●
(1)…名称・対象者・目的・事業 ● @ 名 称 青森県難聴者・中途失聴者協会(略称・青難聴) ● A 対象者 原則として県内在住のきこえの不自由な方 ・ 難聴者の方 ・ 中途失聴者の方 ● B 難聴者・中途失聴者とは 鼓膜や聴神経などの器質的問題や、薬物、事故、高齢突発性などの原因により、先天的または後天的にきこえが不自由になった人のこと。 |
●
C 会の目的 本会は、難聴や中途失聴できこえの不自由な人々がお互いの能力に合った手段(補聴器、筆談、手話、読話、口話、人工内耳等)でコミュニケーションを行うトータルコミュニケーションを社会に啓蒙することにより、きこえの不自由な人々同志の交流を深め、健聴者とのコミュニケーションを円滑にし、きこえの不自由な人々の基本福祉の向上および社会参加推進に寄与することを目的とする。 |
●
D 会の事業 ・ 会員相互の親睦交流 ・ 聴覚障害者の福祉向上(字幕放送の普及、通訳者の派遣) ・ 要約筆記通訳者の養成講座への協力 ・ 会員の教養研修(トータルコミュニケーション教室などの開催) ・ 機関紙の発行 ・ 補聴援護機器に関する調査 ・ 社会福祉関係団体との連携 ・ その他 ▲ ページトップへ |
●
(2)…難聴者・中途失聴者の悩みとは ・ 相手の話がわからない ・ 放送やアナウンスの言っていることがわからない ・ 補聴器になじめない ・ 周囲にとけこめない ・ 電話ができずに不便 ・ 職場でかなりストレスを感じる ・ 途中からきこえなくなったが、どうしていいかわからない ・ 相手の説明がわからずに不安 ・ 相手によってはきちんと対応してくれない ・ 先生の話がきこえず、勉強が嫌いになった ・ テレビや映画が楽しめない ・ 手話がなかなか覚えられない ・ 劇を見たいが、台詞がわからない ・ 電車が遅れたとき、どうして遅れたのか、どれくらい遅れているのが気になる ・ 「私は耳がきこえない」となかなか言えない ・ 名前を呼ばれるとき、緊張する ・ 講演会などを聞きたいが、話がわからず取り残されたような気持ちになる ・ 緊急時の避難誘導の呼びかけがきこえないなど、日常生活や職場の中でもまだ不便なことがいっぱいある ▲ ページトップへ |
●
(3)…難聴者・中途失聴者のコミュニケーションの方法 ろう者の方たちは手話で会話をしているのがよくみられます。難聴者・中途失聴者は、自分の能力にあった手段でコミュニケーションしています。 ・ 補聴器を使う人 ・ 筆談で行う人 ・ 口の動きを読みながら聞き取る人 ・ 手話を覚える人 ・ 人工内耳を装着する人 など、ひとつ、または複数の方法を用いるなどさまざまです。 ひとつの手段にとらわれず、コミュニケーションが生じるその場、その場に応じて、個々の能力に合った最適と思われる方法をとる[トータルコミュニケーション]を基本的な方法としています。 ▲ ページトップへ |
●
(4)…青森県の難聴者・中途失聴者の実状 厚生省(現厚生労働省)の平成8年の調査によると、わが国には聴覚言語障害者が約35万人います。 青森県障害福祉課の調査によると、平成12年3月31日現在、青森県には聴覚・平衡機能障害者が5千529人、音声言語機能障害者が498人います。 つまり、青森県では約6千人の人が音声によるコミュニケーションに障害を持つ人として、障害者の認定を受けていることになります。 わが国には障害者と認定はされないものの難聴の範囲にある人は約600万人とされています(老人性の難聴者を含む)。 実に約20人に1人が難聴者になります。 青森県の人口は約147万人。単純な計算ですが、青森県民20人に1人、約7万3千人以上の人が難聴者であることが推測されます。 そう考えますと、大多数の難聴者は聞こえに関する組織に所属しておらず、自分自身の聞こえのこと等について、一人で悩み、必要な情報すら入手することができていないことが予想されます。 こうした状況を打破するためにも当協会の存在を多くの県民、とりわけ難聴者、中途失聴者にPRしていく必要があります。 関係者のご協力を得ながら組織の拡大を図っていきたいと思います。 ▲ ページトップへ |
●
