大 会 宣 言


本日、第59回全道ろうあ者大会は、14年ぶりに大湿原を有する町釧路市で開催できることを皆さまと喜びあいたいと思います。
また、一般社団法人釧路聴力障害者協会、釧路手話の会、北海道手話通訳問題研究会道東支部釧路班などが、 第59回全道ろうあ者大会実行委員会として大会の成功に向けて取り組んでこられた努力に心からの感謝を申し上げます。
釧路で暮らす聞こえない仲間たちの手で、釧路聴力障害者協会は1957年(昭和32年)に設立されてから 釧路で5回目となる全道ろうあ者大会が開かれます。
メインテーマの「つなげよう社会へ!命のことば“手話”」は、 私たちの取り組んできた歴史そのものであり、輝く未来につながっていく歴史だと確信します。
私たちは、「手話はいのち、手話は生きる力」を掲げ、全国及び全道の仲間とともに進めてきました手話言語法の制定運動は、 多くの人たちの魂を揺さぶり、地方や国を動かしています。
2年前に「手話を広める知事の会」や「全国手話言語市区長会」が設立され、 手話言語条例を制定した自治体は全国で185となりました。
特に本年4月から施行された北海道及び札幌市・小樽市が全国で初めて 「手話言語条例」・「情報・コミュニケーション条例」の2つを制定し、画期的な偉業を成し遂げました。
さらに、道内で手話言語条例を制定した自治体は19に増え、全道各地の市政の手話動画による広報をはじめ、 役所での手話講習会や観光地などの手話ガイドの設置、貴会での手話通訳の導入、 市民や児童を対象にした手話教室の開設など、手話言語の啓発や普及に大きな効果をもたらしています。
2016年4月に障害者差別解消法や改正障害者雇用促進法の施行により障害者を取り巻く環境が変わりつつあります。
社会は言語によって権利を守られているように聞こえない人も 「手話言語法」「情報・コミュニケーション法」によって権利を守ることが必要なのです。
このふたつが国民に理解されるまで運動は続きます。
いまここに「北海道はひとつ」になって取り組んでいくことを宣言します。


 

2018年9月16日
  第59回全道ろうあ者大会

                 

大 会 決 議

1.障害者権利条約にある理念に則り、手話による社会的障壁の除去をめざして

 1)「手話言語法(仮称)」を制定し、社会のあらゆる分野で手話が日本語と同等に位置づけられ、使われるようにしていこう。
 2)情報・コミュニケーション法(仮称)を制定し、情報アクセスと情報アクセシビリティの保障を社会に創っていこう。
 3)「手話通訳士法(仮称)」を制定し、誰もが必要な時に手話通訳が保障される社会にしていこう。

2.「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」の目的達成のために

 1)道内市町村に手話条例をつくり、手話が通じ合える環境を創っていこう。
 2)障害を理由とした差別、不平等、不合理なことをなくし、社会に参画していこう。

3.聴覚障害者情報提供施設を聴覚障害児・者の福祉、教育、労働環境充実の推進施設にしよう。

 1)情報・コミュニケーションのアクセスに困難を抱える国民を支援する施設にしていこう。
 2)災害時に対応できる情報発信設備を拡充していこう
 3)手話通訳、要約筆記、盲ろう者触手話通訳、移動支援などの人材を育成、派遣出来る施設にしていこう。

4.ろう者の雇用と職場における情報及び支援環境の保障を求める。

 1)ろう者が働きやすい職場環境づくりと、「聴覚障害」の特性を踏まえた合理的配慮の提供を求めるとともに、
ろう者の職業開拓・技能習慣の機会づくりを求める。
 2)職業安定所へ手話協力員の常勤設置及び身分保障を求めるとともに、手話協力員委嘱要領の改善を求める。
 3)障害者介助など助成金制度の手話通訳派遣の給付期間、給付額上限設定の撤廃などを求め、企業が利用しやすい制度への改善を求める。

5.聴覚障害児・者教育の充実と発展のために

 1)聴覚障害児の学力的、集団的発達を保障し、ろう者として生きる力を育てるろう教育を求める。
 2)学校現場における聴覚障害への理解を深めるとともに教職員への手話研修の義務付けを求める。
 3)聴覚障害者教員の積極的な採用及びろう学校教員の専門性を尊重した人事異動を求める。
 4)ろう学校の単独障害学校としての存続、ろう学校の名称存続を求める。
 5)ろう学校での職業教育の内容・設備につき、人的・物的両面での充実を求める。
 6)聴覚障害者の高等教育、生涯教育の場においても手話通訳等の情報保障を図り、教育を受ける権利が保障されるよう求める。

6.福祉制度の充実のために

 1)日常生活用具の範囲拡充と給付制限の撤廃を求める。
 2)障害基礎年金の所得による支給制限の撤廃を求める。
 3)テレビ放送には、手話と字幕の義務付け、映画やDVDどの映像作品全てに字幕を求める。
 4)全ての政見放送に手話通訳及び字幕付与の義務付けを求める。
 5)ろう者が安心して使える「緊急放送・通信システム」の確立と、公的施設・避難所に『アイ・ドラゴン』設置を求める。
 6)福祉サービスを利用する際の応益負担撤廃を求める。
 7)日本語と同等の言語として、手話の獲得、習得使用、保存を求めていこう。

7.ろう重複障害者が働き、生活できる社会の実現のために

 1)ろう重複障害児への教育を一層充実させるとともに卒業後の労働、生活、発達権の保障を求める。
 2)ろう重複障害者の生活と職業実態を明らかにするよう求める。
 3)ろう重複障害者の発達保障のため、生活・労働施設の拡充と必要な人件費の制度的保障を求める。
 4)ろう重複障害者のための共同作業所やろう者が対象のディサービス活動に支援を求める。

8.手話通訳制度の法的確立のために

 1)手話通訳士資格を国家資格にし、専門性を高めていこう。
 2)手話通訳士を公的機関に正規職員として、一定数採用することを求めていこう。
 3)手話通訳コーディネート業務を制度的に確立し、健康を守る体制の確立につなげていこう。
 4)手話通訳者を『選挙運動に従事する者』に含めず、中立・公正を基本とし、公務員の通訳者も政見放送が担えるようにしていこう。

9.ろう者相談員の全道設置のために

 1)相談員を設置し、人件費の保障を求めていこう。
 2)国に対してろう者相談員制度の創設を求める。
 3)ろう者相談員を正職員として採用することを求める。
 4)ろあ者相談員の専門性確立と資質向上のため、国による継続的な研修制度を求める。

10.文化・スポーツ活動を推進するために

 1)ろうあ者による美術・演劇・文芸などの文化活動を広げ、進めることができる条件整備を求める。
 2)生涯スポーツ及び競技スポーツ活動を広げることを求める。
 3)誰もが健康で豊かにスポーツを楽しめることができる条件整備を求める。
 4)デフリンピックをパラリンピックと同等に位置づけること、理解を広めることを求める。

11.ろう高齢者のために

 1)ろう高齢者には、利用する制度、手続きの全ての段階で、充分なコミュニケーション保障を求める。
 2)ろう高齢者専門施設の増設と職員の人件費増額を求める。

2018年9月16日
第59回全道ろうあ者大会