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見直してよ!「障害者自立支援法」10.31大フォーラム
  アピール



 歴史は私たち市民がつくり、変えていくのである。

 「私たち抜きに私たちのことを決めないで!」との声をよそに成立した「障害者自立支援法」。今年4月から障害者福祉サービスや医療の「応益負担」が始まった。

 トイレや食事、外出などから、コミュニケーション保障という欠かすことができない重要な営み、そして日中・就労活動、生命に関わる医療の利用など生活全般にわたって、それらを「益」とみなし、原則1割の「応益負担」を課した。これまでの障害者施策の大転換であり、多くの障害者に経済的負担が重くのしかかり、日々の生活は壊され、将来への不安がつのりつつある。

 ようやくノーマライゼーションの理念が広がり始め、障害の重い人たちの地域生活の方向性もかすかに見えてきた矢先である。政府は私たち障害者のささやかな望みさえも奪っていこうとしている。私たちの調査では軒並みにサービス利用の抑制傾向が明らかとなっている。“地域社会での自立”ではなく、“地域社会での孤立”が一層進む懸念がある。

 そして“いのち”を支えるはずの自立支援医療の1割負担は、豊かに安心して生きることを阻む。

 介護保険になぞらえた、審査会による支給決定システムには大きな問題がある。支援や介護は、機械的・画一的に認定できるものではない。市民として当たり前に生きていくためのニーズを大切にするという、人間的な視点こそ重要なはずである。

 さらに精神科病院敷地内に、「精神障害者退院施設」や「地域移行型ホーム」が打ち出されているが、見せかけの「退院」「地域移行」であり、許しがたい政策である。

 私たちは、障害者の自立支援どころか、自立を阻害させてしまうこの法律ができた背景には、社会保障・医療保障を一面的にそぎ落とそうとする、誤った構造改革路線が横たわっていると受け止めている。社会保障の要となる生活保護制度の縮減が始まり、障害分野の自立支援法がその先棒かつぎや梃子の役割を果たし、これにより国民福祉の減衰に結びついている。


 そのような中にあって、障害者施策関連予算は国際水準に比べても極めて低く抑えられているのが経済大国日本の実態である。障害者が人間らしく地域社会で生きていけるような社会へと変えていくには、障害関連をはじめ、社会保障・医療の予算配分を、“いのち”や“人権”の観点からきちんと正しくとらえなおしていくことが重要なのである。

 「3年後の見直し」まで到底待つことはできない。矛盾と欺瞞に満ちた「障害者自立支援法」は、今すぐ一からの出直しを図られなければならない。

 2006年10月31日、私たちは歴史の担い手として日比谷に集った。“思い”を声にすることが社会を変えていく第一歩となる。

 私たち障害当事者、関係者、そして多くの市民は、本日ここに集えなかった人びとの想いとともに、「障害者自立支援法」の成立一年を迎える今日、あらためて、「障害者自立支援法」の出直しによる障害者施策の総合的整備を求め、アピールする。


    記

1、 政府はただちに“いのち”“人権”そして地域生活の実現という観点から、障害のある人の実態やニーズ把握に基づいて、障害関連予算の見積もりを一からやり直すこと。

2、政府はただちに「障害者自立支援法」の出直しを図り、原則1割の「応益負担」を中止すること。

3、政府はただちに「障害者自立支援法」の出直しを図り、障害者が地域で人間らしく生きていけるように、支援・サービスの社会基盤整備について立法措置を含めた拡充策をとること。

4、政府はただちに「障害者自立支援法」の出直しを図り、難病や高次脳機能障害を含め、あらゆる障害を法制度の対象にすること。

5、政府はただちに、障害者が地域社会の中で、個人として尊重され、かつ安心して暮らせるように、年金などの所得保障制度を整備すること。

                                            以上

  2006年10月31日
  出直してよ!「障害者自立支援法」10.31大フォーラム 参加者一同
                日比谷野音