JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第137号 2014年12月26日発行 ++ 目次  トピックス 1.世界盲人連合アジア太平洋地域協議会(WBUAP)の香港中期総会 2.ハノイのAPDF会議に参加して + インフォメーション 1.国連障害者の権利条約批准国情報 2.「CBRガイドライン概要版&CBRマトリックス使用の手引き」ホームページ掲載のお知らせ + イベント情報 1.ふわりんクルージョン2015のご案内 2.JANNET研究会開催(2月27日)のお知らせ ++ トピック 1 世界盲人連合アジア太平洋地域協議会(WBUAP)の香港中期総会 日本盲人会連合  田畑 美智子  11月21日〜24日、香港島南西部のサイバーポートで、WBUAPの中期総会が開かれました。WBUAPは、WBUの総会期間中にも地域総会を開きますが、数時間の役員改選中心で、実質的には中期総会が地域で最大のイベントです。  香港の資金集めや、関係者の声賭けもあり、地元を含め370名以上の参加となりました。北朝鮮の盲人協会代表も来る予定でしたが、エボラ出血熱の煽りで検疫が厳しくなり、代わりに支援者のドイツNGO,TOGETHERからの参加がありました。  国連ESCAPや、チベットの視覚障害児教育を支援するNGO「国境なき点字」、ドイツ生まれのソーシャルビジネス「ダイヤログインザダーク」、ウェブアクセスを推進するW3C、オックスファムや日本から難民を助ける会、政府関係者など、様々な人が集いました。展示会にも、日本からの2社を含め賑やかに開催され、中国語対応の支援機器を中心に参加者の注目を集めていました。  21日の青年フォーラムでは、若年層から社会変革への提言を募集し、優秀者8名が聴衆の前で発表、審査で最優秀に選ばれた人にはプロジェクト実施のための賞金が出る企画がありました。総会も、各国の状況報告、権利条約のセミナー、視覚障害者の当事者団体の意義、マラケシュ条約実現に向けた取り組み、ファンドレイジング、IT関連、DANIDA資金による能力開発プロジェクト、と、昼食も惜しむほど盛り沢山の4日間でした。 閉会の前には香港宣言を採択、以下、大会のサイトに原文が掲載されています。 http://www.wbuapga2014.org/upload/editor/WBUAP%20Hong%20Kong%20Statement.pdf また、小職のブログで仮訳を掲載しています。 http://wbuap.exblog.jp/23383367/ + トピック 2 ハノイのAPDF会議に参加して 日本社会事業大学特任教授  佐藤 久夫                                   2014年11月26-28にベトナム・ハノイで開かれたAPDF(アジア太平洋障害フォーラム)の総会と会議に参加してきました。2001年にも第1期アジア太平洋障害者の10年のRNN会議でハノイを訪れたことがありました。街のにぎわいは今回も同様でしたが、20階、30階の高層ビルが数多く見られたこと、街にあふれていた自転車が今回はオートバイに代わっていたこと、会議ボランテイアやホテルスタッフが自由に英語を話していたことなど、10年余り間の変化を感じました。 参加者は約1,000人で、ほとんどはベトナム人でしたが日本から35人、韓国から30人など海外の20の国と地域からも参加したとのことです。ベトナムの各地から多くの障害当事者が参加していたようで、地方の人民委員会支部が障害者の参加を支援したようだと聞きました。2001年の時には、障害者団体の結成が認められるようになったものの(社会主義体制の下で)NGOの自由な活動がどこまで可能か、政府も団体も手探りといった印象でした。今回は障害者や障害者団体の活動を社会全体がより自信を持って支えるようになってきたことを感じました。 とはいえ、しっかりした障害者政策はまだないようで、障害者に低利の少額融資をし、それでミシンを買ったり、家畜を買ったりして生計を立てられるように促すことが主要なものらしいとの印象でした。今回の会議の成功と、会議中になされた障害者権利条約の批准をきっかけにベトナムの障害者政策が今後大きく発展すると期待されます。 このように、ベトナムにとっては大きな意味を持つ会議でしたが、アジア太平洋の各国でインチョン戦略や権利条約がどこまで実現し、今後の課題は何か、NGOはどう行動すべきかなどの、重要な情報と経験の交流という点では物足りなさを感じました。 次回2016年にはフィジーで開かれることになりました。第1期「10年」以来の大きな課題とされてきた、太平洋諸島地域でのNGO会議の開催が初めて実現することになりました。日本から多くの障害者や関係者が参加し「10年」を推進したいものです。                                                    ++ インフォメーション 1.国連障害者の権利条約批准国情報 ( 関連サイト: http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html )     標記条約批准国の国と地域の数は以下の通りです。         計:151の国と地域  (2014年12月24日現在) 国連批准国リスト(英語): http://www.un.org/disabilities/countries.asp?navid=12&pid=166 + 2.「CBRガイドライン概要版&CBRマトリックス使用の手引き」ホームページ掲載のお知らせ CBRガイドライン概要版ほかを掲載した標記冊子の内容をDINFホームページに掲載しました。下記URLよりご覧ください。どうぞよろしくお願いいたします。 http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/intl/un/CBR_summary/index.html ++ イベント情報 1.ふわりんクルージョン2015ご案内 JANNET加盟団体「日本地域共生協議会」が関わる標記イベントが下記の日程で開催されます。このイベントでは、11月にJANNET研究会で講師をつとめられたマヤ・トーマスさんも講演されます。 日時:1月17日(土)、18日(日) 会場:秋葉原コンベンションホール(東京都千代田区) 主催:特定非営利活動法人ふわり 定員:300名 講演:マヤ・トーマスさん(インド)、および国内講演者、パネリスト多数 詳細、申込み:プログラムの詳細、講演者、申込方法は下記URL(日本地域共生協議会facebook)にてご確認ください。 https://ja-jp.facebook.com/events/377516889070822/?ref=3&ref_newsfeed_story_type=regular  申込締切り:1月14日(水) + 2.JANNET研究会のご案内(第1報) 次回JANNET研究会の開催が以下の通り決まりましたのでお知らせいたします。 日時:2月27日(金) 18時〜21時 会場:戸山サンライズ 2階大研修室A 講師:可児さえ氏(マルティーザ・インターナショナル日本事務局代表)    掘内 葵氏(国際協力NGOセンター) 今回の研究会開催は3月に開催される国連防災世界会議直前ということで、会議に関わる上記2名の講師に、防災と障害について、および上記会議へのCSOの動き、CSOに期待すること等をお話いただく予定です。 詳しい内容、申込については、後日、本メルマガまたは会員メーリングリストにてご案内いたします。 どうぞよろしくお願いいたします。 事務局 ++ 編集後記  早いものであっという間に2014年も残りわずかとなりました。パキスタンのマララ・ユスフザイさん(17歳)がノーベル平和賞を受賞し、女性をはじめ社会的弱者の基本的人権、特に教育を受ける権利の重要性について、世界に強く訴えたことがたいへん印象に残っています。障害分野においても同様にさまざまな活動がおこなわれていますが、解決すべき問題は数限りなくあり、それらに対する個別の活動に加え、国際的なネットワークを通じての構造的改革が急務だと思います。2015年にはJANNETが中心となり『第3回アジア太平洋CBR会議』が日本で開催されます。会員の各団体・個人のみなさまもぜひご協力・ご参加お願いいたします。 青松 利明   ++ JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/