はがき通信ホームページへもどる No.82 2003.7.25.
Page. 1 . 2 . 3 . 4 .

前ページへ戻る

 ひとくちインフォメーション 


◆本の紹介

『いとしの介助犬アトム』

 高校時代に交通事故で頸損となった舘林さんと介助犬「アトム」の記録。連載コラム「アトム日記」や本人の日記、母親の介護記録などをまとめて、出会い〜大学入学〜現在までを掲載。
 舘林 千賀子・読売新聞中部社会部 著   中央公論新社 出版:1500円


『車いすレクリエーション』

 車イス使用者が楽しく安全に遊べるゲームの図解と事故防止、盛り上げかたなど失敗しないすすめかたを掲載。
 斎藤 道雄 著  大月書店 出版:1400円


◆携帯電話(ドコモ)の割引プラン「ハーティ割引(ふれあい割引)」

 携帯電話のNTTドコモでは、障害を持つユーザー向けに身体障害者手帳を添えて申し込めば、基本使用料や付加機能使用料が半額になる割引プラン「ハーティ割引(ふれあい割引)」が9月1日より適用開始されます。なお、受付は8月21日からです。

割引対象サービス/携帯電話(mova、FOMA)、パケット

対象者/身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保険福祉手帳の交付者(1契約者1回線まで)

申込先/ドコモショップや一般販売店(一部販売店では新規契約との同時申込みのみ受付)

[問い合わせ先]詳しくは最寄りのドコモショップまで

「ドコモ・ネット」  http://www.nttdocomo.co.jp/index.shtml


◆『ライフタクト』のデモテープ

 「はがき通信」№79でご紹介した、自立生活支援装置 『ライフタクト』のデモテープを旭化成さんよりいただきました。希望者は瀬出井さんまでご連絡ください。

[製品について]旭化成テクノシステム㈱           
 http://www.asahi-kasei.co.jp/ats/hukushi.html


◆ロスアンゼルスとラスベガスを旅行したい障害者のために

 リフト車の運転、飛行機の手配、ホテル手配、通訳、観光ガイド、日常生活介助、すべてを責任もって行います。ちょっとステキなリフト付きバンで快適な旅行が可能になりました。

ETI Echo Travel Inc.(wheelchair tour service)  
E-mail: km@e-tabiusa.com
http://www/e-tabiusa.com
日本事務所(西田) TEL: 045−932−8746

 (情報提供:K・Mさん)


◆移乗補助用具

『スライディングボード(シート)』

 車イスからベッド、自動車へ横滑りするようにして移乗する橋渡し板(シート)。使用するのにボードの敷き込みかたなど、はじめはコツが必要のようです。各メーカーから販売されていて、大きさ、形、厚み、材質など各種あり体に合ったモノを販売店や都道府県の介護実習・普及センターなどで実際に試して選択してください。価格・約2〜3万円、介護保険では月100〜2000円の負担でレンタル可能。基本的な使いかたのポイントなど下記ホームページに掲載。

「Yomiuri On-Line・やさしい介護学」               
 http://www.yomiuri.co.jp/iryou/kaigogaku/index.htm


◆四肢障害者免許 支援団体調査

 教習所に操作車なく取得進まず 

 道路交通法(道交法)改正で四肢に障害がある人も運転免許が取得できるようになったのに、操作可能な車が教習所にないため、取得がほとんど進んでいないことが31日、障害者支援団体の調べで分かった。障害者は高価な改造車を自分で買って教習所に持ち込むしかなく、支援団体は「法改正の趣旨が生かされていない。欧米のような改造費の全額補助を」と訴えている。

 腕など上肢が不自由な人の運転免許は、81年の道交法改正でペダルを踏んで操作する「足動車」で取得できるようになった。さらに昨年6月の改正で、四肢が不自由な人でも車椅子のまま座席横のステックを腕で操作することで運転できる「ジョイスティック車」で、取得が認められた。ジョイスティック車は、スティックを後ろに倒せばアクセル、前に倒せばブレーキで、左右に倒せば倒した方向に曲がる仕組み。

 ところが、サリドマイド被害者を支援している財団法人「いしずえ」(東京都)によると、(1)その人の持っている障害によって必要な改造が異なる(2)教官が操作できるようになるのに時間がかかる——などから、こうした障害者用の車がある教習所はほとんどないという。自分で買って持ち込むしかないが、改造費はおおむね足動車で約300万円、ジョイスティック車で700万円以上かかる。

 また、国の補助はジョイスティック車など「手で運転する自動車」に限定し、12万円前後。足動車には全く出ない。このため、約1万数千人いるとみられる四肢などの障害者の大半が教習すら受けられず、日本では足動車が約50台、ジョイスティック車は9台しか動いていないという。

 日本で初めてジョイスティック車を導入し、重度肢体障害者の社会参加を促進している市民団体「ジョイプロジェクト」(東京都)の渡辺啓二代表は、「障害者も車が運転できれば行動範囲が飛躍的に広がる。米英やドイツのような改造費の全額補助をすべきだ」と話している。

 厚生労働省社会参加推進室は「課題としては認識している」としているが、補助制度の創設や補助額増額については「財政状況から厳しい」としている。【奥山智己】

(情報提供:毎日新聞 平成15年5月31日)

