はがき通信ホームページへもどる No.115 2009.2.15.
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も く じ
ballごあいさつ 編集顧問:松井 和子
ball「はがき通信」からのお知らせ
ball私の愛用の枕 Mayumi
ball施設生活から在宅に 広島県:M.H.
ballイランイスラーム共和国の脊損者の現状について 細谷
ball新・今昔物語集 第七話『ブーズーキとギリシャ音楽』(後編) 千葉県:T.D.
ballプール初体験 東京都:F川
ball音声認識環境制御装置「ボイスキャン」 広島県:Y.O.
ball床ずれ予防セミナー 広報委員:麸澤 孝
ball腰折れ俳句(7) 熊本県:K.S.
ballヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)の樹立に成功―再生医療前進へ(その5) 東京都:A.Y.
ball一五一会(いちごいちえ)「オンリーワンズ」 オンリーワンズ
ball私らしく生きたい! 穏やかに生きたい! 福島県:T.S.
ball大自然のバリアフリー住宅訪問 東京都:T.S.
ball紙の書類を電子文書に 編集委員:藤田 忠
ballひとくちインフォメーション


ごあいさつ

 皆さん、新しい年を如何お迎えになったでしょうか。
 「はがき通信」は、今年から偶数月の発行となりました。その最初の通信です。
 昨年、2008年は“変”で表現され、未曾有(みぞう)の経済危機に襲われた年、かつてないほど生活不安を扇動(せんどう)されたような年でもありました。少し前までリストラは中高年が対象であったのに、今や若い働き盛りの男性が対象とされ、解雇と同時に住む場所も失うという非情な状況が日々報道されています。今の日本は貧困への「滑り台的社会」、社会的セフティーネットのみでは不十分、個人的セフティーネットの“溜め”もなければ、たちまち滑り台的に底辺に転落してしまう、誰もが人間らしく生きられるように、そんな社会にはノーと云おうと主張する岩波新書「反貧困」が脚光を浴びました。
 私は著者の“溜め”という表現とその役割に惹(ひ)かれました。向坊さんが「はがき通信」に込めた思いと目的こそ、まさに“溜め”ではないかと考えたからです。重度四肢まひ者が社会で人間らしく生きる “溜め”の拡大、つまり生きるために必要な情報交流の蓄積だったと考えます。自力で移動できず、無年金、あるいは年金のみでは生活困難に陥っている人々にフィリピン日本人障害者の家を提供したのも向坊式“溜め”であり、けい損者が地域生活の中で産み出した「生活の知恵」を「はがき通信」で収集して公開したのも“溜め”としての活用ではないでしょうか。とくに排泄(はいせつ)の工夫や痙性(けいせい)、異常知覚、痛みなどけい損特有の身体反応に対する効果的な対処方法は、当事者の生活体験から収集しなければ得られない貴重な情報です。その有用性ゆえに向坊さんはバックナンバーを電子ファイル化して公開したのではないでしょうか。さらに誌上での情報交流に留まらず、年1回交流会を開催したのはけい損者の長距離移動訓練のみでなく、直接交流することにより親睦を深め、人脈の“溜め”の拡大を図るためではないでしょうか。ちょっとこじつけに過ぎますか。
 ともあれ今年も皆さんからの積極的な通信と交流を「はがき通信」編集スタッフ一同お待ちしています。

