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原告 兵庫・吉田淳治さん

自立支援訴訟の原告となって
                 兵庫  吉田 淳治(67歳)

私は、措置制度の時ヘルパーは殆ど利用したことがありませんでした。
それは、行政の窓口でヘルパーがなぜ必要なのかということを説明し、職員を納得させなければなりません。
それが面倒だったのです。
ですからヘルパーは利用せずに学生アルバイトをよく利用していました。
ところが、その措置制度を止め「支援費制度」が始まると聞いた時は驚きました。
それは支援費制度になると契約制度となり、逐一ヘルパーの必要性は述べなくても良いと聞いていたので、
これからはヘルパーを簡単に利用できると思ったのです。

ところが始まってみるとヘルプの時間枠が非常に少なく、あきれてものが言えません。
当初はガイドヘルプは10時間、家事援助は0時間です。
どうしてこんなに少ないのかと窓口に尋ねました。
するとその答えは、
「吉田さんは今まで殆どヘルパーの利用がありませんでしたから。ということは必要性がないのでは」
とのことです。
だから時間枠の給付が人より非常に少なかったのです。

それからは時間枠を増やしてもらうための闘いでした。
その結果、自立支援法スタートの直前には、移動支援で32時間、家事援助で22時間まで増やすことに成功しました。

支援費制度の時は「応能負担」のために料金の支払いは全くありません。
ところが自立支援法がスタートすると同時に「応益負担」のために支払いが発生しました。
月額多い時で、移動支援と家事援助合わせて1万円を超えました。私の所得ではそれは厳しいものです。

その頃に憲法の条文をもう1度読み返しました。
一番心に残ったのが14条(法の下では何人も平等)と25条(健康で文化的な最低限度の生活の権利を有する)でした。

見える人なら、何度でも文書を読み返すことができますが、
私は支援に関する行政からの文書の理解や各種契約書の確認などヘルパーに頼らなければなりません。
1度だけで理解ができなければ理解ができるまで読んでもらはなければなりません。
となると時間枠は減っていくし料金はかさみます。
また病院や役所へ行ったり、買物にもヘルパーに頼ると時間は減っていくし料金はかさみます。
目が不自由というだけで、あまりの不平等さに腹が立つより情ない気持ちです。

そんな矢先、昨年の7月に東京で裁判に踏み切るという新聞記事をネットで見ました。
それを見た途端、私も訴訟に踏み切ろうと思いました。
その新聞に弁護士の電話番号が書いてあったので、早速連絡を取ってその旨をお話しました。
その弁護士から神戸の弁護士を紹介され、早速その弁護士さんが我が家に来られて、私の話を真剣に聞いてくださいました。
非常にうれしかったことを覚えています。
この弁護士さんにお任せすれば間違いがないと確信を持ちました。
皆様の今後のご支援どうぞよろしくお願いいたします。
                                             (「点字民報」2009年1月号より)

神戸新聞
神戸新聞 から http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0001548771.shtml