はがき通信ホームページへもどる No.161 2016.10.25.
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も く じ
ballごあいさつ 編集担当:藤田 忠
ball「はがき通信」からのお知らせ
ball私にできること、私がすべきこと、私がしたいこと 広島県:K.T.
ball私の尊敬する友人Tさん(C5−6) 福岡市:E.U.
ball改造尿器DX 佐賀県:K.N.
ball「恋心」の話 神奈川県:M.K.
ball痛みにはボトックスよりリリカ 東京都:F川
ball自作ナースコール用スイッチの持ち込み 編集担当:戸羽 吉則
ball『臥龍窟日乗』 -43- アグレッシブ・リハ10年の決算(2) 千葉県:出口 臥龍
ballストマ造設(人工肛門)の決意 東広島市:Y.O.
ball全員参加企画『いいモノ見つけた!』〜23〜 編集担当:瀬出井 弘美
ball京都大作戦2016〜野外フェス初参戦 兵庫県:Y.I.
ball写真だより(オーダーメイドのジーンズ) 編集担当:瀬出井 弘美
ballひとくちインフォメーション


ごあいさつ


 先日、初投稿に関してお問い合わせがありました。初投稿に二の足を踏まれているかもしれない方々へあらためて記しますと、本誌はご投稿いただいて初めて情報交換誌として成り立っており、購読者であるかないかは問わずにいつでも大募集しております。
 四肢マヒ者やご家族(や関係者)が書かれた原稿でしたら内容は問わずに、公序良俗に反するご投稿と企業の新商品宣伝以外は、すべてありがたく掲載させていただいています。さらに四肢マヒ者なら誰でも関心があることのみならず、何かマニアックな内容も百人中1人でも2人でも関心を持たれれば情報交換として意義があると考えています。
 ネット環境にない方はハガキ1枚や携帯電話から数行でも、スタッフは同じ四肢マヒ者ですし、お気軽にご投稿いただければと心よりお待ち申し上げております。
 それから、創刊当時は自発的なご投稿が集まって発行していたかと思いますが、私が担当したときはもう自発的なご投稿だけでは立ちゆかない状況が続いております。つきましては、各編集担当者がより依頼しやすい方策として、一度ご投稿いただいたメールアドレスをときには3人の編集担当者で共有して、ご投稿送信先以外の編集担当者からもご連絡させていただければと存じます。
 なにとぞご了承いただけますようお願い申し上げます。また、この件に関して、何かご意見がございましたらお願いいたします。

編集担当:藤田 忠



 「はがき通信」からのお知らせ 

 1.2017年度より購読料の値上げについて
 152号(2015年4月号)の上野氏によります『監査を終えて』のご投稿にもありますように、購読料の未納者の方が多く、2015年4月号の発行から約3ヶ月振込み状況を確認させていただきました。
 このままですと、現在の購読者数から年間の印刷や発行等に関わる経費が毎年約10万円ずつ不足していく事態となり、数年後には、資金不足から発行そのものが不可能な状態に陥ります。

 「はがき通信」スタッフ会議を開催し、
【2017年度より1,500円に購読料を値上げし、年6回発行、ネット版は無償公開】という結論に至りました。

 この購読料値上げに関するお知らせ文は、2016年度まで毎号掲載させていただきます。
 今回は「はがき通信」の根幹に関わることですので、皆さまからのご意見・ご要望・ご提案等、何かよい解決策がございましたら、ぜひスタッフまでお寄せください。お待ちしております。
監査を終えて http://www.normanet.ne.jp/~hagaki-t/pcc152a.html

 2.バックナンバーの有効活用について 
 「はがき通信」の有効活用として四肢マヒ者とつながりのあるところ(病院の待合室や病棟のデイルーム・談話室、看護・医療・福祉系の専門学校・大学の図書資料室、障害者センターなど)に、2穴B5ファイルに綴(と)じたバックナンバーを、了承を得て置かせていただいています。
 どなたかそういう四肢マヒ者とつながりがある施設をご存じでしたら、無償にて送付させていただきますので、施設側と交渉していただいて置かせてもらえますように、皆さんの力をお貸しください。また、福祉関連だけではなく、何かのイベントなどで配布、ご活用いただいてもかまいません。
その後、最新号を(スタッフで話し合い)無償で定期的にお送りさせていただくことも可能です。
 今春には(校閲担当の)藤川さんが交渉されて、病院の待合室など4カ所に設置および最新号を無償送付させていただけることになりました(「後に続く者あるを信ず」とご本人は言っています(笑)。ご希望やご都合に合わせて、バックナンバーをお送りさせていただきますので、お気軽に藤田までお問い合わせ・お申し込みください。新規購読者を増やすために、どうぞご協力のほどよろしくお願い申し上げます。




