はがき通信ホームページへもどる No.162 2016.12.25.
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も く じ
ballごあいさつ 編集担当:戸羽 吉則
ball「はがき通信」からのお知らせ
ball『臥龍窟日乗』-44-アグレッシブ・リハ10年の決算(3) 千葉県: 出口 臥龍
< 特集! 「はがき通信」懇親会in姫路2016 >
☆ 姫路懇親会を終えて 実行委員・事務局長:S.S.
2016年「はがき通信」懇親会in姫路会計報告 姫路懇親会・会計補佐: 瀬出井 弘美
☆ 姫路城に見守られて 愛媛県:S.I.
☆ 姫路300km強行軍 徳島県:M.R.
☆ 姫路城5景 東京都:藤川景・京子
☆ 受傷後初めての3泊4日 新潟市:T.H.
☆ はがき通信・兵庫頸髓損傷者連絡会
     合同シンポジウム「四肢麻痺者の排泄」
実行委員:土田 浩敬
ball相模原事件を風化させてはならない 匿名希望
ball全員参加企画いいモノ見つけた!〜24〜 T.F.
ballひとくちインフォメーション


ごあいさつ


 今年は、台風の日本列島直撃被害が多発しましたが、直接被害にあわれたかたがたへお見舞い申し上げます。また、夏の暑さを10月まで引きずって、秋が短い年でした。あっという間に年末を迎えてしまいました。
 今年の後半は、政界がにぎやかでした。とくに、東京都知事選挙についでの築地市場の豊洲移転問題や東京オリンピック会場の見直しに端を発した地方自治運営に対するメス入れと、アメリカ合衆国大統領選挙が大きな話題になりました。いずれも、来年以降の日本財政に少なからず影響を与えることになりそうです。障がい者の私たちは、福祉関連の施策が不利なものになっていないか情報交換するとともに、選挙の際は投票に行くことが大切だと思います。
 私ごとですが、今年の秋に、PET+CTがん検診を計画しておりました。9月上旬に予約を入れてみたところ、予想以上に人気があるようで、年明け1月下旬の実施予定になってしまいました。小林麻央さんなど芸能人のがん患者の影響で検診希望者が急に増えているのかもしれませんね。
 それでは、皆様が良い年越しをされますよう、お祈り申し上げます。
 

編集担当:戸羽 吉則



 「はがき通信」からのお知らせ 


1.2017年度より購読料の値上げについて
 152号(2015年4月号)の上野氏によります『監査を終えて』のご投稿にもありますように、購読料の未納者の方が多く、2015年4月号の発行から約3ヶ月振込み状況を確認させていただきました。
 このままですと、現在の購読者数から年間の印刷や発行等に関わる経費が毎年約10万円ずつ不足していく事態となり、数年後には、資金不足から発行そのものが不可能な状態に陥ります。

 「はがき通信」スタッフ会議を開催し、
【2017年度より1,500円に購読料を値上げし、年6回発行、ネット版は無償公開】という結論に至りました。

 この購読料値上げに関するお知らせ文は、2016年度まで毎号掲載させていただきます。
 今回は「はがき通信」の根幹に関わることですので、皆さまからのご意見・ご要望・ご提案等、何かよい解決策がございましたら、ぜひスタッフまでお寄せください。お待ちしております。
●監査を終えて http://www.normanet.ne.jp/~hagaki-t/pcc152a.html 

 2.会計監査人のご紹介
 2016年度・2017年度(任期2年間)の「はがき通信」会計監査人を石川美晴さん(福岡市在住)に引き受けていただきましたのでご連絡いたします。石川さんどうぞよろしくお願い申し上げます。
 なお、2016年度の会計監査報告は、来年4月号の誌面にてご報告させていただきます。

 3.バックナンバーの有効活用について 
 「はがき通信」の有効活用として四肢マヒ者とつながりのあるところ(病院の待合室や病棟のデイルーム・談話室、看護・医療・福祉系の専門学校・大学の図書資料室、障害者センターなど)に、2穴B5ファイルに綴(と)じたバックナンバーを、了承を得て置かせていただいています。
 どなたかそういう四肢マヒ者とつながりがある施設をご存じでしたら、無償にて送付させていただきますので、施設側と交渉していただいて置かせてもらえますように、皆さんの力をお貸しください。また、福祉関連だけではなく、何かのイベントなどで配布、ご活用いただいてもかまいません。
 その後、最新号を(スタッフで話し合い)無償で定期的にお送りさせていただくことも可能です。ご希望やご都合に合わせて、バックナンバーをお送りさせていただきますので、お気軽に藤田までお問い合わせ・お申し込みください。新規購読者を増やすために、どうぞご協力のほどよろしくお願い申し上げます。


●ファイル送付見本
※実物と多少異なる部分・場合があります

 4.ご寄付のお願い
 振込用紙を皆さんお気づきのように、毎号同封させていただいております。昨年の横浜懇親会の最終日の「はがき通信」会議で、財政難のお話から『寄付もしたい』というありがたい発言があり、編集スタッフでその後話し合った結果、「それなら毎号振込用紙を同封したらよいのではないか」ということになりました。
 「はがき通信」の存続のためにも厳しい社会情勢ではありますが、些少(さしょう)なりともご寄付を賜りますれば幸いです。ご協力のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 5.ご投稿後の返信メールの不着について
 ほとんどのご投稿は電子メールにて届いておりまして、届きましたら100%必ず編集担当者からお礼のメールを返信しております。
 もし、ご投稿メールを送信いただいてから1週間経っても返信メールがないときは、何らかの不具合で編集担当者がご投稿メールを確認できていないおそれがあります。そのときはお手数ですが、編集担当者の3名(瀬出井弘美・藤田忠・戸羽吉則)全員あてに再送信をよろしくお願いいたします。

