500円(当日お支払いください) * 定員:120名(先着順) * 主催・申込: AAR Japan [難民を助ける会]  TEL: 03-5423-4511 HP: www.aarjapan.gr.jp http://www.aarjapan.gr.jp/join/event/2017/0603_2275.html 編集後記 2017年3月にタイ・バンコクにてAPDF総会及びESCAPワーキンググループ会議が開催され、出席しました。今後はハイレベル政府合会開催及びSDGs取り組みが重要となってきます。その中で聴覚障害者に対する情報保障が最優先課題であると考えます。 ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業は今年で18年目になりました。卒業生の中に聴覚障害者もおり、リーダーとして活躍している方や私と共に活動している方もいます。学んだ経験を生かすべく、あらゆる問題、課題に取り組んでいると思うと感慨深いものがあります。 聴覚障害は見た目、分かりにくく、障壁に理解が得られにくい点があります。その中で社会に於いて連帯できる事を探し、成果を上げる事もまた、ノウハウが必要です。 それは社会すべての皆さまにも「手話は言語である」ことを認識して頂き、SDGsの実現に近づく道であると信じています。 嶋本 恭規(一般社団法人 全日本ろうあ連盟 国際委員会 /JANNET広報・啓発委員) JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集 しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。         JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/ 1