は が き 通 信 No.58 - Page. 1 . 2 . 3 . 4
POST CARD CORRESPONDENCE 1999. 7. 25

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山ちゃんの「地球のさぼり方」 Part 5

皆様お元気でしょうか。旅に出てすでに8ヶ月近くたつわけですが、幸運にも、大した事故やトラブル、病気にもあうことなく、元気に旅を楽しんでいます。
車椅子で目立つ分、人との出会いも多いです。そして私のパートナーのジュカライ君が本当に好青年で、いつも明るく介護をやってくれます。時にはケンカもしますが、まるで弟のようです。これからも2人で最後まで旅を続けます。私たちのことはどうかご安心下さい!
日本は梅雨が明けたでしょうか、ここインドシナ半島もモンスーンの時期です。つまり、こちらの地域も雨季なのですが、突然ドカッと降ったり、毎日ということもなく、1日中シトシト降ったり。それでも雨が降ると涼しくなってホッとします。逆に、晴天の日の陽射しの強烈なこと! 
いやー参ります。

さてと、それでは早速本題の方に!!

【スリランカ】


スリランカはインドの南にぽっかりと浮かぶ豊かな島国です。しかし、不幸なことに民族間の対立による内戦、テロ、と政治的に不安定であり、未だ島の北部、東部に旅行者は立ち入ることができません。中心都市コロンボでもいたる所で警察や軍人が検問をやっています。
と、これだけ書くと、「危ない国」のイメージが先立ってしまいますが、いやはや、どの街もいたって平穏、人々もまた落ち着いていて、旅行者にも親切です。治安もよく、何の心配もいらないでしょう。
さて、この国を楽しむにあたって大きく2つの型に分けてみましょう。
1つは「海辺でリゾートしよう!」型。この島の西から南にかけての海岸には沢山のビーチがあり、海もまだまだきれいです。それこそダイビングから浜辺の水遊び、漁の見学まで楽しみ方はいろいろです。
宿泊もプライベートビーチのある1泊100ドル以上もする高級リゾートホテルから、1泊1000円以下のゲストハウスまで、予算と希望にあわせて選べます。

私はマータラという最南端の小さな町の海辺のゲストハウスに1週間以上のんびりと滞在しましたが、ヤシの林が広がり、とても静かで寛ぎました。
この南西海岸のベストシーズンは11月から3月後半ぐらいにかけてとか。ということは日本が寒いころ、寒い日本を抜け出して、ビーチでカクテル片手に日光浴なんてのはどうでしょうか?

そしてもう1つが「歴史のロマンに触れよう!」型。島の内陸部に広がる遺跡群の観光がメインです。残念ながら、この島の歴史にうとい私は、この遺跡がどれほど価値があり、またすばらしいか説明できませんが、私みたいな人間でも結構楽しめます。
周囲の大自然の中に取り残されたように存在する昔の人の生活の気配を感じるだけでも、興味深いものです。ガイドブック片手にロマンに浸ってください!
また、内陸のキャディという古都には仏陀の歯を納めた大きな寺院があり、毎年夏に、この仏陀の歯を象の背中に祭って、街中をねり歩く「ベラベラ祭」という大きな祭りがあるそうです。このお祭りに合わせてスリランカを訪ねるのもいいでしょう。
ごく簡単に、急ぎ足でスリランカを紹介しましたが、この他にも、高原に広がる茶畑(これが素晴らしく美しい)と紅茶工場の見学、国立公園内での野生動物サファリなど、見所がたくさんです。
また、島全体がさほど大きくないので、移動にはタクシーをチャーターするといいと思います。だいたい1■で30円以下くらいですから、丸1日借り切ってもたいした金額にはならないはずです。日本車のバンもアレンジできます。まあ車を使う方が効率よく無理なく移動できます。
鉄道があるにはあるのですが、軌道が痛んでいるのか、何しろ上下左右に激しく揺れて、車椅子だとかなり根性が要ります。

スリランカの最後に、私はコロンボである現地の人のお宅にホームステイしたのですが、そのご一家が旅行会社もやっていて、車椅子の方でもこの国を楽しく観光できるように、何でも相談に乗りますとのこと。日本語もペラペラです。「よし行ってみよう!」という方がいたら、彼に相談してみるといいでしょう。

「ニッポントラベル&ツアー」
TEL347022
モハメド・アリさん(コロンボ市内)

スリランカは宝石の島。ダイヤモンド以外なんでも採れます。素人には特に難しい買い物ですが、これも信頼できる彼のお店で買うといいと思います。買わなくても、いろんな宝石を見せてくれると思います。

【タイ】


旅の経過は通信などでご存知かと思いますが、インドを北から南へ3ヶ月、スリランカに1ヶ月、5月8日に、ようやくタイの首都バンコックに着きました。
バンコックでは後半の旅費を受け取ったり、買物したりですごしました。今回私の旅では、タイは観光して回るというよりも、旅の後半に備えての準備とラオスに向かう為の通過国という位置付けだったので、特に情報としてお伝えすることはありませんが、何といってもこの国は居心地がいいです。インド辺りから戻ってくると特に(笑)。

