10.7 大阪公聴会速記録


  〔参照〕
   大阪地方公聴会速記録
 期日 平成十七年十月七日(金曜日)
 場所 大阪市 新大阪ワシントンホテルプラザ
   派遣委員
    団長 委員長      岸  宏一君
       理 事      武見 敬三君
       理 事      谷  博之君
       理 事      円 より子君
       理 事      遠山 清彦君
                清水嘉与子君
                西島 英利君
                水落 敏栄君
                朝日 俊弘君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   公述人
       大阪府医師会理
       事        中尾 正俊君
       障害者の自立と
       完全参加を目指
       す大阪連絡会議
       事務局長     古田 朋也君
       社会福祉法人プ
       ロップ・ステー
       ション理事長   竹中 ナミ君
       大阪知的障害者
       育成会吹田支部
       事務局長     播本 裕子君
       大阪精神障害者
       連絡会事務局長  塚本 正治君
    ─────────────
   〔午後一時開会〕
○団長(岸宏一君) ただいまから参議院厚生労働委員会大阪地方公聴会を開会いたします。
 私は、本日の会議を主宰いたします厚生労働委員長の岸宏一でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、私どもの委員を紹介いたします。
 自由民主党所属の武見敬三理事でございます。
 民主党・新緑風会所属の円より子理事でございます。
 同じく、民主党・新緑風会所属の谷博之理事でございます。
 公明党所属の遠山清彦理事でございます。
 自由民主党所属の清水嘉与子委員でございます。
 同じく、自由民主党所属の西島英利委員でございます。
 同じく、自由民主党所属の水落敏栄委員でございます。
 民主党・新緑風会所属の朝日俊弘委員でございます。
 日本共産党所属の小池晃委員でございます。
 社会民主党・護憲連合所属の福島みずほ委員でございます。
 以上の十一名でございます。よろしくお願いいたします。
 参議院厚生労働委員会におきましては、目下、障害者自立支援法案について審査を行っておりますが、本日は本案について関心の深い関係各界の皆様から貴重な御意見を承るため、当地において地方公聴会を開会することにいたした次第であります。何とぞ特段の御協力をお願いいたします。
 次に、公述人の方々を御紹介申し上げます。
 大阪府医師会理事の中尾正俊公述人でございます。
 障害者の自立と完全参加を目指す大阪連絡会議事務局長の古田朋也公述人でございます。
 社会福祉法人プロップ・ステーション理事長の竹中ナミ公述人でございます。
 大阪知的障害者育成会吹田支部事務局長の播本裕子公述人でございます。
 大阪精神障害者連絡会事務局長の塚本正治公述人でございます。
 以上、五名の方々でございます。
 この際、公述人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様には、御多忙中のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。本案につきまして皆様方から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の委員会審査の参考にしたいと存じます。よろしくお願いを申し上げます。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、公述人の方々からお一人十分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、これより公述人の方々から順次御意見をお述べ願います。
 まず、中尾公述人にお願いいたします。中尾公述人。

○公述人(中尾正俊君) 大阪府医師会の中尾でございます。
 時間の関係もございますので、早速始めさせていただきたいと思います。
 本年十月五日、政府・与党は今国会に今後の社会保障の在り方にかかわる重要法案として障害者自立支援法を上程されています。従来の障害分野別の縦割りの障害者福祉法を横断的な障害者福祉サービスにする一元的立法です。
 支援費制度は二〇〇三年四月にスタートし、基盤整備の後れなど改善すべき課題も多く残されていますが、自己決定の尊重、選択の自由といった制度理念の下、何よりも障害の重度化、重複化、高齢化等によって深刻な介護実態にあった多くの障害児、障害者、その家族が、新制度の導入を機に積極的にサービスを希望され、活用を広げたことは評価すべき点と言えます。しかし、支援費制度には、障害程度区分に基づく利用契約制に転換した面と、その反面、税方式で応能負担による費用負担や行政的窓口を市町村が行うなど措置的な面と精神障害者が含まれていないことなど、二面性を持っております。そして、二〇〇二年十二月に閣議決定された新しい障害者計画を踏まえ、あるべき障害福祉サービスの在り方を模索するのであれば、三障害を一括する障害者自立支援法を想定せざるを得ないと考えます。
 そして、厚生労働省は二〇〇四年十月に、今後の障害保健福祉施策について、改革のグランドデザインを提案しました。提案している障害者施策の改革のポイントは、これまで身体障害、知的障害、精神障害の三障害においてばらばらに提供されてきた福祉サービスを一元化し、実施主体も市町村に一元化していく、障害者がもっと働ける社会にと、福祉的就労から一般就労への支援を行う、三、地域で限られた社会資源を活用できるよう規制緩和を行う、四、公平なサービス利用のための手続や基準の透明化、明確化を進める、五、増大する福祉サービス等の費用をみんなで負担し支え合う仕組みを強化する五点を挙げております。
 さらに、グランドデザインは、一、障害保健福祉の総合化であり、できるだけ身近な市町村でサービスを受けられる体制を目指す、二、自立支援型システムへの転換、三、制度の持続可能性の確保という三つに考え方をまとめることができます。
 以上の考え方により、政府・与党は、様々な縦割りの障害者立法を相互に関連させて、可能な限りの一本化を図った障害者自立支援法案を提出することになったと考えます。この新しい法律、障害者自立支援法には、精神保健福祉法に基づく福祉サービスや医療給付も当然のことながら入ってきております。
 次に、障害者自立支援法案における見直しとして、次の三点に絞って意見を述べます。
 第一点として、給付体系の見直しがあります。支援費制度の問題点として、市町村の財政格差に伴う地域格差が措置の時代より非常に拡大している点です。また、障害者のサービスは、従来、居宅サービスと施設サービスの二つに整理されていましたが、総合的な自立支援システムの構築のとおり、介護給付と、訓練等給付、自立支援医療、補助具と、地域生活支援事業の三つに再編され、サービスの給付体系が大きく変わることになります。
 自立支援医療費では精神障害者に対する精神通院公費があり、その対象は、精神保健法第三十二条の適正な医療の普及という制度である趣旨を踏まえれば、疾患名ではなく状態像で指定すべきと考えます。精神通院公費の財源確保においてなされるべきことは、平成十四年の在り方検討会の提言にある対象者や医療費請求の適正化に行政が積極的に取り組むべきだと考えます。
 第二点として、手続の見直しがあります。障害者自身がサービスを選択でき、障害程度区分に基づき支援限度額の範囲で最大限利用する人と、権利性を十分主張できなかった知的障害者や支援費制度に含まれていない精神障害者との障害格差が著しく増大した点です。介護給付、訓練等給付の利用手続も従来と比べて大きく変わり、相談支援事業、ケアマネジメントが新たに制度化されます。障害者が制度利用を進めるために情報提供や助言等が積極的に行われることを期待します。
 しかし、市町村における相談支援にかかわる基盤整備が大きく後れており、現状のままでは十分に機能するのか懸念されます。また、障害程度区分とそれに基づく支給決定は、心身の状況や生活環境等を踏まえつつ、介護給付、訓練等給付はそれぞれの調査項目に基づきチェックされます。介護給付については、コンピューター処理による一次判定、さらに医師意見書等を市町村審査会に送付して二次判定を行い決定されることになっています。二〇〇四年に障害程度区分認定試行事業が行われました。調査結果から、コンピューターによる一次判定は精神障害者の介護度を実際よりかなり低く判定することが判明しております。医師意見書や審査員の委員構成により二次判定の結果が大きく左右されている点より、障害程度の統一的判断基準を示す障害程度区分判定モデル事業には多くの問題点があり、早急な再検討が必要と考えております。
 第三点として、負担の見直しがあります。
 支援費制度の問題点として財源不足があり、財政的には裁量的経費であることから制約もありました。そこで、費用負担を一割負担という定率で、ただし低所得者への配慮は不可欠です、障害者自立支援法案では都道府県のみならず実施責任のある市町村が障害福祉計画を法定義務的に定め、それによって義務的経費化する必要が生じました。厚生労働省は従来補助事業であった居宅サービスを義務負担化するという国の財政責任を明確化しており、その点は大変評価できます。しかし、広く国民に理解され制度を安定的に運営するために、施設利用者に対しては一割の応益負担以外に食費や医療費等が全額自己負担となり、個室利用料などいわゆるホテルコストも具体化されようとしています。
 障害者が利用されるサービスは益ではないのです。障害を持たれた方にサービス量と所得に着目した負担と表現を変えてきておられ、低所得者への配慮と言われておりますが、障害者の負担がかつてなく大幅に増加することを危惧しております。従来、前年度の所得に応じた応能負担制度によって多くの障害者が無料あるいは低料金でサービスを利用できていたことを考えると、所得保障など解決すべき点を放置して強行されれば障害が重い人ほど負担が重くなります。その結果、負担ができない障害者はサービス利用を断念するといった問題も心配され、親、家族の負担を増やし、障害者の自立への道を大きく阻むことになりかねないかと懸念しております。
 障害者への自立支援は、社会参加や社会経験の拡大、家庭支援や子育て支援、知的障害などへのコミュニケーション支援、適正な医療の普及など、障害者の特性と実態に基づく総合的な社会的支援の視点が重要と考えます。
 以上です。