「ジョイプロジェクト・ホームページ」  
 http://www.joyproject.jp/


 ◆車いす乗車、衝突に無防備

  保安基準なく貨物と同じ扱い

 埼玉県越谷市で5月、車いすごと乗車できる軽乗用車が事故を起こし、車いすの利用者が死亡した。腰に巻く2点式シートベルトで胸や腹を圧迫されたのが死因だった。同様の事故は1月に仙台市、3年前に岐阜県内でも起きている。車いす利用者を保護するための車両の保安基準は未整備で、早急な法整備を望む声も出ている。

 越谷署によると、越谷市内で5月8日、軽乗用車の運転手(68)が信号を無視して約40kmで交差点に入り、左から来た別の軽乗用車と衝突。運転手は軽傷だったが、後部座席を外して空いたスペースに車いすごと乗っていた男性(70)は死亡した。肋骨(ろっこつ)が折れ、心臓が破裂しており、腰の位置のベルトがずれ、胸を圧迫したのが死因とされた。
 男性は脳梗塞(こうそく)で左半身に障害が残り、病院でリハビリをして福祉団体の車いす移動車で帰宅する途中だった。
 運転手は車の仕様書通りに車いすを4点で車両に固定し、男性に腰巻きのシートベルトを施していた。
 同署は車の構造上の問題も調べたが、道路運送車両法に基づく保安基準は車いす用の安全装置に触れておらず、福祉車両の運行に特別の許可基準もなかったという。同署幹部は「過失は運転手にあるが、安全対策が必要ではないか」と話す。
 岐阜県では00年3月に男性(当時52)が、仙台市では今年1月に女性(同77)が死亡。いずれもワゴン車に乗車していて事故に遭い、腰巻きのシートベルトで腹や胸を圧迫され、内臓などが傷ついていた。

 昨年6月、岐阜県警は事故分析を日本交通科学協議会で報告した。その中で「車いすは座席でないため保安基準は適用されず、貨物と同一レベルの取り扱いになっている」と指摘。「車いす利用者は足での踏ん張りが利かず、危険が迫っていることすら認識できない人もいる」とし、(1)3点式以上のベルトなどで骨盤や上体を完全に拘束する(2)ひじ掛けなど、体を打つ危険のある個所は衝撃吸収できる構造・部材を使う(3)エアバッグを装備する——ことなどが必要だと訴えた。

 国土交通省は「保安基準上、車いすは座席ではなく障害のある方々の補助具だが、安全性向上に向けて検討したい」(自動車交通局技術企画課)としている。
 警察庁交通局は「今後の高齢化社会では、車いすに対応して、こうした車の利用の仕方が増えるだろう。国交省などと協力して対応していきたい」という。

(事故を起こした軽乗用車は、後部座席を外し、車いすごと乗車できるよう改造されていた=埼玉県越谷市の越谷署で)

(情報提供:朝日新聞 平成15年6月3日)




【編集後記】

 「はがき通信」の購読料振込先は今年、向坊弘道から石川大輔に変わり、次の通りです。お間違いなく。

   郵便局:記号15550 番号21323201 口座名:はがき通信

(編集顧問・向坊 弘道)


 前号でお知らせいたしましたが、購読料有料化より未納のかたにつきましては、今号より発送を停止させていただきました。

 さて、郵便局で1級身体障害者等ですと20枚無料で配布される「青い鳥のはがき」のことは、皆さんご存じのことと思います。今年は配布時期を過ぎてしまいましたが、知人によると最寄りの郵便局に問い合わせたところ、わざわざ郵便局まで出向かなくとも手帳のコピーをFAXで送信し、後日、配達してもらったそうです。担当者の善意の裁量なのか日本郵政公社になってのサービスでしょうか。

(編集委員・瀬出井 弘美)


 電動車イス使用者の交通事故件数増加にともない、警察庁は「必ず歩道を通行するなど歩行者として交通ルールを守ってほしい」と呼びかけています。まるで電動車イス使用者ばかりに非があるような言い分です。バリアが多い歩道をなおしたり免許更新時に歩行者優先について啓発するなど、まず先にしなければならないことがあるはずです。

 さて、今号は、編集委員2人で分担して編集させていただきました。次号の編集は、藤田忠が担当いたします。

(編集委員・藤田 忠)


これでは安心して歩道を通行出来ません。引き返すのも大変です。=北九州市八幡西区

(写真提供:K・T)


………………《編集委員》………………
◇ 藤田 忠  福岡県 E-mail:fujitata@aioros.ocn.ne.jp
◇ 瀬出井弘美  神奈川県 E-mail:h-sedei@ma4.justnet.ne.jp

………………《広報委員》………………
◇ 麸澤 孝 東京都 E-mail:fzw@nifty.com

………………《編集顧問》………………
◇ 松井和子 東京都清瀬市国立看護大学校 E-mail:zmatsui@mb.infoweb.ne.jp
◇ 向坊弘道 福岡県 E-mail:zi5h-mkib@asahi-net.or.jp

(2003.1.25.時点での連絡先です)

発行:九州障害者定期刊行物協会
〒822-0034 福岡県直方市大字山部 887−50
  TEL&FAX:0949-24-8963

このページの先頭へもどる


HOME ホームページ MAIL ご意見ご要望