障害者施策の円滑な推進を実効性あるものにしていくには、幅広い国民の理解を得ながら進めていくことが重要であり、障害者基本法(昭和45年法律第84号)及び障害者基本計画の掲げる共生社会の実現を目指すためには、行政、民間企業・団体、マスメディア等、多様な主体が連携して、幅広い広報・啓発活動を計画的かつ効果的に推進することが必要である。
平成30(2018)年3月に閣議決定された「障害者基本計画(第4次)」では、「 Ⅱ 基本的な考え方」として「理解促進・広報啓発に係る取組等の推進」を掲げている。この中では、障害のある者と障害のない者が、お互いに、障害の有無にとらわれることなく、支え合いながら社会で共に暮らしていくことが日常となるように、国民の理解促進に努めること、また、本基本計画の実施を通じて実現を目指す「共生社会」の理念や、いわゆる「社会モデル」の考え方について、必要な広報啓発を推進することとされている。
我が国では、2020年に東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控えており、世界の注目が集まるこの大会の開催を通じて、障害者施策に対する国民意識の更なる醸成が図られるとともに、共生社会に対する理解促進とその実現の重要性について、多くの人々が共有することが期待されている。
障害者基本法(昭和45年法律第84号)第9条では、毎年12月3日から9日までの1週間を「障害者週間」と規定している。この障害者週間は、同法の基本原則である「すべての国民が、相互に人格と個性を尊重し支え合う「共生社会」の理念の普及を図り、障害及び障害者に対する国民の関心と理解を一層深めること」を目的として、我が国全体で実施するものである。
また、「障害者基本計画(第4次)」では、障害者施策における「理解促進・広報啓発に係る取組等の推進」として、「障害者週間における各種行事を中心に、一般市民、ボランティア団体、障害者団体などの幅広い層の参加による啓発活動を推進する」としており、障害者週間の実施に当たっては、国及び地方公共団体が民間団体等と連携して、障害者が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に積極的に参加することを促進するため、毎年、全国各地で様々な障害者週間の趣旨にふさわしい障害者の自立及び社会参加等に関する多様な取組が行われている。
内閣府では、障害者基本法の基本理念である、障害の有無にかかわらず、誰もが互いに人格と個性を尊重し支え合う「共生社会」の実現を目指し、同法に規定される「障害者週間」の趣旨を踏まえ、同週間の取組の一環として、広く国民に対する障害及び障害者に対する理解促進のための各種広報啓発事業等を行っている。
平成29(2017)年度においては、主に次の取組を実施した。
内閣府では、平成29(2017)年12月5日(火)に「障害者週間」関係表彰式 (以下「表彰式」という。)を実施した(各表彰に関する詳細は後述)。
本表彰式は、皇太子同妃両殿下の御臨席の下執り行われ、皇太子殿下よりおことばを賜るとともに、安倍内閣総理大臣から3つの表彰制度における受賞者に対して表彰状が授与された。
本表彰は、内閣府と各都道府県・指定都市との共催事業として(各都道府県・指定都市を窓口として)、全国から障害のある人とない人との心の触れ合いを綴った「作文」、及び障害者に対する国民の理解の促進等に資する「ポスター」を募集し、障害者週間の時期に合わせ入賞者に対する表彰を行うものである。
部門 | 都道府県・指定都市における応募総数 | 都道府県・指定都市からの内閣府への推薦数 |
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小学生 | 609 | 43 |
中学生 | 1,909 | 52 |
高校生・一般 | 681 | 47 |
合計 | 3,199 | 142 |
部門 | 都道府県・指定都市における応募総数 | 都道府県・指定都市からの内閣府への推薦数 |
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小学生 | 729 | 42 |
中学生 | 670 | 42 |
合計 | 1,399 | 84 |
最優秀賞(内閣総理大臣賞) | |||
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部門 | 県・市 | 氏名 | 作品名 |
小学生 | 千葉県 | 茅野 葵 | わたしの弟 |
中学生 | 千葉県 | 髙橋 茜 | 会話の先にあるもの |
高校・一般 | 岩手県 | 駒場 恒雄 | 人生を支えた出会い |
優秀賞(内閣府特命担当大臣賞) | |||
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部門 | 県・市 | 氏名 | 作品名 |
小学生 | 福岡県 | 犬塚 優璃 | 見守られて |
兵庫県 | 永井 月雫 | 白杖SOS | |
長崎県 | 土居 桜河 | だいすきなおにいちゃん | |
中学生 | 横浜市 | 山本 彩佳 | 最高の仲間と共に |
岐阜県 | 深澤 菜月 | 特別な一本 | |
沖縄県 | 古謝 心悠 | 妹との6年間 | |
高校・一般 | 静岡市 | 渡邉 千夏 | 私らしく学びたい、私らしく生きたい。 |
広島県 | 金谷 祥枝 | 米ちゃんの糖尿病 | |
千葉県 | 小池 みさを | クラス会はエールの交換 |
佳作 | |||
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部門 | 県・市 | 氏名 | 作品名 |
小学生 | 高知県 | 福永 瑠海 | 車いす体験 |
新潟県 | 宮下 月希 | 私にくれた心の贈り物 | |
鹿児島県 | 初田 心音 | るいくんのひみつ | |
徳島県 | 畠山 暖生 | ぼくが思うこと | |
山口県 | 秋山 佳穂 | もう一つのバレーボールで知ったこと | |
中学生 | 宮城県 | 及川 華那 | 「聴く」ことの大切さ |
茨城県 | 小松崎 陽晏子 | 心の瞳を感じて | |
熊本県 | 橋村 まこ | 姉が教えてくれたこと | |
兵庫県 | 田﨑 千織 | 発達障害の弟 | |
京都府 | 山本 修輔 | ばあと僕の生活 | |
