No.174 2018.12.25
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 特集 はがき通信広島交流会に参加して 

 9月下旬、超大型台風の接近中、広島交流会に参加してきました。「はがき通信」の交流会は今年で22回目とのこと、一昨年で打ち止めかと思っていましたが、M.Kさんの発案、それに賛同された広島の頸損者とその支援者の熱意で例年どおりの日程で開催されました。
 あいにく超大型台風の襲来をわざわざ迎えに行くような広島行きにためらいがちでしたが、Kさんの熱心な誘いを受け、久しぶり皆さんにもお会いしたいし、交流会にとっても私にも今回が最後かという思いで参加してきました。

 ◇懇親会
 今回の懇親会はユニークで楽しい会でした。まず司会者・K.K.氏の真っ赤な法被姿に仰天、すぐカープのユニフォームで熱烈なカープファンのお一人と気づきました。K氏は人工呼吸器使用のSさんのお父さんです。軽快で巧妙な司会ぶりを楽しく拝見しながら、生意気盛りの坊やだったSさんも、今や、少々太りぎみの青年、彼の介助は理学療法専攻の大学院生に任せ、お父さんは司会に没頭、人工呼吸ケアやリハビリテーションの歩みに関わってきた私には感無量の光景でした。



 今回、参加者が少なかったこともあり、参加頸損者は前に出ての挨拶、口火を切ったK.F氏がかくし芸の披露、なんとハーモニカ演奏でした。それも数曲連続しての演奏、よく呼吸が続くなと感心しながら拝聴していると、あれは呼吸訓練になりますねとK氏、浜松交流会でS君が巻き笛を口に加え、伸ばしたり縮めたりしていたのを思い出していました。一見、気難しいインテリタイプのFさんが砕けた口調の挨拶で、あとに続く参加者にリラックス効果があったように思います。Sさんの柔らかなスピーチに似合わないパラグライダー挑戦もとても面白く聞きました。
 福岡から久しぶり参加のK.Sさん、有限会社ワーキング・クオーズ社長、すっかり貫禄がついていました。でも話し方は若いころと変わらず、労災脊損者への過激な批判も若いころと同じには少々驚きながら拝聴しました。
 圧巻は最後に披露された瀬出井さんのフラダンスでした。お化粧もドレスも本格的、踊っている彼女、今まで見せたこともないような柔和な表情でした。数年前に比べ、各段と上達、会場の参加者も彼女の誘いで楽しそうに踊っていました。


●K実行委員長ご挨拶

 最後にKさんの締めの挨拶、超大型台風との重複で開催にさぞヤキモキされたことでしょう。いつもより少ない参加者に加え、台風接近よるキャンセル、ホテルとの交渉など、提案者だけにさぞ大変な気苦労だったと思わせる涙と鼻水で途切れながらの挨拶でした。準備から開催まで、広島頸損の皆さんに負担を掛けてしまったと何度も繰り返し詫びていました。でもそれを可能にしたのは、皆さん熱烈なカープファンだからかと思いました。広島市民は球場へ応援に行くときには自宅からカープのユニフォーム姿でと聞き、仰天したのを思い出しました。

 ◇観光
 Kさんの計画では宮島観光の予定だったそうです。宮島観光は数回体験ずみ、今回はOさんの誘いで酒蔵の町・西条と大和ミュージアムへ行きました。
 日本酒の故郷という西条酒蔵通りは白壁の趣のある散策コースでした。Oさんの計らいで専門のガイド付き、町の史跡巡り、7件ある酒蔵中、加茂鶴・亀鈴・白牡丹の3軒を見学しました。3軒目の白牡丹酒蔵では時代劇にでてくる持ち上げ式扉、お店の方がその開閉を実施してくれましたが、毎日朝晩2回も繰り返すのは大変な作業と思いました。白牡丹は漱石や棟方志功の愛藏酒だったと、その美酒を称えた書や版画のレプリカも展示され、3軒の中では一番印象に残りました。台風の影響であいにくの雨でしたが、ガイドさんの説明もあり、試飲できない私でも十分楽しめた貴重な散策でした。
 午後は呉の大和ミュージアム、戦艦大和の記念館です。管内に展示された巨大な軍艦をみていると、ボランティアガイドが展示物を説明しながら、案内してくれました。特攻が飛行した機体も含め、展示物はすべて実物だそうです。機械や造船技術に疎い私には、何がすごいのかよく分かりませんが、戦時中、国民の生活を犠牲にして、よくこれだけの巨大戦艦を作ったものと、空恐ろしい気分でした。ここは事前学習が必要な場であるとも思いました。

