情報保障について
 青森県難聴者・中途失聴者協会(青難聴)は難聴や中途失聴などきこえの不自由な人々がお互いの能力に合った手段(補聴器・筆談・手話・読話・口話・人工内耳等)でコミュニケーションを行うトータルコミュニケーションの啓蒙を図る会です。これにより、きこえの不自由な人々同士の交流を深め、かつきこえの不自由な人々と健聴者とのコミュニケーションを円滑にしていくことできこえの不自由な人々の基本福祉の向上および社会参加推進に寄与していこうとしております。
 コミュニケーションの円滑化を図るためには、きこえの不自由さによるコミュニケーション能力の低下を何らかの形で補うことも必要です。そのきこえの不自由さを補うための手段を情報保障と言います。
 では、情報保障にはどんなものがあるのでしょうか?以下をご覧ください。

1.ヒアリングループ(旧:磁気誘導ループ)
 補聴器は音声によるコミュニケーションを円滑にする有効な道具です。しかし、補聴器の集音マイクは健聴者の耳による集音力よりはるかに劣っています。例えば生活(背景)雑音と人の音声の識別が困難です。
ループのイメージ図へヒアリングループのイメージ図へ
 しかし、ヒアリングループ(旧:磁気誘導ループ)という音声情報を信号磁界に置き換えることでクリアに補聴器に伝える装置があります。これは、専用マイクに向かって発された音声をアンプを通してヒアリングループに電流として流します。すると、ループ(コード)から音声情報を伝える信号磁界が発生します。補聴器には磁気誘導コイルがついており、これが信号磁界をキャッチして音声に変換して相手の耳元に伝えるのです。そうすることで、相手の口元から発する声を直接聞くことができるし、背景雑音の影響を極力排除することができます。ヒアリングループは補聴器を使ってコミュニケーションをとる人たちには非常に大切な情報保障です。その他に赤外線集団補聴装置もあります。

2.要約筆記通訳パソコン筆記者
 補聴器が有効でなく、筆記に頼る人たちのための情報保障です。通訳手段は手書き通訳とパソコン通訳の二種類あります。講演会などといった大きな会場では通訳された内容が大きなスクリーンに映し出されます。手書き筆記者また、大学の講義や公共機関の受付などといった個人のための派遣もあり、紙などに書き込むノートテイクという方法で通訳されます。通訳業務にあたる人たちは知り得た個人情報を漏らさないという守秘義務を守っています。この通訳者たちの養成に青難聴は積極的に協力しています。
 要約筆記のスクリーン画面と手話通訳

3.手話通訳
 補聴器が有効でない人の中には手話をコミュニケーション手段として選ぶ人たちもいます。この人たちには手話通訳という情報保障があります。要約筆記通訳と同様に様々な場所へ通訳が派遣されます。この通訳者たちも守秘義務をしっかり守っています。

4.お互いの情報保障
 お互いにコミュニケーションを取る場合、互いにコミュケーションを取りやすい方法を選びます。例えば、筆談を希望する人には筆談ボードを使ってコミュニケーションをとります。トータルコミュニケーションの理念に従い、もっとも基本的な手段である筆談でコミュニケーションを取る場合が多いです。つまり、お互いに情報保障し合ってコミュニケーションをとっているのですね。

 いかがでしたか?きこえの不自由な人たちは各々に合ったコミュニケーション手段を選んで情報保障をお願いしたり、あるいはマンツーマンの場合はお互いに情報保障し合ってしっかりコミュニケーションを取ったりしているのですね。

 さあ、あなたも遠慮せず、きこえの不自由な人たちに話しかけてみてください。
青森県難聴者・中途失聴者協会