DAISY

花畑

マルチメディアDAISY図書

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・ DAISYとは
・ DAISY図書の種類
・ マルチメディアDAISYの特徴
・ 著作権法改定
・ 再生機器と再生用ソフト
・ DAISY製作用ソフト
・ その他の必要なソフト
・ 制作のための機材
・ 編集中のマルチメディアDAISY図書
・ DAISYについてのくわしい情報は
・ DAISYという名前の由来
■マルチメディアDAISY図書の編集
■ナレーションの録音と編集

 DAISYとは

DAISY図書は、特に、身体に障害があったり、発達障害などにより本を読むことがむずかしいかたなど、高齢者を含め、読書や学習する上でなんらかの障害のあるかたの読書をたすけるものとして、わが国でも普及が進められています。欧米先進国のDAISY利用者は、視覚障害者が約30%、その他の学習障害者が70%で、障害者に広く利用されています。わが国の普及は立ち遅れていましたが、とくに、平成22年1月の改正著作権法の施行により普及することが期待されています。

DAISYとは、Disital Accesible Information Systemの略で、いろいろな書籍情報をデジタル化する方法としてすでに世界標準化されています。

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DAISY図書の種類

1) 音声DAISY(音声だけのDAISY図書)
2) テキストDAISY
    a)テキストに音声の入ったDAISY図書
    b)テキストだけのDAISY図書
3) マルチメディアDAISY(音声とテキストと画像が入ったDAISY図書)

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マルチメディアDAISY図書の特徴

1) 音声単独、あるいは音声とテキスト、画像の組み合わせができる。
2) 大量の情報をコンパクトに収納できる。
   (パソコンやタブレットに1,000冊以上の絵本を保存できます。)
3) 記録が劣化しない。
4) 情報の交換や送付が容易(ネット配信できる)。
5) 読んでいる場所がハイライト表示されるので、集中できる。
6) ハイライトの色、背景色・コントラストが変更できる。 7) 読み飛ばしができる。
8) 同じ場所を何度でも繰り返して読める。
9) 頭出し、検索が容易。
10) 文字の拡大が容易。拡大しても再流し込み(リフロー)によりテキストはスクリーンから外れない。
11) 読み上げ速度の変更が容易で音程も変わらない。
12) 多様な障害者(児)に対応できる。(視覚、聴覚、学習障害、・・・)
13) おかあさんやおとうさんが読んでくれる絵本が作れる。
14) 絵本から学術書まで広い領域に対応できる。
15) 再編集が容易。
16) その他、紙の絵本ではできないことがいろいろできます。まさに情報化時代の図書です。

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著作権法改定

マルチメディアDAISY図書の利用が可能になったのは、 2009(平成21)年6月19日に公布された「著作権法の一部を改正する法律」 (平成21年法律第54号)が、一部を除き2010(平成22)年1月1日から施行されたからです。 DAISY図書制作に直接かかわる条項が以下の第37条第3項です。

第37条 公表された著作物は、点字により複製することができる。

2 公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、 記録媒体に記録し、又は公衆通信(放送又は有線放送を除き、自動公衆通信の場合に あっては送信可能化を含む。)を行うことができる。

3 視覚障害者その他視覚による表現の認識に障害のある者 (以下この項及び第102条第4項において「視覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を 行う者で政令に定めるものは、公表された著作物であって、 視覚によりその表現が認識される方式(視覚及び他の知覚により認識される方式を含む。) により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、 当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、 又は提示されているものを含む。以下この項及び同条第4項において 「視覚著作物」という。)について、専ら視覚障害者等で当該方式によっては 当該視覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、 当該視覚著作物に係る文字を音声にすることその他当該視覚障害者等が利用するために 必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うことができる。 ただし、当該視覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第79条の出版権の設定を受けた者により、当該方式による公衆への提供又は提示が 行われている場合は、この限りではない。