 ◇帰り
 今回は3日目の会議にも出席予定で午後ののぞみで指定席を予約していましたが、台風の接近で会議も中止、新幹線も計画運休、前日、みどりの窓口は予約変更の長蛇の列、やっと変更できたのは運休2便前、広島始発でしたので、新神戸までは良かったのですが、新大阪からたいへんな混雑、指定車でも通路に乗れるだけの乗客で満杯、それでも3,40分程度の遅れで東京着、京葉線も夕方には運休予定、それでも夕方まだ明るいうちに帰宅できました。
 広島の皆さんにはたいへんお世話になりました。でも出席できて良かった、楽しい思い出ができましたし、体力的にもまだ大丈夫と自信が持てました。ありがとうございました。

千葉県:松井 和子

 特集 広島懇親会2018に参加して 

 はがき通信の懇親会、とても楽しみにしていました。しかし、その日の段取りもバッチリだと思っていたのに、会場をすっかり勘違いしていました。以前、広島で行われたときの会場、ANAクラウンプラザホテルのほうに行ってしまいました。結果、1時間近く遅刻してしまい、参加者の方とお話しする機会がずいぶん短くなってしまいました。最近、生活の中で緊張感が薄れているのか、今までしなかったうっかりをするようになっています。緊張感が薄れているのは、これまでの生活を考えると良いことのようにも思いますが、後の始末が大変になってくるので、気を引き締め確認を怠らないようにしようと思います。


●瀬出井さんのフラダンス



 そんな短い懇親会参加時間でしたが、一人ひとりのお話しされる内容の濃さに興奮状態で良い刺激をもらいました。瀬出井さんのフラダンスにKさんが号泣されていて、私はぐっと泣くのをこらえていたのですが、泣いてよかったのだと後から思いました。瀬出井さんのフラダンスを見ていると、自分の頸損になってからのこれまでのことや他の頸損の方たちが経験されていることや年月など、いろんな感情があふれてきて、悲しいでもないし、嬉しいでもないし、悔しいでもないし、表現が難しいです。



 次の日もお誘いをいただいたのですが、予定が入っていて行くことができませんでした。なんとも台風がタイミングが悪いです。ご準備大変だったと思います。広島にいながら何も協力できず、参加だけさせてもらい、感謝だけ言うのも申し訳ないです。しかし、また明日から頑張ろうと皆さんから勇気をいただきました。ありがとうございました。皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りしております。

広島市:S.O.

 特集 はがき通信懇親会 in 広島 

 こんにちは、広報担当の土田浩敬です。
 寒くなってきて、皆さま体調はいかがでしょうか? 私は寒さにとても弱いので、外出する際は厚着をして身体が冷えないように注意を払っています。頸損になってから風邪など引いたことがないのですが、頸損は重症化するのでいつも気をつけています。
 さて、今回ははがき通信懇親会に少しではありますが、参加したときの様子を報告いたします。

 9月28日(金)その日ははがき通信懇親会の初日、私はというと午前中訪問介護で排泄後に入浴。8月某日、広島のKさんからお誘いを受けました。土田くん、懇親会に参加しませんか? 私の予定、翌日29日(土)は兵庫頸損連のバーベキュー大会実行委員。はじめは少し迷いました。入浴後に広島まで行くことができるか不安がありました……。そして私は新大阪から広島までの行程を調べました。行程時間は1時間半。うん、行けるな……。物理的に可能なので行きます! Kさんに参加の旨を伝えました。

 はい、当日。
 そうです、私はいつものように訪問介護と入浴。スムーズに排泄が終わりますようにと願いながら朝を迎えました。私の場合、大体毎回スムーズに終わるのですが、何が起こるか分からないのが頸損の身体。皆さんもわかりますよね。そう願って浣腸を入れました(排泄の様子は、読書の皆さまの想像にお任せします)。 排泄と入浴はスムーズに行き、順調な滑り出しで家を出発します。
 JR新大阪駅からJR広島駅まで約1時間半。近畿から広島までは思いのほか近いのです。以前広島を訪れたのは2013年だったと思います。JR広島駅がまだ改装中でしたが、今回来てみてビックリしました。綺麗に完成しているじゃないですか。ペデストリアンデッキ(高架になっている広場・歩行者用の通路)があって使いやすいように感じました。


●カープ優勝に沸き返る広島

 そこから会場まで徒歩数分です。会場に着くと、参加される皆さんが来られていました。役員の方々に挨拶を交わし、今回準備を進めてくださったKさんともご挨拶。確か以前お会いしたのは2012年の全国頸損連・松山大会だったと思います。Kさんのブログも時々拝見させていただき、勝手に親近感があると感じています。今回いろいろお話しできればいいなと思っていたのですが、Kさんも私も互いに忙しくて実現できませんでした(また広島に遊びに行きたいです) 。
 会場に着いたあと、リハ工(日本リハビリテーション工学協会) でお世話になっています、谷口公友さんの講演を含めた座談会の予定でしたが、ちょっとしたハプニングで少し予定変更。ハプニングは誰にでもあることです。予定は少し変わりましたが、無事に座談会も終了。
 内容はというと、谷口さんが制作したジョイスティックについて、私もモニターとして使用感や以前と比較した感想を、皆さんに直接伝えることができる良い座談会だったと思います。チンコントローラーって繊細で微妙なんですよね。
 翌日も予定があった私は、この後懇親会夕食レセプションには参加できませんでしたが、少しの時間だけでも皆さんにお会いできて嬉しかったです。皆さんと共により多くの時間を過ごしたかったのですが、また次回の楽しみということで、後ろ髪を引かれながら兵庫までの帰路につきました。