編集顧問:松井 和子



 「はがき通信」からのお知らせ 


1.購読料の振込みのお願い
 今年度も2月号へ口座番号等を印字した振込用紙を同封させていただきました。年間購読料は1000円です。同封の振込用紙にてお振込みいただきますようどうぞよろしくお願いいたします。
 郵政民営化に伴い、電信振込みの手数料が大幅に値上がりしました。3万円未満525円になりました。振込み手数料が高く皆様には大変申し訳ございませんが、頸損当事者が会計担当ということでご理解いただき、ネットバンキングと通帳で管理のできる現状の振込み方法のみで今後ともよろしくお願い申し上げます。  
 以下に525円より振込み手数料が安い方法を記します。ただし、ゆうちょ銀行総合口座通帳(旧郵便貯金通帳:以下「通帳」)を持っている場合に限られます。
(1)振込用紙に記入して届出印を押し、通帳もしくはカードを持参して窓口へ出す。(140円)
(2)ATMで通帳で振込む。(120円)
(3)ATMでカードで振込む。(無料キャンペーン継続中:9月頃までの予定)
(4)ゆうちょダイレクト(110円)
   ゆうちょダイレクトの利用には、ゆうちょ銀行の総合口座または振替口座を持っていることが条件で、近くのゆうちょ銀行・郵便局の窓口またはメールオーダにて申込みます。
 申込み手続きが完了すると、サービスの利用に必要となる「利用者カード」等が送られてきます。申込み時に希望した各サービス(電話を通じた音声案内による「テレホンサービス」、専用のWebサイトで提供される「インターネットサービス」、携帯電話各社のネットワークサービス上で提供される「モバイルサービス」)で利用ができます。
 そして、ご本人が通帳をお持ちでない場合、ご家族の通帳からの振替でもかまいません。その場合、後日必ず会計担当の占部さんまで「購読者名」のご連絡をお願いいたします。
 また、新しい振込用紙には通信文欄がありません。購読料か寄付金かの内訳のご連絡もしていただけますと、会計管理がスムーズにいき大変助かります。メール・FAXを歓迎いたします。



[会計担当:占部]
 E-mail: makotti-u-666@jcom.home.ne.jp
 (アドレスが変更になりました)

2.購読料未納のお知らせ 
 今号では振込用紙の同封と合わせて、「はがき通信」購読料の未納額をお知らせいたしますのでよろしくお願いいたします。帯封(おびふう)の「未納年数:」の後に数字を印刷してお知らせしてあります。たとえば、「未納年数:2」というふうに表示してあれば、2は2年間未納という意味です。1の場合、昨年の1年間未納だったという意味です。
 前年度もお知らせいたしましたが、2年以上購読料を未納の方は時期をみて発送を停止させていただくこととなりました。しかし、購読を希望されていて購読料を納めることが諸事情で難しい方は、発送停止される前に「はがき通信」スタッフまでその理由を添えてご連絡いただきますようにお願いいたします。スタッフ会議にてご検討させていただきます。
 「はがき通信」は、年間購読料1000円(年6回発行・1冊あたり約166円)で運営されております。また、さらなる誌面の充実を願われてご寄付されたありがたい寄付金が、購読料を納付されない方の購読料の補填(ほてん)になっている現実も否めません。どうかご理解いただければと存じます。発送停止後に再度購読を希望される方は、新規にお申し込みください。
 しかし、寄付金や購読料の多少にかかわらず、購読者すべての皆様のおかげで「はがき通信」は続いております。それは「はがき通信」スタッフの励みです。今後も皆様の期待に応えてがんばっていきますのでどうぞよろしくお願いいたします。



 【特集「四肢マヒ者のスポーツ」原稿募集!】

 四肢にマヒがあっても、車いすツインバスケットボール・電動車いすサッカー・ウィルチェアーラグビー・ふうせんバレー・車いすテニス・車いすカーリング・陸上競技・水泳・卓球などのスポーツを楽しまれている方が多くおられると思います。
 そこで次号・116号の特集のテーマは、「四肢マヒ者のスポーツ」にさせていただきます。
 現在行われているスポーツの紹介や体験談、スポーツを始めたきっかけ、スポーツを始めて心や身体の変化、チームメイトとのエピソード、スポーツを行うなかでの工夫、気を付けていること、失敗談等々何でもかまいませんので、ドシドシご投稿ください。よろしくお願いいたします。

 締め切り:3月31日まで!




 私の愛用の枕 


 枕選びって難しいですよね!?
 私もいろいろ使ってみましたがしっくりこないので、西川寝具店でマイ枕を作ってもらえると聞き店へ行きました。
 でも移乗介助が必要なのと価格も思ったよりお高い……ので、次に薦められたのが
 『医師のすすめる健康枕[肩楽寝]5,250円(税込)』
 http://www.goosoo.jp/item/item.php?item_base_id=2242
 高さ調節もできると言われ、微妙な調節をして今は愛用しています。なんと言っても、丸洗いできるのは清潔で良いですよね♪ 良かったら使ってみて下さい!
 あっ、肩こりは前より楽になりました♪ よく寝過ぎて困るくらいですよ。(笑)