 3.ご寄付のお願い
 これから、振込用紙を毎号同封させていただくことになりました。昨年の横浜懇親会の最終日の「はがき通信」会議で、財政難のお話から『寄付もしたい』というありがたい発言があり、編集スタッフでその後話し合った結果、「それなら毎号振込用紙を同封したらよいのではないか」ということになりました。
 「はがき通信」の存続のためにも厳しい社会情勢ではありますが、些少(さしょう)なりともご寄付を賜りますれば幸いです。ご協力のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 4.ご投稿後の返信メールの不着について
 ほとんどのご投稿は電子メールにて届いておりまして、届きましたら100%必ず編集担当者からお礼のメールを返信しております。
 もし、ご投稿メールを送信いただいてから1週間経っても返信メールがないときは、何らかの不具合で編集担当者がご投稿メールを確認できていないおそれがあります。そのときはお手数ですが、編集担当者の3名(瀬出井弘美・藤田忠・戸羽吉則)全員あてに再送信をよろしくお願いいたします。

 5.ご投稿のお願い
 (購読者でないかたの投稿もお受けしております)

 本誌は、四肢マヒ者本人や家族および関係者が、さまざまな四肢マヒにまつわることを投稿して情報交換するため隔月発行しております。
 多くの方から持ち寄られる四肢マヒ者の経験に基づいた情報は、より多いほど生活の糧になるかもしれないことから、購読者でないかたの投稿もお受けしております。インターネット版を閲覧されている四肢マヒ者の方々にもぜひご自分の経験されたことのご投稿を心よりお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。
 ※宛先はトップページ下部のいずれかの編集担当者のメールアドレスまで、差し支えなければ、年齢・都道府県・四肢マヒ者歴を明記のうえお送りください。氏名表記については、誌面版は本名、ネット版はイニシャルを基本(ペンネーム・イニシャル・匿名もあり)とさせていただいております。



 【特集! 「はがき通信」懇親会 in 姫路2016原稿募集!】

 懇親会に参加された皆さん、懇親会でのことはもとより、姫路までの道中でのこと、自由行動での姫路・兵庫観光のこと(アクセスやバリアフリーのことも)、準備段階で気をつけたこと、ハプニング等々の懇親会にまつわることを、ハガキ1枚や写真にひと言でもかまいませんので、ぜひドシドシご投稿ください。
 写真も多めにお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。

 締め切り:11月30日まで!




 私にできること、私がすべきこと、私がしたいこと 


 自動車事故で頸損になって12年、まだまだ途上の私ではありますが、多くの地域の多くの方々と接し、お話をしてきて思うことがあります。
 私は、自身のことを講演でお話ししながら自分を振り返り、自分に鞭(むち)を入れ、自分を褒(ほ)めています。言葉を変えれば【話すことで自分を保っている】ということですね。
 頸損・脊損やいろいろな障害を負ってしまったときに、その瞬間から前向きな心を持った人間なんていません。後ろを振り返り後悔と恐怖を感じ、将来への不安感で押し潰され【自暴自棄】になったはずです。
 私は、民間資格ですが心理士、カウンセラーの資格を持っています。患者さんともご家族ともお話をいたします。そのときにも、前向きなことだけをお話しすることはありません、受け止めながら今後、この方の将来を真剣に考えて発言をします。酷かもしれませんが【ときにはもう歩けません】など、ご家族が聞きたくないお話もしなくてはいけません。
 しかし、私も入院中に自暴自棄になりひどい状態のときに、頸髄損傷の先輩の厳しく優しい言葉で背中を押され今があります。私はいろいろな活動の中で、多くの方々と寄り添い、笑い、泣き、怒り、先輩がして下さったことを多くの方に先輩への恩返しとしてお返ししています。1人でも多くの仲間が社会へ戻れるように。
 私の仕事は、全国を講演して頸髄・脊髄損傷者の現状と、患者を増やさないことをお話しすることです。障害者向けより健常者向けの方が、比率は大きくなっています。大半は、トラックやバス・タクシーなど道路での運転をお仕事にされている方々と会社、オーナー様です。私が自動車事故で頸髄損傷になった関係で、国土交通省様からお仕事をいただいています。
 健常者の方へのお話ですので、わかりやすく、より深くお話をいたします。自動車事故被害者の生きてきた道や他の被害者の思いなど、かなり内容はえげつないことまでお話をしていますが、私は、体のこと、生きてきたこと、暮らしのことなど隠す必要もなく、多くの方々に知っていただく必要性がある、障害者は、楽に生きているのではないということをオープンに知ってもらうこと。
 これが、自動車事故被害者を知ってもらうことだけではなく、中途障害者というもの、半分以上死んだ体で生きていくことの辛さ、生きることの重さを伝えるためです。これは同じ障害者に対してお話しすること、中学生に対して話すことも変わりはありません。
 私たちのように障害を持って生きること、あるいは残された者として生きること。命の尊厳は【生きること】であるということ、この本質を多くの方々に知ってもらって、これからの業務に生かしていただきたいと思う一心です。
 だからこそ、私は話し続けないといけません。私でしかできない『オンリーワン』の話を続けていきます。それが、命を与えられ生きている者の使命だと思うから。
 ただ、生きていると、悲しい現実にもぶち当たることがあります。自分自身のケガや病気、友人や仲間の死、しかし、私たち中途障害者は、これからも伝えていかなければなりません、だからこそ、しっかり目を開いて私は、脊損で末期がんと戦う余命の短い友人の死と向き合う覚悟をして思いを書いてみました。

 人は強くなれるのか?

