は が き 通 信 No.57 - Page. 1 . 2 . 3 . 4
POST CARD CORRESPONDENCE 1999. 5. 25

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トドのオッサン施設生活体験回顧考

施設からの悲痛なうめきが文面に読み取れ、施設生活体験者として胸の痛むトドです。
匿名さんの日々に思いを馳せながら施設という閉鎖社会の堀の内側が想像されます。特に匿名さんは激痛にさいなまれ敵陣や戦地で暮らす心境か。
匿名さんの手記に頷き、受け止めはしますが、施設の職員さん全員が悪党とは思えないのと、退所される選択もあろうかと。
ごく少人数が悪意に満ちた職場でありながら全員が悪の権化と感じておられたらと危惧します。
小心なトドもたった一人の波長が合わない寮母さんのおかげで、過大な忍耐と枕濡らす日々が思い起こされます。自立・脱施設の執念が持続できたのも、たった一人の寮母さんの存在であったと顧みています。

トドの場合、15年余りの療護施設での暮らしに感想があるとすれば、集団生活と個人的な欲求のバランスに職員も入所している人も心がける必要があろうかと思う。我を主張できる気力あふれる障害者は優先される場合が多い。
トドがとぼけ顔になったのも優先順位の低い位置で悲哀に泣いているうちに逃避の心理が現れたのであろう。無気力・無関心・無好奇心が平穏な暮らしを保つ極意であろうか。
トドは、「不自由を常と思えば不足無し」日々に耐えて暮らす施設生活であった。匿名さんの場合は激痛への我慢が回りの人々の対応を厳しいものにしてはいないかと、勝手な想像と軽率な発言でスミマセン。現在の施設に永住される積もりなら激痛対策を最優先され、後に自分の人生、生き方に思いを馳せられるよう提案したい。
トドの知人にも激痛に苦しむ頸損者がおられたが、人としての尊厳も人格や品位など高い次元のことはどうでもいいから痛みをなんとかしてほしいの一点張りであった。
匿名さんの場合も激痛が異次元の感覚となれば、心優しい人々が良き理解者として現れたり集まれると想像します。

頸損者は相手に対して自分自身を言葉にして正しく伝えられる人間なんだと信じてたくましく生き抜いてほしい。
私は自立生活も早4ヶ月、安定した生活もまずまず確保し、平穏な日々です。5月の連休明けに白内障の手術が決まりました。
3月28日は広島頸損ネットワーク総会を開催。ボランティアの学生さんが多数参加されたが、食事時は手持ちぶさた気味。頸損者は家族や付き添って来られた人と食事。
こんな機会はボランティアの人々と会食の雰囲気で食事を手伝ってもらえば相互理解の場として有効と思うのだが……。食事介助は体験が見える記憶になるし会話の糸口として容易な手段であろう。頸損者11名、他障害者2名、総 参加者80名でした。

広島県 : トドのオッサン



人間関係が大切

ごぶさたしています。お変わりないでしょうか? 僕のほうは、東京での生活も安定して、それまで大変だった介助者探しなどもうまく固定し、順調に毎日を過ごしています。
現在は、1日2交代/週10人の介助体制をとっています。夕方から明けの午前中の介助者には看護学生さんもいて、就職と同時に後輩の学生に引き継いでもらって、就職後も自宅に訪ねてきては賑やかな一時を楽しんだりしています。
こうした生活では,つくづく人間関係の大切さと大変さを実感しています。自分自身に足りない自己主張・自己決定の弱さもよく分かりましたし、それまで家族の中で庇護され,大切に扱われていたんだと思うと、家族に感謝し特に介護の中心だった母には申し訳ないという気持ちが強くなります。

しばらくの間は東京で介助者との生活を続けながら、イラストの仕事を頑張ろうと思っています。
G・ウイークには、1年半ぶりに岡山の実家のほうに1週間ほど戻り、のんびり過ごす予定です。今後は積極的に出かけようと思い、旅行も考えています。
よろしく。さようなら。(^^)/〜

