は が き 通 信 Number.10
POST CARD CORRESPONDENCE 1991.7.25

《ごあいさつ》

私は他の人に迷惑ばかりかけている、社会のゴミなのでは…‥という悩みが、進捗の原動力になるのかも知れません。夏は寝冷えに気をつけて下さい。

向坊


PC
頭の方向から見た図
PC2
側面から見た図
向坊氏の通信


自立のあゆみH ワープロの位置の工夫

重度の障害者が健常者と互角の仕事をするには

  1. 経営者になる
  2. 免許か特殊技能を身につける
  3. パソコンやワープロなどのハイテクを使う、ことです。

PICTURE


3.の場合は、介護時間が長い頚損者にとって長時間、車イスに座った姿勢でワープロに向かうのは無理な場合が多いので、図のような工夫をすれば、どうでしょうか。


寝た姿勢なら夜間などを利用して8時間くらいでも打てます。ワープロはラップトップ型(膝載せ型)とデスクトップ型(机で使用するブラウン管つき大型)があり、図の場合はラップトップ型が便利なようです。

向坊

新しい福祉電話「ふれあいS」を設置して:SUさん


去る12月1日から、福祉電話「ふれあい」のバージョン・アップ、『ふれあいS』がNTTより販売、レンタルされたとのこと。さっそく、管轄のNTTの営業所に、電話で、「ふれあい」の解約、『ふれあいS』の契約と設置の手はずを取った。
この新しい福祉電話『ふれあいS』。カタログ情報でも「中々」と思ったし、使ってみても「優れ物」という実感。何やら、嬉しくて。来る人や会う人、また電話の向こうの人にも、話してみたくなる。
人によっては、「前の(ふれあい)とどう適うのか?」と尋ねてくれるのだが、以下、その例に習って、『ふれあいS』について書いてみる。
注『ふれあいS』の対象者は、肢体不自由者(頸髄損傷などの上肢麻痺者、及び不随意運動者をも含む)の他に、視力・聴力障害者をも含むようである。しかし、ここでは、頸髄損傷者のニーズを中心に、レポートをする。

1)料金550円

『ふれあいS』は、スピーカー内臓型(ハンズ・フリー)である。前機種の「ふれあい」は、「スピーカー・ホンU」を接続して使用していたが、これは元来、ビジネス・ユース向けであり、料金は「ふれあい」単体(680円)の他に「スピーカー・ホンU」の月額1500円が加算されていた。
つまり、スピーカー・ホンUを使わない分(厳密にはそれ以上に)、安くなった。

2)マイク機能の向上

通話の相手方から「前より、声が近くなった」と言われる。7年前の「ふれあい」よりもマイクの性能があがっているのだろう。
また、これにより、内臓マイクとスピーカーの切り替えがスムーズになったらしく、相手方から「言葉の頭が切れる」との苦情も聞かれなくなりた。

3)自動着信

受話器を取る動作(呼気スイッチなどで入力)をしなくとも、「保留ボタン」を3秒以上押すと、「ピッ」という音とともに、画面に「自動着信」との表示が出て、自動着信モードになる(設定必要)。
自動着信は、5コール(ないし10コール)で、自動的にオン・フック(通話状態)となる。
この自動着信、取扱い説明書を読むと、ルーム・モニタという意味合いが強いが、C4の私としては、呼気スイッチから離れている時(ワープロを打つなど)、電話に出るには8コール以上かかったのだが、『ふれあいS』を「5コールの自動着信」しているので、「切れちゃった」と□惜しい思いをすることもない。
但し、自動着信は、着信後3分(ないし6分)で切れてしまいます.更に、通話を続けたい場合は、ハンズ・フリー・ボタンの点滅中に、呼気スイッチなどにより入力動作をしてやればよい。

4)ワン・タッチ・ダイヤル

20カ所の短縮ダイヤルの他、5カ所のワン・タッチ・ダイヤルが増えた。

5)画面表示

文字は前よりも大きい。表示は液晶で「見にくいのでは?」と思うが、電話の操作には、「バック・ライトがつき」、ちゃんと配慮が伺われる。

6)ダイヤル時の使い勝手

ダイヤル・ボタンのランプは、全体に光り、ダイヤル時には「音と光」で使用者に確認(フィード・バック)させてくれ、また(設定により)女性の声で「1」とか「2」とか返すことも可能。
これは、視力・聴力障害者にも有効だが、更にハンズ・フリー・ボタンの音声フィード・バックだけは、別の音が鳴ってくるので、電話の表示を見れなくとも(例えば、呼気スイッチで入カする頸損者などが、体位交換などで・…)、ダイヤル操作ができるのである。

