JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第124号 2013年11月28日発行 ++ 目次 トピックス 1.JANNET研究会「障害インクルーシブな開発とは?」に参加して + インフォメーション 1.南太平洋医療隊、ニュースレター発行のお知らせ 2.国連障害者の権利条約批准国情報 + イベント情報 1.コーヒーアワー「障害と開発」シリーズ開催のご案内(12月12日開催) ++ トピック 1 JANNET研究会「障害インクルーシブな開発とは?」に参加して 弓中 夏子 国際障害者交流センター(ビッグ・アイ) ビッグ・アイ共働機構  JANNET個人会員   2013年10月27日にJANNET研究会「ポストMDGsと障害で話題の障害インクルーシブな開発とは?」がJICA地球ひろばで開催されました。Mobility India所長アルビナ・シャンカー氏と、草の根ささえあいプロジェクト代表理事渡辺ゆりか氏にご講演頂きました。  Mobility Indiaは1994年にバンガロールで設立されました。インド国内外の障害者に質が高く手頃な義肢装具等を提供しており、障がいのある女性達がこの部門の経営・運営を行っています。またインドで初めて国際義肢装具協会の認証を受けた障害リハビリテーションの専門家養成学校を有しています。  Mobility Indiaでは、子どもに社会改革を推進する力があると考えています。インドでは子どもの発言力が低く、子どもの意見は反抗とみなされることもしばしばですが、「子ども議会」を村で組織し、大人に働きかけるよう促しています。行政・学校・障害のある子の親に働きかけた結果、トイレや排水など衛生インフラの改善、移動障害のある子の通学が可能になるなど様々な成果がありました。  Mobility Indiaの設立当初の目的は、障がいのある貧しい人たちがリハビリサービスを受けられるようにすることでした。しかし活動を経て、人が能力を失う大きな要因は機能障害よりも、教育・医療などの基礎的な社会サービスが受けられないことだという結論に至りました。  草の根ささえあいプロジェクトでは、基礎的な社会サービスが受けられず孤立してしまった人々が「社会とつながるのも悪くない」と思えるよう、地道にエンパワーを続けています。彼らが自ら人とのつながりを作れるようになると、地域のつながりが彼らを通じて生まれてくるそうです。「無縁社会」と表現される日本の地域開発の課題は、これらの人々が困難なく暮らしていけるようにする過程で解決できるのかもしれないと思いました。  報告をお聞きして、CBRには人から変化を起こすためのヒントがたくさんあるように感じました。専門家につないで効果が生まれるのは、CBRワーカーが当事者の意欲を引き出しているからで、また住民が社会資源となるのはCBRワーカーの働きかけがあるからだと思います。1人の人にもインクルーシブな社会への変化を起こす可能性があるのだと、励まされる思いが致しました。                                                                ++ インフォメーション 1.南太平洋医療隊、ニュースレター発行のお知らせ JANNET団体会員の南太平洋医療隊がニュースレター第1号を発行しました。 歯科医師の方が中心となり、1998年よりトンガ王国を中心に歯科診療・歯科保健活動をボランティアでおこなってきた標記団体が今年新たにJICAと共同で立ち上げた、草の根技術協力事業パートナー型「トンガ王国における口腔保健のアプローチから生活習慣を改善するプロジェクト」(平成25年8月〜平成28年7月)における最近の活動が紹介されています。詳しい内容は下記URLよりご覧ください。 http://www.spmt.jp/newsletter/201311.pdf http://www.spmt.jp/index.html (団体ホームページ) どうぞよろしくお願いいたします。     +  2.国連障害者の権利条約批准国情報 ( 関連サイト: http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html ) 標記批准国の国と地域は以下の通りです。                 計:138の国と地域  (2013年11月27日現在) 国連批准国リスト(英語): http://www.un.org/disabilities/countries.asp?navid=12&pid=166 ++ イベント情報 1.コーヒーアワー「障害と開発」シリーズ開催のご案内  世銀・日本財団・JANNET共同企画によるコーヒーアワー「障害と開発」が、「障害学生への支援: スーダンと日本の共通点と相違点」というテーマで12月12日に下記の通り開催されます。 スーダンから日本に留学し、東京外国語大学博士課程に在学中の視覚障害当事者のモハメド・オマル・アブディン氏と、日本の障害学生の支援団体の代表を務め、ご自身も障害当事者である殿岡 翼氏のお二人をスピーカーにお招きし、障害学生への支援の実情について、スーダンと日本についてのお話をしていただきます。お二人の話から、開発途上国特有の障害学生が直面する困難さと、先進国であっても変わらない障害学生が直面する困難さの理解を深め、どのようなことができるのか、するべきなのかについて語り合います。 プログラムの詳細は下記URLよりご覧ください。  http://www.worldbank.org/ja/events/2013/12/12/seminar-efa-sudan-and-japan 【日時】 2013年12月12日(木) 午後6時30分〜8時00分 【場所】世界銀行情報センター(1階 PIC東京)  東京都千代田区内幸町2-2-2 富国生命ビル10階 【お申込】下記ウェブサイトにてご登録ください。 http://www.worldbank.org/ja/events/2013/12/12/seminar-efa-sudan-and-japan 【お問い合せ】世界銀行情報センター(PIC東京)  E-mail: ptokyo@worldbank.org  Tel: 03-3597-6650 ++   編集後記   このたびのフィリピンの台風で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、現地の支援活動に入られている方々の無事をお祈りいたします。 先日、「地域防災力の向上」という3日間の研修を受講しました。一般的な防災をテーマとしたものでしたが、障害者や高齢者など、災害時により不利が生じやすい方々への対応をどのようにするか考える上でのヒントを多く得ることが出来ました。また、様々な標識や説明文を平易な日本語にすることで、子供だけでなく、多くの外国人や知的障害者、認知機能が落ちている高齢者の方々に広く対応できることなどにも気が付きました。 トピック1にあるJANNET研究会では、日本の地域福祉の事例からCBRを体現している事例として「草の根ささえあいプロジェクト」が紹介されました。障害者に対する防災対策についても、災害の多い国・日本での経験を、JANNET会員の皆様がそれぞれの活動の中で活かしていければと思います。 宮本 亮平 ++ JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集 しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/