東京都 : K hiron-k@pk.highway.ne.jp



私のベッドワーク

去年の12月、私はベッドでワープロを使う必要があったので、パソコン販売店に行きました。そこで出会ったのがB5ノートLaVie NX です。
カラーノートを漠然と思い描いていたのですが、自分の用途に合致し、無駄なモノを削ると、B5ノートかハンドヘルドになりました。
ハンドヘルドはちょっとちゃちな感じで、キーボードも狭いし、B5ノートに決めました。これだったらお腹(または胸)に載せても何とかできるのではないかと思いました。
傍目には私が座位をとっていると楽そうに見えるかも知れませんが、起立性低血圧があるので、頭はいつも酸欠状態、とても知的生産という訳にはいきません。
また褥瘡もできやすい。となるとベッドに寝ている時間を有効に活用したいというニーズが発生します。
B5ノートの LaVie NX にはフロッピーディスク・ドライブ、CD-ROMドライブが内蔵されていません。反対に56Kのモデム内蔵です。電話線をつなげばインターネットに接続できます。
頭の真上にディスプレーがあるのなら別ですが、そうでないので、目は疲れます。入力も遅くなります。
デスクワークとベッドワークでは仕事を振り分けたほうがいいと思います。ベッドワークで企画を練り、デスクワークで仕上げをする、といったふうに。
さて、次にコンピューター・ウィルスのワクチンについてです。以下のところにワクチンソフトがあります。クリックすればダウンロードが始まります。
ただし、40分くらい掛かってしまうと思います。ご希望の方は、ダウンロードして使ってみて下さい。ウイルスに感染しないために。
http://www2.odn.ne.jp/~cai44850/zip/norton.zip

に Norton AntiVirus 4.0 ScannerVersion を置き ました。
ウィルス定義ファイルは
http://www.symantec.co.jp/sarcj/download/down_win9x.html

にあります。2ヶ月に1度くらいこの定義ファィルをダウンロードして最新バージョンにして、危なそうなファィルを開く前にウィルスチェックをすれば、安心です。
Norton AntiVirus 4.0 Scanner Version は、ウィルスを自動的に検出してくれません。
他のワクチンソフトにはそういう機能もあるかも知れませんが、あまり良い話を聞きません。「あるソフトとの相性が良くない」、「ページ違反が多発する」、「システム全体が不安定になったり、遅くなったりする」、などなどです。ウィルスを含んだファイルを入手したとしてもそれを実行しなければ無害です。
exe ファイルやマクロを含んだ xls, doc ファイルを入手してもそれを開く前に NortonAntiVirus でウィルススキャンを実行すれば良い訳です。
もちろん、その際はウィルス定義ファイルを新しいのにするのを忘れずに。
(あと、メールに添付されている場合、そのファイルをデスクトップにでもコピーしてから、ウィルススキャンを実行したほうが良いと思います。メールに添付されたままであれば、検出できないと思います。
東京都 : 可山優零 kayama@mtb.biglobe.ne.jp




何をしてもムダだと言う夫

お返事ありがとうございました。さっそく購読料を送らせていただきます。
自己PRを、ということなので……。受傷したのは私ではなく、夫です。平成9年5月の末のことです。仕事中の転落事故で労災になります。
レベルはC5、6、7の粉砕骨折です。結婚2年めのことで子供はいません。
昨年9月に病院を退院して、今現在、二人と一匹で暮らしています。
夫は28歳です。ちなみに、私も28歳です。夫の名前はK君。中東系の濃い顔です。私とは高校時代からの付き合いです。
いろいろ本やビデオを見てもらおうとしているのですが、まったく見むきもしません。
パソコンにも興味ナシ……リハビリもヤル気なしです。自分は頸髄損傷者で手やウデが思うようにならないので、何をしてもムダだ!と言うんです……。
同じ頸損の人がいろいろしているのを見たら、少しは元気になってくれるかも……と思い「はがき通信」を見てもらおうと思ったんです。リハビリの先生方も、ウデに「力」をつければ車の運転とかもできる!!と言ってくれてるんですが……。
本人の回りにC5、6で車に乗っている人がいないのでヤル気なしなんです。う〜〜ん、まだ28歳、人生これからなんだから明るく元気に生きていきたいですよね! という、今日この頃です。では。

