JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第144号 2015年7月31発行 ++ 『第3回アジア太平洋CBR会議にむけて』 2015 is an important milestone in the global fight against poverty and the effort to ensure equitable access to development benefits. Inclusion and equity are the key themes of the Sustainable Development Goals, with a human rights-based approach and a renewed focus on the most vulnerable, the poorest and the marginalized. A heartening development alongside is the recognition of the need to explicitly include persons with disabilities into the post 2015 agenda. Global stakeholders are in the process of operationalising plans and strategies for implementation of the new development goals. CBR and inclusive development have been acknowledged as relevant in different contexts, including developed countries like Japan, in addressing needs of the most vulnerable and marginalised groups. CBR and inclusive development can be considered as an appropriate strategy in low and middle income countries to ensure inclusion of persons with disabilities in the new development goals, especially in remote, poor and underserved rural areas and in urban poor communities. It is against this backdrop that the 3rd Asia Pacific CBR Congress assumes significance with the themes of poverty reduction, community-based inclusive development and sustainable development goals. It is hoped that the deliberations and exchange of ideas at the Congress will contribute to promote inclusion and equity in the global development agenda. My best wishes for a successful Congress! Maya Thomas Editor-in-Chief, Disability, CBR and Inclusive Development (www.dcidj.org) + <日本語訳>  2015年は貧困に対する世界的な挑戦における重要なマイルストーンであり、開発の恩恵を受けられるための公正なアクセスへの努力がおこなわれています。包摂と公正は、新たに取り組まれる最も弱く、最も貧困で、最も軽んじられている人間の権利に基づくアプローチを含む、持続可能な開発目標において鍵となるテーマです。奨励される開発は、障害者をポスト2015の課題に含めることが必要であると明白に認知されることです。  世界的な関係当事者たちは、新たな開発目標の実施のための戦略と実行計画の策定過程にいます。CBRとインクルーシブ開発は、異なる文脈、日本のような先進国でも、脆弱な人々の声を反映するために必要なことと認識されてきました。CBRとインクルーシブ開発は、低・中所得の国々の、特に遠隔地で、貧しく、様々なサービスを受けることの難しい農村地域、そして都会の貧困地域においても、新しい開発目標における障害者の包摂を確実にする適切な戦略と考えられています。  第3回アジア太平洋CBR会議は、貧困削減、コミュニティベースのインクルーシブ開発そして、持続可能な開発目標という貴重なテーマを持ってこの状況に立ち向かいます。会議での議論や意見交換が世界的な開発課題における包摂と公正の促進に寄与することを期待しています。  本会議の成功をお祈りします。 マヤ・トーマス氏(インド)  「障害・CBR・インクルーシブ開発」ジャーナル編集長 マヤ・トーマス氏は、標記会議2日目(9/2)の全体会のリソースパーソンとして、CBIDの事例集作成の背景についてお話しされます。さらに、同日の夕方からおこなわれるサイドイベントのコーディネーターもつとめられます。 ++ 目次  + トピックス 1.日本ポーテージ協会創立30周年について + インフォメーション 1.国連障害者の権利条約批准国情報 + イベント情報 1.第3回アジア太平洋CBR会議登録申込のご案内 ++ トピックス +  トピック1 日本ポーテージ協会創立30周年について 日本ポーテージ協会  副会長 谷島 邦雄  今年4月にご逝去された山口薫先生が、昭和55年から3年間厚生省(現厚生労働省)の分担研究者として、「発達遅滞乳幼児療育目標と効果に関する研究」の中で、ポーテージプログラム(※)の日本への適用を研究されました。その後研究をすすめ、昭和58年11月に、「ポーテージ乳幼児教育プログラム日本版」を完成し出版しました。同時に、主婦の友育児センター21にポーテージ発達相談室を開設しました。その普及と指導者の養成のために、指導者養成研修セミナーを毎年開催するようになりました。活動の主体として、日本ポーテージ協会が昭和60年に設立され、今年、創立30周年を迎えることができました。  その間、研究を進め、改訂版として「新版ポーテージ早期教育プログラム」と、就学前の子どもたちの小集団活動用のプログラム「インクルージョン保育を展開するための幼児・グループ指導カリキュラム」を2005年に出版し、現在は就学後の子どもたちのための「学齢期の子どもの行動支援プログラム」(仮称)の出版準備を進めています。