はがき通信ホームページへもどる No.114 2008.11.25.
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<特集!はがき通信」懇親会in京都2008>



 今号の「特集」は、9月19日(金)〜9月21日(日)に開催された京都懇親会です。親睦を深め励まし合う目的で年に1度、仲間が一堂に会して集う懇親会や自由行動での(バリアフリー情報も含む)観光についてのご投稿をご紹介いたします。



 <特集> 講演『I am Japanese.』 


 ※懇親会1日目・19日(金)の15時30分〜17時に、兵庫頸髄損傷者連絡会 Mさんにパソコンのプロジェクターで写真を映しながらバンクーバー旅行にまつわる話を、熱く“オチ”ありで楽しく語っていただきました。その概要をMさんの説明でご紹介させていただきます。





 【2006年10月9日】




 よくわれわれの当事者の間で話題になるカナダのブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーは「障害者にとって暮らしやすいのか」をテーマに現地に行って確認しようと兵庫頸髄損傷者連絡会の“タコヤキボーイズ”のM、T、Mの3名で、現地に滞在する頸損者・Iさんに連絡を取り、旅行に出発。ノース・バンクーバーにて、対岸はバンクーバー市街。左からミカさん、Mさん、Tさん、M。

 坂を上がった緑の豊かな環境で生活されているUさんのお宅に訪問。大変快く迎えていただき、生活のことをお聞かせいただきました。政府から直接本人にお金が支給され、ケア・ギバー(ヘルパー)を求人して雇用するダイレクト・ペイメントという制度を利用されて生活されているそうです。(写真・下)





 バスや電車など公共交通機関では、どんなに混み合っていても障害者が優先。街でドアの前に行くと何も頼まなくとも(滞在中すべて)気さくに開けてくれます。それがバンクーバー−での当たり前の風景のようです。

 【10月10日】




 Oh my god! 朝、なんとMeの電動車イスが動かない。故障か? 原因は? ヘコんでものもいえない……。タコヤキ長男・次男は「シャワーチェアー」を使えばと軽口をたたくが、笑えない。しかたなく急遽2日目に訪れたKさんの手動車イスを借りて使うことに。写真はバンクーバーの名所、ガス灯の前で。

 中華料理店で故障のことは忘れて楽しく食事。それにしてもどの料理も1人前が日本の1.5倍あり、中華料理も日本とひと味違うバンクーバー味。(写真・下)

 【10月11日】



 なんとあり得ないことが、滞在しているホテルのエレベーターが(3日から)故障して宿泊階の5階まで抱えて上がることに、結局4日目まで直らず。抱える方も大変だが、抱えられる方も身体・精神的にきつい。

 Iさんの紹介で、GFストロングセンター(リハセンター)へ修理に行く。エンジニアのPさん(ベトナム系移民)に懸命に修理していただくが、内蔵充電器が故障していて日本に帰国しないと修理不能とのことでガッカリ。しかしPさんが、「Hのこれからの旅が幸福なものになるように」と外部充電器をプレゼントとの申し出に感謝。友情の印として今もありがたく使用しています。



 グループホームに訪問。一人2LDKの部屋に住み、写真は共有リビングダイニング。写真左より3人目のMさんは、親日家で日本のいわゆる“オタク”といわれる文化が好きだそうで、それは日本では“オタク”と呼ばれるというと喜ばれていました。日本はクール(かっこいい)ということか?

 J.A.さんの部屋に招いていただきました。(写真・下)



 パブのオープンテラスで食事。ガスヒーターがあるので寒くない。おまけにお酒が入っているので心も体もホッカホカ。

 【10月12日】



 今日はアウトドアスポーツのトレイル・ライダーを体験。トレイル・ライダーに乗り換えて野山をトレッキングする。はじめは乗り気でなかったが、これが電動車イスではとても行けないところも行けて大自然を満喫、とても楽しかった。