食べ物は美味しいし、物もあふれています。道路も状態がいい上にエアコン付きのいいバスが走っているから、バスを使っての移動も楽勝。
私は寝台列車で1泊かけてバンコックから北のチェンマイという街に行ったのですが、すこぶる快適でした。タイは本当に旅行し易いです。
首都のバンコックは、現代的という意味では、日本の都市とたいそうな違いはありません。
しかし、都会のエネルギッシュさから言えば、だんぜんバンコックなので、トゥクトゥク(オート三輪タクシー)に乗って街をかっ飛ばし(ただし渋滞が凄いです)、アジアの喧騒を楽しみましょう!。
また、北部タイの田舎の町も、これといってすることがなくても、なんとなくのんびりと長居してしまいます。多分、それがこの国の魅力なのでしょう。もし、「アジアの国々を旅行したいけれど、ちょっと不安」という方がいたら、まず手始めにタイを訪れてみてはいかがでしょうか。

【ラオス】


ラオスという国は、田舎でゆっくりとしたので、非常に居心地がよかったです。この国はつい数年前に、やっと外国人旅行者に対して門戸を開きました。まだまだ社会基盤も整っておらず、首都のビエンチャンですら「ここが一国の首都?」ってな感じで。しかし、唯一国際線の空港ターミナルだけは、新しいだけあって立派です。エアコンはギンギンに効いているし、車椅子専用トイレ、エレベーターもバッチリ。ただ、この田舎っぽさ、素朴さが何と言ってもラオスの魅力です。この穏やかな仏教国の人々の優しい微笑みに出会うと、誰でもこの国が好きになることでしょう。

私は北部タイのチェンコンという町から、メコン河を渡ってラオス側のフエサイという小さい町に入り、そこからラオスの古都ルアンパバーンまで、1泊2日かけて船でメコン河を下って行きました。船といっても、長さ15m、幅2mくらいの木造の荷物運搬船といった感じです。乗り降りはもちろん、船内でも身動きが取れないので大変でした。

ただ、山間を縫うように流れるメコン河に身を任せ、周囲の緑の山々とそこに点在する村々を眺めての船旅は興味深いものがありました。ルアンパバーンという町は世界遺産にも登録された、約650年前に王国の都だった町です。
ただお寺が沢山あるだけと言えばそれまでなのですが、車も少ないし、空気も美味しいし、落ち着ける町です。お寺で地元の人々とふれあって、メコン河をぼんやり眺めて、日本ではとても味わえない贅沢な時間を、ここでは過ごすことができるでしょう。

今回のラオスの滞在は2週間しかなかったので、メコン河下りとルアンパバーン、首都のビエンチャンだけの訪問に終わってしまいましたが、機会があればもっとじっくりこの国に滞在してみたいですね。なんだか、日本人がとうの昔に失くしたものを、この国ではまだ見られるような気がしてなりません。懐かしい気分にさせてくれるということでしょうか。
しかし、他国の例にもれず、ラオスも開発の波が押し寄せ、あと数年で一気にその姿を変えるかもしれません。その前にぜひとも訪れたいものです。

6・18には、ここからカンボジアの首都プノンペンへ飛びましたので、いよいよ念願のアンコールワットです。カンボジア後の予定ですが、ヴェトナムを回り、8月には中国に。そしてチベットを目指します。最後にはネパールへヒマラヤ越えの陸路で行くつもりです。
ネパールには9月中頃には戻れそうです。

さてさて、旅もいよいよ佳境に入ってきました。次号ではカンボジア、ヴェトナム、中国とお伝えできると思います。これからも気を引き締めて、しっかり旅を楽しんで行きます。
みなさんもお体には気を付けて、ご自愛ください。それでは皆様、夏を思いっきり楽しんでください!

山ちゃん、カンボジアにて



排尿アンケート調査の結果

先日はアンケート調査にご協力いただき、ありがとうございました。ご希望の方には報告書(A4・2枚)を送りますのでご連絡を! 
ところで、ここでは抜粋をお届けします。


グラフ1


<考察> 長期にわたって在宅生活を継続している頸損者は、経験から優れた自己管理能力を習得しているものと考えられるが、2人に1人が膀胱炎に罹り、悩まされていることが明らかになった。その原因・誘因は.....

  • 1日の水分摂取量が2000cc以下である。
  • 排尿局部とその周辺の清潔が不十分である。
  • 同一の蓄尿袋を長時間使用している。
  • 用手圧迫法では、施行後も残尿100cc以上の可能性がある。
  • 間欠的導尿では、施行の間隔と方法になんらかの問題がある可能性がある。 

また、排尿前後の手洗いについても、している人は全体の約3分の1と少なく、一般的に清潔に関する意識の低さが推測される。
自己管理上留意していることの内容をみると、膀胱炎の予防や対策について知識があるように見受けられるが、調査結果と比較すると、さらに正確な知識の修得が必要があると考えられる。

専門職は以上の結果を考慮しながら、頸損者の状態と家族や施設の介護状況などについて現状を評価するとともに、個々の生活に根ざした自己管理のあり方を共に考え創造していく必要がある。
兵庫県 : 神戸市看護大学短期大学部 AM aimorita@tr.kobe-ccn.ac.jp



つづく
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