広報担当:土田 浩敬

 特集 台風24号に追いかけられて~タイムリミット午前10時17分 

 広島懇親会は、台風24号に追いかけられての懇親会でもあった。懇親会最終日の9月30日(日)の午後に、西日本に最も接近するという天気予報。初日の28日は横浜も広島も、穏やかな秋の日和。台風が近づいているとは、とても思えなかった。
 しかし、翌29日は、そんなひどい降りではないが朝から雨……。観光は、残念ながらあきらめた。30日の午後2時台の新幹線で帰る予定だったが、Iさんと相談し、午前中の便に変更して帰ることに決めた。駅のチケット売り場の窓口には、すでに長蛇の列ができている。付き添いの人に並んでもらい、Iさんと私は、駅ビル内でお土産を物色。広島発午前9時37分の新幹線に変更することができた。車いす者専用の窓口があるとのことだった。
 その後、広島に来たのだからせめてお好み焼きをということで、駅ビル内のレストラン街へ。どの店も行列しているので、お好み焼きを昼食用にテイクアウト。ホテルに戻り、30日の午前中に予定されていた“座談会”を前倒しにし、参加できるメンバーだけで午後から開催。ホテルのご厚意で、1階の部屋を無料で貸していただけた(ドアに確か『VIPルーム』と書かれていたような……)。



 お茶をしながらの座談会後、夕食を食べに再度駅ビルに向かう。新幹線口からホテルまで直結している利便性が雨にも濡れず、本当にありがたかった。そこで、30日の広島発午前10時17分以後、新幹線が全休するという情報が……! 9時37分だと10時17分までの間の便数が少なく、もし台風が来るのが早まったり、九州方面から来る新幹線が遅れたら……と、Iさんと不安になり、もっと早い便に再度変更しようということになった。しかし、車いす者用の窓口の対応時間は、すでに過ぎて終了している。
 困った、どうしよう!と思っていたところ、偶然、制服姿の女性社員が窓口のカウンター内に。通り過ぎようとする女性社員に、Iさんが声をかける。聞けば、先ほど時間変更の対応をしてくれた女性と同じ人だという。時間外にもかかわらず、彼女は快く応じてくれた。Yさん(女性社員)のお陰で、午前8時3分広島始発の新幹線に変更することができた。彼女のサービス精神に心から感謝!


●新幹線「のぞみ」の「多目的室」

 松井先生方が、広島発午前9時50分に乗車されて大変だったというお話を後からお聞きして、8時台に変更して大正解、本当によかったと思う。私は、多目的室の個室をおさえられたのでまだよかったが、Iさんは新横浜で下車する際、もう1人車いすの方がいて大勢の人たちで混雑する中、降りるのがけっこう大変だった。もっと遅い便だったら、(松井先生のお話から)降りられなかったかもしれない。
 早く新横浜駅に着いたので、Iさんと一緒に昼食を食べ、その後別れた。私たちは新横浜駅の近くのホテルでもう1泊する予定で、疲れていたので早めにチェックインさせてもらい、仮眠をとって午後5時過ぎ、さてそろそろ夕食をということで外に出かけた。すると、駅界隈の飲食店が軒並み午後6時で閉店するという。今回、初めて計画(?)された首都圏の在来線が午後8時で運休する“余波”をくらってしまった。ホテル内のレストランやルームサービスも、予約外はアウト。ホテルのすぐ近くにたまたま開いていたコンビニがあり、午後7時までやっているスーパーを見つけたので、食料とアルコールを調達。夕食を兼ねて部屋飲みでチビリチビリ。その後、ホテルなので台風の気配すら感じず、朝起きたらピーカンのお天気だった。
 たかが夕食が外で食べられなかったくらい、全然たいしたことではないが、そんなことに少しでも「不満」を感じてしまう自分に、日ごろいかに当たり前(と思っている)の文化的な生活に慣れきっているか……反省させられた出来事でもあった。ただ、閉店している駅界隈で、ウロウロとしている外国人の人たちがおそらく情報を得られず、一番困っている様子だった。
 最後に今回の懇親会を企画、開催してくださったKさんをはじめとする広島のメンバー、ボランティアの方々に感謝申し上げます。お土産までいただき、ありがとうございます。どうもお疲れさまでした。お世話になりました。
 ある意味、忘れられない、思い出に残る懇親会になりました。どうもありがとうございました。

編集担当:瀬出井 弘美

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