青森県 :Y yabe1@infoaomori.ne.jp



父の介護体験を通して

久しぶりに投稿させていただきます。桜の開花があちこちで聞かれ、本格的な春の訪れに心ウキウキする今日この頃です。
私事で恐縮ですが、昨年の12月にかねてより病気療養中だった父が他界しました。脳梗塞で倒れて以来、2年と1ヶ月余りの闘病生活でした。過日、姉弟で集まった折りに、父の話になり、私が「父が倒れた時から、一番冷静に対応していた」と言われました。
私自身はそんなに冷静にあれこれと考えながら対処したとは思っていないのですが……。初めて父の介護をすることになった時、今まで皆さんからお聞きした体験談を思い出し、参考にさせていただきました。

  • その時々で父は何を希望しているか
  • それに対して何が自分にできるか
  • 長期療養になることを考え、最初から無理しないこと
  • 自分ができる事、できる時は精いっぱい行う

などのことを私なりに考えながら、介護に当たっていたことは確かです。
振り返ってみますと、瀬出井さんと一緒の外出、登山クラブでの身障者や車いすの方の山登りのサポート、「はがき通信」の懇親会等での介助の機会を通して、自分の内に少しずつ「介護する」ということがどういうことであるか、それがまた当たり前の気持ちとして育っていった結果だと思っています。
それまで気づかず一番感じたことは、同じ車いすでも“個人差”がとてもあるということです。その人にとって身体にきつくないサポートを、自分ながら意識して心がけるようになりました。父の介護に当たる時も、失語症でほとんどしゃべれない父のその時々の表情を見ながら、「これでいい」「ここは……」などひとつひとつ確認するように行っていきました。下の世話も抵抗なく入っていけました。

これからも障害を持った方を介助する機会があると思いますが、「ありがとう」と笑顔で言っていただけるよう、「余計なことを……」と言われることがないように手助けができれば、と努力していきたいです。近頃はお手伝いしたくてうずうずしている人も多いのでは?
ピアスをした茶髪の若者、一見こわそうなお兄さんなどが当たり前のように、手を貸してくれたりするのに遭遇するにつけ、人は外見で判断してはいけない!とつくづく感じます。外見での偏見は、車いすの皆さんにもつながってゆくことなのですよね。
皆さんと接してきたからこそ、ここまで成長することができました。ありがとうございました。これからも、お邪魔させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
横須賀市 : YI




Sは6年生に

陽春の候、いかがお過ごしでしょうか。
Sは6年生になり、元気に毎日通学しています。ただ、だんだんと精神的にむつかしい年齢になり、いろいろと考えさせられることがあります。
親には話さないのですが学級会などでは「自分はプラス思考ができない」「迷惑がかかる」「皆の足手まといにならないようにしている」と発言する時があったそうです。先生は、「信ちゃんがいるおかげで優しい気持ちになれ、Sちゃんのがんばりをみて皆もがんばらなくてはと思う。遠慮せず自信をもって、自分の道を進んでいってほしい」などと声をかけてもらったりするのですが、私が上手に今までのがんばりを誉めたりせず、つい面倒な態度や、表情、言葉を出してしまい、それを敏感に察知してきたこともあり「皆のじゃまにならないことが良いのでは」と思い込んでいるようです。
わが子でも一個人として人格を持った人間なのだから、少し距離をおきながら接していかないと、と反省させられています。
意欲や自信は、本人が意識しないとどうしようもないけど、まわりの暖かいサポートも必要ですね。焦らず気長に待つようにしていこうと思っています。
さいわい学習面や交友関係には意欲的になってきて自分の本音を発言できる場所が増えているので少しは安心している次第です。Sと未熟な私に、良いアドバイスがあればご一報をください。
気候も良くなり、活動しやすい時期になりましたね、ますますの御活躍を期待しています。

広島市 : SKの母Y



つづく
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