JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第131号 2014年6月30日発行 ++ 目次  + トピックス 1.JANNET総会、第三回アジア太平洋CBR会議実行委員会報告 2.アジア経済研究所専門講座 「これからの国際協力と日本のODA-現地の視点から考える」 参加報告 + インフォメーション 1.JANNET総会、第三回アジア太平洋CBR会議実行委員会【事務局報告】 2.南太平洋医療隊ニュースレター(第2号) 3.国連障害者の権利条約批准国情報 + イベント情報 1.第1回アジア太平洋障害フォーラム(APDF)開催のお知らせ ++ トピック 1 JANNET総会および第三回アジア太平洋CBR会議実行委員会報告 伊藤 智典   日本理学療法士協会 JANNET広報・啓発委員  2014年5月31日、JICA市ヶ谷ビルの会議室において、平成26年度のJANNET総会および第三回アジア太平洋CBR会議実行委員会が開催されましたので報告します。昨年度20周年を迎え、次年度はアジア太平洋CBR会議の開催を担うJANNETにおいて、今年度は重要な役員改選の年であるといえます。日本理学療法士協会から新たに推薦された副会長の小川克巳氏を含め、各団体から推薦された役員は、全て承認されました。  JANNETの会長として松井亮輔氏、広報・啓発委員会委員長には中西由起子氏、研修・研究委員会委員長は今西浩明氏がそれぞれ継続就任し、財務・組織委員長は同委員会内での検討結果を待つこととなりました。さてこの度、発足当時からJANNETの活動に携わってこられた研修・研究委員会の元委員長、田口順子氏が、今回の改選をもってご退任されることとなりました。様々な分野で精力的な活動をされてきた田口さんの意志をつぎJANNETの活動を盛り立てて行きたいと思います。この他、報告や審議も総会内で承認されました。詳細についてはインフォメーションの欄をご参照ください。  2015年に、第三回アジア太平洋CBR会議が日本で開催されます。テーマはPoverty Reduction through Community-based Inclusive Development (CBID) and Sustainable Development Goals (SDGs) 「コミュニティベースのインクルーシブ開発を通しての貧困削減と持続的開発目標(SDGs)」。この会議の実行委員会がJANNET総会の後に開催されました。  会の冒頭、アジア太平洋CBR会議に期待すること、できることなどを中心に各委員は意見を紙に書いて発表したことで、開催準備に向けた意識を共有することが出来ました。期待することでは、多くの委員からCBIDに対する認識が国内で広まるとよいとの意見があげられたほか、日本の国際協力関係者にCBIDを理解してもらう機会としたい、国内の地域福祉にも影響を与えたい、という意見もありました。広報・啓発委員会の中西委員長からは、役員・委員自らが、楽しい気持ちで臨んでいける雰囲気を醸造する必要性について触れました。  その後CBRアジア太平洋ネットワーク、アジア太平洋障害者センター(APCD)のたたき台をもとに質疑が行われ、松井会長より、各団体や個人会員が協力可能な内容を検討し、事務局に連絡をいただき、JANNET全体が一つとなって実効性のある準備体制を整えたいと各委員へ協力を依頼し、会は締めくくられました。 + トピック 2 アジア経済研究所専門講座 「これからの国際協力と日本のODA-現地の視点から考える」 参加報告 金澤 真実 JANNET事務局  アジア経済研究所による「これからの国際協力と日本のODA−現地の視点から考える−」が、2014年6月4日、東京の日本貿易振興機構(ジェトロ)本部で開催され、昨今のトレンドである開発とビジネスの視点から、日本にとってのODAの意味を探るための講演と各国事情のレポートが行われました。  近年、企業は利益を追求するだけでなく、人権や環境など社会に与える影響に責任を果たさなければならないという「企業の社会的責任(CSR)」が求められています。また、今年から見直しが始まったODA大綱では、「日本の民間企業の途上国参入支援をODAで行うべき」という方向性が出ています。これらを背景として、企業とODAのwin-winの関係を構築すべきという考え方と、ODAはあくまでも「援助」であるべきだという異なる立場の講演が行われました。それに対して、NGOによる援助という草の根の視点から、企業との協働がODAの主流になることで、ビジネスにつながりにくい最貧国や中進国の貧富の格差など、本来ODAが取り組むべき援助の課題が置き去りにされるのではないか、誰にとってのwinなのか、が問われていることが指摘されました。障害という視点に関する問いに対しては、企業とODAの協働により、ビジネスとして利益につながりにくいけれども、大いに必要とされている障害者を含む脆弱な人々への支援を切捨てることにつながらないか、逆に、利益の出にくい障害分野にODAの支援があることで企業がビジネスとして参入のする可能性があるのでは、などのコメントが講師からありました。  開発途上国に生きる障害者は、経済成長だけでは解決できない困難を抱えていることが明らかです。企業と開発が協働するにしても、ODAが「援助」に徹するにしても、どちらにしても開発途上国に生きる障害のある人々にとってのwinがもたらされる支援の在りようがODA大綱にどのように反映されるのか、その行方を見守る必要を感じました。                                                                  ++ インフォメーション 1.JANNET総会、第三回アジア太平洋CBR会議実行委員会【事務局報告】  5月31日(土)にJANNET総会および第三回アジア太平洋CBR会議実行委員会がおこなわれ、 無事終了しました。  総会には、38名(16団体会員、3個人会員、委任状出席18名、オブザーバー1名)にご出席いただきました。  総会の議題は下記の通りでした。 【議題】 1.役員改選 2.2013(平成25)年度事業報告案・会計報告案 3.2014(平成26)年度事業計画案・予算案 4.2015年第三回アジア太平洋CBR会議の準備状況 5. JANNETの今後のあり方の検討について 1〜3は事務局からの報告後、承認されました。また4、5については意見交換がなされました。  新役員を以下の通りお知らせいたします。