はがき通信ホームページへもどる No.126 2010.12.25.
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 iPhone・iPadは四肢マヒ者にとって革命的なツールになるかも…? 


 6月にiPhone4を購入しました。以前はドコモの携帯電話を使っていましたが、以前よりスマートフォン(携帯電話とPDA(携帯情報端末)を融合させた携帯端末)を活用したいと考えていました。しかし、iPhoneをはじめとするタッチパネル式の操作は「指」で直接触れないと反応(操作)しない静電容量方式が使われており、マウススティックユーザーやカフなどにペンを付けてパソコンや携帯電話を操作する者にとって大きな壁がありました。


●電動車イスにiPhoneを装着してマウススティックで操作

 「マウススティックを工夫すれば使えないか」と考え、工学系のエンジニアに聞いたり、インターネットを調べたり、詳しい方から情報を求めたり、試作品を繰り返し、約4ヶ月掛かり何とか反応するまでになりました。はじめは、マウススティックの先にタッチペン(iPhone用スタイラスペン)を付け、噛(か)む部分まで伝導するテープを貼ったり、タッチペンからコードを出し、コードの先を耳たぶに貼ったりもしました。しかし、納得の行く操作性は得られませんでした。現在のタッチペン(iPhone3G/3GS シリコンタッチペン 3点セット SP-IP01)に行き着くまではいろいろなタッチペンを試し、何度も携帯電話売り場に通い、本当に苦労しました。その甲斐もあり現在の「iPhone用マウススティック」は大きな改造もなく、満足行くどころか反応が良すぎてメールの文字入力時には同じキーを連続して入力してしまうこともあるくらいです(実はなぜそのタッチペンでできるのか? 何かあるはずですが詳しくは私も解らないのです)。
 マウススティックは電動車イス用、ベッド用と2本用意しiPhoneを電動車イスに付けたり、ベッドサイドに付け変えたり、マジックテープで固定できるようにして常にiPhoneを操作できるようにしています。



 皆さんご存じの通りスマートフォン(iPhoneやAndroid端末)では通話、メール、カメラ、ゲーム、音楽・動画・skype、ラジオ、読書などの他、ふだん見ているインターネットのサイトを見ることができ、とても便利に使っています。電動車イスで外出した時に道順を確認したり、車イストイレをチェックしたり、駅構内図や時刻表、飲食店やコンビニの検索などのアプリ(アプリケーション)が無数にありダウンロードしていろいろ使っています。
 私たち四肢マヒ者にとってはiPhone・iPadが上手く使える環境にあれば大きく可能性が広がると思います。メールなどのコミュニケーションやページをめくるという難しい動作なく読書をしたり、TVやエアコンなどのリモコンをひとつにまとめ、ベッドサイドにiPhoneやiPadがあれば環境制御装置がわりに使える可能性も広がります。
 しかし、タッチパネル式のiPhoneなども操作できない機能があり、また傾けたり回したりできないため、マウススティックユーザーや指の動かない頸髄損傷者ですとやはり介助や工夫が必要になることもあります。
 これから先、タッチパネル式の機器がいっそう広がってくることと思います。今まで使っていた機器が発売中止になったり、機能に制限があったり、便利に機能的になっていく反面、誰もが使いやすいユニバーサルデザインというものの、なんとなく不安もあることも事実です。
 現在、静電容量方式のタッチパネル用のマウススティックの制作・工夫をエンジニアの方とインターネット(ホームページ・YouTube)で情報提供しようと計画中です。完成後、「はがき通信」でお知らせいたします。