(5)…青難聴のこれまでの現状 青森県難聴者・中途失聴者協会を設立したのは、平成12年4月16日。 当時、全国であと協会が無いのは、秋田県と山梨県の2県でした。 「青難聴」にしたのは、静岡の「静難協」とまちがわないように、また何の障害の団体かを知ってもらうためとわかりやすくするために「難聴」を使い、読み方を「あおなんちょう」としました。 正会員27名、賛助会員、購読会員含めると約70名近くになります。正会員の年齢は、20代から最高齢が97歳、20代が少ないのがちょっと寂しいです。 平成16年4月の総会で設立以来2回目の役員改選があり増強メンバーで活動しております。 定期例会と臨時の例会を含めると年10回ほどの学習会や交流会を中心に会員同士の親睦を深めています。 過去5年間で、大きかった事業は、浅虫温泉での「東北ブロック大会」、社会福祉・医療事業団より「難聴者・中途失聴者の社会参加促進」と題して難聴者の補聴システムの充実をねらいとした『磁気ループの購入・活用』、県共同募金会より、「難聴者と要約筆記通訳の理解を求めて」と題した『リーフレット事業』などです。 ▲ ページトップへ |
●
(6)…青難聴の生い立ち 【青函交流会が設立のきっかけとなる】 ■平成9年7月 ・「青函難聴者の集い」第1回目 懇親会会場…青森市 居酒屋「八兵衛」 参加者…13名 北海道中途難失聴者協会道南支部が青森県在住の難聴者や中途失聴者と交流を兼ねて青森市を訪問し、初めての青函交流会を開く。 年齢層もさまざま(20代〜60代)、コミュニケーション方法もさまざま(筆談、口話、補聴器など)でびっくりする。 特に、手話に頼っていたこれまでの方法ではむしろ通じない人がいることでショックを受ける。 大小さまざまの手作りノート型ホワイトボードに筆記しながらコミュニケーションする方法に感動する。 ■平成10年8月2日 ・「青函難聴者の集い」第2回目 懇親会会場…青森市 スナック「お伴」 参加者…15名 ねぶた祭りをぜひ見たいということで、2回目の青函交流会「ねぶた交流会」が行われ、函館より、12名の参加がある。 今回は、函館市にある要約筆記サークル「あさがお」のメンバー参加もあり、狭い会場の中に携帯のOHPを持参し、要約筆記を初体験して感動する。 ■平成11年 7月 ・「青函難聴者の集い」第3回目 会場…北海道大沼公園 グリーピア大沼「ログハウス」 参加者…23名 道南支部に招かれ、大沼公園のログハウスを会場に3回目の青函交流会が行われる。 青森県内からもこれまで参加のなかった新メンバーが参加し、いろいろな悩みや感動を情報交換している中で、トータルコミュニケーションの確立と、要約筆記通訳者の必要性を実感する。 その感動を胸に約1ヶ月後の9月、青森県でも協会をつくろうと第1回の設立準備会を開く。 まず会の必要性、目的、メンバーなどを確認し合ったのが始まりとなる。 【設立準備委員会結成】 ■平成11年 9月 ・第1回の設立準備会を開く。 会の必要性、目的、メンバーなどを確認し合う。 ■平成11年10月 ・第2回設立準備会を開く。 役割分担、今後の活動計画について話し合う。 ・福島で開催された全国難聴者福祉大会に4名が参加。 全国レベルでの会の必要性、難聴者の福祉向上について実感する。 分科会・全体会の中で、手話通訳の他に、OHPでの要約筆記通訳、磁気ループによる補聴器の活用、ワイヤレス補聴システムなどの補聴援助の試聴体験、聴導犬の実体験、パソコンによる要約筆記通訳音声同時変換の筆記通訳など、難聴者の福祉向上の基礎を体験できた。 ・県庁障害福祉課に会の必要性と今後の計画についてお願いに行く。 ろう者と難聴者の悩みの違い、会の必要性について理解していただいた。 ■平成11年11月 ・東北初のパソコン要約筆記講習会に参加。 ぜひ、青森でもこの講習会を開催したいと実感する。 ・第3回設立準備会を開く。 各大会や講習会の報告会を行い、今後の会のあり方について確認し合う。 特にパソコン要約筆記講習会の実施(2月予定)について確認する。 ■平成11年12月 ・県ろうあ協会の山内公平会長に、会の設立の意向と準備計画についてお願いにあがる。 快く承諾してもらい、今後連携し合うことを確認し合う。 ・再度、県庁障害福祉課にパソコン要約筆記講習会の支援についてお願いに行く。 金銭的・物質的支援は難しいと断られるが会の意向は理解してもらえた。 ▲ ページトップへ |