(上記議題1にて承認) <2014-2015年度JANNET新役員一覧> 【幹事】 新役員名        所属団体                       専門委員会 松井 亮輔 日本障害者リハビリテーション協会        財務・組織委員会 青松 利明 国際視覚障害者交流・協力ネットワーク 広報・啓発委員会 伊藤 智典 日本理学療法士協会                広報・啓発委員会 今西 浩明 ワールド・ビジョン・ジャパン 研修・研究委員会 小川 克巳 日本理学療法士協会 広報・啓発委員会 古西 勇        日本理学療法士協会 広報・啓発委員会 清水 香子 アジア保健研修所 研修・研究委員会 清水 順市 日本作業療法士協会 研修・研究委員会 田畑 美智子 日本盲人会連合 財務・組織委員会 中西 由起子 アジア・ディスアビリティ・インスティテート 広報・啓発委員会 野際 紗綾子 難民を助ける会 財務・組織委員会 原田 潔 日本障害者リハビリテーション協会 広報・啓発委員会 福山 博 東京ヘレン・ケラー協会 財務・組織委員会 宮本 一郎 全日本ろうあ連盟  広報・啓発委員会 谷島 邦雄 日本ポーテージ協会 財務・組織委員会 【監事】 新役員名 所属団体 小池 宏美 日本キリスト教海外医療協力会 安川 雄二 きょうされん  総会後に開催された第三回アジア太平洋CBR会議実行委員会には20名の方にご参加いただきました。事務局より会議の目的やプログラム内容等について説明し、参加者からそれらに対する意見を受ける場となりました。 事務局 + 2.南太平洋医療隊ニュースレター(第2号)  JANNET団体会員「南太平洋医療隊」のニュースレター第2号が完成しましたので皆様にご案内します。  標記ニュースレターでは、南太平洋医療隊がJICA(国際協力機構)と共同でおこなっている、草の根技術協力事業パートーナー型「トンガ王国における口腔保健のアプローチから生活習慣を改善するプロジェクト」(The project for improving adult's lifestyle approach from oral health in the Kingdom of Tonga)における第2回目の現地訪問での活動が紹介されています。 下記URLよりぜひご覧ください。   http://www.spmt.jp/newsletter/201405.pdf + 3.CWAJ奨学金プログラムのお知らせ 一般社団法人CWAJ(College Women’s Association of Japan)の奨学金プログラムについてお知らせいたします。  まず、視覚障害者を対象にした2種類のプログラムについてご案内いたします。 それぞれの対象者は、下記に一部記載しておりますが、その他にも応募資格、条件が細かく定められていますので、詳細は各URLからご確認ください。お問合せ、応募方法についても同様に、下記URLからご覧ください。 @2015年度CWAJ視覚障害学生奨学金(SVI-SJ) 対象者:日本国籍あるいは日本国特別永住権を持つ者(男女)で、2015年度に日本の大学、大学院で勉学する者 http://www.cwaj.org/Scholarship/svi-sj-j.html A2015年度CWAJ視覚障害学生海外留学奨学金(SVI-SA) 対象者:日本国籍あるいは日本国特別永住権を持つ者(男女)で、2015年3月31日までに海外の大学、大学院等から2015年度の入学許可を得て、2015年度に渡航・入学する者 http://www.cwaj.org/Scholarship/svi-sa-j.html  次に、標記団体では対象者を視覚障害者に限定しない奨学金プログラムも募集中です。こちらも応募資格、条件が細かく定められています。詳細は下記URLよりご確認ください。 ■2015年度CWAJ海外留学大学院女子奨学金(SA)         http://www.cwaj.org/Scholarship/sa-j.html ■2015年度CWAJ外国人留学生大学院女子奨学金(NJG)      http://www.cwaj.org/Scholarship/njg-j.html + 4.国連障害者の権利条約批准国情報 ( 関連サイト: http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html )      標記条約批准国の国と地域の数は以下の通りです。                        計:147の国と地域  (2014年6月27日現在) 国連批准国リスト(英語): http://www.un.org/disabilities/countries.asp?navid=12&pid=166 ++ イベント情報 1.第1回アジア太平洋障害フォーラム(APDF)開催のお知らせ APDFは、国連ESCASPが決議した新アジア太平洋障害者の十年(2013-2022)を民間で推進するネットワークです。 国内の障害者団体のネットワーク、日本障害フォーラム(JDF)による本会議への参加者向けのツアーが開催されます。 お問い合わせは、JDF事務局(電話03-5292-7628)までお願いします。 会議日程:2014年11月26日(木)〜29日(土) APDF総会(26日)、APDF会議(27日・28日)、視察(29日) 場 所: メリア ハノイ ホテル(ベトナム) テーマ: 障害者の権利の実現行動促進−2012年の閣僚宣言から2年! ++ 編集後記   今回のメールマガジンでは、重要な役員改選をむかえた今年度総会をご報告しました。JANNETはポストMDGs&SDGsに関する国内の市民社会のネットワークにはいって、障害の視点から議論に参加しています。2015年以降の開発課題(ポストMDGs&SDGs)の大きな目標は貧困削減で、その取り組みの柱となりうるのは1.インクルーシブネス、2.強靭なコミュニティ、3.持続発展性を元に、先の実行準備委員会では、CBRAP会議のテーマを最新版へ変更し、これら3つの柱を会期中のそれぞれの3日間のサブテーマとして全体会、分科会を構成する案が紹介されました。2015年のアジア太平洋CBR会議の開催も目前です。益々もりあがる開催準備に向けて、協力者のご推薦や立候補などを含めて、皆様のご連絡をお待ちしております。 伊藤 智典 ++ JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集 しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/