○団長(岸宏一君) ありがとうございました。
 次に、古田公述人にお願いいたします。古田公述人。

○公述人(古田朋也君) 障大連の古田と申します。今日は貴重なお時間いただきまして、ありがとうございます。
 時間が限られておりますので、私どもが強く懸念している課題についてざっと御説明させていただきます。お手持ちの資料に沿ってまいります。
 まず、障害程度区分判定についてですが、判定等試行事業、大阪では大阪市と枚方市で実施しております。三枚目、四枚目がその概要、結果概要なんですけれども、この障害程度区分判定は身体機能、問題行動ばかりが並べられた判定項目になっておりまして、特に知的、精神の障害にはそぐわないという結果がこの結果を見ても明らかになっている。知的、精神のほとんどすべてのケースで一次判定から二次判定に移るときに一ランクから三ランクも大幅に判定がアップしております。また、精神の、非該当になってしまった人が三割になっています。これは、全国調査でも変更率は五〇%、精神の非該当は三〇%という結果が出ております。
 これを見ても分かりますように、知的、精神ではほとんど判定のやり直しになってしまうということになります。一次判定の判定項目が全然実態に合っていない、ニーズに合っていないということを物語っております。このまま判定事業をやっていけば、知的、精神の判定はすべてやり直し、とても審査会では賄い切れないというような結果になるかと思います。三障害それぞれに合った判定項目を是非とも作っていただきたいというふうに思います。
 それから、地域生活、自立生活を知らない人が調査員や審査会委員になれば判定が低く出てしまったり、全然調査結果にも特記事項にも書かれないというような、そういうふうな結果になるということが今回の試行事業でも明らかになっております。是非とも障害当事者や地域生活支援センターが必ずその判定の過程に関与できるようにしていただきたいというのが二点目です。
 続いて、ホームヘルプですが、大阪では自立生活をしている全身性障害者、ALSの人など、長時間介護の利用者が大変多くおられます。障害程度区分ごとに標準額を設けると言われておりますが、その額が幾らになるのかということが私ども障害者にとっては死活問題になります。
 現在の国基準、全身性障害で月百二十五時間以上の介護は今保障されていますけれども、それが、標準額を上回るところはもう自治体で負担と言われれば大変なことになります。自治体で負担するといっても、何億、何十億ものお金が自治体に押し付けられてくるという事態になりますし、また、今では区分によって余った予算をほかの足りない区分に回せるという区分間流用ができているんですが、それもどうなるのか分からないというような状態になっております。
 そういうふうに、標準額の問題が非常に大きな問題となりますんで、今、先進自治体、大阪などの先進自治体の現行の実績時間数を基に標準額を設定していただきたい。
 それから、各自治体で今後延びる時間数も含めて実績額を義務的経費化していただきたい。特に地方などでは、標準額が定められてしまえば、それが上限になってしまうというおそれが強くあります。その点もよろしくお願いしたいと思います。
 また、移動介護ですけれども、大阪は国で制度化されるよりも前に知的障害者のガイドヘルプが制度化されてきました。そのために利用者が大変多くおられます。大阪市では、移動介護、月五十一時間までです。そんなに多く使っているわけではございません。利用者が多く、平成十六年度の実績では、恐らくガイドヘルプの予算、二十八億だろうと言われております。そのうち約半分の十三、四億が国の負担となる模様です。
 ただ、一方で、来年度の概算要求で、地域生活支援事業、移動支援ですとか相談支援事業とか含めた地域生活支援事業は、来年度の概算要求、半年で二百億、年間で四百億にしかすぎません。これを大阪市と全国の人口換算で見てみますと、大阪市に入ってくる分は地域生活支援事業総額でも八億ぐらいになるんじゃないかというおそれがあります。それでは、移動介護だけでも十三、四億掛かっているわけですから、それだけでも赤字になってしまう。あとの部分を補てんしろと言われても到底無理な状態になります。
 移動介護や移動支援すべてをやはり個別給付に入れて、義務的経費化を是非お願いしたいというふうに思います。
 また、今年四月からスタートした行動援護では利用がほとんどない模様です。単価を上げたために、かなり狭く、問題行動に着目したひどい項目で、国会でも質問していただきましたけれども、そういう判定基準をまず見直していただきたいのと、まあ差別的な内容を含んでおりますので、それを見直していただきたい。
 それから、重度訪問介護のような、長時間利用ができるような制度に是非していただきたいというのが私ども知的障害者の団体からの声でもあります。その点も是非お願いします。
 それから、移動介護以外の地域生活支援事業各施策についても後退しないように予算確保をお願いしたいという点です。
 それから、グループホームですが、今現在、重度、中軽度者が混じって生活する地域生活の場、居宅扱いですが、これが今後も生活も、生活水準、仕組みが維持できるのかという問題があります。グループでは生活しておりますが、一人一人の生活を個別に対応してつくっている。それが何か集団生活の枠に押し込まれそうになっております。大阪では四人入居のグループホーム、七〇%を超えております。ただ、入居者何人対職員一人という予算とも絡んだ額は明らかにされておりません。知的のグループホームでは一対一対応が必要な人もおられ、最重度者には一対一の職員やヘルパーの配置が必要です。また、現行三、四人に一人の職員が配置できるような報酬額にしていただきたいと思います。精神のグループホームは今、年三百万でしかありません。これ以上下がってしまえば維持できなくなります。
 また、日払い制ということも言われていまして、日によって何人おるかカウントして補助額を決める。そうしたら、入院中は、入所施設はカウントしてくれるけれどもグループホームではカウントされないように言われています。そうしたら、そこから補助額は下がります。入院もうしてくれるなというふうな話になるかもしれません。
 また、ホームヘルプやガイドヘルプが使い続けられるのか。ホームヘルプは、グループホームでは使い続けられたとしても報酬の枠内でという話もあります。ホームヘルプを削減されると生活していけません。グループホーム報酬とは別に併給するようにしていただきたい。
 それから、三障害統合と言われていますけれども、精神、知的だけしかグループホーム、ケアホームございません。身体障害者は認められていない。身体障害者はグループホームを選べない状況になっております。その点も改善をお願いします。
 それから、日中活動の場ですけれども、自立訓練、就労支援等、訓練だけに限定しないでいただきたい。
 それから、原則二十人以上と言われているみたいですけれども、そうなると、ほとんど場は移れません。おおむね一年の訓練で追い出すようなことも言われています。その辺も考慮をいただきたい。
 それから、地域活動支援センターについても、今の小規模通所授産を少なくとも下回ることがないようにという点です。
 それから、費用負担については、一万五千円、二万四千六百円というような上限、これが上限だと言われながら、これらは介護給付と訓練等給付の負担上限でしかなく、医療費、補装具、地域生活支援事業は別負担やというふうに言われています。一体、総額で幾らまで負担しなければならないのかということが強く懸念されております。
 また、生活保護利用者は負担ゼロですが、年金と工賃程度、それ以下の年金、工賃程度の人からお金を取るのは明らかに矛盾しております。少なくとも生活保護以下の所得の人からは費用負担をしないでいただきたいと強くお願いします。
 また、政省令も現在できてきているみたいですけれども、これが全然隠されていて明らかにされておりません。即時公表して、それを障害者に教えていただきたい。それを基に徹底して国会で審議いただきたいというふうに思います。
 また、最後になりましたが、現行のサービス、大阪では頑張ってきましたけれども、これが少なくとも引き下がらないように、地域生活支援事業も含めて引き下がらないように、それからサービスがまだまだ後れている自治体がちゃんと伸ばせるようにしっかりとした制度をつくっていただきたいというふうに思います。
 どうもありがとうございました。

○団長(岸宏一君) ありがとうございました。
 次に、竹中公述人にお願いいたします。竹中公述人。

○公述人(竹中ナミ君) プロップ・ステーションの竹中と申します。よろしくお願いいたします。
 私は、今回の法案の細かい内容ではなくって、働くという視点からのお話を、考え方について今日はお話をさせていただきたいと思っています。
 私たちプロップ・ステーションは、大変障害の重く介護が必要な人たちも仲間として集まって、コンピューターのようなITですね、科学技術を使って自分の力を社会に発揮していこうということで十五年前に設立いたしました。おかげさまでこの十五年間、大変IT技術の発達等により、またそういったITの企業等々の御支援も受けながら、多くの障害を持つ方々がお仕事ができる状況を生み出してまいりました。
 そして、昨年の、前回の廃案に、この自立支援法は廃案になりましたけれども、実は大変重要な法案がこの間の国会で成立をいたしました。それは、私たちが働くということを視点に置いて活動を進めてきた一つの大きな望みでありました障害者雇用法の抜本改正です。
 今までの雇用法の場合は、企業にあるパーセンテージ雇われるということに主眼が置かれていました。もちろん、これによって働ける障害を持つ方々が増えてきたことは事実ですけれども、介護が必要であるとか毎日通えないとか、あるいは、そうですね、短時間あるいは季節ごとにしか、体調のいいときしか働けないというような方々にとってはこの法律も働くことを後押しするものではありませんでした。
 しかし、私たちの長年の活動、あるいは私たちと同じような活動を続けてこられた多くの障害者の皆さんたちの頑張りと努力でいろんな働き方ができるんだということが国にも認めていただきました。私たちは、昨年、この間の国会に雇用法の改正が提出されるまで六年間にわたり国といろいろな研究会を設けて、在宅ででも働ける、介護を受けながらでも働けるということを議論し、そして衆参両院ですべての政党の皆さんの御賛同を得て実はこの多様な働き方、新しいいろんな働き方も創出していこうという雇用法が成立したんです。
 ただ、残念なことに、この法律の成立に関してはほとんどどのマスコミも取り上げてくださることなく、今この自立法案に対して、しかも反対という、負担が増えるというこの一点だけに絞って多数のマスコミの方が報道されていることは大変残念に思ってなりません。
 私がその働くということになぜ注目してきたかと申しますと、私、娘が三十二歳になりますけれども、重症心身障害ということで、視覚も聴覚も言語も身体も、そして精神も全く赤ん坊の状態です。三十二歳の現在も、まだ私のことをほとんど母親というふうには認識をしておりません。世の中から見ると、彼女のプラスのところは何もないように見えますけれども、私にとっては非常にいとおしくって、必ず生き抜いてほしい、私が先に死ぬことがあっても社会から守られてほしい娘です。
 そのような娘のような人たちが、この世界一のスピードで進む高齢化の日本において、決して子供だけではなく、お年寄りの中にも増えてきます。そうしたときに、私は、娘を通じて出会ったたくさんの障害を持つ方々の中にある可能性と、そしていろんな力というものに着目をしました。欠点のところやできないところやマイナスのところに着目をするのではなくって、その人の可能性を全部世の中に引き出して、そしてそれを収入という形で、働くという形でつなげていくような活動をしたいなと思ったわけです。
 そして、一人でもたくさんの障害を持つ方々が持たない人と一緒になって私の娘のような存在も守っていただきたいなと思ったのが、実はこのプロップ・ステーションの活動の大きなきっかけでした。私は、やはり親として彼女を残して安心して死にたいと思っております。そして同時に、彼女を通じて出会ったたくさんの障害を持つ方々が、その人たち一人一人の能力の部分あるいは可能性の部分に着目されることがない、そして着目することの少ない法律ばかりしかない中に生きてこられたということは大変残念です。
 ですので、私は、是非この雇用法の改正というものをもう一度皆さんがよく考えていただきたいと思います。そして、この改正によって負担を何するものぞと、負担があっても当たり前じゃないかと、私たちは負担のできる人たちなんだと言えるような、そんなたくさんの働く場を得られるように、そして働ける人たちが生まれてくるように是非していただきたいというふうに思っています。
 今日こうやってお集まりのたくさんの障害をお持ちの皆さん方も、ここまでいらっしゃり、そしてサポーターの方と御一緒に発言をまとめられ、そして御意見を堂々と述べておられます。そして、こういった皆さん方の活動にもITというのは非常に大きな役割を果たして、連絡をし打合せをしておられます。そういった方々が障害者としてだけの位置付けではなくって、本当に社会の中で堂々と構成員の一人として、働ける人として誇りを持って、サクセスもつかんでいけるような、そういった法案に雇用法の改正とこの自立支援法の両方の成立によって近づけて、持っていっていただきたいなと切に願うものです。
 おかげさまで、私の娘は今国立の療養所、重症棟でお世話になっております。ただし、私も離婚をしまして、娘が病院にお世話になる前はもうほとんど生活が困難なような状況で、娘の年金に、恥ずかしい話ですが、食べさせていただいていたような時期もありました。ですけれども、おかげさまで少しずつ私もこの活動の中で収入を得られるようになり、そして今、無料であった施設が彼女の食費が要るというような状態になりました。ですけれども、私は、これは当たり前のことだと思っています。私が育てていたときも彼女に食べさせていたわけです。
 そういう意味で、彼女が今社会的に守られて食べさせていただいているということに対して、私が対価を払うということは当然だと思っております。豊かな生活ではありませんけれども、やはりみんなが少しずつ支え合ってこの社会を構築していかない限り、若い人が減り、そして高齢者が増える、あるいは介護の必要な人が増える、この日本というのは決して維持できないんだと。維持できなくなったときに最初にやはり切り捨てられていくのは自分の娘のような状態ではないかと思ったときに、私は本当に一人一人の能力が世の中に引き出せる、そんな日本であっていただきたいと思います。
 今日は関西でこのような公聴会開いていただいたこと、大変感謝いたします。
 ありがとうございます。