7)ダイヤリング時の「1桁」の取り消し

 全桁か、1桁か、の指定が可能となった。

8)その他

細かくは、諸々あるようである。

以上、思いつくままに列挙してみた。おおよそ満足のいく機器なのだが、それでも若干の不満を述べるなら、「キャッチ・ホンが使えないこと」と、「自動着信モードのまま相手方が電活を切ったら、そのままこちらも自動終話になってくれた方が『人にやさしい』と言うこと」ぐらいかな‥‥。
それから最後に。現在、環境制御装置(ECS)を経由して、福祉電話「ふれあい」を使用の方、『ふれあいS』は、外部入力装置のコネククーが「ふれあい」とう異なりますのでご注意下さい。
許しくはECSの設置取付業者か、環境制御装置開発連絡協議会の事務局に相談されるのが良いでしょう。標準外の仕様となるので、この件につきNTTに相談されても対応しかねると思われます。
また、多機能化に伴いボタンの数も増えたので、ダイヤリング・オートスキャン(自動走査)の手順が複雑になっています。「ふれあい」とは、やや勝手が異なるので、従来からの使用者は、多少、戸惑うかも知れませんが、使っているうちに慣れていくことでしょう。

横浜リハビリテーションセンター企画研究室 環境制御装置開発連絡協議会事務局

Aさん


1991/7/3

向坊さんの自宅のビデオ拝見しました。昼間はヘルパーさん3人を交互に雇い、夜間は一人でという自立した生活を送られているので、長い一人の時間を乗り切るべく、様々な工夫がなされていました。ベッドサイドには必要な器機類(エアコン、テレビ、ベッド上げ下げ、CD等)のスイッチが設置され、腕やマウススティックで器用に操作されていました。通信で紹介されていたトランスファー機器、袋付きズボン、屋根付き車イス、ホース付き尿器も実際使用されているのを見るととても便利そうでした。またワープロはラップトップ型をベッドサイドに置きマウスススティックで操作されるのですが、連続10時間でも操作可能だそうです。床ずれの心配から車イス上で作業する時間は限られるし、寝ている時間を有効に使うためにもこのような工夫が必要だと感じました。私も自分なりの工夫を試みようと思います。

(今年5月上旬、向坊さん、ヘルパーさんの協力で撮ったビデオです:松井)


KMさん


はがき通信のみなさんお元気でしょうか。毎日、雨ばかりでうっとうしい日が続きます。でも7月いよいよ本格的な夏がやってきます。暑さに弱い私は体力つけてこの夏をのりきろうと思います。
向坊さんのフィリピン雑記帳を読ませていただきました。海外で生活されていると聞いただけで驚きなのに、ましてやフィリピン、政情不安定で治安も決して良くないというイメージしかありません。そんな所でどのように生活されているのか疑問に思っていました。生活費、食料、病気になったときの病院の問題、それから言葉の問題、これらは考えていた以上にクリアーされていて特に医療は高水準であるとのこと、やはりいちはん気にかかるところです。

水の問題も少し気になりました。水が出ないということはやはり問題で、日本にいると水の大切さを忘れがちになるというか考えられないことで『水』に対する考え方が根本的に違うのでしょう。
ヘルパーさんとのコミュニケーションは大切なことで、日本とフィリピンとの、宗教、文化、考え方のくい遅いをいかにしてトラブルを少なく、生活していくかはお互いが思いやり出潮!理解し、納得して精神改革を行わなければ困難窮まりないと思った。要は本人の強い意志の元でどのように生きていくか、それが私にとって大きな問題だ。

向坊さんの日本での生活を収めたVTRを観ました。
生活していくための細かな配慮が随所にみられてすはらしかった。へルバーさんも慣れた手つきでテキバキと仕事されているのには驚いた。ただPM16時からAM9時までは一人でいると不安にならないだろうか、特に褥蒼とかは。
私は常に体位交換をしているけれどそれでも心配はつきません。
リフトを使っての移動やシビンの工夫、全天候型ルーフはなかなかユニークでした。
頸損でも障害の程度が人それぞれ異なります。自分に何が必要かどうすれば自立していけるか今回考えさせられました。敬具。1991/7/6


