はがき通信ホームページへもどる No.120 2009.12.25.
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も く じ
ballごあいさつ 編集部員:平山 圭紀
ball迫り来る介護保険の恐怖 編集部員:藤川 景
ball胆石の痛み 愛知県:Y.S.
ball「はがき通信懇親会2009 in 東京」を終えて 実行委員長:麸澤 孝
ball四肢麻痺者の生活に有効な支援機器の紹介(その1)
<特集!「はがき通信」懇親会 in 東京2009>
□懐かしき東京で渾身快会 広島県:Y.S.
□東京懇親会に初参加して 新潟県:T.I.
□東京お台場エリア観光巡り 千葉県:H.Y.
□田舎のネズミと都会のネズミ 広島県:M.K.
□都営地下鉄で巡る、浅草・靖国神社・六本木ヒルズ 広島県:Y.O.
□月島から浅草へ 神奈川県:M.I.
□懇親会の意義? 編集委員:瀬出井 弘美
ball『臥龍窟日乗』 ―贋物(がんぶつ)オークション― 千葉県:臥龍
ball腰折れ俳句(12) 熊本県:K.S.
ballぬか喜び 佐賀県:K.N.
ball写真だより 神奈川県:M.I.


ごあいさつ

 朝晩の冷え込みが厳しくなってきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか? 新型インフルエンザが流行していますが、体調管理をしっかりして寒い冬を乗り切りましょう。
 政権が民主党に代わり、障害者自立支援法を廃止すると宣言されました。新しい制度はどのようになるのか、利用する側はもちろん利用してもらう訪問介護事業所としても気になるところです。
 制度が新しくなり、制度名が変わるだけで書類なども作り直すことになるので、行政また事業所としても費用が掛かります。無駄を省くという意味では逆行しているように思うのですが、制度が良くなるなら仕方のないことなのかどうか。
 制度が変わっても介護サービスの内容はおそらく大きく変わらないと思うので、現行の制度の悪いところを見直していくのでは駄目だったのかと思うのですが……皆さんはどのように思われたでしょうか? いまは、新しい制度が障害者にとっていい方向に向かうのを願うばかりです。
 

編集部員:平山 圭紀



 迫り来る介護保険の恐怖 


 ◇介護保険で大丈夫か
 117号の「ごあいさつ」に、65歳になって自立支援法から介護保険になると生活の質がえらく落ちるといううわさだが、どなたか経験者のお話を伺いたいと書いたところ、118号でさっそく鳥取県のY脇さん(70歳)がお答えくださった。打てば響くとはこのことだ。「情報交換誌」はかくありたい。
 どうも自治体によって異なるらしく、誰にでも当てはまる話ではないようだが、自立支援法時代にくらべて利用者の費用負担が多くなる、ヘルパーの手取りも減るから気兼ねして頼みにくい、福祉機器はレンタルになる、といった変化があるようだ。レンタルなら1割負担だから安そうなものだが、使える金額は決まっているから、それを越えたら自己負担だとのこと。
 そうかレンタルになるのか。しかしシャワーチェアや車椅子はどうするのだろう。わたしは20年使ったシャワーチェアのキャスターが壊れたのを機会に新調しようと最新式のものを取り寄せたが、小さくて使えなかった。いままでのものがなぜオーダーメイドなのか初めてわかった。むかしはシャワーチェアなんか売ってなかったからわざわざオーダーで作ったのだと思い込んでいたが、じつは身長180pの体に合うような既製品がなかったのだ。いまでもない。アメリカ製ならあるが、入手も入手後も難しい。
 四肢麻痺者が車椅子を造るときおのれの残存能力を活かすのにどれほど心をくだき、あるいは快適に過ごせるようどれほど工夫を重ねているか。介護保険は知っているのだろうか。足腰の弱ったおばあちゃんが押してもらっているような出来合いの車椅子なんか使えっこないのだよ。わかっとんのか。