高校・一般 | 堺市 | 蟹井 克男 | 俺たちの魂に障害はない |
静岡県 | 長谷川 優子 | 福祉教育と街歩きツアー | |
茨城県 | 渡邊 智恵 | 誰もが暮らしやすい世の中へ | |
三重県 | 中森 里江 | 私の宝物 | |
沖縄県 | 上地 正也 | サッカーを通して成長できた僕 |
最優秀賞(内閣総理大臣賞) | |||
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部門 | 県・市 | 氏名 | 作品名 |
小学生 | 愛知県 | 太田 いつき | もうどうけんってすごいな |
中学生 | 千葉県 | 三浦 聖弥 | みんなでおうえん、すてきなランナー |
優秀賞(内閣府特命担当大臣賞) | |||
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部門 | 県・市 | 氏名 | 作品名 |
小学生 | 埼玉県 | 池上 映 | 不自由でも大丈夫 |
中学生 | 徳島県 | 中西 舞耶 | なかよし |
佳作 | |||
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部門 | 県・市 | 氏名 | 作品名 |
小学生 | 群馬県 | 小菅 優芽 | やさしさいっぱい お花いっぱい |
長崎県 | 小松 祐三 | だいじょうぶ | |
福岡県 | 岩﨑 奈那子 | だれもが楽しくいられるように | |
沖縄県 | 和宇慶 妃華 | 走るのたのしいな | |
和歌山県 | 藤森 楓太 | 信頼 | |
中学生 | 沖縄県 | 稲田 かずは | 力を込めて |
愛媛県 | 扇谷 萌香 | 空けておこう 車いす駐車場 | |
岐阜県 | 近藤 薫 | 僕の個性 | |
大阪府 | 上羽 彩愛 | バスケットボールが好きな少年 | |
長崎県 | 西田 遥香 | だいすき |
本表彰は、自立して社会活動に参加し、広く他に範を示している障害者又は障害者の福祉の向上に関し顕著な功績のあった個人若しくは団体に対し、各省庁の推薦に基づき、障害者週間の時期に合わせ受賞者に対する表彰(内閣総理大臣表彰)を行うものである。
関係省庁 | 氏名 | 性別 | 住所 | 功績概要 | |
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1 | 厚生労働省 | 有田 信二郎 | 男 | 山口県 | 特例子会社社長に就任後、様々な障害者の雇用の促進に尽力した。一般企業での障害者雇用推進にも注力し、市内から県内外へと講演啓発活動の幅を広げている。また、「地域で共に働き・暮らす」を目指し、地域の支援団体等の役職を担い、活動を続けている。 |
2 | 厚生労働省 | 伊藤 和男 | 男 | 千葉県 | 御自身が障害者。盲学校の教員として長く視覚障害者教育に携わり、視覚障害者の社会進出を促すことに尽力した。更に、千葉県視覚障害者福祉協会の役員(現会長)及び日本盲人会連合の役員(現副会長)として県内と国内の視覚障害者福祉の向上にも尽力した。 |
3 | 厚生労働省 | 伊藤 勇一 | 男 | 茨城県 | 全国身体障害者施設協議会顧問。同団体の要職を歴任した。障害者自立支援法施行時には、大幅な障害者施設・事業再編が行われる中、会長として施設の円滑な移行をサポートするとともに、利用者が安心できる環境を確保するための取り組みに尽力した。 |
4 | 文部科学省 | 射場 正男 | 男 | 千葉県 | 特別支援学校の教員・校長として特に病弱教育に尽力した。心身症及び精神疾患等「心のケア」の必要な児童生徒の受け入れの体制整備及びICT教育の導入に先導的に取り組んだ。また、「病気の子どもの支援冊子」を作成し広く普及させるなど、病弱教育に貢献した。 |
5 | 文部科学省 | 岩井 雄一 | 男 | 東京都 | 特別支援学級や学校において主に知的障害の児童生徒を対象とした教育に携わった。卒業後の生活を見据えながら、在学中に付けておく力について実践的な研究を行った。全国特別支援学校長会長として中心となって課題の改善に向けて尽力し多大な成果をあげた。 |
6 | 厚生労働省 | 大濵 眞 | 男 | 東京都 | 御自身が障害者。全国脊髄損傷者連合会代表理事。同団体の要職を歴任し、脊髄の再生医療の実現や脊髄損傷者のリハビリテーションの進化のために尽力した。社会保障審議会障害者部会の委員なども務め、長きにわたり障害者施策の推進に参与している。 |
7 | 厚生労働省 | 大本 正巳 | 男 | 広島県 | 特例子会社の役員として、個々の障害者の特性を活かして戦力とする経営を推進してきた。継続勤務ができるように家族、行政、支援機関と連携してチーム支援を実施した。行政・支援機関の委員、講演活動等を通じて障害者雇用の促進に向けた啓発に積極的に取り組んでいる。 |
8 | 厚生労働省 | 北住 映二 | 男 | 東京都 | 小児科医師。重度障害児者の呼吸障害、嚥下障害等に対しての治療法や対応法を研究し、方法や製品の開発と普及に尽力した。学校等での重度障害児者等への医療的ケアの実施体制の確立と前進に貢献するなど、障害児者の医療と教育、福祉の向上のために活動している。 |
9 | 文部科学省 | 澤田 晋 | 男 | 埼玉県 | 特別支援学校教員・教頭・校長・指導主事、大学教員、全国特別支援学校長会副会長、全国盲学校長会長等として特別支援教育振興に貢献した。特に全国盲学校長会長、盲学校長として国等の委員、関係団体の役員等を務めながら視覚障害教育の充実・発展に尽力した。 |
関係省庁 | 氏名 | 性別 | 住所 | 功績概要 | |
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10 | 厚生労働省 | 芝田 徳造 | 男 | 京都府 | 長年大学教鞭を執る側ら障害者に体育指導を行い、京都障害者スポーツ振興会の設立に尽力した。全国車いす駅伝大会を開催し、今年で29回目を迎える。振興と強化の両面を支援し、長年にわたり日本身体障害者陸上競技連盟の会長を務め日本のメダル獲得に貢献した。 |
11 | 国土交通省 | 島 信一朗 | 男 | 北海道 | 御自身が障害者。地域社会のユニバーサルデザイン化を幅広く実践し、映画祭の継続開催をはじめとして、障害の有無を問わず、誰もが尊厳を持ち、尊重し合い、自分らしく生きるインクルージョン社会構築の取り組みを先導的に継続している。 |