SMさん


いろいろと気にかけていただいたベースメーカの埋め込み手術ですが、6月27日に無事終了しました。その後、発熱などもなく、傷をふさいだガーゼが少し痛々しいかなと思うくらいでいつもと変わらぬ毎日を送っています。
終わってみれは何ということはないかなというような感じです。
埋め込んだ傷そのものが小さいので本人の体にとっては、首のあたりが重苦しい程度で体調にひぴかなかったのでほっとしています。
傷は首の付け根に右、左、胸の丈夫に右左、それぞれ7pくらいです。
現在はガーゼもはずして縫合傷がむき出しになっています。その方が治りがよいとかで・・・・・。
手術の次の日7/3日、7/5日とペーシングのテストがありました。本格的には7/8(月)よりリハビリを始めるそうです。午前8時から午後8時まで1時間きざみのプログラムで横隔膜のペーシングをやるそうです。はじめは5分くらいから少しづつふやしていくそうです。
主人は首と肩のこりに悩んでいます。みなさん、どんな風にほぐしていられるのか、色々と使っているのですが、あまり効き目がないようです。もし何かよい方法がありましたらお教え下さい。

奥さんからの手紙

TFさん


梅雨時だと言うのに、雨の量が幾分少ない様に思われます。ここ2〜3日は、雨も降っていない様な気がします。しかしこれは、私の感覚だけであって、事実かどうか怪しいような気がします。
数日前には大きな雷が鳴ったそうですが、私は知らずに過ごしてしましました。看護婦さんに言われて、ぴっくりしました。窓を閉め切ってクーラーを掛けっぱなにしていると、天候の事など解らなくなってしまいます。
1年前位までは、私のdiarryには必ず天候の内容が盛り込まれておりました。しかし最近は、天侯に無頓着になった為かもしれませんが、天候に関する記載が消えてしまいました。その事実が、私自身の現在生きている姿をよく現しているものです。今この文章を書きながら、そんな事を考えております。
ところで、私にも素晴らしく、美しいヘルパーさんが見つかりました。週1回ぐらい手を貸してもらえそうです。今、この手紙も□述筆記で書いてもらっております。すらすら文章が書かれていくと、口述が非常にし易いです。原稿用紙1枚7分位で書けそうです。ほとんど口で発する言葉のスピードと同じ位に、書いて行ってもらえるのですから、文章の内容を考えるのにも、返って容易です。文章の書くスピードが遅いと頭の中で考えていた構想を、次々に忘れて行ってしまいます・・・・・・以下略

(Fさんが数年かけてまとめられた約550枚に汲ぶ頸損生活記録も口述筆記によるものです。この手紙はその修正した原稿が完成したというお知らせから抜粋したものです。)


向坊氏


リフターができました。グリーンライフ研究所製作で巻き取り装置付き4万5千円の値段になりました。

宅急便代は実費になり、地域によって違うようですが、約3千円です。


※ 写真は最新式リフターです

向妨さんが考案したリフターは、市販品の10分の1で、「障害者用リフター格安で作れます」という見出しで5月16日付けの読売新聞夕刊でも紹介されました。

申込先:北九州市八幡西区黒崎3丁目8−22 グリーンビル402号
グリーンライフ研究所
TEL:093641-1639


TFさん


7月26日発売の“Let's HAMing”の9月号「編集長のハム人探訪」に私が登場します。アマチュア無線の月刊雑誌です。先日、その雑誌の編集長が沢渡温泉病院まで取材に来てくれました。関心のある方は読んで下さい。

(6月末日、日焼けして元気そうなFさんに約1年ぶりで会ってきました。今回は病院へ行かず、Fさんにバス停まで迎えに来てもらい、バス停前の喫茶店で話しました。来年4月新設の療護施設に入所するか、思い切って地域で生活するか、悩んでいるところだそうです)


