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出直してよ!「障害者自立支援法」 10・31大フォーラム
よびかけ文


 2006年9月26日


予想以上の重さ・波紋を広げている「負担見直し」
 「私たち抜きに私たちのことを決めないで!」との声をよそに成立した「障害者自立支援法」。今年4月から障害者福祉サービスや医療の「応益負担」が始まりました。

 障害者団体や自治体の各種調査でも、通所やホームヘルプ・ガイドヘルプの利用の断念・抑制、生活費を削る等、予想以上の深刻な影響が出ていることが明らかになっています。トイレや食事、外出など基本的な生活を支える支援や日中・就労活動、生命に関わる医療の利用を「益」とし「応益負担」を求めたことから、障害の程度が重い程、負担が重くのしかかる状況を生み出しています。そうした現実を前に、自治体独自の負担軽減も、9月議会を前後して広がってきています。

 この自治体独自減免制度の広がりは地域からの当事者・関係者の粘り強い運動の結果ですが、他方で「自立支援法」がもたらした「負担の見直し」の理不尽さを証明するものです。


10月全面施行−どうなる?!障害者の暮らし・地域の社会資源
 今年10月からは「自立支援法」の全面施行となり、障害程度区分・審査会による支給決定と、介護給付・訓練給付と地域生活支援事業化の新サービス体系への移行が予定されています。また、補装具や地域生活支援事業等の負担も加わることになります。

 介護保険になぞらえた障害程度区分と審査会による支給決定システムは、障害者一人ひとりのニードに基づく支援の確保を危うくし、地域生活後退の懸念が広がっています。介護保険の79項目をベースにした程度区分調査は様々な矛盾を生み出し、この間の自治体の判定結果でも3分の1が審査会で修正、精神障害者にいたっては半数を超える55%が修正していることが明らかになりました。それでも、未だに、新体系に移行した時に、これまで使っていたサービスの種類や量が制限されるのではないかとの不安は消えません。

 10月からの新しいサービス体系では、移動支援やコミュニケーション支援(手話・要約筆記等)、小規模作業所などが市町村の地域生活支援事業に一括りにされます。障害者の地域生活にとって重要なサービスが自治体任せにされ、サービスの仕組みも利用者負担も市町村ごとで変わります。例えば、移動支援事業の単価が大きく引き下がり、半数以上の事業者が撤退の意向を示している地域もあります。そして、地域生活支援事業は自治体がサービスを充実させようと思えば思うほど、自治体単費でカバーしなければならない仕組みになっています。

 また、「自立支援法」に伴う事業単価の改定や日割り計算方式の変更は、これまで障害者の地域生活を支えてきた通所授産、グループホーム、ヘルパー派遣の事業所を直撃し、その運営を困難にしています。10月からの新サービス体系への移行を前にして、閉鎖するグループホームも出てくる等、障害当事者・関係者に大きな動揺をもたらしています。

 一方、「精神障害者退院施設」や「地域移行型ホーム」が打ち出されてきていますが、もし実施されれば、実際には入院・入所状況にも関わらず名目のみの「退院」「地域移行」となってしまいます。「施設・病院からの地域移行」を真に進めるためには、ピアサポート等の当事者活動、地域での住まいやサービスの確保、退院促進の充実こそが求められています。

出直せ!「障害者自立支援法」 障害者の地域生活を実現する政策・財源確立を!
 「自立支援法」は「障害者が普通に地域で暮らせる社会に」「もっと障害者が働ける社会に」をうたい文句に成立しました。それから、一年経った今、明らかにそれとは異なる状況が生み出されてきており、制度設計が妥当だったのか冷静な検証が求められています。同法は3年後の見直しが明記されていますが、それまでの間にサービス利用や生活が継続できなくなる事態が相次ぐ恐れがあり、早急な見直しが求められます。利用者負担、支給決定、サービス体系といずれも、法の骨格に関わる問題であり、一から見直す必要があります。

 加えて、「自立支援法」の議論の際には、難病等の「谷間の障害者」に関わる障害定義、一人の市民として生活できる所得保障の問題は今後の検討課題となりました。また、世帯単位の負担に見られる扶養義務問題も未解決のままです。

 さらに言えば、この間、生み出されている問題は、国際水準に比べて低い障害者施策関連予算を前提に、その枠内で給付が収まるように介護保険になぞらえた仕組みに無理に組み換えた点に、その原因が求められます。支援費制度で生じた「財源不足」が殊更に騒ぎ立てられましたが、元々の予算見積もりに大きなズレがあったのです。例えば、日本と同程度の国民負担率にあるアメリカと比べても、その2分の1程度の予算しか障害者施策には配分されていないのです。まっとうな予算を障害者施策に配分し、障害者の地域生活実現のためのサービス基盤を整備していくことこそ求められています。

 そのことは、各自治体で障害福祉計画の検討に入っている今、より一層重要です。「自立支援法」施行の影響により、障害当事者・家族、事業者、自治体関係者、いずれもが萎縮した状態に追い込まれています。今年度中に各自治体では障害福祉計画を策定する予定になっていますが、かつてない閉塞感が関係者全体を覆う中、非常に後ろ向きなものになってしまわないか懸念されます。もし、そう
なれば、国全体のサービスの目標値の下降修正−予算の引き下げといった、「負の連鎖」すら起きかねません。そうした事態を打開するためにも、各政党やマスコミ等、社会に広くアピールをしていきたいと考えます。

 「自立支援法」の成立一年を迎える今、あらためて、各地・現場からの声をもとに「自立支援法」施行の影響・実態を明らかにし「自立支援法」の出直しを求めるとともに、障害者の地域生活実現の政策・財源確立を求める共同大行動を、全国各地の皆さんに呼びかけます。


真に障害者の自立・地域生活を支援する制度を確立するために、当事者不在でつくられた「障害者自立支援法」の出直しを求めます

障害者の生活を直撃している「応益負担」の凍結を求めるとともに、障害者本人の実態をふまえた負担への変更を求めます

「できる、できない」ではなく「どのような支援が必要か」という視点から、障害者一人ひとりのニードに基づくサービス支給決定の仕組みとすることを求めます

重度障害があっても地域で暮らせるよう、自治体が支給決定したサービス、地域生活支援事業に対して国が責任をもって財源保障することを求めます

介護、日中活動、ケアホームなど地域生活の社会資源を維持できるよう報酬単価・体系の見直しを求めます

真に「施設・病院からの地域移行」が進むように、「精神障害者退院支援施設」等の撤回と、ピアサポート等の当事者活動への支援・退院促進事業・地域での住まい確保策の充実を求めます

障害の定義や所得保障、扶養義務問題等、手つかずの基本課題の解決を求めます

日本でのノーマライゼーション、施設・病院からの地域移行実現のため障害者予算の飛躍的拡充と地域生活のサービス基盤整備のための特別立法を求めます。


1)「自立支援法」成立一年となる10月31日に開催する、「出直してよ!『障害者自立支援法』10.31大フォーラム」に、一人でも多くの皆さんにご参加下さい。

2)「自立支援法」全面施行が始まる前後の10月、11月を「全国一斉行動月間」とし、各地域で集会や行動を行い、自治体への働きかけと社会へのアピールを行って下さい。

3)各地で地域実行委員会を形成し、10.31大フォーラム全国実行委員会にご参加下さい。

4)「出直してよ!『障害者自立支援法』10・31大フォーラム」を準備・運営していくための資金確保にご支援・カンパのご協力をお願いします。

10.31大フォーラム全国実行委員会
<事務局団体>
 日本障害者協議会障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動実行委員会全日本ろうあ連盟