放送アクセシビリティ・シンポジウム パネルディスカッション発表資料 2016年10月28日 認定NPO法人 CS障害者放送統一機構 佐藤至 ◆スライド1 認定NPO CS障害者放送統一機構のご紹介 ・「目で聴くテレビ」は、当機構が提供する おもに聴覚に障害のある方のための放送局 ・1995年の阪神大震災の教訓をふまえ、 全日本ろうあ連盟、全日本難聴者中途失聴者団体連合会などが中心となり、 1998年からCS衛星通信による「目で聴くテレビ」を立ち上げ。 今年で19年目を迎えます。(http://www.medekiku.jp/) ・視覚障害者むけ「音声解説放送」にもチャレンジ ◆スライド2 「目で聴くテレビ」のミッション(現在) 1.聴覚に障害のある人を対象とした「字幕と手話で構成された」番組 ・手話を言語として番組制作 ・障害者の社会参加に役立つ番組制作と情報発信 2.放送番組と同一画面で見ることができるリアルタイム字幕・手話放送の発信 (著作権法改正のなかで段階的に実現) 当機構発足以来のミッション。災害時の放送番組への情報保障 災害時以外にも実施 ◆スライド3 リアルタイム字幕・手話放送の実績 1.中越沖地震 2.石川能登半島 3.三陸沖地震 4.東北三陸沖地震 5.熊本地震 6.鳥取中部地震 大型台風の上陸など4000人以上の聴覚障害者及び 関係者に50回以上情報発信 全国の自治体や公共施設にも設置 市役所に設置された アイ・ドラゴン3(大阪府内) ◆スライド4 実際の画面をご紹介します ◆スライド5 画面のご説明 地デジの画面 CS衛星画面 ・テレビに専用受信機アイ・ドラゴンを接続します ・字幕(放送局が字幕を付けていない時)と手話は、CS衛星で送信されます。 ・専用受信機 アイ・ドラゴンが2つの画面を合成します 専用受信機 アイ・ドラゴン3 ◆スライド6 「目で聴くテレビ」の特徴 1.第三者による放送番組への補完情報の発信(著作権改正に対応) 2.利用者は、健常者と同じテレビで情報の取得ができる 3.障害当事者の参画 ●番組制作だけでなく、障害者の権利の保障という観点からの アクセシビリティ推進のため標準化技術など積極的に提案 ●世界初、アクセシビリティ推進にかかわる国際標準化(IPTV H.702) ◆スライド7 「目で聴くテレビ」ミッション(将来) 1.第三者による放送番組への情報保障の推進 ・テレビが第一の情報源 ・障害者の情報源として高まる期待(放送の現状から) ↓ 2.「IPTV」の特性をいかした聴覚障害者だけでなく、 情報障害者すべてを対象 ※IPTVとは ◆スライド8 放送・IPTVの補完情報の付与の仕組み テレビ放送の場合(字幕・手話・音声解説など) ・放送局が実施(放送局が送らないと付与されない) ・字幕は1種類(地方局など送ることができない場合もある) ・手話は、オンオフできる形では見る(送る)ことができない。 ・音声解説は1種類(送ることができない場合もある) IPTVの場合(字幕・手話・音声解説など) ・仕組みとして第三者が実施することが可能(著作権法に基づき) ・字幕は、複数対応。障害に応じた字幕配信も可能。他言語も可能。 ・手話は、オンオフできる形で見る(送る)ことができる。表示位置をかえることができる。 ・音声解説を聞く(送る)ことができる。 ◆スライド9 IPTVアクセシビリティ分野における国際標準化による 「パーソナライゼーション」の実現 1.「目で聴くテレビ」の放送番組への補完情報の付与方式が、 国連の国際電気通信連合(ITU-T)において、 有益な利用例として認められ、ITU-T IPTV H.702として国際標準化。 2.2つの成果 第三者による補完情報の発信(IPTVの基本的特性) 受信者が必要とする補完情報をリモコン操作で選択(新しい規格) ↓ 3.新しい受信機で、聴覚障害者だけでなく、 視覚障害者のための「音声解説」をはじめ、 情報障害といわれる人々を対象に活動を展開。 ◆スライド10 IPTVによる手話(オンオフ、表示位置の変更が可能) 地デジの画面 IPTVによる手話 ・字幕、手話はのオンオフ、表示位置の変更などが可能 ・字幕、手話、音声解説それぞれについて定められている ◆スライド11 参考資料 ◆スライド12 H.702「字幕」に関するプロファイル 機能・性能 Basic Enhanced Main 字幕の表示/非表示 R R R 複数字幕からの選択 R R R 字幕フォントサイズの変更 R R R 字幕の色の変更 R R R 字幕の位置の変更 R R R 字幕の背景色の変更 R R R 字幕背景のサイズ変更 R R R 字幕の表示方向の変更 縦/横 OR R R 字幕フォントスタイルの変更 OR R R 字幕表示の表示方法 カット/スクロール OR R R 複数字幕環境での字幕の言語設定の維持 OR R R 字幕とビデオとの同期 OR R R 巻き戻し(スローモーションを含む)時の字幕とビデオの同期 OR OR R 音声認識を使っての複数字幕の生成 OR OR OR 異なった表示端末への字幕の表示 OR OR OR 字幕表示速度の変更 OR OR OR R: requited(必須) OR: optionally required(オプション) ◆スライド13 H.702「手話」に関するプロファイル 機能・性能 Basic Enhanced Main 手話の表示/非表示 OR R R 複数の手話からの選択 OR R R 手話映像の大きさの切替 OR R R 手話映像の位置の変更 OR R R 録画再生時の手話映像の同期 OR OR R 複数の手話映像がある環境での手話の言語設定の維持 OR OR R 手話映像の背景色の変更 OR OR OR 手話映像の自動生成 OR OR OR 主映像の重要情報を避けて手話を表示する OR OR OR R: requited(必須) OR: optionally required(オプション) ◆スライド14 H.702「音声解説」に関するプロファイル 機能・性能 Basic Enhanced Main 音声解説の表示/非表示 OR R R 音声解説の音量調整 OR R R 画面上の文字やボタンの音声読み上げ OR R R 複数の音声解説からの選択 OR R R 録画再生時の音声解説の同期 OR OR R スロー再生や一時停止 OR OR R 複数の音声解説がある環境での選択した音声解説設定の維持 OR OR R 音声解説の音質調整 OR OR R 主映像の音声と音声解説が重なるのを避ける OR OR OR R: requited(必須) OR: optionally required(オプション)