12 | 厚生労働省 | 田澤 泰弘 | 男 | 東京都 | 社団法人日本義肢協会の理事長等の役職を歴任した。義肢装具業界全体の発展を主導し、我が国の障害者福祉の向上への功績のみならず、中国・韓国をはじめアジア地域の製作技術向上や義肢装具士育成に注力し、障害者福祉の国際交流の発展に貢献した。 |
13 | 厚生労働省 | 中原 强 | 男 | 千葉県 | 日本知的障害者福祉協会会長。同団体の要職を歴任した。東日本大震災では、知的障害のある方々と福祉施設・事業所への救護と復旧を速やかに行うために協議会を発足し、関係団体が連携・協力して被災地の支援活動にあたるよう協会会長として尽力した。 |
14 | 文部科学省 | 西川 公司 | 男 | 神奈川県 | 養護学校教員、文部省教科調査官、特別支援学校長等それぞれの立場で重度・重複障害教育及び肢体不自由教育の改善・充実に尽力した。また、特別支援学校における自閉症児の教育課程研究にも先導的に取り組むなど、特別支援教育の充実に顕著な功績があった。 |
15 | 厚生労働省 | 西瀧 憲彦 | 男 | 大阪府 | 御自身が障害者。全日本ろうあ連盟理事として、障害者欠格条項撤廃運動や手話通訳者の養成・派遣事業の制度化、全国ろうあ者相談員の組織化に向けた活動等、ろう者の福祉向上に大きく貢献した。また、手話教育の必要性を提言、ろう教育の改善に尽力した。 |
16 | 警察庁 | 濱田 久仁彦 | 男 | 埼玉県 | 御自身が障害者。乳幼児期に下半身不随となったが、県警鑑識課で通算37年間、主に被疑者指掌紋の対照・登録業務にあたり、多くの事案解決等に貢献した。指掌紋業務のスペシャリストである「鑑定官」として、後進の育成にも積極的に取り組んでいる。 |
17 | 文部科学省 | 林 茂和 | 男 | 茨城県 | 特別支援学校の教員、教頭・校長並びに区、都教育委員会の指導主事として特別支援教育全般にわたり課題解決に取り組んだ。また全国聾学校長会長として、自校での実践を踏まえながら、聾学校における新しい職業教育の在り方について全国に範を示した。 |
18 | 厚生労働省 | 廣瀨 肇 | 男 | 神奈川県 | 医学部教授、耳鼻咽喉科医師、音声言語学の専門家として、頭頚部癌の喉頭摘出者に対し食道発声等の代替音声獲得の技術的指導に長年尽力し、発声ボランティア団体、銀鈴会、日本喉摘者団体連合会、喉摘者団体アジア連盟の発声技法の指導と普及に貢献した。 |
19 | 厚生労働省 | 藤原 進一郎 | 男 | 大阪府 | 長きにわたり我が国の障害者スポーツの振興に尽力した。指導者の育成、学会の発足、競技規則の整備などその功績は多岐にわたる。またパラリンピックをはじめとする国際大会で監督等を多数務め、日本のメダル獲得に大きく貢献し、アジア地域の表彰を受けた。 |
20 | 厚生労働省 | 星野 泰啓 | 男 | 神奈川県 | 全国社会就労センター協議会顧問。同団体の要職を歴任した。施設入所している障害児の成人後の居場所づくりのため、授産施設の立ち上げに尽力した。現在は小田原市を中心に地域の障害者の支援を行うとともに、障害者の就労を支援する全国団体の事業推進に貢献している。 |
21 | 厚生労働省 | 丸物 正直 | 男 | 東京都 | 御自身が障害者。特例子会社の社長・顧問時代に厚生労働省の委託事業で精神障害者雇用のモデル事業を実施した。そのノウハウはHP等を通じて広く紹介されている。また、大学での講義や、日米カンファレンスへの参加を通じて知見と経験を国内外へ発信している。 |
22 | 厚生労働省 | 村山 勇治 | 男 | 埼玉県 | 全国手をつなぐ育成会連合会副会長。同団体の要職を歴任し、障害者福祉の向上に尽力した。総合施設長としての経験から現場にも精通しており、福祉施策情報の共有や障害者の社会参加推進に積極的に取り組み、転換期の障害者福祉の中でリーダーシップを発揮してきた。 |
関係省庁 | 団体名 | 所在地 | 功績概要 | |
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1 | 厚生労働省 | 一般社団法人日本難病・疾病団体協議会 | 東京都 | 難病患者が抱える問題を紹介し、難病政策が患者の視点を取り入れた政策となるよう理解促進に尽力した。難病政策の改革や障害者施策の推進に向けて、難病患者・家族の様々な団体の意見を集約し、行政や国会への働きかけや調整を図るなど、積極的に貢献した。 |
2 | 国土交通省 | 香川県難聴児(者)親の会 | 香川県 | 聴覚に障害を持つ子供達によりよい教育環境と生活環境をもたらすため、バス事業者及び行政機関等と連携して四国で初めてとなる路線バスへの磁気ループを導入するなど、高齢者・障害者等が安心して移動出来るためのバリアフリー化に貢献した。 |
3 | 文部科学省 | 特定非営利活動法人全国ことばを育む会 | 東京都 | 長年にわたり、言語障害児童生徒の指導のために教職員や保護者への指導書の発行や教育相談会、保護者研修会、療育キャンプ等を定期的に実施し成果をあげてきた。「通級による指導」を積極的に進め、教室の拡大や担当者の標準配置実現に寄与した。 |
4 | 厚生労働省 | パナソニック株式会社 | 大阪府 | 厚生労働省令に基づく試験である「手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)」について平成3年より26年余りの永きにわたり、必要機材提供・技術員の派遣・施設提供などの支援・協力を行い、試験の適正な実施を通じて聴覚障害者福祉に大きく貢献している。 |
内閣府では、「障害者週間」の実施に合わせ、同週間の取組に賛同される障害者関係団体等の主催団体を募り、障害又は障害者をテーマとした(同週間の趣旨にふさわしい)一般国民を対象とするセミナーを開催し、障害及び障害者に対する理解促進を図っている。
平成29年12月7日(木) | ||
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主催団体 | テーマ | |
実施概要 | ||
1 | 特定非営利活動法人大活字文化普及協会 | 超高齢化・高度情報化社会における情報支援の必要性とは?
