はがき通信ホームページへもどる No.98 2006.3.25.
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 夢の車 


 日本全国には、障害が重度のために出かけて歩けない人はたくさんいることでしょう。でも、“夢の車”があれば、車椅子のまま車を運転できるだけではなく、ステアリングやハンドコントロールまでいろんな方法で、重度の障害者のためにカスタマイズできるのです。そうなれば、外に出て歩ける障害者が増え、障害を負う前のように会社に行ったり、いろいろな場面で活躍する人もでてくるでしょう。
 1つ言えること、それは夢は諦めなければ、叶うということです。なに奇麗事言ってんだ! と思われるかも知れませんが、今も私は“夢の車”を手に入れるためにただいま奮闘中、「努力と我慢」の繰り返しです。
 小さいことで言えば、体がなまらないようにと運動をしに行ったり、欲しいものや食べたい物、買いたい物などを我慢したりと、言えば切りがないですが、夢を手に入れるためにこうして頑張っています。大きいことで言うと……とても人には言えない、言い表せないくらいの本当に血の滲んだ「努力と我慢、努力と我慢」の繰り返しでした。
 でも、今は相川さんのような方が現れてくれたので、私ほど苦労しなくても今から購入する人は比較的簡単に手に入ります。ブログのほうを見てもらうとわかるのですが、昔と違って車の価格がポルテなどを改造すれば、一般人のわれわれでも十分手が届くのです。
 皆さん車椅子のまま車に乗って、彼女に会いに行きましょう!(笑)
 <相川氏から>
 『日本車初自立型福祉車両完成への道〜あなたも愛車に乗って車椅子で出かけよう!』
 私は、重度障害者で頸椎損傷C6a(首の骨折による体幹機能障害)です。クルマへの移乗は、大変な時間と危険をともなう作業です。運転するにもハンドルがきちんと回らなかったり、ブレーキも機械式のハンドコントロール(日本で普及している走行装置)では急制動をかけられません。でも、自分に合った改造さえしてあれば危険も少なく、雨が降ってもクルマで出かけられます。
 クルマを運転したいけれど、自分が運転できる車を見つけられなかったという貴方! どうぞお気軽にご相談ください。


「改造車・PTクルーザー(ドライバー)」


 [ランプ・バン]
◇福祉車両新車・中古車販売
 ◇車両改造・アドバイザー
 ◇福祉機器リサイクル  
〒193-0826 東京都八王子市元八王子町 2-1153-3
TEL&FAX: 0426-68-9166
代表 相川 宏光
blog:http://blogs.yahoo.co.jp/ramp_van
HP:http://www.geocities.jp/ramp_van/