 6.ご投稿のお願い
 (購読者でないかたの投稿もお受けしております)

 本誌は、四肢マヒ者本人や家族および関係者が、さまざまな四肢マヒにまつわることを投稿して情報交換するため隔月発行しております。
 多くの方から持ち寄られる四肢マヒ者の経験に基づいた情報は、より多いほど生活の糧になるかもしれないことから、購読者でないかたの投稿もお受けしております。インターネット版を閲覧されている四肢マヒ者の方々にもぜひご自分の経験されたことのご投稿を心よりお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。
 ※宛先はトップページ下部のいずれかの編集担当者のメールアドレスまで、差し支えなければ、年齢・都道府県・四肢マヒ者歴を明記のうえお送りください。氏名表記については、誌面版は本名、ネット版はイニシャルを基本(ペンネーム・イニシャル・匿名もあり)とさせていただいております。




 『臥龍窟日乗』-44-アグレッシブ・リハ10年の決算(3) 


 こんなこともあった。
 Cさんはある大事故で重傷を負った。受傷部位はC1、と仲間内のサイトに書いておられた。C1というのは脊椎のなかでも、頭蓋骨にもっとも近い部位。ここに損傷を受けると呼吸ができなくなる。即死する可能性がきわめて高いと言われている。
 私はC3-4だが、いまでも肺活量は1200ccくらいだ。呼吸障害が残っていて自力排痰はできない。だからC1というのは、にわかに信じられなかった。
 そのCさんが、ご自分で携帯電話を操作している、と小耳にはさんだ。「なにかの間違いじゃなかろうか」と思った。知らせるべきか否か、ずいぶん迷った。保険の査定や裁判に影響が出るかもしれない。
 逆に、他のC1の人が携帯電話の操作ができるようになる、と勘違いする惧れはないか? Cさんを治して、マスコミに採りあげられようとたくらむ輩が出るかもしれない。
 いろいろと考えあぐねたが、「間違いではありませんか」
と打診してみた。ご家族の方から、すぐに返事があった。「C損ではなくL損でした」という内容だった。素直に、よかったと、私は胸を撫(な)で下ろした。
 ただ、こんな些細なことでさえ、一部の人には「余計なことをしやがる」と怨みをかったことも記しておきたい。

 ここまで書き進んで、あることを思い出した。アグレッシブ・リハ5年目にもなにか書いたはずだと。すぐに見つかった。つぎのように記述してある。
《今朝目覚めたとき、足が動くような気がした。動けと命じたところ両足がスムーズに交互に動き出した。もちろん実際にはまったく動いてないのだが、脳と両足がつながった。イメージの中では健常者であったころの歩行が戻ってきた。
 朝のリハビリの時間。いつものように立ち訓練をしていると、膝持ちと腰の支えだけで(つまり後ろの介助者が体を離した状態で)直立姿勢を保てた。両足の踏ん張りが効いて、足裏で床を踏ん付けている実感がある。腰も安定している》

 結果から言うと、アグレッシブ・リハの効果はここで止まった。その後の5年、まったく進展はない。
 確かに、木の枝みたいだった脹脛(ふくらはぎ)は、元の太さに戻った。毎日、自分の体重で負荷をかけているのだから、これは当然だ。
 だが指はおろか足も腕も微動だにしない。「なにか違うぞ」と考え始めた。筋肉が戻っても、神経が繋(つな)がらなければ意味がないのではないか。
 なるほど切れた神経も迂回路(うかいろ)ができたからこそ、足裏に床を感ずる程度の神経は繋がったのだろう。疑心暗鬼に捉われながらも、アグレッシブ・リハは続けた。
 5年もかけて、この程度の効果しかしかないのであれば、自力で立ったり歩いたりできるまでには何10年かかるのであろうか。またしても急性期のころの暗澹(あんたん)たる気分に陥るのであった。
 私はアグレッシブ・リハそのものを否定しているのではない。同じ頸損であっても、病院のリハだけで松葉杖をついて退院していく人を、何人も目撃している。これらの人たちは不全麻痺なのだ。
 ならば完全麻痺と不全麻痺を隔てる深いふかい溝とは何か。それこそ損傷の深さ、度合。すなわち狭窄率(きょうさくりつ)なのだと思う。
 7年目あたりから、もうこんな苦行はやめようと思うようになった。残り少ない人生。ほかにやることが、山ほどあるじゃないか。
 だが、アグレッシブ・リハには予想外の効用があった。健常者なみの激しい運動をやることにより、廃用性内臓疾患がまったくない。褥瘡や拘縮がないばかりか、風邪ひとつひかない。いまやリハビリは私の生活の一部になっているといってもいい。立つことや歩くことが、そんなに大事なこととは思えなくなってきたのだ。(おわり)

千葉県:出口 臥龍

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