~高齢者・障害者等の読み書き困難を解消する行政施策について考える~
|
超高齢化・高度情報化社会において、高齢者・障害者が自立した豊かな生活を送るためには、読み書き(代読・代筆)支援の実施や大活字等での情報提供支援が必要である。読書・読み書き困難がある人の声を聞きながら、具体的な行政施策について考える。 | ||
2 | 特定非営利活動法人全国言友会連絡協議会 | 新しい法律を活用した吃音支援~こどもから大人まで~ |
吃音は言葉がつまるという表面的な問題だけではなく、内面の人格形成にも大きく影響を及ぼす言語障害、発達障害の一つで、その支援には他の障害と共通する点も多くある。吃音外来での300名以上の診療実績から得た、障害者差別解消法、改正障害者雇用促進法、発達障害者支援法に基づく吃音支援の実際を解説する。 | ||
3 | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 | 精神障害者雇用は今!~事例から考える精神障害者の職場定着~ |
企業の雇用管理者から精神障害者の職場定着に向けた課題への対応 (健康管理面、コミュニケーション面、職務遂行面等)の具体的事例や障害当事者の視点から働き続けるための工夫等について紹介するとともに、地域の支援機関や医療機関との連携等も紹介する。 | ||
4 | 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会 | SDGsと共生社会~発達障害(ディスレクシア等)への取組と課題~ |
SDGs(持続可能な開発目標)は日本を含む150を超える加盟国のもと、国連にて採択された。とり残されない人を作る共生社会について、障害者、特に発達障害(ディスレクシア等)に焦点を当て、現在の取組と今後の課題について意見交換を行う。 |
平成29年12月8日(金) | ||
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主催団体 | テーマ | |
実施概要 | ||
5 | 特定非営利活動法人カラーユニバーサルデザイン機構 | 色覚の多様性に対応した社会に向けて |
一般的な色覚の人にとって、分かりやすいようにデザインされた制作物であっても、色弱者にとっては情報が伝わらない場合が多くある。色の見え方に違いを問わず、できるだけ多くの人に情報が正しく伝わるように、見分けやすい配色へ配慮を行うカラーユニバーサルデザインを進めていく。 | ||
6 | 全国手をつなぐ育成会連合会 | 糸賀一雄思想「この子らを世の光に」とともに共生社会の実現に向かう |
平成28年7月26日に起きた神奈川県相模原市の障害者支援施設での事件を風化させることなく、福祉の理念を全ての国民に浸透させることが重要である。本セミナーでは、糸賀思想を探りながら共生社会の実現と共に命を大切にする社会のあり方について鼎談を行う。また、厚生労働省「我が事・丸ごと地域共生社会実現本部」の提唱する実践や行動障害の激しい方たちへの穏やかな日常を提供している実践について報告を行う。 | ||
7 | 特定非営利活動法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン | 互いに知ることから始めたい~誰もが参加しやすい社会を目指して~ |
動画上映やワークショップを通して、視覚障害者・聴覚障害者・車いす利用者の生活について紹介し相互理解を深める。その上で、誰もが参加しやすい共生社会について、その実現のため今私たちに何ができるかを考える。 | ||
8 | 一般社団法人日本発達障害ネットワーク | 誰も知らなかった!発達障害者のトイレの困りごと
~JDDnet・東洋大学共同研究「発達障害者のトイレ利用に関するアンケート調査」結果報告~
|
今まで知られず、語られずに潜在化していた発達障害児者のトイレの困りごとについて、おそらく日本で初めて行われた調査研究で顕在化した結果を報告する。発達障害児者およびその家族にとってどのようなトイレが必要なのか、現状の課題と理想のトイレについて議論する場とする。 |
内閣府では、「障害者週間」の全国的な展開を図るため、各省庁及び地方公共団体等と連携・協力を図り、全国各地における「障害者週間」の実施に合わせた取組を推進している。
全国で「障害者週間」に合わせて行われる行事や取組については、内閣府のホームページで公開しており、一般国民が多くの行事等に参加し、障害及び障害者に対する理解を深めることができるよう取り組んでいる。
主催省庁 | 事業等の名称 | 開催概要 | 実施期間 |
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法務省(法務省人権擁護局、各法務局人権擁護部、各地方法務局人権擁護課) | 第69回人権週間 | 「障害を理由とする偏見や差別をなくそう」等を強調事項として掲げ、法務局、地方法務局等の主催により、世界人権宣言の意義を訴えかけるとともに、人権尊重思想の普及高揚のための各種啓発活動を全国的に実施する。 | 12月4日~12月10日 |
文部科学省(文部科学省生涯学習政策局生涯学習推進課障害者学習支援推進室) | 平成29年度「障害者の生涯学習支援活動」に係る文部科学大臣表彰 | 障害者の生涯を通じた多様な学習を支える活動を行う個人又は団体について、活動内容が他の模範と認められるものに対し、その功績をたたえ文部科学大臣表彰を行う。 | 12月7日 |
厚生労働省(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室) | 第67回障害者自立更生等厚生労働大臣表彰 | 自らの障害を克服し、自立更生して他の障害者の模範となる者等に対する厚生労働大臣表彰を実施する。 | 12月5日 |