著作権に関しては以下のサイトにくわしい解説があります。

日本図書館協会
著作権問題に関する詳しい情報があります。

課題: パソコンボランティアが足りない。

点訳ボランティアは全国に数万人いるそうですし、テープ録音をする音訳ボランティアも普及しています。 一方、マルチメディアDAISYの編集ボランティアは決定的に不足しています。

マルチメディアDAISYは、画像、テキスト、音声が組み合わされていますから、一人で、パソコンで画像処理ができ、DAISYファイルの編集ができ、かつ音声吹込みのできる方となると当然限られてきます。

このため、パソコン編集と音訳作業を別の人が担当したり、スクリーンリーダーでの読み上げを改良したりいろいろな工夫が必要でしょう。いずれにせよ、パソコンボランティアの養成は急務です。

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再生機器と再生用ソフトウェア

1)再生機器

マルチメディアDAISY図書はパソコン(PC)かタブレットを使います。 伊藤忠記念財団の「わいわい文庫活用術」には貴重な利用例がたくさん掲載されています。その中の写真でパソコンを使っている例とタブレットを使っている例の数の年代による変化を数えてみました。どちらかわからない例は削除しています。

YY文庫活用術

この5年間で、パソコン再生からタブレット再生へ大きな変化が起こっていることがわかります。なんといってもタブレットは便利です。それに一般的なメモリーがあれば、1台に数百〜数千冊入れることができます。

2)PC用マルチメディアDAISY再生ソフト

音声とシンクロしてテキストがハイライト表示されるマルチメディアDAISY図書の再生ソフトには、有償、無償を含めいくつかあります。

a) 「AMIS」
日本障害者リハビリテーション協会のホームページから無償でダウンロードできる標準的な再生ソフトです。
・拡大すると文字だけが拡大して画像は拡大されない。
・拡大するとナビゲーション領域の文字も拡大される。
・通常、頁からテキストがあふれると、横書きはハイライト行はスクリーンの下部、縦書きでは左端に張り付く。レイアウト設定しなければハイライト行の位置は設定できる。
・ハイライト区切りで音声が切れていないと音詰まりを起こす。(VODとの大きな差)。
・開発は終了していてサポートもアップデートもない。
・初心者はダウンロードでつまずくことがある。
・なんといっても無償である。

AMISのスクリーン

 AMISのダウンロード:
 DINF

b) 「Easy Reader]
・有償(5,000円程度)
・DAISY2.02とDAISY3、EPUBnadowoを読むことができる。
・合成音声と録音された声で読める。
・ズーム拡大するとテキストと画像の両方が拡大する。最大10倍。
・ハイライトでの音切れがない。
・やや簡略化された機能のEasy Reader Expressを連結すると、再生ソフトがインストールされていなくても再生できる。

c)「Chatty Books」
・無償 ・DAISY2.02とEPUB3のコンテンツが最新のブラウザで再生可能
・特にChattyInftyで編集した数学・理科の再生に最適
・ユーザーのニーズに応じたレイアウトのカスタマイズ機能
・ユーザーの漢字読み習熟度に応じたルビ表示機能
・詳細はNPO法人サイエンス・アクセシビリティ・ネット:
コメント:理数系DAISYの再生にはバツグン。一般DAISYに対しても無償のわりに使いやすい。拡大すると画像もテキストも拡大される(EasyReader&VOD型)。

d) その他:
PRS、MyStudioPC、SigtunaDAR3などのDAISY編集ソフトでも再生できるが、レベル制御や連続再生、頭だしなどには制約がある。

3) タブレット用DAISY再生ソフト

パソコン再生と比較すると、タブレット再生ははるかに簡単・便利で、しかもタブレットはパソコンより安価な上、学校への配布も進みつつあるので今後はタブレット再生が主流になると思われます。

a)Voice Of DAISY(VOD)