広報委員:麸澤 孝



 『臥龍窟日乗』 私にとっての9・11 −2− 


 不可解なことであった。
 サブプライムローンの破綻から、アメリカの経済が大混乱に突き進んでいるという情報は、世界に波及する1年も前、平成19(2007)年の秋から喧伝(けんでん)されていた。インターネットの世界では、有名な投資ファンドの実名が破綻寸前という記事で出ていたし、中には「1929年の世界大恐慌再来」と断定している論評すらあった。そして翌年9月、リーマンショックは日本に「上陸」した。1年間も日本の政府・日銀、銀行、生保、証券会社、マスコミがなぜ「だんまり」を決め込んでいたのか、それが不思議だった。
 サブプライムローンにどっぷり嵌(はま)っていた金融機関のほとんどがユダヤ系である。ヘッジファンドというぼろ儲(もう)けのシステムを考案したアメリカの金融界が、ぼろ儲けに現(うつつ)を抜かしたあげく落ち込んだのがサブプライムローンという落とし穴であった。ヘッジファンドを頂点とするあらゆる金融業者が、舞台裏で腐肉に群がるハイエナのように離合集散を繰り返ししていた。「低所得者でも家が買える」という甘いフレーズでどんどんカネを貸し付け、ふとわれに返ったときには厖大(ぼうだい)な焦げ付きにあぜんとなった。そんな経緯ではなかったかと思う。
 日本の政府・日銀、新聞やテレビなどのマスコミが知らなかったとは言わせない。政府・日銀は国民に危機感を持たせないよう冷や汗ものであったろうし、マスコミとて大手金融機関の広告を失いたくはなかったろう。またもや自主規制なる錦の御旗の許に屈服したというわけか。日本にもシオニストの組織があって、ユダヤ人の悪口でも言おうものなら有象無象の妨害を受けるとは聞いていたが、まさかその妨害を危惧していたとも思えない。
 いっぽうではアメリカ経済の破綻が世界不況という形で大騒ぎになったが、ふたを開けてみると、日本の大手銀行、証券会社、生保会社、公的資金までもが相乗りしていて、何と同じ穴のムジナだった。なんのことはない。アメリカ金融界という名の金魚のフンに群がって、おこぼれをむさぼっていたのが日本の金融業者だったわけである。リーマンショックによる不況の大波をくらったからといって、これじゃあ文句も言えないだろう。
 言わずもがな…かもしれないが、2000年もの永きにわたって迫害を受けてきたユダヤ人やユダヤ系人には優秀な人材が多い。カール・マルクス、アインシュタイン、キッシンジャー、スピルバーグなど数えあげればきりがない。ノーベル賞受賞者だけでも200人近い頭脳がいるといわれる。ユダヤという人種が存在するわけではない。ユダヤ教という軸でつながっている民族である。迫害から身を守るための知恵が優秀な人材を生み出していったものと思われる。
 その図抜けた頭脳が考案したのがヘッジファンドである。大金を握り権力を掌握した彼らにとって、もう怖いものはなにもない。アメリカのユダヤ人は出自を隠すどころか自ら堂々と公表すらしている。それがむしろ誇りでもあるかのように。彼らにとってカミングアウトというのは死語ですらある。
 ユダヤ人は強くなった、いやいや強くなりすぎた。それを悪いというつもりは毛頭ない。かつて受けた迫害の代償と考えれば、歴史とは民族の興亡の繰り返しだから、そういうものだとも思う。だが過ぎたるは及ばざるが如し。強くなりすぎたユダヤ人、そして彼らの率いるアメリカが中東で周辺弱小国に「報復」するのを黙視するのはあまりに酷(むご)い。
 「眼には眼を、歯には歯を」というのがイスラム経典にあると習った。ユダヤ教に同様な戒律があるのかないのか知らぬが、無為な報復を繰り返ししていたら、いずれどちらかが絶滅するまで殺しあいは続くことになる。人間というやつはどこまでも因業深い生き物であることよ。

千葉県:臥龍



 ひとくちインフォメーション 


◆介護ベッド用手すりの使用に関して消費者庁が、注意喚起

 消費者庁が、9月6日にパラマウントベッド(平成4年〜平成12年製)介護ベッド用手すりで外側に開いた縦約15cm・横約34cmのすき間がある構造のグリップの内側に利用者の頭が入り、重傷を負う事故が起こり、介護ベッド用手すりの使用に関して注意喚起(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/i-anzen/hourei/dl/101008_1a.pdf)しています。


●簡易部品の装着後の図(上)
 平成21年のJIS規格改訂後の製品(下)

 同社は、すき間を埋めるためのT字型の簡易部品を平成13年より無償で配布していましたが、事故が発生した施設では、同社からの数度の連絡及び直接の文書の手渡しにもかかわらず、入手していませんでした。
 介護ベッド用手すり全体(同社以外の製品を含む)では、手すりのすき間に頭・首・手足などを挟む事故等が、これまでに計37件(死亡15件、重傷22件)発生しています。また、経済産業省による調査(平成19年5月〜平成22年8月集計)の結果、36件中22件が「製品に起因しない事故」と判断されています。

 [消費者への注意喚起(消費者庁)]
 介護ベッド用手すりは、製品の性質上、身体に関わる全ての挟み込みリスクをゼロにすることは困難な状況です。同様の製品の利用者や介護者は、取扱説明書安全使用マニュアル(医療・介護ベッド安全普及協議会編集・http://www.bed-anzen.org/)等に記載されている注意事項を今一度、確認して、挟み込みのリスクを認識し、正しく使用してください。

 また、平成21年3月に介護ベッドのJIS(日本工業規格)が改正され、挟み込み事故防止のためのすき間の基準強化が図られています。安全のため、可能な限り改正されたJISに対応した製品をご使用ください。
 特に、自力で危ない状態から回避することができない利用者や、ベッド上で予測できない行動をとる可能性がある利用者には、事業者の配布する簡易部品を入手されるなどすき間を埋めることで事故を防止するための工夫をしてください。
 各製造事業者は、すき間を埋めるための部品を配布しています。すき間に頭部などが入り込むおそれのある製品を使用している場合は速やかに製造事業者に連絡し、簡易部品を入手した上で、必ず取付けて使用してください。その他、製品の使用に際して、不具合や不安等がある場合には、製造事業者又販売事業者等に相談してください。