身体障害者補助犬法普及啓発イベント | 障害者週間の趣旨を踏まえ、身体障害者補助犬法の啓発イベントを実施する。 | 12月3日、12月9日 | |
国土交通省(国土交通省関東運輸局) | バリアフリーネットワーク会議 | 有識者、高齢者・障害者団体、施設設置管理者、地方自治体等の関係者が一堂に会し、バリアフリー法に基づく取組みの現状の把握、課題の抽出、対応方策の提案や意見交換等を行うことにより、互いの取組みに理解を深め、バリアフリーの現状や課題を共有する。 | 12月7日 |
国土交通省(国土交通省関東運輸局神奈川運輸支局) | 交通バリアフリー教室 | 横浜市瀬谷区の小学4~6年生を対象に、ノンステップバス・ワンステップバス・UDタクシーでの車いすによる乗車体験及び視覚障害者体験等を通じてこころのバリアフリーを広める | 12月8日 |
主催地 | 事業等の名称 | 開催概要 | 実施期間 |
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1.障害をテーマとした広報・啓発作品(作文・ポスター)の発表・表彰、展示、障害に関する功労者への表彰等の実施 | |||
島根県 | 松江市障がいのある人もない人も共に住みよいまちづくり条例に基づく市長表彰 | 市の制定した「障がい者差別解消条例」に基づき、「合理的配慮の積極的実施、普及に貢献した」「障がいのある人に対する理解を広げ、差別を解消するための市民の模範となる行為をした」もの(個人・団体)に対し、市長表彰を行う。併せて、週間中表彰者・表彰内容について市役所ロビーに展示し、市民の模範となるよう周知を行う。 | 12月3日~9日 |
徳島県 | 第36回障がい者の集い県民大会 | 障がい者福祉功労者等に対する表彰、「心の輪を広げる体験作文」優秀作品の朗読、障害者週間のポスター等の掲示、徳島県障がい者マイスター認定者に対する認定証の授与及び記念講演を実施する。 | 12月10日 |
川崎市 | 障害者週間記念の集い | 障害のある人もない人も共に生きるノーマライゼーションの考え方に基づき、より豊かな社会の実現をめざして、第1部で各分野において功績のあった障害者や障害者福祉の功労者等に対する表彰、及び「心の輪を広げる体験作文」や「障害者週間のポスター」の応募作品の中から優秀作品の表彰や発表を行う。第2部では講演会等を開催し、ノーマライゼーションの理念の普及・啓発を図る。 | 12月9日 |
2.芸術・文化事業の実施 (演奏会・音楽会等の鑑賞、作品の発表) | |||
北海道 | 「障害者週間」東欧音楽家支援 国際親善交流特別演奏会(日本・ポーランド文化交流演奏会・東日本大震災支援コンサート) | 毎年世界各国の著名な演奏家を日本に招聘し、国際親善交流を目指し、互いの文化の発展を目標に開催し、日頃、演奏会を楽しむ機会の少ない障がい者等がこの演奏会に招待され、世界の一流の音楽を鑑賞するもの | 函館公演 9月1日札幌公演 9月4日旭川公演 9月5日帯広公演 9月7日 |
東京都 | Nerimaユニバーサルオーケストラコンサート | 障害や国籍、年齢などを超えたさまざまな方で特別編成する100人規模のオーケストラによるコンサート。 | 12月17日 |
高知県 | 障がい者アート作品作り | 障害者週間にあわせ、脳内出血後左半身麻痺とともに創作活動を心のリハビリとして行っている西山均さんを迎え、アート作品作りを実施。(対象者:障がい児・者) | 12月3日 ※作品は12月3日~9日の間展示 |
3.障害者制作作品の展示と活動紹介の実施:
児童・生徒、施設入所・通所者等)制作作品 (絵画、工作・工芸等)の展示と活動紹介(一般市民への理解促進) | |||
岩手県 | きらめく銀河アート展 | 市内デパートの借用スペースにおいて、市内の小中学校特別支援学級や養護学校に通学する生徒・児童や障害福祉サービス事業所に通所する障がい者が制作した作品の展示や、障害福祉サービス事業所の商品・活動を紹介するコーナーを設置し、市民の障がいへの理解を深めてもらうため開催。 | 12月8日~12月10日 |
東京都 | 障害者福祉施設共同バザール・障害者作品展 | 障害のある方が製作した絵画・書・陶芸等の展示、ビーズ・七宝焼等のアクセサリーやパン・焼き菓子等手づくり品の販売、知的障害者疑似体験、音楽等のステージ | 12月5日・6日 |
山口県 | 「障害者週間」作品展 | 障害のある人の絵画や工芸等の作品・障害者就労事業所等の製品・障害者関係団体等の活動パネル・障害者スポーツ紹介パネル等の展示、また、平成29年4月1日に制定した「障害のある人へのコミュニケーション支援条例」に関する取り組みやコミュニケーション手段等の事例を紹介し、障害のある人の社会参加の促進と市民の障害福祉への関心と理解を深める。(宇部市) | 11月27日~12月8日 |
4.障害者の就労支援(作品の販売等)の推進:自立に向けた就労訓練をする障害者への支援と理解促進 | |||
茨城県 | 障がい者就労支援事業所展示・物品販売会 | 障がい者就労支援事業所の作業及び製品の展示、「障がい者暮らしの相談」臨時窓口の開設、障がい者虐待防止及び障がい者差別解消に関する出張相談窓口の開設、各種制度の周知・啓発等を行うことで、障がい者(児)の福祉の向上と社会参加の促進、市民の障がい理解を深める。
| 12月7日 |
東京都 | 第10回障害者就労支援・雇用促進フェア | 障害者の地域移行と就労に向けた支援体制の充実が一層重要になっている。こうした状況を踏まえ、「障害者週間」(毎年12月3日から12月9日までの1週間)に合わせて、普及啓発のための講演会や就職面接会、福祉説明会・施設紹介相談コーナー・就労者パネル展を実施し、一人でも多くの障害者の一般就労及び福祉就労を実現していく。