Mayumi



 施設生活から在宅に 

 今年、受傷して28年、人生の半分以上の頸損人生、振り返れば初めの4、5年は入院。その後、在宅しましたが肺炎・褥瘡で入退院を繰り返し6年経ったころ、父が病気・他界し療護施設に入り約12年間2箇所の施設で暮らしました。個室でエアコンも電気も自由で、毎夜遅くまでTVを観たり、電子レンジで好きな物を食べたり、比較的自由の多い環境で、車を敷地内に停めさせてもらっていたので僻地(へきち)でも再々外出して、それなりに楽しんでいました。だからという訳ではありませんが、周りの友人が一人暮らしを始めたり事業所を始めるなどを横目に「私には無理だろう」となにかと理由をつけ、自分にブレーキをかけていました。
 そんな私が一昨年夏、脱施設を決意し実行したのは、母の加齢と病気を実感し「互いに見えない所で心配し合うより一緒にいた方が良い」と判断したからです。12年前父の病気を機に「母一人では無理」と思って施設に入ったことを思えば、今さら母に負担を掛けてどうする?との葛藤もありました。
 母は、ずっと私のために頑張って来てくれました。車を運転し九州に入院していた時も再々面会に来てくれたり、退院後は私をいろんな所へ連れて行ってくれたり、広島頸損ネットワークを立ち上げ活動してきたことも二人三脚のように一緒でしたから、これからも母と共に生きたいと思ったのです。
 そう決めてからは、利用可能な制度を調べ申請、実家では難しいと判断し住む所を探したり、福祉機器を探したりと大忙しです。
 とてもラッキーだったのが住むマンションがすぐに見つけられたことです。知り合いの保険代理店さんに「母と暮らしたい」となんとく話していたら、その人の知り合いで「事業所を立ち上げた」という人がおられ、その人と話す機会を持つことができ、その2週間後、その人のご兄弟がされている不動産会社に「バリアフリー物件」のリフォーム依頼があり、それを紹介してもらえたのです。
 すぐに見に行くと、以前住んでおられた方がお金をかけて玄関から室内全てが車椅子仕様にされていたので、ほとんど不便もない状態でした。エレベーターも車椅子用にボタンもあり、管理人さんも「自動ドアのロックも開けてあげるよ」と言って下さるなど良心的でした。目の前は路面電車が通っているので“あの低床車輌グリーンムーバー”も利用できます(ちょっとうるさいですが慣れました)。
 契約してリフォーム店さんに少しの改修工事をお願いし、いろんな申請をして判定後、事業所との打ち合わせや施設へ報告し申送り等の協力をしてもらい、福祉機器も同じ頸損の方がされている会社にお願いし打ち合わせもして使いやすいベッドとリフトを購入(実はリフトとベッドの相性があることも学びました)。
 多くの方に支えられて母との生活が実現できたのは昨年の3月、これまでの9ヶ月はあっという間に経った気がします。
 看護師・ヘルパーさんたちにも恵まれ、充実した生活環境に、あとは自分がしっかりと地に足(車輪?)をつけた生き方をして、少しでも長く母との生活を楽しく長続きさせたいと思う今日です。
 

広島県:M.H.