 ◇ヘルパーの役割と待遇
 2009年4月、介護保険の改定があり、介護保険の利用者に家族という同居人がいると、食事・掃除等のサービスは受けられないことになった。そのようなことは家族がせよという意味だろうが、介護保険には家族の負担軽減という目的もあったではないか。制度の発足当時、ケアマネは要りもしない電動ベッドや車椅子を年寄りに勧めた。「1割負担だから安いもの」とバカスカ使わせた。それで財政が逼迫(ひっぱく)し、今度はむちゃくちゃ締めにかかったのだ。
 それにしても炊事・洗濯・掃除などの家事をしないとなると、ヘルパーはわが家に何をしに来るのだろうか。「身体介護」だけなのだろうか。わたしは普段からなるべく人手を煩(わずら)わさぬよう心がけてはいるが、それでも独りはこわい。いつタンがからむかバルーン・カテーテルが折れるかわからない。いまわたしは多い日で1日10時間の「滞在型」を頼んでいるが、「巡回訪問」になったらどうなるのだろう。訪問から訪問のあいだ独りでいるなんて不可能だ。家族介助も含め24時間365日全介助が必要な身だ。
 わが家に来るボランティアの一人は介護保険のヘルパーもやっているが、話を聞くと気の毒な働きかたをしている。たとえば1日3回朝昼夕と30分ずつおむつ交換に行くそうだ。近所の家ではない。往復30分かけて30分の仕事だなんて非効率的ではないか。「巡回訪問」が介護保険がスタートしたときのコンセプトだったが、ふたを開けてみれば巡回するほどの仕事はない。単なるおむつ交換なら30分ですむが、便失禁でもしていれば放ってはおけず陰部洗浄したり着替えをしたりする。とても30分では済まない。おまけに書類書きまでしなければならないから1時間かかってしまうとのことだ。それでも30分ぶんしか請求できない。
 またある男性ヘルパーは、奥さんが脳卒中で片麻痺になったため会社を辞めてヘルパーになったひとだ。介護保険で妻の通院介助を頼もうとしたら、ヘルパーは送り迎えだけで病院の中には入らない規則になっているという。「それなら院内は自費でやるしかないですね」とわたしが言うと、「自費は介護保険より安いので、事業所は仕事そのものを取りたがらない」ということだった。いまわたしが通院・買い物などで外出介助を頼むと(移動支援というのかな)、ヘルパーは1時間につき約1000円の上乗せを受ける。自立支援法と介護保険ではヘルパーの待遇に雲泥の差があるのだ。
 ラジオで聞いた話だが、独居の高齢女性が自分ではできないのでヘルパーに亡きご主人の仏壇の花を替えてほしいと頼んだら、それは介護保険に入っていないと断られたそうだ。植木鉢に水をやるのもいけない。オイオイ、それがどれほどの手間なのだ。中には非常識な利用者もいるだろうから、どこかで歯止めをかける必要はあるのだろうが、これではあんまりじゃないか。

 ◇併用できるか
 「介護保険で足りないところは自立支援法で補うから大丈夫」というふうに聞いていたのに、ケアマネはそんな取り計らいはしてくれないようだ。あるネット情報によれば、障害者自立支援法が始まった当座は65歳になっても「わたしは自立支援法で行く」と申請すればそれで通ったそうだ。それがいつのまにか「介護保険優先じゃ」ということになってしまった。このとき障害者たちが声を上げていれば生活は防衛できていたはず。ボーッとしているとこういうことになる。かえすがえすも残念なことだ。
 兵庫県のM野氏によれば、兵庫でも神戸市だけは交渉すれば65を過ぎても自立支援法1本でやっていけるそうだ。ただし県の障害福祉課は、「神戸市はそうでも兵庫県は許可していません。このことを特に告知・通知はしていません」と釘を刺すのを忘れないとのこと。ガードは堅い。他府県の政令指定都市ではどうなっているのだろう。