・有償。AppleStoreから購入(現時点で3,100円程度)。
・DAISYフォルダーをzipファイルに圧縮して、パソコンのiTunesを通してタブレットに入れる。簡単。DropBoxからも入れられる。
・音切れがない。歌ののDAISYも制作できる。
・拡大、背景色変更、読み速度変更など機能が揃っている。
・拡大すると画像も拡大される。
・フリックで画面移動ができる。
・ハイライト行はページの上から下へとスクロールされる。テキストがあふれると自動的にハイライト行はスクリーンの上に移動する(横書き)。
・iPadなら数百冊の絵本を入れられる。
・本棚の並び替えはできない。
・縦書きやルビにも対応している。ただしルビは再生時にふらつく。
・AMISやEasyReaderよりHTML文法に厳しい。システムがiOS8にアップデートされたとき、ときどきページ飛びが発生したが、制作時のプログラムミスが原因らしい。現在はページ飛びはほとんど起こらないようだ。
・タブレットからのDAISY抽出は原則できないので著作権保護上安心。

b)いーリーダー(eR)

・有償。AppleStoreから購入(現時点で3,000円)。
・タブレットへのインストール方法はVODと同じ。
・いろいろな機能が充実している。
・本棚の並び替え、グループ分けができる。
・スタイルシートの数値はすべて無視される。 ・その分、拡大、背景色変更、読み速度変更などしやすい。
・拡大しても画像は拡大されない。
・ピンチアウトで画面拡大できる。しかもテキストはリフローされる。
・縦書きやルビにも対応している。
・縦書き禁止設定がある。
・HTML文法に厳しい。
・タブレットからのDAISY抽出は原則できない。

c)Voice Dream
・iPad用有償ソフト
・WORD文書をDAISY形式で読み上げる。
・WORD文書はパソコンで制作しDROPBOXに入れてiPad共有する。
・読み上げは合成音声。日本語の読みはたどたどしい感じがするが、英文の読みは完璧。絵本向きではないが、実用的で便利です。

i-Padで読める電子図書:EPUBのソースプログラムはマルチメディアDAISYと同じXHTMLで書かれているので、文書をHTML形式に変換すればマルチメディアDAISY形式と直結します。今後、相互の互換やフリーソフトの開発が急進展すると見込まれます。

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DAISY編集用ソフトウェア

1) マルチメディアDAISY編集ソフト:SigtunaDAR3(無償)

画像とテキスト、音声の入った「マルチメディアDAISY」の編集には、 日本障害者リハビリテーション協会 が配布している「Sigtuna DAR3」というソフトを使う。

SigtunaはStockholmとUppsalaの間にある美しい村の名。DAISY開発の国際会議が開催された。

SigtunaDAR3のスクリーン 

Sigtuna DAR3を入手あるいはコピーするには、日本障害者リハビリテーション協会へグループとして名簿をつけて申請すると無償で提供されます。

SigtunaDAR3のトレーニングマニュアルは DINFからダウンロードできます。

2) 有償ソフト

a) Dolphin Publisher
b) Plextalk Producer
c) ChattyInfty3[AITalk]

いずれもHTMLプログラミングをする必要がなく、WORD感覚でマルチメディアDAISYが制作できます。が、いずれも5万円近くから数十万円しますのでボランティアレベルで使うのは難しいのが現状です。いずれもネットで検索すれば詳しい情報が得られますのでここでは省略します。

3) 「Save As DAISY」

2010年4月6日、DAISYコンソーシアム(本部:スイス)、財団法人日本障害者リハビリテーション協会(本部:東京都新宿区)およびマイクロソフト株式会社(本社:東京都渋谷区)は、Word文書をDAISY形式の文書に変換できるアドインソフトウェア「DAISY Translator」日本語版の無償提供を開始しました。

「DAISY Translator」をWordにインストールすることにより、専門知識を必要とせず、きわめて簡単にDAISY文書を作成することができ、合成音声で読み上げてくれます。