| 12月4日 |
静岡県 | 障害者週間啓発事業 |
| 12月4日~8日 |
主催地 | 事業等の名称 | 開催概要 | 実施期間 |
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熊本市 | 就労フェア2017 | “この街で はたらく”をテーマに、障がい者就労に携わる企業、支援事業所及び当事者が集まり、セミナー、グループワーク、障がい者施設商品展示会等を行なう。 | 12月8日 |
5.災害と被災障害者に対する理解促進 | |||
宮城県 | 障害者震災記憶風化防止展 | 障害者が震災で直面した困難や、生活の再建過程等を記録化してまとめたパネルや、障害者による手作りグッズ等を展示。 | 12月4日~1月12日 |
愛知県 | チャレンジドフェスタ | 「障害者が避難所に来たら」というテーマのワークショップの実施。 | 12月10日 |
和歌山県 | 障害者避難訓練 | 日高町保健福祉総合センターを福祉避難所とし、近くの福祉事業所等の障害者及び地域住民の避難訓練を実施。訓練内容は、福祉避難スペース及び一般避難所の開設、避難所運営本部の設置運営、被災者の管理、情報の整理・発信、食料物資の調達・管理・配給、避難所の施設管理、要援護者の支援等を行う。 | 平成29年11月3日 |
6.障害をテーマにした講演会・シンポジウム、体験講座等の実施 | |||
宮城県 | 障害理解促進事業 講演会 | 障害者差別解消法の概要等について、地域の事業所や一般の方々を対象に講演会を開催。(テーマ:みんなで学ぼう「障害者差別解消法」/講師:東北福祉大学教授 阿部 一彦 氏) | 12月5日 |
東京都 | 第13回共生のための文京地域支援フォーラム | 障害者への理解を深め、共生社会の実現を図るため、地域住民への働きかけを強化することを目的として、「第13回共生のための文京地域支援フォーラム」を開催。光が遮断された空間で視覚障害者のアテンドスタッフによる案内を受けて、様々なことを体験するプログラム「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」を実施する。 | 11月17日、11月18日 |
長野県 | 手話落語講演会 | 上方手話落語会代表 デフー福師匠 による、手話落語講演会を開催。
| 12月9日 |
大阪府 | 障害者理解促進 出前講座 | 教育機関、企業、団体等からの依頼に基づき、障害当事者 (視覚、聴覚、肢体など)の体験談や、点字体験、手話体験、車イス体験、アイマスク体験、専門職の講演などを実施し、地域で暮らす障害者の理解につなげる。 | 通年(50回程度) |
大阪府 | 守口市精神障害者理解促進講座「知ってみよう、聞いてみよう、精神障害!」 | 精神障害者による落語、マジック(オープニング)、体験談。精神障害に関するミニ講座。精神障害当事者を交えてのグループワーク。 | 11月24日 |
香川県 | 発達障害者地域支援に関する一般公開講座 | 医師・教員・相談員・就労などの支援等がパネリストを務め、『フツーにやれるように苦手なトコロを援助する』と考えられがちな発達障害者の“支援”を、『一緒にやってみたらこんな凄い人だった!』の視点で捉えなおすことをテーマに一般の方への普及・啓発を図る。 | 1月14日 |
7.障害者支援施設・福祉施設等職員(関係者・支援者含む)への研修会・セミナー等の実施 | |||
秋田県 | 美郷町障がい者自立支援セミナー | 障害福祉サービス事業所職員、民生児童委員等の支援者を対象として、障害者の地域生活を支援するためのセミナーを開催 | 12月8日 |
茨城県 | 障害者権利擁護・虐待防止研修会の実施 | 障害者支援に従事する事業者等の管理者やサービス管理責任者を対象に、権利擁護に関する意識啓発や虐待防止に関する理解、未然防止、早期発見、迅速な対応を行うために必要な人材の育成や資質の向上を図ることを目的とした研修会を実施。 | 12月5日 |
徳島県 | ペアレント・メンター養成研修基礎講座 公開講座 | ペアレント・メンター養成研修受講者の他、支援者や発達障がい者に関心のある方を対象に講座を実施し、発達障がいについての理解促進を図る。 | 12月9日 |
8.障害当事者参加型の一般交流イベントの実施 (総合的フェスティバルの実施、ダンス、楽器演奏、コンサート等) | |||
茨城県 | Koga障がい者フォーラム2017・第4回古河市社会福祉大会 | 市民が障害に関しての理解を深めるとともに、障がいのある方があらゆる分野で、積極的に参加する意欲を高め、“障がいのある方が心豊かに安心して暮らせるまち”を目指すことを目的として、表彰・記念講演(松野明美氏)・障害福祉サービス事業所による模擬店、自主製品販売、ステージ発表・車イス、手話、点字体験等を実施。 | 11月3日 |
千葉県 | 障害者週間記念事業 | 障害者週間(12月3日~9日)を記念し、広く市民に障害者福祉についての関心と理解を深めるとともに、障害者が社会参加する意欲を高めるために啓発事業を実施。
| 12月5~7日(作品展)12月9・10日(記念事業) |
主催地 | 事業等の名称 | 開催概要 | 実施期間 |
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東京都 | 第37回区民ふれあいフェスタ(障害者週間記念作品展、障害者雇用促進フォーラム2017を同時開催) | 区民の障害者への理解と関心を深めるとともに、障害者の自立と社会参加の促進を図るため、『障害者週間』(12月3日~12月9日)の記念事業として実施。