○団長(岸宏一君) ありがとうございました。
 次に、播本公述人にお願いいたします。播本公述人。

○公述人(播本裕子君) 私は、大阪知的障害者育成会吹田支部、播本と申します。
 私は、息子が、重度の知的障害と自閉性障害を併せ持つ二十三歳の息子を持つ母親として今日は発言させていただきたいと思います。
 特に、自立支援法ということですから、私の息子にとっての自立がどういうものであるか、また一番、いろいろ私は感じてはいるんですけれども、限られた時間ですので、この応益負担についての問題点についてお話しさせていただきたいと思います。
 私は、実は重度の知的障害って分かったときに、息子が自立できるというそういう感覚を持ってませんでした、恥ずかしいことですけれども。ですけれども、息子が高校生ぐらいになったときに、彼は本当に重度ですから、片言、片言までもいきません、片言までもいかない体と、それからその片言の言葉とで、お母ちゃんから離れたいんだということを私に伝えてくれました。
 それはどういうことかというと、彼は、こういう場でお話しするのはどういうか、どうかとは思いますけれども、例えばトイレに行った後に私に始末をしてもらわなければならない。だけれども、私に始末をしてもらうには近くに寄ってほしいんだけれども、だけどお母ちゃん近くに寄らないで、うっとうしいということがあるんですね。そういう矛盾を抱えた生活ですから、とりわけ知的に遅れている彼が頭の中で整理することは非常に難しいことです。彼はどう言ったかというと、私におしりを突き出しながら、ママナイナイ、ママナイナイって言いました。本当に悲しかったです。私は、ママナイナイなんて言われると思わずに、彼一辺倒の生活をしてきました。だけれども、彼からそういう、ママナイナイって言われました。
 そして、彼はそのうちに、自分はお母ちゃんがうっとうしいから、施設、施設といってもそのころはショートステイのことですけれども、ショートステイに僕を行かしてくれという意味のことを言いました。それはどういうこと、どういう言い方をするかというと、ママナイナイ、ジョ、パド、ブブって言うんですね。この言葉は皆さんからお聞きになったらお分かりにならないと思いますけれども、これは彼が必死になって、常照園という施設に僕はパジャマを持っていきたい、パジャマを持っていきたいということは、もう帰りたくないんやって、お母ちゃんから離れたいんやという意味なんです。そして、その上で、だからおれは長いことずっと行きたいからブブを運転してくれって、そこがちょっと知的に遅れている悲しいところなんですけれども、そういう言い方で私に、お母ちゃんから離れたいんや、おれも独り立ちしたいんや、お兄ちゃんと同じように独り立ちしたいんやという意味の要求を出してくれました。
 私は、じゃ、彼にとって自立ってどういうことかと考えましたけれども、彼の自立って本当は、じゃ親から、親から離れて暮らすって、今の現実の中では知的障害者入所更生施設かグループホームが当たるんですが、何しろ、先ほどから申し上げていますとおりに、おしりもふいてやらなければいけないような子供です。二十四時間何を、急にこういうところを走り回るような子供です。そういう子供をグループホームで、今の制度の中では預かっていただけない子供です。ですから、それは入所更生施設という方向を選びました。
 で、私自身も、もうそういう多動の息子ですから、その当時はもっと、今、こんなに太っていませんでした。がりがりにやせていました。夜も寝れませんでした。夜は私は、息子を育てている中でパジャマというものを着たことがありませんでした。私にはパジャマというものがありませんでした。いつ起きなければいけないか分からない、そういう中で、いつ追い掛けても大丈夫なように普通の服を着て、それからドアのかぎをポケットの中に忍ばせて、それで寝ているような毎日ですから、ですから、体の方ももうやっぱり随分弱っていました。
 で、そういうことで、私は入所施設に幸いにして入れることができたんですけれども、その中で私は予想しなかったほどの彼の成長を見せてもらいました。で、彼はそういうできなかったこと、きっときっと随分苦労したと思います。トイレなんか何とか始末できるようになりました。
 それから、今まで自分で選ぶことができなかったいろいろな場面で、どうしたらいいか、どっちにするかというような生活の場面、本当に基本的な基本的な、じゃ、今水飲む、お茶飲むというので、お茶欲しいとか水飲むという、その程度のことかもしれませんが、そういうことすら選べなかった彼が選べるようになりました。
 それから、彼は病気をたくさん持っています。例えばぜんそく発作が起きる。で、ぜんそく発作が起きたとき、私がいつも、それは夜、こちらが先に気が付いて病院へ連れていったり入院させたり、そういうことをしていました。てんかん発作も起きています。てんかん発作は急に起きてしようがないものだと思っていました。ところが、彼は入所して親から離れて自立した生活をする中で、自分で発作が起きそうになったら起きて事務所のドアをノックして知らせられるようになったんですね。これは彼にとっての大きな自立だと思います。自分の体の主人公になれる、それから自己決定ができる、これが大きな私たちの重度の知的障害を持つ子供たちにとっての、若者たちにとっての自立ではないかと思います。
 そして一方で、非常に今の制度の中では入所施設の中できちんと労働を保障するということは大変な、並大抵な努力ではなかったので、ないと思うのですが、私の息子の行っている施設では非常な努力をしてくれまして、いろんな作業をきめ細かく用意してくれています。四年間たちましたけれども、彼は最初は本当に軽作業でした。半日労働でした。で、その中に入ることも大変でした。でも、今年からはどんな仕事をしているかといいますと、のこぎりを持ってまきを作るような、廃材のくぎを抜くような、そんなことまでできるようになりました。普通の方から聞いたらこれは大したことじゃないかもしれませんが、こういう、例えばテーブルの上を跳んで回るような、そういう障害を持つ子供がそういうふうにできるようになるということは大きな自立だと思いますし、そのことが、彼はどうなったかといいますと、おれは大人なんだっていう非常にプライドが高く持てるようになりました。
 私はいつまでたっても親ですから、親から離れて暮らすことに何かかわいそうに思って、時々、たけちゃん頑張ったねみたいなことを言うんですが、そうすると彼はどうするかというと、大人やからそういうことはするなということで、ぱっとはねます。そこまで私は自立できたんだと思っています。私は、こうした中でこういう姿になれたのは適切な介護があってからこそ実現できたことだと思っています。
 こうした中で、私は応益負担になるということは非常に悲しく思っています。私の息子の作業工賃は一か月千円ぐらいです。千円足らずだと思います、昨年の年収が一万円ぐらいでしたから。それと、あと一か月八万二千七百五十八円の基礎年金だけです。その中から、いろいろ計算しましたら、厚労省の出していらっしゃるモデルケースで計算してみますと、おおよそ八万三千円ぐらいの負担になります。これでは何のためにうちの息子が頑張って自立しようとしているのか分からない制度ではないでしょうか。
 それと同時に、一級年金もらっていたら高くなる、それから障害が重ければ重いほど高くなる、施設の場合は一緒ですけれども、高くなるという、こういう基本的な、こういう制度は本当に納得がいきません。一級年金はなぜ一級年金なのか。障害ゆえの費用が掛かるから一級年金だと思います。この利用負担をしなければいけないから一級年金ではないと思います。
 それから、重度の、障害が重ければ重いほどお金をたくさん、利用料をたくさん出さなければならない。これはまだ、親は必死になって仮に頑張ったとしても、本当に私が死んだ後、それが兄弟に掛かっていったりするのではないかとか、そういう不安を非常に抱えています。私は、子供に対して、何か、障害を持った上にこの罰金のような利用料はちょっと許せないなと思っています。私は、払えなければ親や兄弟がこうした自立生活を進めている息子を引き取らなければいけない状況になるのではないかと思うと、非常に心配で心配で不安な思いで一杯です。これは、むしろ自立支援法とは言えず、自立できない法案と言わざるを得ないと思います。どうぞ自立できるような法律を決めていただきたいと思います。
 以上です。

○団長(岸宏一君) ありがとうございました。
 次に、塚本公述人にお願いいたします。塚本公述人。

○公述人(塚本正治君) 大阪精神障害者連絡会事務局長の私、塚本正治の方から意見を述べます。
 かつて明治時代、精神科医の呉修三は、我が国の精神障害者を取り巻く状況をこう語りました。病にかかった不幸とこの国に生まれた不幸が存在すると。私は障害当事者として、私たち精神障害者の現在、過去、未来に思いをはせながら、障害者自立支援法案に対する反対の意見表明を以下行っていきたいと思います。
 一つ目は、自立支援医療についてです。
 そもそも、精神保健福祉法の中に第三十二条として位置付いている通院公費負担制度を何ゆえ廃止し、障害者自立支援法案の中に自立支援医療として抽出する必要があるのか、大きな疑念があります。
 元々、通院公費負担制度は退院患者の地域における管理制度として出発したものですが、現在のありようは、全国二百五十八万人と言われる精神障害者の通院を保障するものとして機能していると言っても過言ではないでしょう。言わば、精神保健福祉法の中の根本的な制度です。通院医療公費負担の適正化のあり方に関する検討会の中間報告の中でも、通院公費負担制度の意義について確認されています。なのに、なぜ。精神保健福祉法の根本的な制度の一つに国は手を付けるのですから、少なくとも国は、どのくらいの所得の精神障害者がどの程度この制度を利用しているのか、そして、それが一割負担、三割負担になれば精神障害者の通院にどの程度影響を与えるのかということを具体的に明らかにする義務があると思います。
 誤ったデータはもう御免です。私たちはありのままを知りたいし、しかし、もし国がそのようなものを持ち合わせていないとするならば、国自らが通院保障の制度の破壊に手を染めたと言っても過言ではないでしょう。
 自立支援医療へと制度移行すると、制度利用には所得制限が設けられます。また、対象となる病名も制限されます。煩雑な役所手続も導入され、利用する医療機関も制限される見通しです。所得と言う限りは、当事者個人の所得と言えるものとすべきです。生計を一にするという概念では、家族の扶養義務が結果として残ることになります。
 そして、自立支援医療の対象が病名によるものというのはどのようなデータに基づいているのか、明らかにしてほしいのです。この病名というのは、統合失調症、狭義の意味の躁うつ病、難治性てんかんと今は言われています。はっきり言って、所轄の役所が計画化したものとは思えない素人の作文です。通院を保障する制度ならば、病名ではなく本人の状態に基づいて安定的に通院を保障しなければ、地域生活の破綻につながる場合に適用できる制度にするのが政策的な妥当性というものではないでしょうか。
 また、減免制度も用意されているようですが、一か月の上限二千五百円と五千円の二つのパターンがありますが、これも何のデータに基づいているのでしょうか。二千五百円や五千円を払うことが苦しい精神障害者を救済する制度はないのでしょうか。
 私たちが一番危惧することは、医療現場で自己負担の増を告げるのは現場のソーシャルワーカーたちであり、突然自己負担の増を告げられた精神障害者の戸惑いや不信感は現場のソーシャルワーカーたちに向けられるということ、そして医療現場に混乱が生じ、それを引き金に医療中断が起こり、体調を崩し入院を余儀なくされたり、最悪、自殺へ向かっていくことが起きるのではないかということです。この危惧に対する納得のいく説明をする義務を国は負っていると思います。
 二つ目に、障害程度区分認定についてです。
 この間、全国で障害程度区分判定のモデル事業が行われました。私は大阪市、枚方市のモデル事業の結果を知りましたが、国の打ち出してきた障害程度区分判定という手法のずさんさを実感しました。基本調査と呼ばれる第一次判定で、精神障害者十人中四人が非該当という結果が出ています。十人とも、現在精神福祉サービスを利用している当事者であるにもかかわらずです。市町村審査会と呼ばれる第二次判定での要介護度の変更も八割を超えています。この結果をどう見るということですが、何より第一次判定と第二次判定の大きな格差こそ、精神障害者への障害程度区分判定の問題が存在すると思います。
 私たち精神障害者は、いわゆる体調の波、状態の波というものがあります。つまり、日々の生活の中で状態の移り変わりがあり、その状態ごとの生活障害があるということ、ある日できたことが次の日はできなかったり、その逆もあります。こんなことは精神保健の取組のイロハのイですが、ADL判定基準では精神障害の程度の判定は困難であるか、できないのです。しかし、国の基本調査ではADL判定が基準となっており、障害ごとのサービスから三障害統合のサービス体系という障害者自立支援法案のキャッチフレーズのメッキがもうはがれ落ちているだろうと私には見えています。
 何よりも、基本調査の全回答項目について、できる、できない、又は見守り、一部介助、全介助という既存の回答項目を、できないときが時々ある、できないときが頻繁にあるということを設定した上で、それぞれの状態のときに、見守り支援が必要、一部相談支援が必要、かなりの相談支援が必要と即刻改定すべきです。また、精神障害者の障害特性に十分配慮した設問項目、睡眠、薬の副作用、体調の移り変わり、病や障害の受容、状況への対応、時間の過ごし方、外出等社会参加、現在と将来への希望、退院への意欲等を盛り込んでいく必要があります。
 もう一次判定のコンピューターソフトを改定する時間がないという問題ではないのです。障害程度区分判定について十分な議論なしに三障害統合のサービス体系をつくることなどできるはずもありませんし、ここを先送りして自立支援法案が国会で成立し実施されるならば、精神障害者は三障害統合のサービス体系のキャッチフレーズのだしにされただけという感は否めません。
 三つ目に、私たちが行った千人アンケートから見えることを述べます。
 本日資料として配付させていただきました千人アンケートの現時点の集計から二つ述べさせていただきます。
 本アンケートについては、八月八日より当会が開始したもので、対象は任意でない精神障害者本人で、複数回答ありという形態のものです。九月二十日現在の二百八十九名分の集計です。
 ないと困る個別支援という項目では、一番多いのは、安心して暮らせるお金が一番多いのです。これは所得保障をどう施策化し具体的に進めていくのか、切実な国への求めです。無年金の者に対する充実した救済施策、障害年金の充実、そして障害者雇用の抜本的改革が必要だろうと思います。何より障害者雇用の、障害者の就労を妨げている欠格条項を即時撤廃すべきです。そして、精神障害者を障害者雇用の対象に入れることはもとより、障害特性に配慮し、週二、三日から、一日二、三時間から働きに出れる雇用形態を創出するために国は経済界に対し強く介入すべきです。なぜなら、所得保障なき定率負担というのは、現代という皮をかぶった棄民政策だからです。
 二つに、ないと困る個別支援の集計では、ホームヘルプ、ガイドヘルプ、作業所や地域生活支援センターの相談支援機能の充実と、そこに当事者活動やピアヘルパー、ピアサポーターを具体的に位置付けていくことが求められています。ピアヘルパーやピアサポーターは、精神障害者本人にとって、自分の病の体験を生かしつつ退院促進や地域生活の支援という側面で、就労するという大きな可能性を持ったものです。
 最後になりますが、公営住宅法における精神障害者の単身入居を認めないという欠格条項の即時廃止、精神病棟のケアホームへのくら替え禁止、グループホーム施策の充実と住宅施策の充実を強く国に求めるものです。安定して住める家なくして安定して豊かな地域生活など存在しません。私たちのことを私たち抜きには決めないでください。そして、病にかかったという不幸とこの国に生まれたという不幸をもうこれ以上味わわせないでください。
 以上です。