 人は耐えられるのか?

 車いすの人生は=障害者になること

 歩けない。それだけでも耐えられるものではありません。

 その上に……。

 しかし現在、彼の生き方を見ていると、命の炎は更に強く燃えている。

 俺にそんなことができるか?

 死に向き合い、自分の進むべき方向を見据えて、挑戦することを止めない男。

 俺はこの人の背中を見て今まで追いかけて来たのだと思う。

 そろそろ自分の力で走れ。ということなのかな。

 私も走り続けることを続けなければ!と心に誓った。

 私が彼の背中を追いかけていたように。

 今現在、私の背中を同じように追いかけてくれている仲間たちが居る。

 だから走り続けよう。

 だから一生懸命に生きよう。


 私たちの多くはいつの間にか、人間の命の尊厳が『歩くこと』になっているんです。でも違うんです。人間の命の尊厳は『生きること』なんですよね。生きてるからこそ未来があって、再生治療だって経験できるかもしれない。生きてるからこそ出会いやつながりがある。生きてるからこそ味わえる多くのことがある。
 確かに人工呼吸器の方、電動車いす、手動車いす、不全麻痺いいろな症状はあるでしょう。そこは、比較してはいけないのです、みんな同じ仲間として触れ合い、感じ合う。
 そして、みんなで知恵を出し合って、対話をする場がこの「はがき通信」なのです。
 私たちはもちろん、多くの医療人も参考にする「はがき通信」です。地元の仲間にも読んでもらいましょう。この火を消してはいけません。
 皆さんと一緒に考え、皆さんと一緒に前進しましょう。

 広島頸損ネットワーク会長
 K-SON LifeNet JAPAN(正式名称:NPO法人広島頸髄損傷 LifeNet)理事長

広島県:K.T.



 私の尊敬する友人Tさん(C5−6) 


本日は私のことはちょっと横において、ある車いすの友人の話をしたいと思います。
 私がTさんと出会ったのは、1991年のある障碍(しょうがい)者施設の体育館でした。89年に受傷し、1年の入院後に長崎の実家に逃げ帰った私には、何もやることがありません。だから、毎日お酒ばかり飲んでいました。
 その生活も1年がたち、見かねた母親が障碍があり、手が不自由でもバスケットをしている人たちがいると聞きつけ、嫌がる私を無理やり連れて行ってくれました。
 しかし、体育館に入ると、すぐに嫌な気持ちはどっかに飛んでゆき、目の前の数々のプレーに感動し、「おれもやりたい!!」と思わず叫び、すぐにチームの一員になりました。
 「よーきたね! 大村(長崎空港がある市)からね!! 遠かところばお疲れね!! 君は残存機能もかなりのこっとるし、努力すればもっと上に行けるよ!!」と、一番先に声をかけてくれたのがTさんでした。
 それからというもの、毎週往復3時間かけて、この施設にきて練習に励みました。そして、いつもTさんは声をかけてくれました。おかげで、数年後には全国大会にも参加させていただきました。
 バスケの話はこれくらいにし、当時Tさんはこの施設に10年ほど住んでいました。外部からくる我々の話を新鮮そうに聞いていて、私が「Tさんも、一人暮らししたら?」というと、実はそう思っていて、別府の重度障害者センターに自立に向けたリハビリを受けてから自立をしたいとのこと。
 結局彼は、40を超えた体で住み慣れた施設を離れ、リハビリに旅立ちました。この障碍者施設は、何でもやってくれるから利用者にとっては天国のようなところでした。だから、よくぞこの地を離れる勇気があったなあ!!と思います。
 そして、再び郷里に帰ってきた彼は、市営アパートを借りて、自立生活をし始めました。ヘルパーさんをうまく利用し、楽しく暮らしているようです。なんと、役所への変更や引っ越しなど大変だったろうに、一人で行うパワフルさは健在!! つい先日、終のすみかと呼べる立地的にも大変よい場所に引っ越されました。
 今になって思えば、彼の自立に向けてのリハビリに行くという決断がなければ、今のような自由気ままな生活は送れなかったことでしょう。
 私も同様に、バスケとの出会いがなかったらどうしているのでしょうか? たまに考えることがあります。毎日1升ほど飲んでいましたから、体を壊して今頃は土の下ではないかと思います。
 だから、彼のことを思いだすたびに、人間はやる気と行動力さえあればできないことはない!!ということを感じさせられます。
 Tさん! これからも良きメル友でいてくださいね!! いずれTさん本人から、詳しい事柄についてお話をお聞きすることにいたしましょう!!
 ご精読ありがとうございました。

福岡市:E.U.

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