●新着情報20020130

欠格条項撤廃ならず 関連法案国会へ
−第2回「欠格条項見直し関連法案」説明会開催される−

 1月29日、第2回「障害者に係る欠格条項見直し関連法案」説明会(内閣府主催)が開催されました。
 内閣府では、現在開会している通常国会の会期中にこの見直し関連法案を提出することにしており、今回の説明会は実際の障害関係団体への説明と意見聴取を目的に開催されたもので、昨年12月18日に引き続き今回で2回目でした。
 なお、対象法律は以下の8法律です。

 説明会の冒頭に吉冨宣夫内閣府参事官があいさつし、続いて、警察庁、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省の順に、該当する法令についての改正案の説明がありました。

 前回12月18日の説明会において各出席団体より出された意見や要望、1月中旬ごろまで関係省庁で実施されたパブリック・コメントに寄せられた国民の意見をふまえて、内閣府と関係省庁の間で調整がおこなわれていただけに、この日の説明会では、欠格条項の撤廃に向けた具体的な改善方針が示されることが期待されていました。

 しかし、今回各省庁の説明で示された方針に目立った前進は見られず、依然として関連法案のほとんどに相対的欠格が残されていました。
さらに、警察庁から提出される銃砲刀剣類所持等取締法の改正法案では、「銃砲刀剣類は殺傷能力の高い危険な道具である」との理由で「精神障害」などを特定した形での絶対的欠格条項が残され、政省令による欠格対象を「精神分裂病、そううつ病、意識障害をもたらすてんかん、痴呆など」疾患を特定する方針に変わりないことも明らかになりました。

 こうした方針に対し、障害関係団体の参加者からは「現在の形で改正法案が成立・施行されれば、残された欠格条項が障害者に対する差別を助長することになる」といった、各改正法案に疑義を唱える意見が相次いで出されました。

 とくに、絶対的欠格条項が設定されている銃砲刀剣類所持等取締法の改正法案については、出席者からとくに強い反対意見が続き、「なぜ『疾病=合理的な判断能力に欠ける』という理屈が成り立つのか」などの質問もありました。

 残念ながら、いずれの疑問・質問にも障害当事者や団体関係者が納得できるような答弁は得られず、問題となる欠格条項を残したまま、この関連法案は今国会の会期中に国会へ上程される運びです。

 ただ、参加者からは「改正法施行後に実態を検証できるよう、何年後かの再見直しを明記してほしい」「認識面で隔たりの大きい私たちと省庁間の相互理解のため、こうした説明会を再び開催してほしい」という、将来を見据えた建設的な提言もありました。

 昨今の障害者の差別禁止条約制定への国際的な動きなどにより、わが国でも障害者の人権保障への関心が今以上に高まり、欠格条項の問題が再クローズアップしてくることも予想されます。

 欠格条項の完全撤廃をめざして今日まで積み上げてきたひとつひとつの努力や実績を土台に、障害者関係団体の総和の下、継続的な取り組みを維持し発展させていくことが極めて大切になるでしょう。

<関係団体出席者一覧>


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