○団長(岸宏一君) ありがとうございました。
 以上で公述人の方々の御意見の陳述は終わりました。
 それでは、これより公述人に対する質疑を行います。
 なお、委員の質疑時間が限られておりますので、公述人の方々には御答弁を簡潔にお願いいたします。また、御発言は、挙手の上、私の指名を待ってからお願いをいたします。
 なお、質疑者は、答弁をお願いする公述人を指定の上、質疑をされるようお願いいたします。
 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。

○西島英利君 本日は、それぞれの立場で貴重な御意見をいただきまして、お聞かせいただきましてありがとうございました。
 幾つか質問をさせていただきたいと思うんですが、まず第一に、それぞれの立場で御意見いただきたいと思うんですけれども、それは自己負担金の問題でございます。これ、一番大きい問題として、私のところにも様々な諸団体から御意見をいただいております。
 それで、今回、今までは世帯の所得という形でそれぞれの低所得者対策等々が行われてきたわけですが、今回のこの改正の議論の中で個人の所得、まあ配偶者がおられたら配偶者の所得も含めてということになりましたけれども、同じ屋根の下にいても個人の所得と、障害者個人の所得という形になったわけでございますが、これに対しての評価をそれぞれ簡単にお教えいただきたいと思うんですけれども、まず中尾公述人からお願いいたします。

○公述人(中尾正俊君) 中尾でございます。
 自己負担に関しましては、やはり世帯よりも障害を持たれた個人の方の所得に応じて自己負担を決定していくということが大切ではないかというふうに考えます。

○西島英利君 評価はしていただけるということですね。
 じゃ、古田公述人お願いします。

○公述人(古田朋也君) 今、同居していても、保険とか被扶養者でなければという条件で別世帯ということでカウントできるということですけれども、まず費用負担の問題は、随分前からやっぱり応能負担でずっと来たわけなんですね。それがなぜ応益負担になるのか。これは、高齢者の今までの資産の蓄積とかとは全然違う、小さいころからずっと障害を持ってきて、年金だけしか持っていないという人がまず応益負担に当たるのかどうかということをやっぱり一から議論すべきやったと思います。
 それで、もし、今からなかなか修正ができないとか言われますけれども、ここに私の方で書きましたように、まず上限と言われているけれども、それだけじゃなくて、何かこう、これは別料金、こっちは別料金ですよという、何かぼったくりみたいな話になってきているように思うんです。介護給付と訓練等給付だけが上限で、あとは別料金ですよという話はおかしいだろうというふうに思いますし、また、あと生保利用者以下の所得の人からはもう徴収すべきでないというのをまず明らかにしていただいて、それから、世帯についても障害者本人のみにもう限定する。その被扶養者になっているかどうかも含めて、やはりそれも被扶養者から外れたら何万も負担がやっぱり上がってしまうような例もあるわけですよね。だから、それも含めて、もう障害者本人所得に基づくというような観点でお願いしたいというふうに思っております。
 今までも、なぜ障害者本人に合わせてきたのかということは、施設費用徴収の時代から、もう二十歳以上の人から、親から金取るなというような議論がありましたし、社会参加を進めるためにガイドヘルプとかはお金を取ってはいけないみたいな話で制度化がされてきた経過がありますが、そうした経過を全然今回は無視して進めようとするのはやっぱりおかしいなというふうに思っています。そやから、更に踏み込んだ議論をお願いしたいというのが私どもの立場です。

○西島英利君 竹中公述人お願いします。

○公述人(竹中ナミ君) 私は評価する立場です。そして、先ほども申しましたように、その負担が恐るるに足らずというような状況を自分たち自身でつくっていかねばならないと思います。私自身、重症心身の娘の扶養者ですけれども、やはり彼女がおることによって私自身もいわゆるタックスペイヤーになるような働き方ができない時間が大変長くありました。そういう意味で、決して本人だけではなく、そういった家族の働き方についてもこれから考えていきたいなというふうに思います。

○公述人(播本裕子君) 私は、やっぱり本人からというのはそれは当たり前のことだと思いますけれども、もっと言えば、知的障害者の場合は特に年金をもらう前に結婚するということはないわけですから、結婚してから配偶者も含めて費用徴収の対象にすると言われると、非常にこう、もう結婚なんてできないというような状況になると思いますので、もっと言えば配偶者も外すべきだと思います。
 じゃ、今のままでいいのかといいますと、先ほどから皆さんも、先ほどの方もおっしゃったように、私はやっぱり応益負担ではいけないと思っています、応能負担でなければ。そういう意味では、ただ取るか、外したか、本人だけにしたかどうかという問題ではないと思っています。
 以上です。

○公述人(塚本正治君) 先生の質問にどれだけお答えできるか分かりませんが、二点あります。
 一点目は、我々精神障害者の仲間は全国で二百五十八万人くらいいると言われておりますけれども、我々の仲間に生活保護で暮らしておる仲間も少なからずおります。また同時に、生活保護以下の生活をしておる仲間もいます。その仲間のことを考えるときに、まずそこから自己負担ということについてどう考えるのかという御議論が国会でどのようになされておるのかというところについて私は疑念を感じておるところが一点です。
 それともう一点は、何よりも一番大きな落ち度というのは、国は急ぎ過ぎているんではないのかなと思います。といいますのも、自己負担というふうなものを、実際に応益負担を導入するのならば、全国の障害者がどれぐらいの所得を持っているのかという実態調査をちゃんと行って、ここに応益負担を課したらどのような影響があるのかということをきっちりとシミュレーションをされた上で、それを基礎として議論していかないとこの話というのは根本的に抜け落ちていくものではないのかなと思います。
 以上です。

○西島英利君 中尾公述人にお伺いいたしますけれども、先ほど通院公費の問題のところで、疾患に限るわけではなくて状態像として対象にしたらどうかというお話でございましたが、何かもし具体的なそのことがございましたら教えていただけますか。

○公述人(中尾正俊君) 質問に答えさせていただきます。
 状態像といいますのは、先ほど塚本公述人の方からもございましたけれども、統合失調症及び狭義の躁うつ病、それから難治性のてんかんと、そういう病名ではなくその患者さんの状態で見るべきものだというふうに考えます。
 具体的に、例えば現時点におきましては、うつ病の方々なんかはお薬をお飲みになっていい状態になられている。いい状態になられているということで疾患名から外れる。そうすると、先ほどからお話がありますように、やはり状態が少しずつ悪くなっていく可能性があるというふうに考えます。
 そういうことで、状態像として精神の通院公費の対象を決めていただきたいというふうに願っております。

○西島英利君 状態像といいますのは、いろんな状態があると思うんですね。例えば、俗に、私、この言葉使いたくないんですけれども、問題行動と言われる状態像もありますし、それとも例えば生活にどれだけの障害があるのかという状態像もあると思うんですが、もう少し何かそういう具体的なものがございましたら、お教えいただきたいと思います。

○公述人(中尾正俊君) 問題行動に関しましても、やはり社会的に非常に問題になり、その結果、社会生活を営む上で非常に困難な状態になるということがありますので、それも状態像の一つでございます。
 それから、生活に関しましても、なかなか生活が十分に自分で自立できないような状況にあるということも状態像として確かに必要なことだと思いますので、そういう点も含めて、より精神障害の患者さんの状態をトータルに見て対象として決めていただきたいというふうに考えます。

○西島英利君 ありがとうございます。
 古田公述人にお伺いいたしますけれども、今、福祉サービスの量の上限、要するにこれをどこまで認めるのかという議論が昨日の実は国会でもあったわけでございますけれども、全国的に今回の調査を見ますと地域格差が物すごくひどいんですね。その中で大阪、滋賀というのが突出して量が多いわけですけれども、何かこれについて御示唆ございましたらお教えいただきたいと思います。

○公述人(古田朋也君) ただいま質問いただきました、おとついの社会保障審議会障害者部会でも資料が出されております。それによりますと、今、大阪では利用者数、人数ですね、人数はトップになっております、全国で。それから、一人当たりの利用額、これは全国で二番目になっております。
 掛け合わせるとかなりというふうに見られるかと思いますが、ただ大阪は歴史的に障害者の運動の歴史が古うございまして、全身性障害者とかが地域で自立生活している人が多いです。ですから、支援費に入る前も千人ぐらいの重度障害者が市独自のサービスとかを受けてきたわけです。そういう歴史もあって、支援費になって利用者数は一定のレベルにあるというふうな状態です。ただ、これで社保審の資料で見てますと、施設サービスは逆に大阪は全国でも非常に低いレベルなんです、入所施設のサービスは。ですから、地域の方にお金を回して入所施設にはお金を出してこなかった、それは今国が目指している脱施設の方向を先取りしているんじゃないかというふうにとらえております。
 逆に、秋田県は地域サービス非常に低いですが、入所施設のサービスは断トツに多いというような結果がこれを見て明らかになると思いますし、また費用額で言われるんでしたら、地域サービスの、ホームヘルプとかの地域サービスだけを示すんじゃなくて、入所施設でもお金を各都道府県どれだけ使っているのかというのを示して、総額でどうなのかというような議論をしていかないと、何かちょっと地域サービス、大阪はぜいたくで使っているんじゃないかというふうに見られるのが非常に怖うございます。
 その点で、大阪は行政も含めて、障害者運動も行政も含めてよく頑張ってきた、障害者が地域で当たり前の生活をするためにお互い頑張ってきたわけです。それは評価されこそすれ責められるものではないというふうに断言できると思います。
 以上です。