| 12月3日 (作品展は11月28日~12月3日) |
滋賀県 | はつらつのつどい | 障がいを個性として捉え、障がい児・者や高齢者など地域に住む全ての市民が互いの人権を認め合い、共に生き、共に支え合う市民社会に向けて、障害者週間にちなみ「はつらつのつどい」を開催。
| 12月3日 |
鳥取県 | 中部あいサポートフェスタ2017 | 障がいについての理解啓発を目的に開催。
| 12月10日 |
高知県 | 第12回香南ふれあい祭り・香南市人権フェスティバル | 第12回香南ふれあい祭り・香南市人権フェスティバルにおいて、障害福祉サービスや災害時避難行動要支援者に関する展示・啓発ブースを設けるとともに、手話コーナー及び聴覚障害者向けの情報機器展示コーナーを設置する。 | 11月23日 |
鹿児島県 | あったか交流フェスタ2017 | 障害者の自立と積極的な社会参加の促進及び障害や障害者に対する理解と認識を深めることを目的として、障害者と健常者が一緒に楽しめる「あったか交流フェスタ」を開催する。(内容:ふれあいステージ、展示即売会、体験教室、文化作品展 等) | 12月3日 |
9.障害者又は障害のある家族を持つ当事者・関係者への相談会・講演会・交流会 | |||
福島県 | 障がい者啓発事業 | 発達障がいのある子どもに対し、日頃どんなことで困っているのか、体験を通して理解するプログラムと特性や対応のコツについてミニ講義を開催。 | 12月2日 |
埼玉県 | 障害者相談会 | 身体障害者の方、知的障害者の方またはそのご家族を対象に、心配事などの相談に相談員が対応する。市内4地域で開催。(加須市) | 12月1日、12月5日、12月16日、12月18日 |
東京都 | 障害者相談事業 | 都内在住の障害のある方からの相談に、弁護士等が電話・FAX・メールにて無料で応じる。 | 12月3日~8日(12月4日を除く) |
京都府 | 聞こえの教室 | 聞こえに不自由を感じている方とその家族、聴覚障害者福祉に関心のある方を対象の事業。京都市聴覚言語障害センターから言語聴覚士を招いて、「補聴器の上手な選び方」について講演会を開催。 | 12月7日 |
10.スポーツ体験・交流イベントの実施 | |||
東京都 | 小金井市障害者週間行事 | リオデジャネイロパラリンピック出場選手による、「パラリンピック選手との卓球体験、特別講演会」など体験型のイベントを行うことにより、障がいのある人もない人も互いに尊重し、支え合う共生社会の実現を推進する。 | 12月9日 |
京都府 | 第9回京丹後市車いす駅伝実行委員会 | 車いす駅伝競技を通して、障害の有無を超えた市民のふれあいの場にするとともに、車いすを体験することにより、福祉のまちづくりを考えていただく機会となるよう開催。 京丹後市内外の障害者団体や福祉法人・近隣の学校・警察署・保健所・市内事業所・山陰海岸ジオパーク関係市町などから30チーム以上の参加。事前に各チームが予測ゴールタイムを申請し、市役所周辺約1.3km(5区間)を5人の走者で中継して、申告タイムと実際にかかったタイムの差を競うレース。 | 11月12日 |
福岡県 | 人権週間・障害者週間啓発イベント | ゴールボール女子日本代表であり、2012年のパラリンピック金メダリストでもある安達阿記子選手を迎え、講演会とゴールボール体験会を行います。 | 12月2日 |
北九州市 | 第14回北九州チャンピオンズカップ国際車椅子バスケットボール大会 | 日本、カナダ、オランダ、韓国の4ヶ国の代表選手が対戦。あわせて小学生車椅子バスケットボール大会・全日本ブロック選抜車椅子バスケットボール選手権大会を行う。また、バリアフリースポーツを体験・プレーできる体験ひろばも開催。 | 11月10日~12日 |
主催地 | 事業等の名称 | 開催概要 | 実施期間 |
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11.特別支援学校・学級の児童・生徒を中心とした作品の発表や表彰等の交流会の実施 | |||
広島県 | あいサポートフォーラム東広島 |
| 12月16日 |
徳島県 | 特別支援学校You Me(ゆめ)チャレンジフェスティバル2017 | 特別支援学校高等部の生徒が、様々な形での働きたい想いの表現や事業所との懇談等をとおして、個々の就労意欲向上を図るとともに、事業所における障がい理解や障がい者雇用の推進を図る。 | 2月19日 |
熊本市 | 平成29年度熊本市小中学校特別支援学級児童生徒作品展(ハッピースマイル・アートギャラリー) | 市内小中学校の特別支援学級に在籍している児童生徒の作品展示等の学習成果の発表を通して、参加者相互の交流を深めるとともに、市民への特別支援教育の理解を広く図る。 | 12月1日~4日 |
12.メディア・インターネット等を活用した広報・意識啓発の実施 | |||
東京都 | 障害者週間特集番組の提供 | 障害者週間に合わせ、都市型CATVにおいて障害者に関するテーマ番組を作成し放映する。また、同番組をインターネット動画共有サービスを活用して放映することにより一層の周知を図る。 | 12月11日 |
福井県 | 「こころのバリアフリー」スポット広告放送 | 障害者週間に合わせて、障害者や高齢者を含むすべての人が、お互いを思いやる「こころのバリアフリー」を醸成するCMを作成し、放送する。 | 12月3日~12月9日 |
京都府 | 障害者差別解消法周知CMの放送 | 障害者週間に合わせ、町のケーブルテレビを活用し、差別解消法周知CMを制作。CM放送期間中は、番組の冒頭にCMを流し、法の周知を行う。 | 11月上旬~12月9日 |