宮城県:A・I



 台風の中の旅行 


東名では、伊豆へ観光に行きそうな車は一台も見なかった。さすがに道路は、ガラガラ。何故かー。台風に向かって旅行に行く人は、ほとんどいない。沼津から伊豆スカイラインへ行くと「通行止め」にガクッー。迂回ルートに行くしかない。ますます、雨が強くなりガスもかかってきた。ハンディキャブのゴリラ号は、まるで雲に乗ったように周囲が真っ白になってしまい周りが全く見えない。クネクネの下り坂も続き、左右に身体が揺れるたびに恐怖心が走った。「キャー! コワイ!」マリちゃん(奥様)たち女性陣は“茶色い声”で叫びながら、「ジェットコースターに乗っているみたいで楽しいネー」と、なぜか喜んでいる。女性は、恐ろしいものだ! 行く前は台風が来て、危ないからやめたほうがいいよーと言っていたのに……。不思議な生き物??
 昨年の7月中旬、台風の中、Iさん、Yさん夫妻、F君、Eさん、S君の6人とマリちゃんの8人で伊豆高原旅行に行った。友人は、施設入浴で知り合った人たちで、今は施設を辞めて皆バラバラに仕事をしている。仕事が変わっても、私のボランティアとして協力してくれたり、焼肉や旅行などにも一緒に行ってくれる楽しい友人である。一番古い人は、13年間も付き合いが続いている。皆、心優しく思いやりのある素晴らしい人たちだ。
 旅行前夜、大型台風7号が接近し、伊豆を直撃というTVニュースを見た。マリちゃんが「明日は、ダメだネ」と呟く。家の雨戸に打ちつける雨音が段々大きくなってくるのに不安を感じていた。旅行は中止にすべきかなぁと悩んでいたが、友人たちは不安がないのか誰ひとり問い合わせの電話がない。翌朝の天気は曇りで風もなく、伊藤家に皆が集まって来た。皆、旅行に行く気満々。でも、TVニュースでは、西湘バイパスに大波がたたきつける映像が出て、通行止めと言っていた。台風に向かって行く不安があったが、皆が「行けなかったら帰ってくればいいじゃない」という。横浜市障害者社会参加促進センターの貸出用のハンディキャブ「ゴリラ号」に8人乗り込んで出発した。横浜から沼津までは、風もなく時々雨が打ち寄せるぐらいで意外と楽に行けた。ただ、トラックに追い越されるたびに水しぶきがかかり、ハンディキャブの前方が一瞬見えなくなることにビビッた。熱海の海岸沿いを通る頃は雨も止み、伊豆高原かんぽの宿に約4時間で着いた。無事、宿の玄関に着くと皆、一斉に拍手。皆も心配だったのだ。運転してくれたのは、大型二種の免許を持っているF君で、さすがにバスを運転している腕前に頭が下がった。ハンディキャブからリフトで降りようとしたら、かんぽの宿のスタッフが出迎えの挨拶に来た。何度かこの施設を利用しているが初めてのことだった。
 今回は、伊豆高原かんぽの宿で温泉に入るのをとても楽しみにしていた。今まで、どこに行っても、デカイ私が入浴できる施設がなく、お風呂に入ったことがない。かんぽの宿を予約した時、スタッフからバリアフリーの介護風呂があることを知った。2年前に露天風呂と介護風呂を増設したらしく、身体障害者手帳を持っていると1時間無料だというので予約しておいた。チェックイン後、フロントで介護風呂の鍵をもらって全員で行ってみた。地下1階の大浴場入り口の横に通路があり、そのまま奥へ行くと「介護風呂」と表札があった。ドアは引き戸で、中に入ってみると更衣室と大きな浴槽、外には露天風呂もあった。浴槽と露天風呂にも手すりが取り付けられていた。更衣室から浴槽まで、天井走行のリフターが取り付けられ、浴槽の深さも浅めだった。なかなか良くできている。これで入れると喜んでいたら、備え付けのリフターのシート(ハンモック型4点吊り)が小さ過ぎて使えない。残念! だけど、工夫次第では入浴できると思った。自分が使っているシートを持っていき、床が広いのでベッド代わりにできるはずだ。次回は、入浴するゾ! デカクない車イスの人は、入浴できるので皆さんも利用されるといいですよ。


   「伊豆高原かんぽの宿の介護風呂」

 楽しみな夕食。3階へ移動。大きな窓際に案内されたが、台風の影響でガスがかかり何も見えない。天気が良いと最高の景色なのに……残念! 料理は、楽しみにしていた「敷島」というコースで、伊勢海老のお造り、アワビの踊り焼き付の会席料理。生ビールで乾杯した途端、皆、黙々と食べ始めた。お昼を食べていないため、とてもペースが早い。料理を運んでくれるオバちゃんも大あわてで、料理の説明をする暇もない。そのオバちゃんが、私のことを「旦那様、旦那様」と言うので、言われるたびに可笑しくて笑いを耐えるのが大変だった。料理は、すべて美味しくて、皆も13品の料理を残さずに完食していた。満腹、満腹。
 翌日の早朝、カーテンからこぼれる日差しが眩しく、身体が暑くて目が覚めた。友人がカーテンを開けると台風一過のカンカン照り。朝食のバイキングを食べ、10時にチェックアウト。外に出ると、ムーンとした熱気が身体にまとわりつき、強い日差しが脳天を直撃して痛かった。さっそく観光へと思ったら、かんぽの宿の近くに美味しいソフトクリーム屋があるというので行ってみた。気温が高くてソフトクリームがドロドロ。味は最高だった。次に伊豆ガラスと工芸美術館へ行ってみたが、私の確認ミスでエレベーターが小さくて2階に上がれなかった。本当は、一番楽しみにしていた「太郎・次郎」の公演。天城高原ファミリーパーク内の「次郎おさるランド」にはじめて行ったが、劇場が野外で気温が高くなって日陰でも耐えることができなくてキャンセルしてしまった。車から外に出られないほど暑かったのだ。帰路の途中、伊東マリンタウンのオーシャンバザールに寄った。施設はバリアフリーで、私の電動車イスでも動きやすく、伊豆太郎で食べたお寿司がとても旨かった。
 台風のおかげで、寄り道ができず昼食を食べなかったことで、夕食が最高に旨かった。そして、翌日が最高の天気になって、素晴らしい景色が見られたことは運が良かった。素晴らしい友人たちに感謝。