○西島英利君 竹中公述人にお伺いいたします。
 就労の問題でございますね。やはりどのような障害をお持ちの方でも、働くということは実は大きな生きがいにつながるだろうというふうに思うんです。ただ、国会の中での議論でも出てくるわけでございますが、働いたそれの工賃の問題、それと生活の問題等々がございますね。この工賃というのはなかなかその結果によってある程度判定をされる部分があるだろうというふうに思うんですけれども、それと同時に年金という部分もございまして、これの組合せによって生活をするという考え方が政府にあるわけでございますけれども、この工賃の評価について少し御見解をお聞かせいただければと思いますが。

○公述人(竹中ナミ君) 工賃という言葉を余り私たちは使いません。やはり給与であったり収入であったり就労対価であったり、あるいはその人のスキルに対する正当な評価の金額ということですね。
 例えば、私どもの非常に優秀なスタッフの一人に大変大てんかんの発作のある、精神障害の手帳を持った者が、青年がおります。彼は何度も職を転々として、ただ、たった一回大発作で泡を吹いて倒れると翌日はもう首なんですね。障害があることを隠して雇われると何かあったとき余計に責められるというようなことを繰り返して、とうとうもう職に本当にもう自分は就けないんだというような絶望の状況の中でプロップに来ました。
 今言いましたように、彼はコンピューターを駆使して、非常に真剣に勉強されましたけれども、駆使して、優秀なスタッフです。じゃ、彼の発作はなくなったかというと、そんなことはありません。倒れるし、泡吹いて倒れるし、もちろん大発作あります。で、お休みされることもあります。通院されることもあります。ですけれども、私たちが彼に着目をするのは、私たちのスタッフとしての彼の力量であり、人柄であり、できる能力の部分です。ですから、できないところを評価するのではなく、その人の可能性の部分に着目して、その人のできる仕事を生み出していくというのが私たちの仕事なんですね。
 絵の好きな大変難病の女性は全身障害で、真夏と真冬はほとんど入院しておられます。コンピューターに向かって好きな絵がかけるのは春と秋という季節だけなんですけれども、彼女がかかれる絵は非常にアート的な高さがあります。価値の高いものです。ですから、私たちは彼女の絵をグラフィックスとしてではなくアートとして売り込みます。きっちり売り込みます。グラフィックスとして求められる人ではなくアーティストとして求められる人に対しては、アーティストとしての対価が彼女に払われるように必死の努力をいたします。そういう努力をすることこそが、工賃ではなくて、その人の賃金や働く本当の対価につながっていくというふうに思うんですね。
 障害を持った方の仕事だから低くて当たり前と、先ほど隣の方は月に千円というお話をされましたけれども、あれだけ全国のお金を合わせるとたくさんの作業所に対して補助金が出ている中でなぜ千円なのかということを、私は本当に怒りに震えそうな気がします。仕組みを変えないといけないと思います。

○西島英利君 ありがとうございました。

○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。
 今日は、各公述人の皆さん、恐らく急なお願いだったと思いますけれども、御協力をいただきましてありがとうございます。
 限られた時間ですので、すべての方に御質問できないかもしれませんが、ちょっと大阪にこだわって幾つか質問をしたいと思います。
 今回、かなりきつい日程の中であえて大阪に来させていただいたのは、先ほどちょっと議論がありましたけれども、何かと数字を見ると大阪が先輩格というか、よく頑張っている。御説明があったように、行政の対応と運動の在り方がそれなりに頑張ってきた一つの到達点なんだろうと思うんですね。ですから、そこから何を学ぼうかということで、二点ほどまず古田公述人にお尋ねします。
 一つは、お示しいただいたレジュメにもありますけれども、ホームヘルプサービス、長時間介護の問題について大阪ではそれなりの歴史があると。一番最後のポツのところで、先進自治体の現行の実績時間数を基に標準額を設定してこれからの必要額をはじき出せと、こういう御指摘があるので、ここのところをもう少し、ある意味で先輩格としてどんなふうなお考えなのかということを説明を追加していただければ有り難いというのが一つ。
 それからもう一つは、移動介護、ガイドヘルプのサービスについても、このレジュメにもありますように、全国的にも先駆けて大阪で実践をしてきたと。そういう意味で、いろいろ国会でも審議の中で、この移動介護、ガイドヘルプのサービスが、一対一の個別給付、個別サービスから地域支援事業の方に移すということの問題点というか是非というのが議論されています。私は、直観的に言うと、個別給付のサービスの側面と地域支援事業で組み立てた方がいい側面と両方あるのかなと思ったりしているんですが、この点について先輩格として御意見があれば。
 この二点をちょっと御説明いただければと思います。

○公述人(古田朋也君) まず、ホームヘルプの長時間のことですけれども、大阪では利用者が歴史もあって大変多いということで、何千人とおられるということ、大阪市と大阪府を合わせてですけれども、ということなんですけれども、平均の利用時間数で見ますと、ホームヘルプの方は大阪府で四十時間ぐらい、月ですね、月四十時間ぐらいなわけなんですね。それで、中には百時間、二百時間という方がおられます。ただ、それほど数はそんなに多くない。
 何か今、国会の方でもよく言われるのが、青天井になってしまうんじゃないか、何ぼでもお金をつぎ込まなければならなくなるんじゃないかというようなことが言われていますけれども、その辺は最重度の障害者、最重度で一番介護が必要なのはALSの方だと思うんですけれども、二十四時間付きっきりで起きて呼吸器のこととかをやらなければいけない。その場合はもう三十分に一回ぐらい介護をしなければならないので付きっきり、起きたまんまの介護になります。その方は長時間の、二十四時間に近い形での介護が必要かと思いますが、それでも数はほとんど少ないというふうに伺っています。
 その一方で、脳性麻痺者等の全身性障害の方の介護は、夜は介護者が眠れていたりというような現実があったりしまして、その辺は大阪市なんかではかなり工夫しておりまして、夜八時間寝ると、泊まると、支援費では一泊二万円ぐらいの額になってしまうんですけれども、その辺は八時間じゃなくて二、三時間相当、寝れてて起きる、起きて何時間に一回か介護をする時間だけでいいじゃないかというような形で工夫をしたり、また日中も作業所などの場を使ってそこは介護は付けないみたいな形で工夫をしておりまして、多い人でも三百時間か四百時間で大体介護を保障できるというようなことをもって人数を、より多くの全身性障害者がちゃんと地域で生きれるための保障をするというような形を、仕組みをつくってきました。これも行政と我々が案を出し合ってつくったわけですね。
 人数が多い、お金がそんなにない、これ以上増やせない、だからどうするのか。地域で人として当たり前に生きられたらいいわけです。僕らも、何もぜいたくしてどんどんくれというようなふうには要求しておりません。その辺の工夫を一緒に考えるような機会を是非持っていただけたらというのが一つです。
 それと、ガイドヘルプのようなところでも利用者が大変多いということですけれども、個別支援でほとんどのパターンで進められてきました。一対一で付くことによってそれぞれの行動を保障する。最重度の強度行動障害と言われる方もおられまして、一対一、軽度の人も含めて一対一の介護を保障するというのを基本にしてきました。中軽度の人はガイドヘルプが要らないように言われたりすることもありますけれども、知的の軽度の人でも、遠くへ行くのに、知らないところへ行くのに介護が必要というようなケースがございます。そういうふうなことも含めて、中軽度も含めて一対一で付けていただくというのがやはり基本かなと。
 ただ、厚労省の方は、何か数人で一人だけ付けたらええんやないか、一対一なんかぜいたくやというふうに言われているかのようですけれども、基本はやっぱり一対一で社会参加を保障していく、行動範囲、生活の幅を広げていくために一対一として、数人で一人付くというようなグループ外出についてはまた別の形で検討するべきやないかというふうに考えております。

○朝日俊弘君 ありがとうございました。
 またそういうグループでの利用の仕方もあり得ると、しかしもう少し検討をしなければいけないと、こういう御意見だと思いました。ありがとうございました。
 引き続き大阪にこだわりたいと思うんですけど、精神障害者の通院医療費公費負担制度、先ほどからお二方から指摘をいただいたんですけど、実は昨日の委員会にも私、この問題取り上げまして、今回、三十二条をなぜあの自立支援法の中に持っていってしまうのかと。しかも、五%負担から一〇%負担に上げるということは通院を阻害しはしないかということで質問をしました。
 そのときに、例えば大阪は府として五%分も単独で補助をしている。したがって、実際患者さんにとってみれば通院は無料化されているというふうに資料として報告されているんですが、そうするとゼロから一〇に増えることになるのかなと。果たして今回こういう改正をしたら大阪府はどういう対応をするんだろうか、心配だなということで、大阪の皆さんの御意見を持って帰って、またちゃんと審議しましょうという約束をしてきましたので、この点については、塚本公述人と、できましたら中尾公述人からも御意見がいただければ有り難いと思います。

○公述人(塚本正治君) 先生の御質問の中で、厚生労働省の方のお答えで、大阪府の方は国民健康保険の対象の方はその分負担しておって、五%負担がないから無料ですよという多分説明だったと思うんですけれども、それをいい意味で説明していただけるのか、悪い意味で説明していただけるのかというのは、また別問題だと思っておりますし、これは別に大阪だけにこだわった制度ではなく、多分ほかの都道府県でもあるところはあると思います。
 実際に私自身も大阪市の生野区というところに住んでおりまして、地域の神経科のクリニックに掛かっております。そこで実際にじかに先生やソーシャルワーカーの方とも、これ先生、一割負担に上がるということをクリニックの中で話できてんのんって聞きます。できてない。そこのクリニックは幸いにもというか、デイケアは持ってはらない、診療だけなんですけれども、あとは往診をしてはるんですけれども、じゃ、これ一割負担になったらどうするんですかと。実際にソーシャルワーカーの方に何でやねんという質問が当たり前に出てくるでしょうって。
 その辺は、例えば大阪の診療所協会の方で何か議論されているんですかとか、そういう話を聞くんですけれども、いや、まだできてない状況で、こういう状況で何の経過措置もないままに一割負担になるということは、もう本当に現場が混乱してしまうと。それによって、実際これまで何とか拾えていた患者さん自身も拾え切れなくなって、そこで医療中断が起きること等でも危惧するというふうに述べられておるところがあって、私もとても危惧しておるところなので、なぜ一割負担なのかというところについて強く思いますし、実際にこれまでの、平たく言いますと、厚生労働省の方が各クリニックや医療現場で説明してくださればいいんですよ、こういう制度になったので一割負担ですと。説明していただけません。説明されるのは現場の方だと。そこで現場に矛盾が行くと。そこをとても危惧しておるというところです。
 以上です。

○公述人(中尾正俊君) 市町村国保になりますので、大阪府ではなく大阪市国保の部分で五%の分を市の方がしているということでございます。だから、市町村によってはそういう制度を持っていないところもあります。その部分がまず一つありますのと、それから大阪市の場合、国保ですけれども、ゼロ割の方が一割になるということに関して、患者さんに対する説明等に関しては、まだ今はどういうふうな方向に持っていくのかというのはまだ決定していませんし、大阪精神科診療所協会の方のお考えもまだ聞いておりませんので、ちょっとはっきり分かりません。
 ただ、我々といたしましては、低所得者に対する方の負担増に関しては、社会保障の面から見ましても合わない部分でございますので、その部分も含めてきっちりと見ていきたいというふうに思います。

○朝日俊弘君 ありがとうございました。

○公述人(古田朋也君) ちょっと。

○朝日俊弘君 彼が、できれば、時間があれば。

○団長(岸宏一君) ああそうですか。時間が余りないので、ちょっと、じゃ簡単に一言。

○公述人(古田朋也君) ちょっと言いそびれたんですけれども、先ほど、ALSの人とか脳性麻痺者の人とか幾つかパターンがあるかと思うんです、ホームヘルプについて。だから、それをちょっとパターンに分けて検討するような場を是非設けていただいて、現実とか報酬単価とかを併せて議論でき、検討できるような場を設置いただけたらというふうに思います。