研修セミナー参加者は、4,000名を超え、国内だけでなく、アジア各国でポーテージプログラムのワークショップを開催し、普及活動を進めてきました。  去る、6月28日(日)に東洋大学8号館125記念ホールにおいて、創立30周年記念大会を開催いたしました。今回の大会は、過去を振り返り懐かしむ会ではなく、これからの日本ポーテージ協会の活動をどのように進めていくか、そしてそのために会員一人ひとりが何をしなければならないかを、確認し決意表明していく会として企画しました。当日は、全国から70名程の会員が集まり、和やかな中にも熱心な討議がなされました。その席に、創立者でいらっしゃる山口薫先生のお姿がなかったことが、残念でなりませんでした。 (※)発達に遅れや偏りのある子どもに家庭でできる発達支援プログラムです。 心理学の原理のひとつである応用行動分析【ABA (Applied Behavior Analysis)】の原理を子育てに適用しています。1970年代に米国のポーテージで開発され、これまでに世界35カ国の言語に翻訳・翻案され、早期支援プログラムとして活用されています。                                                                 ++ インフォメーション 1.国連障害者の権利条約批准国情報 ( 関連サイト: http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html )    新たに標記批准国となった国と地域は以下の通りです。 157.ガンビア      計:157の国と地域  (2015年7月29日現在) 国連批准国リスト(英語): http://www.un.org/disabilities/countries.asp?navid=12&pid=166 ++ イベント情報 1.第3回アジア太平洋CBR会議登録申込のご案内 第3回アジア太平洋CBR会議開催まで、ほぼ1ヶ月を残すのみとなりました。 現在も、参加登録を受付けています。 アジアの関係者と交流できるこの機会にぜひご参加ください! 『第3回アジア太平洋CBR会議のご案内』 ご存知ですか? 障害のある人も無い人も、高齢者も、何かに困っている人も、みんなで作る、みんなのための まちづくり=CBID(Community-based Inclusive Development) 日時:2015年9月1日(火)〜9月3日(木) 場所:京王プラザホテル(新宿 東京) テーマ:コミュニティベースのインクルーシブ開発(CBID)を通しての貧困削減と持続可能な 開発目標(SDGs) 参加費:3万円、学生1万5千円、介助者1万円  ◆当日参加受付あり 【1日 1万円。プログラム(コピー)が付きます。なお、ランチ・その他資料・レセプションは付きません。】   お申込み:会議ウェブサイトで受付中       http://www.apcbr2015.jp/jp/registration/ (登録申込ページ) http://www.apcbr2015.jp/jp/ お問合せ:公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内       第3回アジア太平洋CBR会議事務局       〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1  Tel: 03-5273-0601、Fax: 03-5273-1523  発展途上国で始められたCBR(地域に根ざしたリハビリテーション)という取組みが、CBIDというコンセプトに進化して、様々な形で展開されています。アジア太平洋地域の各地で、そして、もちろん日本にも素敵な活動が沢山あります。 本会議では、日本を含むアジア太平洋地域で行われている、CBIDのコンセプトに基づいた多種多様な活動を紹介します。 これからの日本に訪れる、未曾有の超高齢化社会や社会的孤立の増加。日本で模索されている地域包括ケア・地域福祉・福祉のまちづくりなどに取組む人たちにとって、珠玉のヒントが詰まっている筈です。 是非、お越しください! 分科会は、トピック別に3会場で行われます。以下の多様なトッピクを予定しています。 「障害と高齢化社会」、「障害インクルーシブビジネス」、「障壁のない環境」、「多様な障害(発達障害、精神障害など)」、「ジェンダーとインクルーシブネス」、「支援機器」、「コミュニティの資源を動かす」、「都市と農村の貧困」、「つながりと災害のリスク軽減」、「コミュニティにおける自助グループと障害当事者団体」、「早期発見・早期療育」、「官民連携」など。 *上記トピックは、今後変更の可能性もあります。 共催:CBRアジア太平洋ネットワーク、障害分野NGO連絡会(JANNET)     日本障害者リハビリテーション協会 協力:世界保健機関(WHO)、アジア太平洋障害者センター(APCD)     国際協力機構(JICA)、日本障害フォーラム(JDF)、Beyond MDGs Japan、     国際協力NGOセンター(JANIC)、CBM、全国生活共同組合連合会、     埼玉県民共済生活協同組合、東京都民共済生活共同組合、日本財団他 後援:国連広報センター他 第3回アジア太平洋CBR会議事務局 事務局長 上野悦子 (日本障害者リハビリテーション協会内) 電話03-5292-7618、Fax03-5292-7630 E-mail: inquiry@apcbr2015.jp http://www.apcbr2015.jp/jp/(会議ウェブサイト) ++ 編集後記   いよいよ第3回アジア太平洋CBR会議まで1ヶ月余りとなりました。今号では、巻頭メッセージをマヤ・トーマスさんに書いていただきました。この会議および参加者への期待、開発の恩恵を、障害者を含めすべての人が持続的に受けられるようなインクルーシブな社会を目指す取り組みへの期待が述べられています。多くのみなさまにご参加いただき、活発な議論、情報交換がおこなわれることを願っております。  開発の段階を問わず、様々な社会、コミュニティにおいて、十分な権利を保障されず、社会参加が阻まれている人々がいます。その問題を解決するために、地道な努力と社会の意識の向上が求められます。それらのヒントが会議を通じて今まで以上に共有されることを期待しています。 国際視覚障害者交流・協力ネットワーク 青松 利明 ++ JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 + JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/