ある手紙(8号)への返信


私自身、今でもときおり自分の心に負けそうになるというか、自分の障害にやりきれなくなることがあり、それが恐くて 1日中見ても見なくてもテレビを付けっぱなしにしていたり、部屋に音楽を流して気をまぎらわしたり・・・・・。
とにかく気が滅入りそうになったり、考えなくても良いような余分なこと(先のことや昔の思い出にふける)に気が移りそうになると、そちらに気を反らしてごまかしたり、自分自身に必要以上に仕事(手紙など書くことも含む)を作って忙しくし、絶望感に負けないようにしているのが現状なので、余り偉そうな事は言えませんが・・・・・。

「はがき通信No.8」の「ある手紙より」の文中にあった

  1. 「私自身の生存が世の中に対して悪影響を及ぼしているのでは・・・税金の無駄遣いであるという槻念にとらわれていたからです」
  2. 「生産的な仕事に従事できない障害者でも、何らかの意味で祉会に貢献することが可能であるなどと述べていますが、どうしても私自身の奥深くで納得できないのです」
  3. 「それゆえ障害者の権利など自信を持って主張できないのです」

の部分について、生意気かも知れませんが少し言わせて下さい。
でもその前に、このご本人の受傷歴はいかほどでしょうか? 浅ければこうしたことを考えるのも無理からぬことだと思いますし、ある程度長い方だと、この方は凄く真面目で、とても真剣というのか、人生を大切にしてみえる方だな‥‥と思います。

私もかって、受傷当初は、自分の存在自体に疑問を持ち、自分の存在が娘の将来に悪影響にならないか?とか、税金の無駄遣いとまではいかないまでも、年金をもらって生活することにすら疑問や拘りを持っていました。
でも、それが今はまったく無いといったらうそになりますが、そんな気にならなく・・イヤ!気にしなくなっているのは、時の流れでしょうか? 慣れでしょうか? もしそうだとしたら、とでも恐いし、そんな自分がいつそうなったのか・・・・・?

私も以前は、働いて一定の収入を得たい!男として家族を自分の収入で養いたい!そんな思いが強く、常に目が向くのは、主に東京で頑張って仕事をしてみえる頸損の人達で、その人達を目標にしてきました。その人達を目標にすればするるほど、自分が惨めになりました。
でも、いっごろだったか自分でもハッキリはしませんが、とにかくある時点で、仕事ということについて真剣に考えたとき、住んでいるところが山奥で、全く私のような重度の者を受け入れてくれる態勢もなく、それ以上に、自宅でやっと覚えたパソコンを使って、曲がりなりにも不定期な、それでも収入につながる仕事らしきものに取り組んでみましたが、金が絡み、納期が絡んでくると、自分の体力が全くそれに付いて行かない現実にぶつかりました。気は焦れども、口にくわえたスティックは思う早さで動かず、1日僅か2,3時間で体はパテ、もう翌日にはベッドから体を起こせないのです・・・・・・。
そんな現実にぶつかり、イヤ!というほど自分の現実を知らされました。

その時以降、生意気なようですが私は「まず自分の障害をしっかり見つめ、認めよう!」と忠うようになりましたし、良いにしろ悪いにしろ、たった今からそれまでの自分を切り捨て、ゼロからスタートしようと思うようにしました。ゼロからスタートしていったい自分に何が出来るか?自分の可能性に挑戦(言葉は格好良すぎますがこの当時はただのモガキ、アカキでした・・・・)してみよう・・・・・と、同時に、自分に出来る仕事とは?と考え直してみました。
そこから私が出した結論は、

  1. 当時、小学校に入ったばかりの娘をしっかり育てていこう!娘に働く姿を見せられない代わりに、せめて一生懸命生きている姿だけでも見せていこう!。
  2. 少しでも早く一人で生活できるようになろう!そうすれば妻が介護から解放されるばかりか、働きに出られるから少しでも社会に申し訳ないと思う気持ちも取れる筈・・・・・
  3. 受傷以来、色々な方々にお世話になり、便利な機器なども使わせて頂くようになりそのおかげで何とか生活が出来るようになったので、その恩恵を一人でも多くの同じ様な障害を負ってみえる人達に伝えて行けたら、伝えて行きたい!それを自分の仕事にしよう!でした。

実に男としては身勝手で、ほんの身近で些細なことばかりでしたが、こう思うようになった途端に、それまでの気負いが取れ、自分自身の心の中がとてもスッキリと吹っ切れました。自分でも驚くほど前向きに、意欲約に物事に取り組めるようになれました。
それと同時に、それまで考えられなかったほど自分の廻りの状況が変わり、それまで考えられなかったほどの人との出会いがあり、色々な経験が出来るようになったのです。

