大 会 宣 言

本日、第57回全道ろうあ者大会は、北海道の空の玄関である新千歳空港、神秘的な支笏湖、鮭が躍るインディアン風車の千歳川。この自然豊かな千歳市で開催出来たことをみなさんと喜びたいと思います。

また、大会開催にあたり、大会の準備に取り組んでこられた千歳聴力障害者協会、千歳手話関係団体をはじめ、千歳市、千歳市社会福祉協議会のご支援に心からの感謝を申し上げます。

千歳で暮らす仲間たちの手で、千歳聴力障害者協会が1975(昭和50)年に設立されてから2回目の全道ろうあ者大会となります。メインテーマの「伝えよう! 広めよう! 受け継がれた手話(ことば)を未来へ!」こそが、私たちの輝く未来につながるものと確信します。

私たちが社会で暮らし、人として生きて行く上で「コミュニケーション」は、最も大切なものです。障害の有無に関わらず、いつでも、どこでも、だれもが自由に情報を受け取ったり発信したりすること、コミュニケーションの方法や手段を自らの意思で自由に選択できることが重要であり、それが当然の権利として保障されることが、私たちの自立を促し、「社会への完全参加」に大きくつながるものと確信しています。

そのため、全国の仲間とともに取り組んだ「手話言語法(仮称)」の制定を求める意見書の採択運動は、全都道府県・市町村議会で採決されるという前人未踏の快挙となりました。

また、手話条例は、道内で石狩市、新得町、鹿追町、名寄市、登別市、帯広市、室蘭市、旭川市に制定され手話学習の広がり、ITを活用した手話コミュニケーション手段の確保、手話通訳者の増員などが促進され、共に暮らす地域づくりの推進力となっています。

全国では、北海道を含め47自治体に広がっており、国における『手話言語法』制定への追い風となるでしょう。

私たちに必要な「手話言語法」と「情報・コミュニケーション法」の法制定の実現は、障害のある、なしを超えて心豊かに暮らせる共生社会をつくる条件となるでしょう。

そのため、私たちはこれからも運動の歩みを止めることなく、共生社会と言う目標へ進んで行くことを宣言します。

2016年9月3日
       第57回全道ろうあ者大会

                 

大 会 決 議

1.「障害者の権利に関する条約(障害者権利条約)」の目的達成のために

 1)「手話言語法(仮称)」を制定し、社会のあらゆる分野で手話が日本語と同等に位置づけられ、使われるようにしていこう。
 2)情報・コミュニケーション法(仮称)を制定し、情報アクセスと情報アクセシビリティの保障を社会に創っていこう。
 3)「手話通訳士法(仮称)」を制定し、誰もが必要な時に手話通訳が保障される社会にしていこう。

2.「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」の目的達成のために
※ 2016年4月施行

 1)道内市町村に手話条例をつくり、手話が通じ合える環境を創っていこう。
 2)障害を理由とした差別、不平等、不合理なことをなくし、社会に参画していこう。

3.聴覚障害者情報提供施設を聴覚障害児・者の福祉、教育、労働環境充実の推進施設にしよう。

 1)情報・コミュニケーションのアクセスに困難を抱える国民を支援する施設にしていこう。
 2)災害時に対応できる情報発信設備を拡充していこう
 3)手話通訳、要約筆記、盲ろう者触手話通訳、移動支援などの人材を育成、派遣出来る施設にしていこう。

4.ろう者の雇用と職場における情報及び支援環境の保障を求める。

 1)職業安定所へ手話協力員の常勤設置及び身分保障を求めるとともに、委嘱要領の改善を求める。
 2)ろう者の職場定着推進のために、「聴覚障害」の特性を踏まえた合理的配慮の提供を行政や事業主に求める。
 3)ハローワーク設置の手話協力員を正規職員として採用し、いつでも相談できる体制を求める。
 4)職業安定所担当官、手話協力員など、職業関係担当者の研修のために、北海道労働局主催による継続的研修会の開催を求める。

5.聴覚障害児・者教育の充実と発展のために

 1)聴覚障害児の学力的、集団的発達を保障し、ろう者として生きる力を育てるろう教育を求める。
 2)学校現場における聴覚障害への理解を深めるとともに教職員への手話研修の義務付けを求める。
 3)聴覚障害者教員の積極的な採用及びろう学校教員の専門性を尊重した人事異動を求める。
 4)ろう学校の単独障害学校としての存続、ろう学校の名称存続を求める。
 5)ろう学校での職業教育の内容・設備につき、人的・物的両面での充実を求める。
 6)聴覚障害者の高等教育、生涯教育の場においても手話通訳等の情報保障を図り、教育を受ける権利が保障されるよう求める。

6.福祉制度の充実のために

 1)日常生活用具の範囲拡充と給付制限の撤廃を求める。
 2)障害基礎年金の所得による支給制限の撤廃を求める。
 3)テレビ放送には、手話と字幕の義務付け、映画やDVDどの映像作品全てに字幕を求める。
 4)政見放送には公的責任で手話通訳をつけることを求める。
 5)緊急避難所・公的施設に『アイ・ドラゴン』設置を求める。
 6)福祉サービスを利用する際の応益負担撤廃を求める。
 7)日本語と同等の言語として、手話の獲得、習得使用、保存を求めていこう。

7.ろう重複障害者が働き、生活できる社会の実現のために

 1)ろう重複障害児への教育を一層充実させるとともに卒業後の労働、生活、発達権の保障を求める。
 2)ろう重複障害者の生活と職業実態を明らかにするよう求める。
 3)ろう重複障害者の発達保障のため、生活・労働施設の拡充と必要な人件費の制度的保障を求める。
 4)ろう重複障害者のための共同作業所やろう者が対象のディサービス活動に支援を求める。

8.手話通訳制度の法的確立のために

 1)手話通訳士資格を国家資格にし、専門性を高めていこう。
 2)手話通訳士を公的機関に正規職員として、一定数採用することを求めていこう。
 3)手話通訳コーディネート業務を制度的に確立し、健康を守る体制の確立につなげていこう。
 4)手話通訳者を『選挙運動に従事する者』に含めず、中立・公正を基本とし、公務員の通訳者も政見放送が担えるようにしていこう。

9.ろうあ者相談員の全道設置のために

 1)相談員を設置し、人件費の保障を求めていこう。
 2)国に対してろうあ者相談員制度の創設を求める。
 3)ろうあ者相談員を正職員として採用することを求める。
 4)ろうあ者相談員の専門性確立と資質向上のため、国による継続的な研修制度を求める。

10.文化・スポーツ活動を推進するために

 1)ろうあ者による美術・演劇・文芸などの文化活動を広げ、進めることができる条件整備を求める。
 2)生涯(しょうがい)スポーツ及び競技スポーツ活動を広げることを求める。
 3)誰もが健康で豊かにスポーツを楽しめることができる条件整備を求める。
 4)デフリンピックをパラリンピックと同等に位置づけること、理解を広めることを求める。

11.ろう高齢者のために

 1)ろう高齢者には、利用する制度、手続きの全ての段階で、充分なコミュニケーション保障を求める。
 2)ろう高齢者専門施設の増設と職員の人件費増額を求める。

2016年9月3日
第57回全道ろうあ者大会