 ◇さてどうするか
 さらにM野氏の言葉に耳を傾けてみよう。身近なひとが65歳になったので手続きを手伝ったのだそうだ。
 《介護保険と障害者自立支援法の併用は確かに大変だと感じました。考え方の違う法制度ですから、障害者自立支援法を利用して生活している者からすると介護保険は全く使いにくい制度でしかないと思います。
 とにかくやたらと制約は多いです(みなさんご承知の通り)。
 大変なところでいうと、ケアマネージャーを介してサービス利用を決めていくのですが、優秀(?)なケアマネージャーでないと上手くケアプランを組んでくれません。
 サービス類型も長時間連続で利用できるようにはなっていないので、自立支援法で利用している時間や時間帯と同じように使おうとするといろんな弊害が出ます。
 ケアマネージャーと徹底的に話し込んで、なおかつ行政にも利用の仕方について障害ゆえの「ルールにない使い方」をしたいことを説明し了解を得る作業も必要ですので、それだけでも疲れますよね。
 その上、都合が悪くなると介護保険課は「障害福祉課の方でなんとかしてもらって」、障害福祉課は「介護保険課の方に言ってみて」となすり付け合いになるので、利用者はたまったもんじゃないでしょう。縦割りの仕組みを自分でつないでいくというところが、半端なく大変だと感じました。介護保険を優先的に使うという考え方も馴染まないですね。》介護保険と自立支援法の両方を使おうとすると、両方に1割負担しなければならないので、《所得保障が少ない方には地獄だといっても過言ではありません。》とM野氏はいう。
 《ともかく「障害を持って高齢化に突入する」のは誰も避けられないことです。現に利用している人から「併用できて良かった」なんて言葉を聞いたことがない以上、体力のある内に問題解決に向けた取り組みは必要ですよね。
 潰してやる〜、と過激なことは言えませんが、年がいってから障害を持った体を悔やみたくはないので、使えないものであればブッ潰す必要はありますね。それか障害者自立支援法を高齢になっても利用できるように変える必要があります。》
 この文末はきわめて示唆に富むものだ。今後われわれ重度障害者がどう動くべきかその方向を示している。「はがき通信」は情報交換誌であって運動体ではないが、われわれはひとりひとり折に触れて65を過ぎても自立支援法でやっていけるようにしてもらいたいと主張するべきだと思う。
 まあそうはいっても重度障害者だ。しんどいことはできない。わたしなど東京懇親会に都内から参加しただけでも帰ってから1週間熱を出してしまった。それに懇親会の写真を見るとたいそう額が後退しているではないか!(関係ないか)
 どうしたものかとネットを探っていたらこんな意見が出ていた。すなわち《65歳になる前に自立支援法でできるだけサービスを利用しておいて、介護保険になったら「以前はこんなサービスが受けられていたのに」と市役所に訴えて、引き続き自立支援法同等のサービスを受けられるようにお願いすることもあります。自立支援法の利用実績がないまま、介護保険になると、イレギュラーな利用希望が通らないからです。これが通用するのかどうかは、お住まいの都道府県市町村によって異なるかとも思いますが……。》
その道に通じたひとのようだ。これもまた傾聴に値するだろう。とにかくなんとかしなくちゃ。ボーッとしてたら手遅れになるぞ。

編集部員:藤川 景



 胆石の痛み 


体の動きが少ない、特に寝たきりの状態が長いと体内に結石ができやすくなるそうです。頸損者には誰もが当てはまることでないかと思い、書かせてもらっています。
 これまでに膀胱結石、尿管結石、胆のう結石としました。不全麻痺なので直接の痛みは感じませんが、代わりの反応として冷や汗や顔のしびれ、血圧上昇、頭痛もありました。特に血圧は200を超え、頭痛は痛み止めも効かないほどでした。膀胱結石と尿管結石は死ぬ思いをしましたし、下半身麻酔で石を取り除く手術をしましたが、再発もしました。
 ですが、もっとも危険だったのは胆石でした。自覚症状が薄いために石がかなり数多く、そして大きくなるまで気づかなかったからです。
 「なんだか最近気分が悪いなあ」と思っていたのですが、そのままにしておいたら悪化していました。無精な性格のため、鏡で顔を見ることもあまりなかったのですが、ひげ剃り後に鏡をのぞいたら顔が黄色く変色していました。体を見ると全身黄色。
 「これはおかしいぞ」ということで病院に。血液検査の結果、即入院の絶対安静となりました。危ない状態だったようです。その後、胆石に関しては痛みがない代わりに、吐き気がひどく、食事もできなくなりました。
 1ヶ月後、血液検査で数値がほぼ正常に。退院となりましたが、「次に数値が上がったら手術をしましょう」ということで、半年後に手術をして胆のうを全摘しました。3ミリから1センチくらいの石が数十個詰まっていました。胆のうがなくなっても胆管結石というのもあるらしく、油断はできないそうです。
 頸損者は痛みを感じない方が多いので、その場合は冷や汗や血圧上昇などの何か予兆や代わりの症状があります。僕の場合、痛みの第一信号は冷や汗と顔から首にかけてのしびれです。排尿時、排便時、微妙にこのしびれ具合が違います。
 ただ、別の予兆として見過ごしてしまうこともあります。胆石の場合は、まず目の白目から黄色くなるそうです。具合が悪いと感じたら白目の色をチェックし、吐き気がないか確認して診察されるといいと思います。皆さんもご自愛ください。