○朝日俊弘君 ありがとうございました。

○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 今日は、各公述人の皆さん、本当にありがとうございました。
 私も短い時間でございますので、簡潔にお答えをいただきたいと思いますが、まず竹中公述人にお伺いをしたいんですけれども、お話の中で、障害者もしっかり働いて、その社会のいろんな仕組みを支える側に付くことが大事だというお話がございました。また、竹中さん御自身がこのプロップ・ステーションというところでITを使って、コンピューターを使って障害者の雇用に役立つような技術訓練の提供等をされているということを資料等も読みまして理解をしておるところでございますが、一方で、恐らく竹中さんの御経験で、せっかく障害者の側に働きたいという意欲があり、また一定の技術力をITとかコンピューターで付けても、やはりこの働く場が、在宅で仕事をするにしても、何らかの仕事を受注しなきゃいけないわけでして、私も個人的にはまだまだ、これは政府の側の問題もございますけれども、民間企業の皆さんももうちょっと積極的に障害者に対する雇用の場の確保とか創出について頑張んなきゃいけないと思っておりますが。
 ちょっと、御自身の御経験も踏まえて、今後どういうことをしていけばもっとこの障害者の雇用の場が拡大していくのか、お聞かせ願いたいと思います。

○公述人(竹中ナミ君) 御質問ありがとうございます。
 先ほども言いましたように、日本で障害を持つ方々が働くことを支援する法律というのは、障害者の法定雇用率の義務化しか今までありませんでした。これは昭和三十四年にできた制度なんですが、これがその抜本改正を今回初めてされたということなんですね。その大きなポイントは、短時間であれ働く場所がどこであれ、その人が働ける仕事の内容を企業がアウトソーシングをしたときに、雇用率を達成したのと同じようにみなす、あるいはそのための費用負担を軽減するといったような、そういった制度がまず盛り込まれました。これによって、例えばプロップ・ステーションには、今までプロップのような障害を持つ方々にお仕事を出したことのない幾つかの大手の企業からもうすぐさまお問い合わせが来ております。そして、実際に厚労省の方に詳しいこともお問い合わせにもなり、また私たちとも今、どんなふうにそのアウトソーシングの仕事を進めていくかというようなことを今お話合いをしているところです。
 そのお仕事の内容も、決してITには限りません。初めはそのITというのが最もしやすいお仕事であったことは確かなんですけれども、今やアート系、先ほども言いましたようにアート系のお仕事であるとか、あるいは文章を書かれることであったりデザインをされることであったり様々な、ホームページ作りなどというのも非常に大きな仕事になっていますけれども、いろんな企業が、もうITを使わずしてやっているお仕事もたくさんあるわけですね。
 例えば、絵をかくことが得意な知的なハンディの方がいらっしゃったときに、その方の絵を企業が、今までだったらチャリティーで買い上げたりしたかも分かりませんけれども、これからはお仕事で買い上げるというようなこともあるでしょう。あるいは、我が社の何周年の記念に何百人分のかわいらしいポーチに入ったクッキーが欲しいよというような注文もこれから出てくるかも分かりません。
 そういった意味で、様々な働き方をその会社に応じてアウトソーシングできるんだというこの感覚が今回の雇用法の改正の中に入ったということは私は非常に大きな朗報だと思っています。そして、働くという目的になったときに、人は非常にスキルを磨くための努力をします。ですから、私たちはそのスキルアップの場もプロップとして頑張っていきたいし、それもこれから広めていきたいなというふうに思っています。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 続きまして、古田公述人にちょっとお伺いをしたいと思います。
 私、大阪市が取り組んできたこの障害福祉サービスというのは、先ほど、サービス量が多いとかお金が掛かっているということでぜいたくしているんじゃないかということに反論されていましたけれども、私は決してそんなこと全く思っていなくて、逆に言うと、今回の自立支援法案というのは正に大阪市のような精神的取組をやっている自治体の取組を全国に広げるための法案だというふうに思っておるんです。
 というのは、どうしてかと言いますと、今回の法案で初めて全国の市町村に障害者福祉計画を作ることが義務付けられるわけでありまして、今まで余り、語弊あるかもしれませんけれども、やる気のなかった市町村も、これによって義務付けられるわけですからやらなきゃいけなくなってくるわけですね。その計画を作るときに客観的な基準として障害者程度区分の導入なんかが図られるということだと私は理解しているんですが。
 そこで、先ほど来問題になっている、ただ、私も一番懸念しているのは、重度の障害者に対する長時間の在宅サービスとかそういうものが削られるんではないかというところが私も個人的に懸念に最大に思っているところなんですが、ただ、その点について、ここから質問なんですけれども、今、厚生労働省の方は重度の障害者に対する包括支援サービスというものを新規で、新設をするわけですね。これは恐らく古田さん御存じだと思いますが、この重度障害者自身が相談できる事業者と相談してケアプランを作って、それを市町村に持ち込んで、そしてそのサービス事業者からサービスを受けたら市町村が包括報酬として支払うというシステムなんです。これは、地域によってはこういうことができる事業者がいない地域は使えないわけで、そこを私も昨日、問題視して厚労省に質問しているんですけれども、逆に、大阪市は多分、これ非常にうまく使える現状にあるんじゃないかと思うんですが、そうすれば、それほど、今よりもサービスが落ちるということにならないんではないかと思うんですが、その点いかがでしょう。

○公述人(古田朋也君) まず、大阪市の基準こそを全国に広めていただくという有り難いお言葉いただきまして、それをしていただけるんやったら僕らも反対とか言わないんです。
 ただ、今、障害程度区分ごとで標準額を設けると言われていますよね、ホームヘルプ。それが幾らになるかというのが全然示されていないということなんです。そうしたら、その標準額というのは、大阪市の基準を基に、実績を基に決めていただける、それで、まだ地方の方で伸びていないところもそこまで、大阪市ぐらいまで伸ばせるんだというようなことをきっちりお約束いただけるんでしたら大分僕らの意見も変わってくるかと思います。ただ、それが全然示されていないというのがまず一点問題にしておるところです。これが標準額、全国の平均値とか持ってこられましたら、もう大阪は何億、何十億の負担になって壊滅的な状況になります。そこを一番まず懸念しているわけです。
 それと、障害福祉計画を全市町村でということについてはいいことなんですが、今、大阪府の状況を見ても、大阪府は数値目標を今まで示しました。それの達成のために各市町村はこんだけずつやってくださいよと。なみはや市というモデル、十万人都市の想定で、各市町村は、何万人やからこんだけの数値目標をそれぞれ定めなさいよというふうに大阪府は進めてまいりました。それでも各市町村の目標数値の達成はなかなか難しかった。大阪府がどんだけ、そんだけモデルの枠を示しても達成には結び付いていないという現実があります。それが今度は市町村任せになりやしないか。
 市町村の計画の積み上げが府、都道府県の計画であり、また国の計画の数値になるというふうに言われています。今までは、国の数値目標、府の数値目標があって市町村を引っ張ってきたのが、逆転してしまえば市町村のやりたい放題になるんじゃないかという懸念があります。特に、各自治体で障害者福祉にお金を回したろうというような自治体どんだけありますかということなんです。ほとんど、障害者運動や行政の障害福祉課も頑張ってようやくここまで達しているのに、市町村任せあるいは一般財源化されてしまえば、これは火を見るよりも障害者福祉はもっと削られてしまうというのは明らかです。その点についても御考慮いただきたい。
 それから、包括払いについても、これも総額幾らになるか示してください、早く。これが幾らになるかによって死活問題なわけです。介護やケアホームやいろんなサービスを複合的に使える、ただ、それが総額もう五十万とか六十万、七十万ぐらいやったら、特に重度で医療の必要もあるALSの人とかが想定されていますよね、これ。それがそんなに低いサービスになったら、これもう死活問題になります。その点も明らかにしていただいた上で国会審議をしていただきたい。
 ただ、政省令は全然明らかにされませんよね。今、新しい障害福祉サービスを考える会という非公式の検討会が裏であります。マル秘の資料が出回ります。これでやっているのに、全然、そこでどんな議論がされていて、どういうふうな議論になっているのか、全然明らかにしてくれないじゃないですか。その議論の過程から明らかにしていただいて検討しなければ、具体的なところは全然分からずに法案だけがいいというような形で進んでいくのは僕は問題だと思います。
 以上です。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 私も幾つかの今の古田公述人の御懸念については共有するものでございますが、ただ一方で、先ほどから標準額という表現が出てまいりますけれども、私が理解するところでは、現状では国の制度としては障害者程度区分がないわけでありますから、現実にはですね、だから、自治体の中でいろいろとお決めになっている標準額というのはあるのかもしれませんが、全国統一の基準、国庫負担基準というのはまだ決まっていなくて、それはなぜかといえば、客観的な障害程度区分を一度も導入したことがないわけですね。これから導入するわけでありますから、その際に地方自治体でやっているものというのは当然に私は参考にしていくんだというふうに思います。区分が現状ないわけですから、区分間流用という言葉も、現実にはこれ導入された後にどのように運用していくかということだと私は理解をしております。
 ちょっと最後の質問にもう時間的になるんですが、中尾公述人にちょっとお伺いしたいんですけれども、この障害者程度区分について、知的と身体と精神と、三つの障害種別を統一してその区分を作るということを厚生労働省言っておりまして、これに対してやっぱり批判が同様にあるわけでございますが、この点について公述人のお立場で、これは現実的に可能なのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。

○公述人(中尾正俊君) やはり、今現在の調査項目であれば非常に、なかなか精神障害及び知的障害の方に関しては難しいというのが率直な意見でございます。
 身体障害に関しましては、五年の介護保険によるノウハウ等が十分入っておりますので、ある程度了解はできるのでありますが、生活面とかも含めた部分で精神障害の方、知的障害の方が一次判定でできるような調査項目かというと、まだまだ問題があるのではないかというふうに考えます。

○遠山清彦君 以上です。

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 本当に今日はお話をお聞きして、立場の違い超えて法案の問題点が浮き彫りになるようなお話をお伺いできたかなというふうに思っております。本当にありがとうございます。
 時間の関係でちょっとお聞きするのは限られるかもしれませんが、質問させていただきます。
 播本公述人にお伺いしたいと思うんですが、法案審議に先立って私は予算委員会でこの問題を取り上げて、テレビでも中継されました。小泉首相は、播本公述人は自立できない法案なんだとおっしゃいましたが、小泉首相は自立するための対策なんだと言っています。そして、その後の法案審議でも、小泉首相も尾辻大臣も、無理のない範囲で負担をお願いしている、決して無理な負担ではない、きめ細かな配慮をしているんだ、こんなことを繰り返しているんですが、現状で示されている中身が果たして無理のない負担だというふうにお考えかどうか、お聞かせ願いたいと思います。

○公述人(播本裕子君) 私は、実は小泉首相の答弁をお聞きして非常に悲しかったです。
 それはどういうことか。私だけじゃなくて私の周りの母親たちは大体そう言っています。それはどういうことかというと、先ほどから私は私の息子についての自立はどういうものかということを申し上げましたけれども、やる気のある人とおっしゃいましたか、頑張る人と言いましたか、そういう人には障害を持っていても支援しますよという言い方されたと思うんですね。これは、特に知的の障害を持つ人たちにとってはやる気を出すことまでの支援が必要なんです。そういう支援なくして重度の知的障害はやる気は起きないんですね。やる気も介護が必要なんです。そういう意味では、私の息子はこれは排除されるなと思いまして、とても悲しい思いをしました。
 それから、尾辻厚生大臣はきめ細かな配慮のあるとおっしゃいますけれども、何かきめ細か過ぎて御自身がもう理解できていなかった部分があったりとか、そんな自分が理解できないものを国民に、しかも困難を持った国民に押し付けるものではないと思います。特に、いろいろの配慮をしているということをおっしゃっていましたけれども、それはもう、例えば減免制度であっても市町村民税非課税以下ということですから、市町村民税非課税じゃなくても大変な、もうぎりぎりの人って一杯、もう特に障害者センターの調査では非常に所得低いですからね、これは全然当てはまらないと思います。
 非常に、少なくても二万五千円は残してあげますよということでしたけれども、二万五千円残してもらっても私の息子ではもう全く足りません。で、この二万五千円すら二〇〇九年度になったら二万一千円になりそうということであれば、私はこれはきめ細やかな配慮ではないと思っております。

