公益社団法人北海道ろうあ連盟の沿革

 北海道におけるろうあ団体の嚆矢はろう教育発祥の地・函館で1927(昭和2)年に結成された「静和会」です。

 翌1928(昭和3)年に「社団法人日本聾唖協会函館部会」に改組され、同年には同じく「小樽部会」も結成されました。昭和17年には社団法人日本聾唖協会が聾教育関係団体と統合されて「財団法人日本聾唖教育福祉協会」が設立されると、函館・小樽部会は同協会支部に改組され、新たに旭川、札幌、室蘭にも支部が設けられました。

 戦後、1947(昭和22)年にろうあ者の自主独立組織として「全日本ろうあ連盟」が結成されると、これに呼応して北海道にもろうあ者の自主独立組織結成の機運が芽生え、1949(昭和24)年7月15日に小樽・函館・札幌・奈井江の各聾唖協会をもって「北海道聾唖連合会」が結成され、初代会長に佐藤顕二氏が選出されました。これが現在の社団法人北海道ろうあ連盟の創立です。

 以降、旭川、室蘭、十勝、帯広と各地にもろうあ協会が結成され、連合会に加盟、1956(昭和31)年7月には「北海道ろうあ連盟」と改称されました。その後も釧路、胆振(現伊達)、空知(現岩見沢)、中空知、北見、後志、苫小牧と各地にろうあ団体が結成され、加盟団体も増加するなかで、1974(昭和49)年には社団法人の認可を受けました。

 社団法人として新たなスタートを切った後、1976(昭和51)年に上部団体である財団法人全日本ろうあ連盟の「一都道府県一団体」の方針に基づいて加盟団体が全日本ろうあ連盟を脱退し、新たに北海道ろうあ連盟が北海道の統一団体として加盟しました。その後も美唄、千歳、士別、江別、北広島、石狩、根室管内、稚内、登別と加盟団体は漸次増加し、現在では加盟24団体、会員数1200名余を擁する団体となっています。

 当初は会員相互の親睦活動が中心でしたが、1960年代前半には全国に先駆けて運動により旭川市と札幌市にろうあ者相談員設置を実現、現在は道、旭川市、札幌市内全区を含む道内19か所に設置されています。

 1960年代後半以降には手話サークルを通じて手話通訳者を育成するなど聴覚障害者の生活と権利を守り、その福祉の向上をめざした運動に取り組んできました。

 手話通訳を始めとする聴覚障害者福祉制度は次第に整備されつつあり、公的事業の委託を受けるなどして、聴覚障害者の社会参加の推進に寄与するとともに、手話や聴覚障害者問題の普及・啓蒙などを通じて聴覚障害者の「完全参加と平等」をめざした運動を展開しています。

 手話通訳設置事業は、開始当初は北海道身体障害者福祉協会が北海道の補助事業として実施、1985(昭和60)年に全支庁(現総合振興局・振興局)に設置が完了しました。2000(平成12)年度から、補助団体が当連盟に移ったのを機に、14振興局及び連盟本部の15名の手話通訳者を当連盟非常勤職員として採用、北海道手話通訳派遣センターを設置し、現在に至っています。来庁者への通訳は勿論、近年は、市町村からの委託を受けての手話通訳者派遣のコーディネートや登録手話通訳者の育成等、市町村支援業務の比重が増えています。

 他にも、各種研修会の実施、地域性を活かした冬季スポーツの推進等、さまざまな活動を展開しています。また、手話サークル連絡協議会、北海道手話通訳問題研究会、北海道手話通訳士会の関係3団体との連携で、差別法令改正運動や、情報コミュニケーション法・手話言語法制定運動、被災地支援などに取り組んできました。

 これらの活動の蓄積により、2013年4月には、公益社団法人の認可を受けることができました。現在の大きな課題は、北海道手話言語条例の制定と、情報提供施設設立であり、今後も引き続き取り組んでいきます。