【10月14日】



 帰国前に6日間を過ごしたホテル・ラマダの前で記念撮影。お世話になったIミカさん、ボランティアの皆さんに感謝。

 海外へ旅に出れば自分が“日本人”であることを嫌というほど痛感する。物にあふれた“ないものがない”中で生活していることがどれだけありがたいか、それに気づかずにいる。海外では日本で“ある”のが当たり前のものもない。ただ日本と違うところは、人とモノと環境がうまく調和している。ないものは“人の心で埋める”というところでしょうか。だから心地が良いですね。日本で人の心地良さに慣れていないわれわれは、逆に海外の当たり前に違和感を覚えるのが悲しいところです。
 その一方で、海外に出た私たちは「日本の良さ」を伝えようとする。これもまた“日本人”であることを痛感するときです。やはり日本人である以上、日本のことが好きなんですね。
 日本で日々の生活に不平不満だけをいって過ごすより、海外に出てみるとまた違った視点で日本が見られることでしょう。そんな時、日本において自分が何をするべきか感じられるかもしれませんね。遠くから足元を見る。海外旅行に出かけよう!


 
兵庫頸髄損傷者連絡会:H.M.


 <特集> 旅・時には、押しの一手…… 


 こんにちは、今回で2度目の京都懇親会参加です。常連さんが多く再会は嬉しいのですが、やはり主のいない場に淋しさを感じてしまいます。ご浄土で、ニッコリ微笑んでいるでしょうけど……。
 旅先ではいろいろとハプニングが付きものです。そんな愉快かつお勉強となるお話しを少々書いてみようと思います。
 中日の観光では、カラオケ仲間のM君と同行し銀閣寺へ、昇降型バスを利用して出かけました。私の地元では2台は搭乗できるのですが、そのバスは1台ずつ、しかも次が何時に来るか定かではないという、悠久の都を走る乗り物で御座いまする。先に出発したM君の後3台ほど見送ってなんとか搭乗、バス会社の規則ということでベルトで固定。京の町を車窓から眺めるのもなかなかのものですなぁ〜と感心しつつ現地へ到着。




●銀閣寺は、電動車イスで問題なくまわれますが、国宝観音殿(銀閣)は、平成20(2008)年2月より約2年間の修復工事の予定で足場が組まれ幕に覆われています。

 土産物屋が両脇に建ち並ぶ坂道を上がりきり、竹が揺れる風情のある通路をぬけると入り口が現れ、そこで拝観料を支払い、その先へと進むときっちり整備された白い砂の庭園が見えて来ました。くるりと庭を廻り途中で写真撮影、そして先へ進むと目前に現れいでたる建造物は、まさに渋〜い銀色のアルミ枠で組まれた工事現場そのもの。「これ〜銀閣寺〜?」とM君のか細〜い声、すかさず私「う〜ん!これは足場だね〜!」そうです、2人とも懇親会事務局からの送付資料(観光情報)に目も通しておらず改装中であるのを知らぬまま、観光客も少なく込んでなくて良かったね〜などと上機嫌のオトボケ2人組みであったんどすえ〜。まぁまぁ〜こんなこともあるよ〜と気を取り直しつつ「苔のぉ〜、石のぉ〜♪」和の美しさに魅せられ出口へと……。
 一息入れて坂を下ると、その場所から「哲学の道」なるまさに未知なる領域へとオトボケ御一行を誘うのでありんす。炎天下の中、ニッと笑って記念撮影を終え、いざ行かん! 我ら、哲学のその真髄を見たりーと電クルの足も軽やかに走り出したのです。「哲学の道って何があるのぉ〜」てな具合のお気楽さで一行は砂利が敷かれた道を先へ先へと脇の石垣水路の清らかな流れも気にせずに前へ前へと進むのです。それと同時に私の体温も上へ上へと昇っていくのであります。どれほど進んだでしょうか、何本目かの飲料水をあけたびたび木陰で休息を取り、悲壮感まじりの声で「いったい何処まで続くねん!……この道?」(この道は近代日本の代表的な哲学者・西田幾太郎や経済学者・河上肇などがよく歩き、思索にふけったことから命名されたとのことです)。





