大 会 宣 言

 母なる大河、石狩川のほぼ中心に位置する「美しき唄のまち」といわれるここ美唄市で第52回大会が盛大に開催できましたことを心から喜び、尽力いただいた関係者に厚く御礼申し上げます。
 3月11日に発生した東日本大震災の被害にあわれ、また、亡くなられた方々に心から哀悼の意を表します。「頑張れ日本」のスローガンの基に1日も早い復興と平穏な生活をとりもどすことを心から祈念しています。
地震と津波による被害に加え、福島原子力発電所の放射能汚染は、国民生活にも多くの不安と影響を今も与え続けています。被爆国として、50を超える原発が地震大国日本にあること、そして、1960年のチリ地震と津波による危険性が国会で指摘されていたにも関わらず、安全神話によって無視され続けてきたことは、全人類の生存に関わる問題として警鐘をならしています。
 災害時は、公共放送による迅速で正確な情報に加え、多様な情報の受け手がいることを前提とした発信ができるようにしておくことが災害という恐怖から尊い人命を守るうえで必要です。
 『私たち抜きに、私たちのことを決めないで』のスローガンのもと、内閣府に設けられた障害者制度改革推進会議では、当事者による活発な制度改革の議論が繰り広げられました。
私たちは全日本ろうあ連盟は『障害者の権利保障』、『合理的配慮の欠如が差別であること』、『情報アクセス・コミュニケーション保障』の3点の実現と国民への理解に向けて、ウィラブコミュニケーションパンフ30万部普及と120万人署名に取り組みました。
 情報・コミュニケーションが権利として保障されることは、誰にとっても豊かな暮らしを可能にすると確信しています。そのために一歩、一歩これからも目標に向かってあゆみ続けることを宣言します。


                                                   2011年9月10日
                                                   第52回全道ろうあ者大会

 

 

大 会 決 議

1.国連・障害者権利条約の批准と国内法の整備のために
 
ア)国内法整備にあたっては障害当事者の参加を求める
 イ)障害者差別を禁止し、手話を言語と位置づけ、コミュニケーションを権利とする包括的(ほうかつてき)な法整備を
  求める
 ウ)障害を理由とした不平等な取扱基準などの撤廃を求める

2.聴覚障害者情報提供施設の早期設置のために
 ア)情報・コミュニケーション障がいを抱える人たちを支援する基幹施設としての位置づけを求める
 イ)CS通信放送による情報発信設備、手話通訳、要約筆記、盲ろう者触手話通訳などのコミュニケーション支援、
  人材育成機能を備えることを求める

3.手話通訳制度の法的確立のために
 ア)手話が音声言語と対等となるよう法整備を求める
 イ)手話通訳者を正規職員として一定数採用することを公的機関に求める
 ウ)頸肩腕障害を予防するための学習、社会的理解、予防体制確立を求める
 エ)コーディネート業務の制度的確立を求める
 オ)手話人口の裾野をひろげ、通じ合う環境を創る

4.聴覚障害者教育の充実と発展のために
 ア)ろう学校の単独障害学校としての存続、ろう学校の名称存続を求める
 イ)聴覚障害児の学力的、集団的発達を保障し、ろう者として生きる力を育てるろう教育を求める
 ウ)学校現場における聴覚障害への理解を深めるとともに、教職員への手話研修の義務付けを求める
 エ)聴覚障害者教員の積極的な採用及びろう学校教員の専門性を尊重した人事異動を求める
 オ)ろう重複障害児への教育を一層充実させるとともに卒業後の労働、生活、発達権の保障を求める
 カ)聴覚障害者の高等教育、生涯教育の場においても手話通訳などの情報保障を図り、教育を受ける権利が等しく
  保障されるよう求める

5.福祉制度の充実のために
 ア)日常生活用具の範囲拡充と給付制限の撤廃を求める
 イ)障害基礎年金の所得による支給制限の撤廃を求める
 ウ)聴覚障害者も利用できる『緊急放送・通信システム』の確立を求め、市町村における普及を求める
 エ)テレビ放送は、手話と字幕を義務づけ、映画やDVDなどの映像作品全てに字幕をつけることを求める
 オ)緊急避難所・公的施設に『アイ・ドラゴン』を設置することを求める

6.ろう重複障害者が働き、生活できる社会の実現のために
 ア)ろう重複障害者の生活と職業実態を明らかにするよう求める
 イ)ろう重複障害者の発達保障のため、生活・労働施設の拡充と必要な人件費の制度的保障を求める
 ウ)ろう重複障害者のための共同作業所やろう者が対象のデイサービス活動に支援を求める
 エ)盲・ろう者のコミュニケーションと移動支援の保障を求める

7.ろうあ者相談員の全道的設置のために
 ア)国に対してろうあ者相談員制度の創設を求める
 イ)ろうあ者相談員を正職員として採用することを求める
 ウ)聴覚障害者情報提供施設の相談員人件費の保障を求める
 エ)ろうあ者相談員の専門性確立と資質向上のため、国による継続的な研修制度を求める

8.聴覚障害者が希望を持ち、豊かに生活できる労働環境の保障のために
 ア)ろう学校での職業教育の内容・設備につき、人的・物的両面での充実を求める
 イ)手話協力員の業務の位置付けを明確にし、正職員として採用、設置を求める
 ウ)職業安定所担当官、手話協力員など、職業関係担当者の研修のために、北海道労働局主催による継続的
  研修会の開催を求める
 エ)職場研修や会議、技術習得の機会などへの参加保障のために手話通訳派遣制度の新設及び、職場定着を
  支援するジョブコーチ支援事業の充実拡大を求める

9.文化・スポーツ活動を推進するために
 ア)ろうあ者による美術・演劇・芸能・文芸などの文化活動を広げ、進めることができる条件整備を求める
 イ)生涯スポーツ及び競技スポーツ活動を広げ、進めることができる条件整備を求める
 ウ)誰もが健康で豊かにスポーツを楽しめることができる条件整備を求める
 エ)デフリンピックをパラリンピックと同等に位置づけること、理解を広めることを求める

10.ろう高齢聴覚障害者のために
 ア)利用する制度、手続きの全ての段階で、充分なコミュニケーション保障を求める
 イ)一般老人ホームでもろうあ者の対応が可能となるよう、有資格者のろう者、手話通訳ができる介護福祉士の
 採用と職員の手話講習の推進を求める
 ウ)ろう高齢者専門施設の増設と職員の人件費増額を求める
 エ)福祉サービスを利用する際の応益負担撤廃を求める

11.ろう者の参政権保障のために
 ア)全ての政見放送に公的責任で手話通訳をつけるよう求める
 イ)手話通訳者を『選挙運動に従事(じゅうじ)する者』とする公職選挙法の規定を撤廃し、中立・公正を基本とする
  通訳者としての処遇を求める



                                                 2011年9月10日
                                                 第52回全道ろうあ者大会

 

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