「世の中は、心を開いたときだけ美しい」(ゲーテ)

私は、昔から詩が好きでしたが、この時からこの詩の1行が一層好きになりました。
気負いがとれ、力まずに生活が出来るようになると、日常生活の中でも、例えば近所付き合いや娘の子育ての中にも、明らかに自分のデ場が、男ならではのデ場があることに気が付き、それがみえてきて、つくづく自分の存在感と云うのか、生きていて良かった! という実感に浸れるようになりました。
だからといって偉そうに云うつもりはありませんが、

そんなに深刻に自分を追いつめたり責めないで、少なくとも受傷するまでの?年間に、人によって違うかも知れませんが、誰でも社会の中で何らかの関わりを持って生きてきた中で、自分の心の支えにして、「税金の無駄遣い」なんて卑屈に思うことなく頑張って下さい。
それに、これと云って仕事が出来なくても、地域の中で頸髄損傷者として自分なりの生活をし、そうした人間が自分の地域にいるって事実だけでも知ってもらうこと(そこから先の、個々の人が何を思い、何を考えるかは、無責任で軽率かもしれませんが、我々の手の届く範囲外と思って・・・・)も、我々のように残念ながら中途で障害を負った者の勤めなのでないでしょうか?

それにもう一つ、自分の存在感を問ううなら、自分の親を見れば良く分るのでは・・・・・私の両親(共に70代)なんかは、親からもらったこの体を、自分の不注意から動けなくしてしまった、いわばこの上ない親不孝な私なのに、今でもことあるごとに命が肋かり、こうして話しをしたり、それなりにと出来ることを見つけて生活していることを 心から喜んでくれています・・・・・。
そんな両親を見ると、たとえ格好悪くても、人からそれこそ税金の無駄遣い?(そんな事を思う人はいないと信じますが!? この社会は・・・・・)といわれようとも、一生懸命生きなくては‥‥と、気持ちを新たにする私です。
また、障害者の権利などは、もちろん改善をしたり主張をして行く必要さがあるとは思いますが、私は自分がそこまで積極的でないのと、そうしたことをするだけの知識も体力もないので、逃げているように思われるかもしれませんが、まず自分の足下から、たとえ些細なことでも自分に出来ることを見つけ、コツコツ努力をして行けば、きっと社会の人が「障害者にそんなそんなことが出来るのなら、応援してやろう‥‥」ってことになるのでは、イヤ!なって欲しいし、なると信じていますが‥‥

なんだか生意気で訳の解らないことを書いてしまいましたが、この手紙の主の気持ちが解るだけに何とかしてあげたくて(自分のこともできない癖に…)、ついつい回りくどい分かりにくい手紙を書いてしまいましたが、どうぞお許し下さい。

1991.3.31.KU

本の紹介


デスクトップ型介肋ロボットの客観的評価A
J.Hammel,et al.,Journal of rehabilitation Resesrch and Development, 26(3),1989

前回は、米米国で開発された音声入力による介肋ロボットが障害をもつ人々に提供できる仕事の一覧を紹介しました。

◆ 代表的なロボットのタスクとコマンド ◆
タスク コマンド
スープポールの用意 “SOUP”
標準スプーンでスープを飲む “SPOON”
電気歯ブラシで歯を磨く “TOOTHBRUSH"
指定したタオルで洗顔 ”WASH”
電気剃刀でヒゲそり “SHAVE”

今回は、ADLの介肋に重点をおくDeVAR−Vロボットシステムの活用方法とその評価の一部を紹介します。

モニターは、せき損センターでリハビリテーションを終了した重度四肢麻痺者(Clが1人、C2が3人、C3が5人、C4が12人、C5が1人、C6が1人、その他1人)24人で、ロボットを安全に操作するため、首を左右と後ろに45度動かせることが条件となっています。

OTとシステムエンジニアがロボットの活用方法を各モニターに訓練します。まずロボットのコマンド60語の発声訓練を受けます。コマンドの認識テスト後に表の要領でロボットの操作方法が訓練されます。