 頭がボッ〜となりつつこの道は、方角的には来たバス通りと平行して伸びていることが分かり、一行リタイアの案も口には出たものの、そこは首の骨を折っても死ななかった野郎の意地にかけゴールを目指すのでありました。なな……何とか行き止まりまでたどり着けど、達成感の歓喜の雄叫びもなく、早々にバス通りへ出て口数も少なく、帰路へ向けて急ぐのです。
 上がった体温はこもっており、途中これ幸いと美術館へ立ち寄りクールダウン、どうにか体温を下げたところで、M君の希望でこのまま祇園(ぎおん)へ向かい先斗(ぽんと)町辺りで夕食を取り、ホテルへ帰りたいというのだ。ここまで来たら哲学の道を極めたもの同士?……付き合うよと地下鉄で祇園へ。そこで2班へ別れ、先斗町で落ち合うことになった。
 祇園の細い路地に入り込むと、今にも店先の暖簾をくぐって着物姿の若旦那でも出てきそうな風情の漂う一角。その先に見えるは、2人の舞子さんがポーズを決め写真撮影。おっこれはチャンスとお願いして3ショットで記念撮影。礼を言うと「あの〜じつは私たち……」と言ったところで、やはりそうだと解り「何処からですか?」と尋ねると、「群馬です〜!」と、舞子コスプレのお嬢さんたちでした。
 鴨川を渡り、先斗町を散策するも入れそうなお店はなかなかなく、あるとしたら何処の駅前にもあるような飲食店や居酒屋店。京都の鴨川まで来てそんな店では風情もない、どうしようかと立ち往生している頃に、M君たちと合流。店先で話を伝えると目の前の入り口奥にエレベーターが見え、ここはどうだろうとなり、介助者が先に入り確認したところエレベーターが使えればお店の2階フロアは大丈夫そうだと分かり、先に私と介助者とで何とか押し込んで2階へ上がったのであります。
 店内には、客もまばらでガラス越しに見える夜の鴨川と対岸の街の灯が、旅の最終日を彩るかのように雰囲気をかもし出している。すると、お店の方が空いている窓際ではなく奥の壁側へと誘導し、ちょっと残念な気もしつつ奥のテーブルに着こうと椅子を移動しているところへ後からお出ましになったM君一行。やはり窓越しに見える風景にご満悦の様子。
 そこへ先程の女中さんが、ご一緒に奥のテーブルへと声をかけると、不思議そうな表情でM君の口から「窓際のテーブルは、ダメなの?」と発せられ、えっ! と何やら返答に困った様子。女中さんがしどろもどろで理由を言わんとしていると、これは不可解と察して、次なる直球を内角際にズバーンと「予約とかないんだったら、せっかくだから窓際が良いよ!」と決めてくる。のんきな私、M君の顔を伺い小声で「……押す?」と尋ねると、しっかりと「押す!」との力強い返事。
 その場の情勢は、たちまちお客様らの熱〜い意向へと流れ、劣勢の女中さんその後の言葉を飲んで早々にひるがえり「では、はい。どうぞ〜!」と対応を和らげ接客に勤(いそ)しむのでありました。僕ら一行は、窓から見える鴨川の夜景と昼間さんざん動き回って空かしたお腹を満足させてそのお店を出た。満足顔の御一行らは、川原にそよぐ夜風に涼みながらふらふらと歩き駅へ向かったのです。
 あくる日は、午前中のミーティングを終えて、少々早めに京都駅へ到着後お土産を買い、昼食を取ろうと駅ビルのレストラン街へ。日曜日とあって何処のお店も人だらけ。別棟のラーメン店が競って隣接する麺フロア(京都拉麺小路)へ行けど案の定、何処も彼処も店先には帯のような人の列、おまけに店内も狭そう。一通り店舗を回り、並んでまで待つ気分にもなれず、仕方なく中央辺りの通路沿いに設置されたカウンターにとまり別店でタコ焼きを買って来てもらい、介助者の彼とパクついていた。
 そこへ昨夜の武勇者M君一行がお出ましになり、何処のお店も人が一杯で並んで待っている状態だよと告げ最後に、「それでも、……押す」っと付け加えた。いっそう目を細くして照れ笑いしながら、一応回って見て来ますよとM君を先頭に一行は奥へと進んで行ったのです。僕は、いくらなんでも今回は無理だよ〜と口にしながら続きを食べ終え、介助者の食べ終わるのを待っていた。間もなくすればやっぱり入店は無理だったと諦め顔で戻って来ると思っていれども一向に姿が現れない。えっ嘘だろう? と携帯電話でメールを送信。少し間をおいて返信があり、「今、皆でラーメン喰ってまーす!」。僕は思わず噴出して、「……あっぱれ! 御見事〜!」。
 とてもお勉強になる旅先での押しの一手というお話しでした
 東京都:H.K.