神奈川県:I・M E-mail: gorilla@kk.catv-yokohama.ne.jp



  頸損腹はきつい 

C4,5、電動リクライニング式車イス使用、頸損歴47年、私的ヘルパー雇用、自立独居生活

 「はがき通信」懇親会 in 小倉で地味ですが、大切な議題が出ました。それは「頸損腹」です。医師もよく分からず、私たちの発表会でも結論は出ませんでした。
まず、尿道と直腸が隣同士という部位があり、若い頸損者は便が詰まったら尿は出口をふさがれて尿閉のようになります。ガスが詰まっても同様です。この場合、導尿によって膀胱をカラにすると排便や排ガスが始まります。ヤレヤレ助かったという深刻な事態を私は数度経験しました。腸が動かなくなって、腸閉塞と間違われ手術することもあるのでご注意を。
 次に、50歳以後の高齢者の頸損腹ですが、腹が出ている割には腸の動きが鈍り、膀胱も弱くなるので激烈な症状が出にくく、「腹が痛む」「吐き気がする」「ムカムカする」という程度です。しかし、長くなれば腸炎を伴い、発熱もあります。そして冷や汗、生汗、排便不順、排尿困難症、などになりがちです。また、膀胱炎に頻繁になるのも尿道がふさがれるからです。ところが、医師にかかっても異状はありません、となります。
 しかし、正体不明のガスが溜まっているのが共通しているようなので、冬に向けて腹部を暖めすぎたり、食べ物などでガスの発生を活発にしないこと。強制排便を早めたり、ガスの移動を促すように絶えず運動や体位変換をすること。尿をあまり貯めないこと。何と言っても運動でしょうか。他人事ではなく、高齢者として私が大変な毎日です。
 もう春ですね。運動不足を補って、何か始めましょう。ちなみに、介護保険のほうで寝返りするエアーマットは月額1700円のレンタルがあります。頑張って下さい。

編集顧問:向坊 弘道



 「楽しい話題はないですか 

受傷41年目、電動車いす使用、公的支援、独居老人67歳

 一昨年は1月22日に父が亡くなり、同月、31日には5年間訪問してくれたヘルパーステーションの主任に訪問中止をいきなり言い渡された。いまだにハッキリした原因はあの主任にしかわからない。昨年は1月4日にMRSAに侵されて(隔離され)、入院と同時に天井つり下げリフト(パートナー)も壊れる。同年12月にはエアコンまで駄目になる(21年使用)。最近のエアコンに替えた。年末から寒かったので、助かったのかもしれない。この1月をビクビクしながら過ごした。
 わが家は無事だったが、一番年長の叔母(103歳)、父の姉の所が大変だった。私には、従姉妹(いとこ)に当たる末娘5女(62歳)が喫煙歴もないのに肺ガンで、続いて長男の嫁(64歳)が心臓発作で亡くなった。この人は脳こうそくで、かなり前から重度の障害者だったのでデイサービスで一緒でした。悲しいこと、悪いことは集中して襲ってくるみたいです。わが家が無事に1年間乗り切ったからと言うわけではないが、ほっとしています。
 1月号のA.Mさんの、「事故後の10年を振り返って」を特に気になって読ませてもらった。私はどうだったか思い出すこともできない。事故後11年が過ぎ三十路になる、私から見れば女の子にも見える女性が身近にいるが、この子はA.Mさんの気持ちは理解できると申しております。私がデイサービスに行く、施設で日々過ごしている女性です。他にも昭和48年の夏に17歳(高2)で交通事故に、私とはおなじ病院で13年間過ごした後に、私は在宅に彼女は遠く(境市)の施設に入所した。今年の1月2日に自宅に外泊している所に会いに行った。数時間だったが笑顔で会えて、冗談を言って笑えるのは素晴らしいことでした。パソコンにも挑戦しているが大変みたいです。
 「海を飛ぶ夢」も見た。26年と4ヶ月間、楽しいことはなかった。と言って死んで逝きましたが、2階で生活をして(エレベーターもなく)車いすにも乗らず、外出も拒否して楽しいことが見つかるわけがないと思った。つい最近テレビで見たプロジェリア患者の平均寿命を超え、猛烈な勢いで進む老化と向き合う彼女、14歳を迎えたアシュリー・ヘギちゃん(カナダ)の『人生は不満を言うほど悪くはないから』という言葉に涙しました。
 寂しい話は、昨年の10月でダイエーが閉鎖してしまった。買い物は不便になり、夏に涼む所がなくなって困っている。ダイエーが近所だから、この地に家を建てて引っ越してきたのに恨めしい話です。平成18年4月1日から障害者自立支援法に基づく制度が順次施行されるそうです。65歳から介護保険でヘルパー派遣は1割負担です。足らない所は支援費でした。自動車事故対策機構からの支給金もストップ(介護保険給付を受けると支給は停止)し、そのうえ医療費も薬価も1割負担で春になっても懐は寒いままでしょう。せめて2〜3泊の、辛くて楽しい海外旅行をしませんか。広島の懇親会が待ち遠しいです。

鳥取県:Y・H E-mail: hy-0025@ncn-k.net

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