○小池晃君 ありがとうございました。
 今ちょっとお話もありました障害者センターの調査というのも、今日、資料を配付していただいております。御自身の経験からも、本当に特に経済的な問題でそういう生活でなければ分からないような様々な困難があろうかと思うんですが、調査結果と併せてちょっと御説明願いたいんですが。

○公述人(播本裕子君) 例えば、私は子供を見ているときに、施設に入れていない子供もそうですけれども、特に車を使う仕事をしているわけではありませんでした。ですけれども、一か月のガソリン代が二万円から三万円。これは、ずうっと家にいることができないんです。それと同時に、また例えば車で出掛けていっても、やっぱり電車にも乗りたいってなるんですね。そうすると、駐禁除外車になっていますけれども、でも長時間になるかも分からない、そうしたら駐禁除外車には当たらないんですね。そうすると、駐車料金が要る、例えば駐車料金が一回入れて三千円ぐらいとか。
 それから、もう通院なんかでいったら、確かに医療費はただです。医療費はただなんですけれども、非常にいろんなこだわりがありまして、初めて行ったときにここはタクシーに乗ったということであれば、もうずうっとそこはタクシーに乗らなければいけない、道すがら自分の好きなロゴの入ったお店があればそこで買物をしなければいけないとか、そういう非常に普通では考えられない費用が掛かります。
 特に私の息子の場合は、入院も何回かしましたけれども、入院のときには必ず個室料が要ります。みんなと一緒では駄目なんです。で、二十四時間付いていなければいけない、この費用も掛かります。それから、例えば水に非常にこだわりを持っているような時期が非常に長かったんですけれども、このときは水道料金が三万円、このぐらいが当たり前でした。時には六万円というときもありまして、マンションの管理人さんが心配して来られたこともあります。それから、衣服とか靴とか、そういうことでも普通の人より早く破れるんですね。なくしますし、そういう非常に普通では考えられない費用が掛かります。
 そして、あそこの調査の中で明らかになったことなんですけれども、ほとんど十万円未満です。四分の三以上が十万円未満の収入で、特に五万円未満の就労で得た収入というのは五二・二%もあります。特に、生計中心者の二割にも当たる人が二百万円以下ですから、非常に大変な生活を送っていると思います。
 それから、ほとんどの障害者が、介護者って、主たる介護者というのは母親で、家族が七八・八%というふうに出ていますし、このことは、この調査は特に知的障害を中心として調査していますけれども、知的障害者というのはヘルパーとか使っても、例えばうちの息子でいいますと、いつ困った動作をするか分からないんですね。何時から何時まで、じゃ入浴の時間だけヘルパーに来てもらいましょうということになっても、いきなり夜中にパニックを起こしたりとか、そういうことがありますから、基本的な介護は常に母親ということになるという、そういうことが明らかになりました。
 もう時間がありませんので、このぐらいで。

○小池晃君 この大阪障害者センターの調査、四千三百五十二世帯という非常に大規模なもので、厚労省がこういう調査まともにやっていませんから非常に大事な資料ではないかというふうに拝見して思ったんですが、障害者団体の中には、ある程度の負担はやむを得ないんだというような声も若干お聞きをしております。そういう中で、所属しておられる団体の皆さんの御意見は一体どうなのか。
 そして、あわせて、大阪ではこの間、いろんな団体の違いを超えて集会を開かれたり取組を進めてこられましたけれども、古田公述人も含めて、ちょっとその、どんな声が現場からは怒りの声が上がっているか、播本公述人と古田公述人にちょっとお伺いしたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○公述人(播本裕子君) 私は全日本育成会の支部に所属しておりますが、残念ながら全日本育成会の方はかなり賛成の方向で動いていらっしゃるように、おるように思います。
 ですけれども、私ども吹田支部では、会長以下全員と言っていいほど反対です。非常に大変なことだと思っています。同じ北摂地域でいいますと、高槻支部などは全日本育成会に対して抗議の行動も起こしております。ですから、これは本当に障害者の身近なところで生活をきちんと見ている人にとっては賛成できる中身ではないと思っております。
 やはり私は、今年初めて、例えば古田さんとか塚本さんとか、こういう皆さんといろんなところでお会いすることが多くなりました。これは、今までは立場が違う障害者団体で一緒に行動したことはございませんけれども、四月十四日には三千八百人、それから七月三十日は、会場が狭いからもうみんな来ないでくれ、来ないでくれと言ったのに二千百人もの人が集まるような集会が実施されました。この集会を実施したことで、その後もいろんな連携を取りながら障害者団体が行動しておりますので、これはむしろ大きなきっかけになったのではないかなと思っております。
 以上です。

○公述人(古田朋也君) 今、播本さんから言っていただいたように、大阪はいろんな障害者の横のつながりを持ってやっています。身体、知的、精神、それから難病、それからほかのいろんな障害の方、盲聾者とか、いろんなつながりを持ってやっておりまして、また事業者の立場とかも含めて、大阪府下十三団体でこの間三千八百名とかの集会を二回ほど行ってきたわけです。
 その中でみんなから言われていることは、一つはまず応益負担の問題ですね。これはとても負担できないだろうと。なぜ年金だけで暮らしているのに二万四千六百円とかも取られなあかんねん、それやったら生活保護へ行った方がいいじゃないかというふうな話をやっぱり聞くわけですね。それともう一つが、サービスの利用抑制です。これは今日も出しておりますが、介護やグループホームや作業所というふうな地域生活に欠かせない最低の基盤なんですけどね、最小の基盤なんですが、それらについても利用抑制が掛かってしまうというのは正に死活問題なんだというように中では話しております。
 私ども、大阪ではみんな苦労しておりまして、最初の作業所の補助金いうたら、百万、二百万だったんです。年額ですよ、年額それでやっていました。そやから、みんな給料ってほとんどもらえずに、正に地をはうような形で、何とか行く行くは良くなるやろうということで、十年、二十年、三十年とやってきたわけです。それで、ようやく社会保険にも入れるようになってきたかなというのがこの支援費で到達した段階なんです。それが維持できるんかと思ったら、正に利用抑制でもってまた突き落とされるというような事態になってしまう。今、保険に入っているのに、またやめなければならないのかみたいな議論にもなってくるわけですね。通所者から職員がお金を取らなあかんのんか、そんなもんできるわけないやないか、そういう声も出ております。
 その辺のやっぱり実態を踏まえた議論を、僕はもう介護保険の活用とかの議論が、二、三年先であるならば、二、三年掛けて実態を基にした議論をしていただきたいというふうに切に願っております。
 以上です。

○小池晃君 障害程度区分判定の問題について古田公述人と塚本公述人からお話がありまして、これ、政府は必要なサービスは続けるんだと言っている以上、もしこれで今までサービス受けていた必要な人が除外されるとすると、これ法案の根幹にかかわる重大問題ではないかというふうに思っているんですが。
 それぞれの公述人の方にお聞きしたいんですが、何がこの問題なのか。この身体機能プラス問題行動という考え方自体では、もはやこれやれないと。根本的にやっぱり見直すべき性格なのか。その辺についてどうお考えか、お聞かせを願えればと思います。

○団長(岸宏一君) 皆さんからですか。

○小池晃君 いや、では塚本公述人。

○公述人(塚本正治君) 障害程度区分判定の問題なんですけれども、いずれにしても、これがサービス導入の入口になるわけですから、ここで共通のスタートが図れないと三障害統合というのはうそになってしまうわけです。だから、我々はこだわっておるんですけれども。
 実際、できる、できないという判定ですね。例えば、体を洗うということについて、できるのか、一部介助が必要なのか、できない、全介助が必要なのかとかいうような判定項目では、我々精神障害者の生活障害はやっぱり拾い切れないだろうな。それは状態のいいときには体を洗えます。けども、状態の悪いときにはおふろに入るのもできません。
 で、そういう、我々当事者の仲間が実際にその基本調査で、あなたおふろ入れますと聞かれたら、ほとんどの方が、この前シミュレーションしたんですけれども、入れますと答えるんですよ。ということは、この人はできるというふうになっていくわけですね。
 やっぱり今の根本的な考え方自身を、やっぱりできない頻度がどれだけあるのかというところで見る、その上でどういう支援が必要なのかというところでもう一回作り直していくというふうにしないと、はっきり言って、これは精神障害者に対する、これまでも精神障害者制度は他の障害者の制度と比べても後れていると言われてきましたけれども、だしにされた制度だなというふうに思う次第です。
 以上です。

○小池晃君 じゃ、一言お願いします。

○公述人(古田朋也君) 行動援護のときにも問題になったんですが、何か判定基準表が、物を盗むことがありますか、人に抱き付くことがありますかという大変失礼な、当事者を何か犯罪者扱いするような項目が並んでいて、共産党の方からも指摘いただいたんですけれども、その表現がちょっと緩んで、問題行動みたいな形で、物を持って帰りはることがありますかみたいな項目になっているんですけれども、基本的なところはやっぱり何か問題行動を起こす人、知的、精神はみたいな、そういうふうにとらえられていくこと自身がやっぱり当事者にとっては非常につらいことなんです。
 その辺をやっぱり、当事者がどんな支援、どんな環境を望んでおられるのかというところを明らかにするような判定項目を是非作っていただかないといけないし、また、これ非該当三割出ています。今、サービス使っている人も非該当で出たりもするんです。それぐらい、今の一次判定項目は実態、ニーズに合っていない。
 このまま突入してしまえば、現場では大混乱起こります。全部やり直しですよ。これ何万件、とても審査会で処理できるような数ではないということを十分踏まえていただいて、やはり時間を掛けて議論いただきたいというふうに思います。

○小池晃君 ありがとうございました。

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今日は貴重な御意見を聞かせていただきまして、本当にありがとうございます。
 まず、塚本公述人にお聞きをいたします。
 先ほどからも出ておりますが、精神保健福祉法三十二条、通院公費負担制度の廃止の問題です。
 一割負担となると中途で医療をやめる人ができるのではないかという御指摘がありました。先ほど、ないと困る個別支援、アンケートで一番望んでいるのが安心して暮らせるお金だということがあります。具体的に周りやいろんなところで、やっぱりこれ一割負担、定率負担ということは物すごいことだと思うんですが、制度が大転換しますから、それについてのみんなの意見や気持ち、あるいは払えるのかということについてもう少し話してください。