 

東京都:H.K.



 <特集> 「はがき通信」IN京都に参加〜♪ 


 僕と「はがき通信」との出会いはインターネットでした。僕のような四肢麻痺者がどのような工夫をして暮らしているのだろう?? そんな疑問から、インターネットで検索しまくり行き着く先は、「はがき通信」と「頸損連絡会」でした。
 「はがき通信」の懇親会に参加したい! 向坊さんにお会いしたい! そんな気持ちから、受傷4年目で広島の懇親会に参加しました。しかし、そこには向坊さんはいらっしゃらず……偲ぶ会でした。向坊さんとお会いすることは、永遠にかなわなくなりましたが、その意思を継いだ方々とはお会いできる! そんな思いで、翌年の京都懇親会に参加予定でしたが、残念ながら、髄空内バクロフェンポンプ植え込み手術と重なり断念。
 今年は行くぞ!って、いうことで、中学の修学旅行以来ん十年ぶりの京都に行ってきました。京都に行きたかった理由の一つに京都にある電動車イス業者さんをお尋ねする目的がありました。僕の愛車はクィッキー646と都内周辺では改造はご勘弁のお墨付きの電動車イスです。



 写真のこいつがクィッキー646です。スピードがでるのに座位が……え? 僕は、スピードは……。まあ、それはそれで(笑)、とにかくすごい業者さんで、自分たちで、自作の電動車イスを開発しちゃうんです。開発した電動車イスはオメガ・スリーといって、6輪者で10cmくらいの段差なんか、目じゃね〜ぜ!言わんばかり走行でした。試乗したかったけど、リフターが……って、その前に高価過ぎですよ! 社長さん。いろいろアドバイスを受けて、教えてもらった通り、反応加速度を変更したのですが……。ま〜だ、その先はって、感じです。



 後から知ったのですが、東京で開催された国際福祉機器展にもいらっしゃってたらしく〜なん〜だ、福祉機器展でお話できたんじゃん! と、ちょっと悔やまれる訪問でした。最後に記念撮影で、「はい。チーズ〜♪」。
 さ〜て、お次は観光です! ん〜〜金閣寺に行こう!! すてきですね。きれいですね。でも、メチャメチャ暑いです(笑)。いいのです。観光なのだから。^^;



 金閣寺のお次はお食事です。あれ? あれ? 写真がな〜い(笑)。懐石バイキングっていうんですか?? お一人様2000円! う〜ん…料理がしょぼい! 写真がない理由はこれかな(笑)。
 あ! って、いうか、肝心の懇親会の写真は? 交流しに行ったんでは? はい! 交流しに行ったんです! 各地から年に一度お会いできる交流会〜♪ 向坊さんの意思を引きついだ方々との大切な交流です。写真なんかで、表現できません。ぜひ、体験って、いうかご参加くださいです。きっと新しい交流が生まれると思います。
 最後に蛇足ですが、向坊さんの生前、2通ほどフィリピン・ルセナ日本人障害者家について、メールをしたことがあります。返事は「今年は3月で閉鎖ですので、来年まで、国内旅行で鍛えてください。北九州にこられたさいには歓迎しますよ」。こんな、内容だったかなあ……。まだ、自分は鍛えている最中です。<(_ _)>
 東京都:T.S.


東京都:T.S.

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