JANNET 障害分野NGO連絡会

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会員/関連団体からの報告・発信

■国連主催の障害者権利条約発効記念行事
「NOTHING ABOUT US, WITHOUT US」

社会福祉法人 日本点字図書館
田中徹二

国連主催の障害者権利条約発効記念行事が、5月12日午後、総会議場で開催された。ハープの演奏のあと、午後1時20分に、経済社会局事務次長のシャ・ズカン氏の司会で始まった。

第62回総会議長の開会の辞のあと、事務総長の潘基文氏が挨拶に立ち、すべての人にとっての人権、開発、社会進歩について述べた。続いて、ヨルダンの王子、パナマ大統領夫人、エクアドル経済社会統合大臣、南アフリカ外務副大臣の各氏がメッセージを述べた。いずれも批准国の代表である。さらに続いて、前出のシャ・ズカン氏と人権高等副弁務官のキュンファ・カン女史が、世界で障害者の人権が認められ、実現していくよう訴えて、国連としての発言が終了した。いわゆる国連として障害者権利条約の発効を公式に宣言する儀式であった。

後半は、国際障害者同盟・障害者権利条約(IDA CRPD)フォーラムを代表してウイリアム・ローランド氏(世界盲人連合会長)などの司会で、同議長のレックス・グランディア氏(世界盲ろう者連盟会長)、エクアドル、メキシコ、ニュージーランド、地域からはハンガリー、バングラデシュ、スペインの代表が、それぞれ権利条約を批准して、具体的な効果のあるものにしていく決意を述べた。

最後に、標題のことば(「我々を抜きにして、我々のことは何も決められない」)を中心に添えたIDA CRPDが発表した声明が、手話を交えて読みあげられた。

終了後、条約採択に当たり大活躍したキキ・ノードストローム(世界盲人連合前会長)に会ったが、「明日のIDAの集まりが重要なのに」と言われた。しかし、日程の都合で残念ながら出席することができなかった。今後、批准の有無にかかわらず、いずれの国においても、障害当事者の動きが障害者の権利を実あるものにしていくだけに、IDAの指導力に期待したい。

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