愛知県:Y.S.



 「はがき通信懇親会2009 in 東京」を終えて 


 今回で14回目をむかえる「はがき通信懇親会」は東京で行われ、無事に盛会のうちに終わりました。
 今年の懇親会では協賛企業を募集し、開催に合わせて四肢麻痺者の生活に有効な支援機器を展示・デモンストレーションを行い、参加者に情報提供、開発中の支援機器への評価、支援機器への要望など「四肢麻痺者の生活に有効な支援機器の紹介と展示」を開催しました。
 以前より支援機器ユーザーから「国際福祉機器展やバリアフリー機器展など実際に支援機器を目にする機会はあるが、混雑する会場で多くの展示品や広大なスペースから、自分に必要な、興味のある機器を探し出すのは困難であり、ゆっくり企業担当者から説明を受けられない」という声があり、それを元に企画いたしました。
 初めての試みであり、正直協力いただける企業やユーザーの参加が本当に集まるのか不安でしたが、皆さんのご協力もあり、多くのユーザーの参加もあって展示会は大成功に終わりました。参加者から「楽しかった」「使ってみたい」「詳しく知りたい」などの感想をいただき実行委員一同、感激しています。ユーザーの意見や質問も多く、企業や開発者とユーザーが「同じ目線で交流・意見交換」ができたと思います。
 またレセプションでも60名を超える方々で楽しい食事となりました。初参加や遠方から参加の方の自己紹介や近況報告、久しぶりの再会に感激するなど、東京の夜景を楽しみながら、皆さん楽しんでいただけたと思います。
 昨年の京都での懇親会直後から「来年は東京だ〜」と決定し、宿泊先の選定やレセプションの内容を企画したり、協力企業との連絡など、思ったより大変でした。「皆さんに喜んでもらえるか?」「多くの参加者が来てくれるか?」実行委員としてプレッシャーに潰されそうな時期もありました。今こうして無事に終わったことで、その苦労も報われた感があります。
 一番嬉しかったのは初参加の方が多かったことで、宿泊を伴う外出で懇親会や東京観光を楽しんでいただけたことです。「はがき通信」は一部の仲間だけでのものでなく、どなたでも参加できる購読グループです。また次回も多くの皆さんと良い出会いや、思い出ができればと思います。
 他の実行委員や準備を手伝ってくれた方、協賛してくれた企業の皆さん、参加してくれた皆さん、本当にありがとうございました。


実行委員長:麸澤 孝





  ※2009年「はがき通信」懇親会 in 東京収支決算報告及び当日カンパをいただいた方は、紙面版にのみ掲載いたします。

 懇親会にご参加いただいた皆さま、支援機器展にご協力いただいた企業や開発者の皆さま、本当にどうもありがとうございました。お天気にも恵まれ、東京を楽しんでいただけたでしょうか?
 多額のカンパも集まり、心から感謝申し上げます。カンパにつきましては、ありがたく「はがき通信」資金に振り込みをさせていただきました。
 余剰金の286,613円は責任を持って会計担当の瀬出井がお預かりし、来年の懇親会用にストックさせていただきますのでどうぞよろしくお願いいたします。
 

実行委員・会計担当:瀬出井 弘美

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