○公述人(塚本正治君) ないと困る個別支援というのは、当会の始めました、私たちはどんな支援を求めている千人アンケートという、今回資料で配らさしていただいた中に入っておる一つなんですけれども、この中でやっぱり一番トップがお金なんですよね。安心して、別にぜいたくして暮らせるお金じゃないわけで、安心して暮らせるお金、やっぱりここで、みんな、このデータの中でも、実際には仕事やアルバイトに就いている人というのはやっぱり少ないわけで、実際、やっぱり年金また無年金、生活保護という暮らしの中でやっている仲間も多いんだろうなと思うんですけれども。
 私は、まず定率負担というのであるならば、どうして所得保障ということが具体策として出てこないのかというのが不思議で仕方がないんですね。これが附帯事項に入ったということではなくて、これを具体的に明らかにすることなくしてどうして定率負担が出てくるのか、やっぱり前後が逆さまじゃないのか、そこの議論を深めていただきたいと思っておるのと、もう一つは、一割負担になって医療から途切れていくというときに、まあ実際、お金の問題で途切れていくということと同時に、精神科の医療は、特にですけれども、私は医師ではなくて患者の方ですけれども、医療現場との信頼関係で成り立つ、初めて成り立つ医療なわけです。そこで、これまでやっていたことと違うことが起きたときに、結局、この一割負担の問題につきましても、じゃ当事者も交えてそういう話もしましょうよという形の論議で始まったわけではありませんので、多くの当事者は知りません。ですから、結果だけを伝えられるというふうになります。そうなったときに、やはり現場で信頼関係が大きく揺らぐ、それが僕はやっぱり治療関係にも大きく影響するだろうし、医療中断が起きていく大きな影響にもなるのではないかというふうにとても危惧しておるところです。

○福島みずほ君 ありがとうございます。
 定率負担ということに社民党も一番問題だと思い、税金でやるべきではないか、昨日も委員会の答弁で局長が買手主体と言いました。お金がある人はいいだろう、ない人はどうなる、勝ち組でない障害者はどうなるというふうに本当に思います。
 古田公述人にお聞きをします。今日、大阪でやる意味というのも私もあると思います。支援費の格差が八倍ぐらい全国であると。で、なぜ障害者の皆さんが不安を持つかといえば、今あるサービスですら下がってしまうんではないかという不安が払拭されてない、その不安の解消が全くできてないということに尽きるだろうというふうに思います。
 それで、昨日の大臣の答弁も、サービスが下がるとは言わないが、適切なサービスが下がることはないということなんですね。つまり、じゃ下がると言えば問題だけれども、下がらない、絶対に下がらないとも言えないわけですね。低い水準が上がること、これは望ましい、しかし今あるものが下がる可能性も、適切かどうかという判断のあいまいさの中であり得るわけですね。
 その点について、いかがでしょうか。

○公述人(古田朋也君) 何が適切で何が適切でないかという基準についてどう考えておられるのかと思いますね。
 まずは、今使っているサービスは、今一対一のサービスとかいろいろ使っておりますけれども、どれも必要なサービスばかりです。介護やグループホーム、作業所、どれも必要なサービスで、ようやくここまで伸ばしてきたんです。もう作業所の制度なんか、発足当初なんか年七十万でしかなかったのが、今ようやくここまで来たわけですね。それから、グループホームの制度なんかも、今大阪では身体障害者のグループホームを制度化してやってきました。ただ、これ十数年たちますけれども、ずっと年間三百万の補助金でしかなかったんです。それがようやく去年から五百万になりましたけれども。
 ですから、増えるところはもう、今つくったところは数か所にしかすぎないんです。これも、国が制度化必要や言うんやったらつくったるけれども、国が制度化せえへんのを何で大阪でやらなあかんねん言うて、財政には抑えられるわけですね。
 そういうふうにサービスのばらつきがまだまだ三障害においてもある。精神のグループホームはまだ年三百万で低いとか、そういうばらつきがあってサービスを伸ばせない。これは更に伸ばして一元化するということがなされない限り、いろんなサービスを地域に普及させる基盤をつくっていくことはできないというふうに思っております。これを引き下がらせないで更に伸ばしていっていただきたいというふうに強く思うわけです。

○福島みずほ君 ありがとうございます。
 播本公述人にお聞きをいたします。
 定率負担というのは、特に子供、障害のある子供、障害のある子供を育てている親にとってとても大変ではないかというふうに私は思います。つまり、障害のある子供は生まれてくる可能性はもちろんあるわけです。一割負担せよと言われる、さっき播本公述人がおっしゃいましたが、機能訓練をしていかないと子供は成長しない。社会的参加がないと成長しない。だけれども、一割負担せよと言われれば、やはりちゅうちょしてしまう、利用制限が起きる。極端な場合は、先ほどもありますが、座敷牢のような生活を実質的には強いられるんではないか。この点はいかがでしょうか。

○公述人(播本裕子君) 全くおっしゃるとおりだと思います。とりわけ、私たちが危惧しておりますのは低年齢の人たちの場合なんですけれども、私もそうでした。最初は知的障害というのは、親は障害ということを認めたくないんですね。認めたくない人に対して、でもおたくのお子さんはちゃんとこういう訓練をしないと大変ですよということを認めさせるのがまず最初、こういう親子にかかわる方の仕事だと思うんですが、納得してない人に契約して更に一割負担しなさいと言ったら、それはもう利用しなくなります。ということは、障害がますます重度化なるという、そういう私たちは懸念を持っています。
 そしてまた、私たちの、先ほどちょっと言い忘れましたけれども、調査の中で特に明らかになったんですが、所得が低いほど制度を知らないんですね。そういう人たちが制度を知らない人たちに、きちんと理解もできてない人たちにきちっと一割負担して、じゃ、こういうことした方がいいですよと言っても、それはなかなか利用には結び付かない。もうていよく言ったら、そういう人たちを切捨てにしてしまうような法律ではないかというふうに私たちは心配しております。

○福島みずほ君 今日は、障害程度区分の問題に関して、中尾公述人からも塚本公述人からも古田公述人からもありました。
 古田公述人にお聞きをいたします。障害程度区分は確かにとても難しいだろうと。この判定に例えば当事者の声をもっと入れる、あるいはよく分かっている人を入れる、この制度についてのアドバイスはありますでしょうか。

○公述人(古田朋也君) 障害程度区分の判定過程ですかね。そこにはやはり、今回も障害程度区分判定試行事業で言われていたことなんですけれども、障害者の地域生活の様子ですとか、自立生活をどのように送っておられるのかということを知らない人が判定に当たれば機械的に判定されてしまう。
 障害程度で何ができる、できない。例えば、何メーターか歩けることができますかという項目があったりします。それも何分も掛かって歩けるのとすたすた歩けるのとでは全然意味が違いますし、その辺で日常生活をどうそしたら支えていったらいいのかというような方法も違うわけなんですね。だから、それを機械的に判定してしまえばできるということで丸がされてしまいます、何分も掛かって歩く人がですね。そこら辺はやっぱり障害者の日常の生活実態、それをどういうふうに支援を受けて生活をなさっておられるのかというところを明らかに分かっている、把握しておられる人が委員とか、審査会の委員もそうですし、調査員にならないといけない。調査員にならないとそういう問題意識すら上がってこない、特記事項になって上がってこない、判定しようがないというようなことも今回の試行事業で言われていたことです。その辺をちゃんとやっぱり判定項目の、さっきのことですけれども、ニーズに基づいた見直し。それから、調査員にも分かっている人を入れる、自立生活とか地域生活が。それから、審査会委員もそういう人を入れるということでもってフォローしていかなければ、到底実態に合わないような非該当などの判定が出てしまうだろうというふうに考えております。

○福島みずほ君 ありがとうございます。
 この自立支援法案に関しては、当事者、親、周りの人たち、それからグループホームや作業所をやっている人たちからも、自分たちはやっていけないんじゃないかという声などがとても寄せられています。
 古田公述人にお聞きをします。グループホームのことについてさっき若干話をしていただきましたが、個人ではなく共同体が強化されるんではないかとさっきおっしゃいました。グループホームや作業所の経営、維持などについての懸念、問題点を教えてください。

○公述人(古田朋也君) グループホームは、今、重度、中軽度の人が四人から七人で生活するのがグループホームなんですけれども、四人入居のところが大阪では知的で八〇%超えている、精神でももう六〇%を超えているというような、大体四人ぐらいの小規模で住むような形になっているわけですが、これが四人で一人の職員が付けれているわけなんですが、それが職員が一人で見れる人数をこれから出すと言われていまして、中軽度やったら六人、七人見ろと言われる可能性があるんです。そうしたら、今は一人で四人見ていて三百万もらえているものが、六人、七人で一人分やと言われたら額が下がってしまうんです。六分の四で二百万に落ちてしまうという可能性があるというのが一点目の指摘なんです。
 それで、一対一の重度の方で支援が必要な人にはホームヘルパーを是非とも付けていただきたい、中軽度者にもガイドヘルプ、ホームヘルプを付けていただきたいというふうに言うておりますが、これも厚労省との協議では、これからはグループホームの報酬の枠の中でホームヘルプのお金を使いなさい、その枠の中で派遣の費用を捻出しなさいみたいなことが言われてきておりまして、そうなるともうほとんど今のホームヘルプを使うことはできなくなる、事業所の都合で左右されてストップされるというような、そういう問題も起こってきます。これは併給していただきたいということ。
 それから、身体のグループホームは、先ほども言いましたように新しい類型ありません。ケアホーム、グループホーム、国の制度化もされていませんから行き先がないんです、移行先がないんです、新しい類型の、今自治体でやられている分について。それから、大阪では重度身障者が住む福祉ホームというのがあります。今度の類型ではどうなっているか。身障者の福祉ホームはありますけれども、軽度者が対象と言われてます。そうしたら、重度身障者が住む福祉ホームはどこの類型にも行けなくなるということにもなります。身障者だけグループホームを選べない、新しい類型に移行できないというのは、これは権利侵害の問題とも言えるものだと思います。
 今いろんな意見が出ているから、まあお金が、これから高齢者もなだれ込んできはるかもしれぬから、身障者のグループホームは認めたくないみたいに思ってはるんかもしれませんけれども、これから入所施設はもうストップする、そうしたら地域で生活できる場を多様に用意しなければ、これも生活破綻に、来す問題だというふうに考えております。

○福島みずほ君 ありがとうございます。
 塚本公述人にお聞きをいたします。障害程度区分というのは果たして精神いわゆる障害のある方たちに可能なのかどうか、これは可能なのかという問題と、それから、もうほとんど残り時間はないんですが、言いたいことがあれば最後に一言言ってください。

○公述人(塚本正治君) 障害程度区分判定の問題につきまして、何よりも実際にその病を体験し、そのトンネルからくぐり抜けてきた当事者の意見をきっちり交えて、何が基礎なのかというところをきっちりと出しながら、私は、やっぱり精神障害者の場合、発言重なりますが、状態の波、症状の波というところについてどう拾い切れるのかということがとても重要なことだと思っておりますので、そこが位置付くようなものを作るには、やっぱり本当に当事者も入れ、また専門家の方も入れた入念な議論がなされない限り、結局は精神障害者は取り残されていくのではないかと非常に危惧しております。
 それと、言いたいことと言われましたので、この自立支援法案の附帯事項にも七万二千人の退院促進ということが書いてあります。実際、全国で退院促進のモデル事業は行われておりますが、この大阪府下においても行われております。年間、この大阪府下で出てこれる人が今の予算の取組の中では四十人いるかいないかなんです、一年で。七万二千人、十年間で七万二千人、どこからこの数が出るんですか。実際にその数を達成しようとするならば、病院側の努力と同時に、地域で暮らしていける生活資源を、まず住まい、そして生活をしていける資源、そして就労していける場所をきっちりと作っていかないと、もうこれはやっていけないわけですけれども、これが余りにも惨々たる状況の中でその言葉だけが出されておるというのがとても私危惧しておって、いつの間にかこの退院促進という言葉や政策はなくなってしまうのではないかなというふうに危惧しておるので、この退院促進ということについて強く訴えておきたいと思います。

○福島みずほ君 どうもありがとうございました。

○団長(岸宏一君) 以上で公述人に対する質疑は終了いたしました。
 この際、公述人の方々に一言お礼を申し上げます。
 皆様には、長時間にわたり、有益な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。
 拝聴いたしました御意見は本委員会の審査に十分反映してまいりたいと存じます。委員会を代表いたしまして厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。

(拍手)
 以上をもちまして参議院厚生労働委員会大阪地方公聴会を閉会いたします。
   〔午後三時七分閉会〕