◆ 各タスクの所要時間(分:秒) ◆
夕スク レンジ 平均 標準偏差
スープの用意と飲ませる 7:00−13:00 9:24
1.89
歯磨きとゆすぐ 1:54−9:00 5:25
2.33
ひげそり 4:31−14:00 9:82
4.98
洗顔 7:00−10:00 8:00
1.73

◆ 配膳と食事 ◆
コマンド 行為
"SOUP" ロボットは冷蔵庫からスープを取り出してマイクロウエーブの上に置き、ドアを閉じ、タイマーをセットし、スープを温める
"SOUP" ロボットはスープをマイクロウエーブからテーブルに運ぶ
"SPOON" ロボットは所定の場所からスプーンを取って、ユーザーの正面に置く。近くにスプーンを持ってくるように右、左、前、後ろ、上、下とコマンドで命じる。
"USE" ロボットはスプーンでスープをすくい、ユーザーの口へ運ぶ。ユーザー はUSEを反復する 
"BACK"or "CLEAN" ロボットはスープを冷蔵庫へもどす("BACK")、またはボールをを流しに持って行き、洗う("CLEAN") 


東京都神経科学総合研究所 社会学研究室 W

富弘美術館訪問記


富弘美術館開設をテレビで知って、ぜひ見に行きたいと思っていました。

美術館は私が以前、じん肺の調査で頻繁に通っていた足尾銅山の近くでした。私が当時、足尾へ行くには、日光からパスか、桐生から国鉄足尾線を利用するかでした。どちらを利用しても、交通の便はとても悪いのですが、途中の景色はどちらもとてもすばらしく、何度行っても見飽きない所でした。

たまたま7月、足尾で開かれる研究会に参加する機会があり、美術館を訪れることができました。日光まで、地元の研究会メンバーが車で迎えに釆てくれましたので、その車に便乗した5人で星野さんの絵を見てきました。
日光から足尾のメインストリートを抜けて10分くらい走ると、左側に美術館が見えてきました。森と湖をバックにした都会的な雰囲気の美術館でした。駐車場はほぼ満杯でしたが、残念ながら車イスの方は1人も見かけませんでした。

星野さんの詩画は、私たちのみならず、頸髄損傷や障害に無縁の人にも感動を与える不思議な力を持っています。日曜日には駐車場が満杯になり、別の場所に駐車場を設けるほどの盛況だそうです。
行きたい、行きたいと思っていた所へ、研究会のついでに、しかも車で安直に連れてきてもらったせいかもしれませんが、懐かしい絵に再会した喜びはあるものの、さらっと見終わってしまい、生の絵をみているのに、本で味わった感動が甦ってきませんでした

美術館で同じように感じたという研究会のメンバーは、ふるさと創生事業で設立された村立美術館という制約ではないか、などと言っていました。

いずれにせよ、星野さんの絵を目的に長時間かけて訪れる人々に、畑災詩画集以上の感銘を与え、重度の障害を持った人の生きる活力を感じさせてほしいと思うのは、欲張りでしょうか。

松井


あとがき

羅世玲さんの「天地悠々−異境にて、心の山に登った、車イス留学生の記」を掲載する予定でしたが、ページ数がオーバーしてしまい、断念しました。ご了承下さい。希望者はご連絡下さればコピーをお送りします。また羅さんの作品が掲載されている「NHK厚生文化事業団心身障害者福祉賞−実践記録入選集」は購入することもできるそうです。

申込先は「〒150 渋谷区宇田川町41−1 第一共同ビル内 NHK厚生文化事業団」

向坊さんの「フィリピン雑記帳パートA」も掲載予定でしたが、スペースの関孫で掲載出来ませんでした。まとめて早く読みたい方にはお送りしますので、ご連絡下さい。

文章だけでなく、漢字や文字の使い方にもそれぞれ個性があります。なるべくその個性をそのままお伝えするように努めていますが、ワープロ上のミスがありましたら、お許し下さい。

印刷に入る段階で、Kさんから自己紹介の通信をいただきました。次号で紹介させていただきます。

梅雨明けと同時に酷暑がやってきました。都心の夜は気温が一向に下がらず、しかも車の騒音で暑苦しさが一層つのり、寝苦しい日々が続きます。重度障害者になると、田舎では暮らしにくいものの、自然の恵みがなによりも必要と向坊さんは云われます。次号は9月下句の予定です。皆さんの通信をお待ちしています。

松井

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