TOPページ>私たち抜きに私たちのことを決めないで!今こそ変えよう!「障害者自立支援法」10.30全国大フォーラム よびかけ

 私たち抜きに私たちのことを決めないで!
 今こそ変えよう!「障害者自立支援法」 10.30全国大フォーラム
 よびかけ



■「障害者自立支援法」全面施行から1年
   −引き続く障害者の暮らしへの深刻な影響


 2006年10月から「障害者自立支援法」は全面施行となりました。4月からの応益負担の導入に加えて、障害程度区分に基づく支給決定や地域生活支援事業を含む新サービス体系が始まり、障害者の暮らしに大きな影響をもたらしました。そのため「自立支援法」の出直しを求めて障害当事者・関係者1万5千人が集うなど、かつてない動きとなりました。

 そうした中、2007年4月から負担軽減策の拡大や通所施設等の激変緩和策等が実施されました。しかし、その後も、障害が重い程負担が重くなる、福祉サービス・補装具・医療とそれぞれの体系ごとに負担が求められるといった問題は変わっていません。

 そして、重度長時間介護サービスや移動支援事業、コミュニケーション支援、作業所やグループホーム・ケアホーム等、障害者の地域生活に関した問題は依然として残されたままです。

 地域生活支援事業となった移動支援事業(ガイドヘルプ)やコミュニケーション支援(手話通訳・要約筆記等)、地域活動支援センター(小規模作業所)に関しては、そのサービス量や内容においてきわめて大きな格差が生まれています。障害者の地域生活にとって重要なサービスが自治体任せにされ、充分な財源が確保されていないためです。

 また、「義務的経費化」されたと言われながらも、介護サービスについては国庫負担基準額の範囲内にとどまり、自治体が要した費用全額の2分の1が国からは出されていません。そのために、自治体によって長時間介護サービスについて大きな影響が生じています。

 「自立支援法」に伴う事業単価の改定や日割り計算方式の変更は、これまで障害者の地域生活を支えてきた通所授産、グループホーム、ヘルパー派遣の事業所を直撃し、人材確保とその運営を困難にしています。利用者にとっても事業所が見つからずサービス利用・生活維持が難しくなる事態も生み出しています。

 介護保険になぞらえた障害程度区分と審査会による支給決定システムは、障害者一人ひとりのニードに基づく支援の確保を危うくしており、当事者・関係者からの指摘を受けて、見直しに向けた動きが始まっています。

 当事者・関係者から疑問・批判が出されていた「精神障害者退院施設」や「地域移行型ホーム」も施行されています。このまま続けられれば、「看板かけか え」「数字あわせ」にとどまり、社会的入院の解決に逆行する事態を生み出してしまいます。

 加えて、「自立支援法」の議論の際には、難病等の「谷間の障害」に関わる障害定義、一人の市民として生活できる所得保障の検討が示されました。しかし、未だに見るべき検討はなされていません。


■「私たちのこと抜きに私たちのことを決めないで!」
   −今こそ、当事者・現場の声に基づく見直しを


 先日の参議院選の後、与野党を問わず「自立支援法の抜本見直し」の動きが出てきています。昨年の10月31日の行動をはじめ、法律施行後もあきらめることなく問題を訴えてきた、私たち障害当事者・関係者の活動が、こうした状況を生み出すことに小さくない役割を果たしてきました。

 「自立支援法の抜本見直し」が日程にのぼってきている今、真摯に私たちの声を受け止めた検討を、各政党、政府に対して求めていきたいと思います。

 昨年12月に国連では障害者権利条約が採択されました。世界の障害者が求めてきたものであり、社会モデルに基づく障害概念や合理的配慮等、新しい概念が提起されています。その「第19条 自立した生活(生活の自律)及び地域社会へのインクルージョン」では、障害者の地域生活の権利について記されています。

 日本の障害者関連予算は、国際水準に比べて極めて低い水準にあることが知られています。この間、生み出されている問題は、そうした予算の枠内で給付が収まるように介護保険になぞらえた仕組みに無理に組み換えた点に、その原因が求められます。障害者権利条約にふさわしい障害者施策を進めていくためには、障害者関連予算をまっとうな水準としていくことが不可欠です。こうした条約の基本精神に基づいて、どんなに重度の障害があっても地域で暮らせるような法制度・財源確立が求められています。

 世界の障害者は「私たちのこと抜きに私たちのことを決めないで!」を合い言葉に、障害者権利条約の検討を進めてきました。条約批准に向けた国内法整備が課題となる中、「当事者・現場の声に基づく見直しを!−障害者権利条約にふさわしい地域生活を実現する施策・財源の確立」を求めて、全国各地の皆様に10月共同行動を呼びかけます。


障害者の権利条約にふさわしい障害者施策、真に障害者の自立・地域生活を支援する制度確立を求めます。

深刻な影響を与えている「障害者自立支援法」をはじめとする障害者施策について、障害当事者・現場の声に基づいて変えることを求めます。

障害者の生活を直撃している「応益負担」をあらため、障害者本人の実態をふまえた負担への変更を求めます

「できる、できない」ではなく「どのような支援が必要か」という視点から、障害者一人ひとりのニードに基づくサービス支給決定の仕組みとすることを求めます

重度障害があっても地域で暮らせるよう、自治体が支給決定したサービス、地域生活支援事業に対して国が責任をもって財源保障することを求めます

介護、日中活動、ケアホームなど地域生活の社会資源を維持できるよう、現行の日割制度をあらためるとともに報酬単価・体系の見直しを求めます

真に「施設・病院からの地域移行」が進むように、「精神障害者退院支援施設」等の撤回と、ピアサポート等の当事者活動への支援・退院促進事業・地域での住まい確保策の充実を求めます

「子ども」の支援について現行の「自立支援法」の枠組みではなく、「子ども」の権利の観点からつくり直すことを求めます。

障害の定義や所得保障、扶養義務問題等、手つかずの基本課題の解決を求めます。

日本でのノーマライゼーション、施設・病院からの地域移行実現のため障害者予算の飛躍的拡充と地域生活のサービス基盤整備のための特別立法を求めます。


1)「自立支援法」成立二年となる10月末に開催する、「私たち抜きに私たちのことを決めないで! 今こそ変えよう!『障害者自立支援法』10.30全国大フォーラム」に、一人でも多くの皆さんにご参加下さい。

2)「自立支援法の抜本見直し」が国会審議の日程にのぼる10月、11月を、「全国一斉行動月間」とし、各地域で集会や行動を行い、自治体への働きかけと社会へのアピールを行って下さい。また、ぜひ、地元国会議員への支援要請を行って下さい。

3)10.30大フォーラムを準備 ・運営していくための資金確保にご支援・カンパのご協力をお願いします。