このアドインソフトウェアは日本障害者リハビリテーション協会のWebサイトから無償でダウンロードすることができます。

ICTサポート福岡では、さっそくこのDAISY変換ソフトをインストールしたWordを使って、DAISY制作のテストをしました。これまでのように、htmlについての知識がなくても簡単にDAISYがつくれるようになったので便利です。ただし、まだ縦書きに対応していませんし合成音声なので絵本向きではありません。

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マルチメディアDAISY制作のために必要なその他のソフトウェア

1)OCR用ソフトウェア(スキャナーについてくるソフトは精度が低いかも)
    らくらくリーダー2 69,000円 アイネット株式会社

ここで表示する価格はすべて単なる目安です。

2)画像編集ソフト (有料)
 Photoshop Element  11,300円程度
(フリーソフト)
 Pixia
 GIMP

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DAISY図書製作用機材

編集のために必要な機材は

1) パソコン
2) マイクロフォン
3) サウンドプロセッサー
4) イメージスキャナー

パソコン以外は個人でそろえる必要はありません。作業を分担したり、機器を共用すればすみます。

編集中のマルチメディアDAISY図書

ICTサポート福岡では、これまで絵本を中心にいろいろなマルチメディアDAISY図書を試作しています。絵本の選定には、まず自分の好きな本の中の作れそうなものからはじまり、全国学校図書館協議会選定「よい絵本」や、Wikipediaの「ミリオンセラーの絵本一覧」、「子どもの育ちを支える絵本」(岩波書店)などを参考にしています。ナレーションの録音では九州民放クラブや朗読福岡和(なごみ)の会、朗読座おおむたの皆さんにご協力いただいています。当面の目標は200冊。著作権法上、一般の方にサンプル提供はできませんが、著作権法上利用可能な図書館、特別支援学校、支援学級などの関係の方は事務局までメールでご連絡ください。

マルチメディアDAISYサンプルCD

編集済みおよび編集中のマルチメディアDAISY絵本リスト

下のリンクをクリックしてください。
編集DAISY絵本リスト

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DAISYに関する詳しい情報は

ディスレクシアキャンペーン事業報告書 (DINF)
「DAISYを中心としたディスレクシアキャンペーン事業」成果報告会
〜DAISY教科書提供体制の確立を目指して〜
日時 : 2009年2月11日(水・祝)13時から17時まで
会場 : 戸山サンライズ 大研修室
主催 : 財団法人日本障害者リハビリテーション協会
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/daisy/seminar20090211/index.html

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「DAISY」という名前はどこから

「DAISY」は、DAISYの最初の開発者、スウェーデンの Lars Sonnebo(SonneboのSoのoには上に・・がついています)が、1992年11月、 Digital Audio Based Information System からとったもので、 そのとき彼は、1968年4月6日にアメリカで初公開されたスタンリー・キューブリック監督の 大ヒットSF映画『2001年宇宙の旅』(2001: A Space Odyssey)で、機能停止されつつある コンピューターHAL9000が最後に歌う”Daisy, Daisy,Give me your answer do!・・・”の Daisyが頭に浮かんだと言っています。デイジー(和名・ヒナギク)ではなく、高性能 コンピューターHALだったのです。

この歌は、イギリスのシンガーソングライターのハリー・ダクレ (Harry Dacre) が1892年に 作詞作曲した”Daisy Bell"あるいは" A Bicycle Built for Two"というポピュラーソングです。

Daisyは、ギリスでは女の子の名前としてもポピュラーなようです。

「Digital Audio Based Information System」は、後に「Digital Accessible Information System」と 変わりましたが、「DAISY」に変わりありませんでした。

Daisy, Daisy,
Give me your answer do!
I'm half crazy,
All for the love of you!
It won't be a stylish marriage,
I can't afford a carriage
But you'll look sweet upon the seat
Of a bicycle made for two.

DAISY

なお、この由来の出所は、DAISYコンソーシアム(本部スイス)会長の河村宏先生から 教えていただきました。ありがとうございます。

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