 イランイスラーム共和国の脊損者の現状について 


 はじめまして。私は、東邦大学医学部看護学科の教員をしています細谷と申します。
 私は、2000年から2008年の春まで、大学院での研究活動として断続的にイランイスラーム共和国を訪れ、現地の医療と福祉に関する調査・研究をおこなってきました。
 イランに滞在し調査に携わっていた期間、たくさんのイラン人の脊損者の方々、車椅子ユーザーの方々に出会いました。それがきっかけとなり、2006年頃から、個人的なネットワークを活用して、イランの方々に車椅子を購入するための募金活動をおこなってきました。
 しかし、イランの方々から、お金も大事だけれど、日本に住む同じような状況にある方々の生活に関することが知りたいと言われることが多かったため、現在は、イランに住む車椅子ユーザーの人たちに情報発信するための準備をしています。
 具体的には、日本のみなさまの生活や言葉をペルシャ語で紹介して、イランに住む方々にお伝えすること、そして、イランの福祉の状況や車椅子ユーザーの方々の生活や言葉を、日本のみなさまにご紹介することを通して、情報交換の場を作りたいと思っています。よろしくお願いします。
 2008年8月に、2週間ほどイランを訪問した際のご報告をさせていただきます。
 今回は、イラン北部の小都市を回りました。イランの福祉庁というところから珍しく許可が出たので、公式に高齢者施設の視察をしました。そこで、まだお若い脊損の方(男性)に何人かお会いしました。
 ご自宅で過ごすことができない方は、高齢者介護施設に入所されているようです。事情を聞くと、事故後、離婚したので家族がいないからということでした。男女ともに、事故や病気後、離婚を経験される方が少なくないようですがその後、どこで生活されるかというのは、大変シビアな問題です。
 イランでは、病気や障害がある方、高齢者や子どもは、家族や親族が面倒を見るというのが普通です。それは、いいことでもありますが、逆に地方では、家から出られないことの問題もあるようです。若くして障害をもち、50歳になって家族が亡くなり、その時に初めて施設に入所してそこで初めて車椅子に乗って、自分で移動することができると知ったというようなこともあります。
 イランは産油国ですので、農村部まで舗装された道路が通っていますが、それでも、でこぼこ道を車椅子で移動するのは本当に大変です。バリアフリーの建物はほとんどなく、車椅子を載せて移動できるバスもなく、タクシーでの移動はお金もかかるし、運転手に嫌がられるので、外出できる身体状態にあっても、だんだん外出できなくなってしまうという状況があるようです。
 最近、民営の訪問看護が始まったので、ご自宅でご家族と一緒に暮らしている方たちのところには、定期的に看護師等が訪問するようになっているようです。しかし、これは有料なので、定収入を失った方は、受けることが難しいサービスです。
 イランには、障害を負った場合に受けられる保障がないのでたとえば、公務員だったので年金が受けられるとか、ご実家が裕福な農家とか、土地所有者で収入があるとかいう以外、大変厳しい状況に立たされることになります。
 慈善団体で、無料の訪問看護をおこなっているところもテヘランにはありますが、理学療法士と言いながら、何の資格もない人をリハビリとして訪問させたりと、活動内容に関しては、問題が多いということでした。
 テヘランでは、テヘラン脊損者協会のリーダーたちに会いました。活動の中心になっているのは女性たちです。脊損のレベルは、それほど高位ではありません。イランでは、病院の救急救命病棟以外で、高位の損傷の方にお会いしたことはありません。
 さて、彼女たちには、日本せきずい基金からいただいた日常生活動作に関するDVDと、瀬出井さまの「はがき通信」の記事でペルシャ語に翻訳したものをもって行きました。
 DVDをお見せしたところ、リハビリテーションなどは、イランにも専門家がいるので、そういう内容よりは、瀬出井さまの記事のように、実際に日本の脊損の方々が、どうやって日常生活を送られているのかを具体的に知りたいのだということでした。
 たとえば、ベッドから車椅子への移乗はどうしているのか。どんなボードを使っているのか。車椅子はどんなもので、何キロ、いくらのものを使用しているのか。どこで購入するのか、費用の援助はどこから受けるのか。街での移動は? 移動用のバスがあるのか。自家用車なのか、電車にはどうやって乗るのか。着替えはどうやって行っているのか。褥瘡予防として、どんなことに気をつけているか。排泄はどうやっているのか。結婚生活や性生活はどうしているのか。誰に介護してもらって、どのくらいの費用がかかるのか。生活費はどうしているのか。復職の可能性はどのくらいあるのか。
 などなど、本当にたくさんの質問が出ました。こうしたことに関しては、日本のみなさまのご意見を直接おうかがいするのが一番と思いました。
 また、イランの福祉庁をはじめとする福祉関係者からも日本の状況や政策、障害者や高齢者福祉に関する制度やその問題点などに関して、具体的な情報が欲しいと(どこに行っても)言われました。いろいろ改善したいけれど、とにかく参考にできる情報がないということらしいです。
 忙しさにかまけて、HPの作成など、なかなか進まないことばかりですが、みなさまのご意見をお聞かせいただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 

細谷

 
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