 ◆ES細胞、より安全に作製…動物物質の混入防止

 体内の様々な細胞に変化できるヒトのES細胞(胚(はい)性幹細胞)3株を、従来よりも安全な方法で作製することに、国立成育医療研究センターの阿久津英憲室長らが成功した。
 国内でのES細胞作製は京都大に続き2施設目。
 ES細胞は受精卵を壊して作るため倫理的問題があるが、皮膚などから作るiPS細胞(新型万能細胞)の実用化には、より安全なES細胞での先行研究が欠かせないとされる。
 従来のES細胞は、マウスの細胞や牛の血清成分を加えて培養していたため、細胞の表面に動物の物質が付着していることが多かった。今回は培養液の成分を改良し、マウス細胞の使用を限定して動物の物質の混入を防いだ。
 米国では10月、バイオ企業ジェロン社がES細胞を使って脊髄(せきずい)損傷の患者を治療する世界初の臨床試験を開始。日本には臨床応用を前提とした作製指針がないため、ES細胞を治療に使うことはできないが、阿久津室長は「技術的には人体に移植可能な品質のES細胞ができた」としている。
(情報提供:平成22年11月6日 読売新聞)


 ◆重度障害者 脳波で意思表示 産総研が開発

 意思疎通が難しい重度の障害者が、脳波を使って「ウーロン茶が飲みたい」など500以上の選択肢から意思表示できる小型装置を、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)のチームが開発した。数年以内に1台10万円以下での実用化を目指す。
 産総研の長谷川良平ニューロテクノロジー研究グループ長らは、人が何かを見つめると特定の脳波が強まることに着目。コンピューター画面で点滅する選択肢(イラストと文字)を見せながら脳波計で脳波を測る仕組みを作った。
 外出先でも使えるよう、脳波計は縦5.5cm、横3.3cmと名刺の半分程度で重さ24g。使う人の後頭部に装着し、画面上で選びたい選択肢を見つめて点滅回数を数えると、脳波がスイッチとなり選択肢を選べる。
 選択肢は3段階で計512通り。第1段階は「飲食する」「移動する」「気持ち」など8分類あり、各分類に入るとさらに細かい選択肢が選べる。例えば「飲食する」→「飲み物」→「ウーロン茶」と選べば、画面上に現れたキャラクターが「ウーロン茶を飲みたいです」としゃべる。
 体や言葉が不自由で意思疎通が難しい人は、パーキンソン病や筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)の患者だけで約14万人にのぼる。健常者10人で試験したところ、この装置で意思の6〜9割を正しく読み取れた。今後、ALS患者の協力を得て精度を上げるという。【高木昭午】
(情報提供:平成22年4月1日 毎日新聞)







【編集後記】



 右、左とイメージして脳波で動作させる電動車イスについて、1.理化学研究所とトヨタの共同で、従来は数秒程度かかったのを0.125秒で脳波解析し、前進・左右旋回の3方向を95%の確率で制御できたり、2.アメリカ・サウスフロリダ大学では、電動車イスに備え付けのロボットアームをあらかじめ用意された命令がディスプレイ上で順に選択され、念じて動かすことが可能や、3.スイスの研究所では、カメラが付いて画像を解析して障害物を避ける電動車イスなどの研究・開発が行われています。
 それぞれ発表時点では、いかにも脳波を計っているというようなヘッドキャップを着けて、計測した脳波を解析して指示するノートパソコンが必要のようで、使えば使うほど学習機能が効いて使いやすくなるようです。
 外出時に電動車イスの操作で誤動作により、ぶつけて相手をケガさせたり、側溝などに落ちたりしないように、有益で夢のようなテクノロジーが早く研究・開発が進み実用化されればと願うばかりです。
 次号の編集担当は、瀬出井弘美さんです。

編集委員:藤田 忠







………………《編集委員》………………
◇ 藤田 忠  福岡県 E-mail:fujitata@aioros.ocn.ne.jp
◇ 瀬出井弘美  神奈川県 E-mail:h-sedei@js7.so-net.ne.jp

………………《広報委員》………………
◇ 麸澤 孝 東京都 E-mail:fzw@nifty.com

………………《編集顧問》………………
◇ 松井和子            
◇ 向坊弘道  (永久名誉顧問)

(2010.4.1.時点での連絡先です)

発行:九州障害者定期刊行物協会
〒812-0069 福岡県福岡市東区郷口町7−7
TEL&FAX: 092-629-3387
E-mail: qsk@plum.ocn.ne.jp

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