Duskin Leadership Training in Japan

最終レポート

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ヌゥン・チョ・ダイのファイナルレポート

新しい世界、新しい経験

自己紹介と研修目的

みなさん、シンチャオ。私はダイと申します。ベトナムのハノイから参りました。私の趣味は旅行と新しいことに挑戦することです。好きな言葉は、「分け合えば、より多く手に入る」です。私の夢は、社会に貢献できる人になることです。私は、以下の3つの目的を持って来日しました。

①日本の障害者政策について学ぶ―ベトナムと日本の障害者政策を比較したいと思いました。日本ではどのようにして障害者の権利が守られるようになったのかを知りたいと思いました。

②障害者の就労について学ぶ―ベトナムには、仕事に就いていない障害者が約360万います。そのため、障害者が自立生活をすることはとても困難であり、彼らの生活水準は低いと言わざるを得ません。そこで私は、日本で障害者の就労について勉強し、ベトナムに帰ってから日本の制度を応用したいと思いました。障害者の雇用を創出することは、彼らの自立生活を支援することにつながります。

③社会的企業について学ぶ―社会的企業は特別なビジネスモデルです。日本の社会的企業を勉強し、その知識をベトナムで応用したいと思いました。

日本で過ごした10ヵ月の間、いろいろな場所でいろいろなことを勉強したり、練習をしたりしました。日本は新しい世界であると感じました。そして、たくさんの良い経験を得ることができました。それらの経験について、以下に報告したいと思います。

良い研修と日本のやさしい皆さんについて

(1)障害者の仕事と楽しい勉強について

研修でいちばん勉強したかったことは、障害者の就労と社会的企業についてです。個別研修では、障害者を雇用している会社や団体をたくさん訪れ、いろいろなビジネスモデルを勉強したり、見学をしたり、練習をしたりしました。高知県のホープセンターや神奈川県のライフ湘南では、障害者がパンやケーキを製造していました。また、愛知県半田市のむそうでは障害者がカフェで働いており、名古屋市の車椅子会社ミキでも当事者の仕事の様子を見学しました。東京のアメディアやヒンダ会社、名古屋のわだちでは、コンピュータ関係の事業を見学しました。このように、いろいろなタイプの仕事があることがわかりました。障害者はスタッフとして働いたり、人の上に立って指導したりしていました。大切なのは、仕事を楽しいと思うことです。

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(2)自立生活センター(CIL)について

2014年現在、ベトナムにはCILが5つあります。でも日本には132のCILがあります。ですから、ベトナムでもっとCILをつくりたいです。

幸運なことに、個別研修ではたくさんの自立生活センターへ勉強しに行くことができました。研修先では障害者の活動に参加したり、一緒にあそびに行ったりしました。障害者のための福祉サービスについても勉強しました。たとえばAJU自立の家では、1ヵ月間にわたって、介助者派遣、ピアカウンセリング、自立生活プログラムについて勉強しました。障害者のための良いシステムがあると思いました。1ヵ月間、楽しかったです。

それから、大阪のCILぱあとなあで研修を受け、5週間の滞在の間にいろいろなところへ遊びに行きました。障害者が積極的に街へ繰り出し、活動していたのが印象的でした。私はそこでどのようにしたら障害者の社会参加が可能になるかについての大事なレッスンを学び、インクルーシブな社会について考えました。

バリアフリーについて

日本に来る前は、日本の技術と社会福祉に注目していました。実際に来てみると、障害者のためのアクセシビリティにとても驚きました。どこに行っても点字ブロックがあり、障害者への配慮を感じました。日本はアクセシブルで、便利です。点字ブロック以外にも、障害者はスロープ、トイレ、ノンステップバスなどを使って、どこでも権利をもっています。日本は住みやすいです。ですから、私はできることなら日本に住みたいです。

このほかにも、テクノロジー、インクルーシブ教育、日本の障害者政策、障害者運動などたくさんの大切なことを学びました。

自分の内面の変化について

はじめて日本語を勉強して、今は日本語が話せるようになりました。日本の生活でコミュニケーションができたので、日本語の勉強はとても役に立ちました。3ヵ月間だけでしたが、こんなに上手になりました。

日本へ来る前は、手話や車いす利用者のサポート方法、視覚障害者のサポートについてあまり知りませんでした。でも今は、いろいろな障害者のサポートができるようになりました。

ベトナムでは、私はスポーツをやっていませんでした。でも日本で水泳、スキー、ハンディマラソンや卓球などをして、元気になりました。ですから、障害者はスポーツをすることがとても大切だと思います。

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国に帰ってやりたいこと

私は帰国したら、障害者ネットワークをつくりたいです。最初は仲間を集めて、障害者の直面する問題について相談したり、考えたりします。それから、いちばん良い解決方法を決めます。

次に、障害者の研修をやりたいです。仲間がいますから、ダスキンのプログラムをモデルにした研修をしたいと思います。たとえば、先輩にお願いしてベトナムの障害者の法律や政策をシェアしてもらいます。そして、その情報を使って、障害者の支援をしたいです。もう一つの長期的計画は、会社をつくって、障害者に仕事を提供したり、紹介したりすることです。

3番目にやりたいことは、障害者運動です。政府や障害者団体や市役所といっしょに会議をして、意見をまとめて、障害者の声を発信していきたいです。差別をなくしたり、バリアフリーにしたり、また自立生活ができるインクルーシブな社会をみんなと一緒につくりたいと思います。そして、障害者が参加できる活動の場をつくりたいと思います。

ダスキン愛の輪基金、日本障害者リハビリテーション協会、日本の障害者の先輩方、障害者リーダーのみなさん、日本語の先生、ホストファミリー、自立生活センターのみなさん、戸山サンライズのみなさん、本当にありがとうございました。

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