北九州市 | 障害者差別解消法啓発動画放映 | 障害者差別解消法を市民に広く知ってもらうため、屋外大型ビジョンにて15秒の啓発動画を放映する。 | 12月(1ヶ月間) |
13.障害者への減免措置、施設無料開放等の実施 | |||
新潟県 | 障害者週間記念事業 | 市の体育施設や温泉施設、文化施設などを、市内の障害のある方等(身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方及びその介助者1名)に無料開放する。 | 11月4日、11月5日 |
島根県 | 障害者週間中の県立施設等の無料開放または入場料の減免 | 障害者週間中に、県立施設等を無料開放または入場料の減免を行う。 | 12月3日~9日 |
このほか各種の週間・月間等の活動の中でも、障害のある人への理解を深めるための広報・啓発活動が展開された。
9月1日から30日までの「障害者雇用支援月間」においては、障害のある人の雇用の促進と職業の安定を図ることを目的として、障害のある方々から募集した絵画や写真を原画とした啓発用ポスターが作成され、全国に掲示されたほか、障害者雇用優良事業所等表彰、障害者雇用支援月間ポスター原画表彰及び優秀勤労障害者表彰を始め、各都道府県においても、障害者雇用促進のための啓発活動が実施された。
10月16日から22日までの「第65回精神保健福祉普及運動」の期間においては、精神障害のある人に対する早期かつ適切な医療の提供及び社会復帰の促進等について、国民の理解を深めることを目的として、精神保健福祉全国大会を始めとする諸行事が実施された。
12月4日から10日までの「人権週間」においては、障害のある人に対する偏見や差別を解消するため、「障害を理由とする偏見や差別をなくそう」を強調事項として掲げ、法務省の人権擁護機関である法務局・地方法務局及び人権擁護委員等により、全国各地で講演会の開催、ポスター・パンフレットの作成・配布等の広報・啓発活動が実施された。
平成19(2007)年12月、国連総会本会議において、毎年4月2日を「世界自閉症啓発デー」とする決議が採択されたことを受け、厚生労働省では、毎年、自閉症を始めとする発達障害に関する正しい知識の浸透を図るためのシンポジウム等を開催している。平成30(2018)年4月7日には、「知りたい、知らせたい 発達障害のこと ~こども、若者、アートの視点から~」をテーマとしたシンポジウムを開催した。
また、世界自閉症啓発デーを含む4月2日から8日までの「発達障害啓発週間」においては、全国の地方公共団体や関係団体等により様々な啓発活動が実施された。
高齢者、障害のある人、妊婦や子供連れの人を含む全ての人が安全で快適な社会生活を送ることができるよう、ハード、ソフト両面のバリアフリー・ユニバーサルデザインを効果的かつ総合的に推進する観点から、その推進について顕著な功績又は功労のあった個人・団体に対して、内閣総理大臣及び高齢社会対策又は障害者施策を担当する大臣が、毎年度、表彰を行い、その優れた取組を広く普及させることとしている。平成29(2017)年度においては、9団体を表彰した(図表2-1)。
仙台市交通局
(宮城県仙台市)
【国土交通省推薦
】
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全日本空輸株式会社・ANAウイングス株式会社
(東京都港区・大田区)
【国土交通省推薦
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石狩市
(北海道石狩市)
【厚生労働省推薦
】
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株式会社エスコアール
(千葉県木更津市)
【千葉県推薦
】
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道の駅 常陸大宮
(茨城県常陸大宮市)
【茨城県推薦
】
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オプトニカ工房有限会社
(栃木県小山市)
【栃木県推薦
】
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篠原電機株式会社
(大阪府大阪市)
【厚生労働省推薦
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戸田市立笹目小学校
(埼玉県戸田市)
【埼玉県推薦
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株式会社スワン
(東京都中央区)
【文部科学省推薦
】
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各種障害者施策の状況について積極的に情報提供していくことは、施策を進める上で欠くことのできないものである。
平成24(2012)年5月に設置された「障害者政策委員会」は、全国の障害のある人を始め関係者の関心が高く、会議運営に当たっても情報保障の観点から、平成29(2017)年度においても積極的な情報提供に配意している。
具体的には、会議の開始から終了までの全状況をインターネットによるオンデマンド配信として、動画、音声、手話及び要約筆記の文字情報により一定期間提供している。これに加え、会議資料を当日の会議開始と同時に内閣府のホームページに掲載するとともに、終了した会議については議事録を掲載している。また、障害者政策委員会の運営に当たっては、障害のある委員及び傍聴者の参画に資するため、視覚障害者のための資料の点字訳の提供、聴覚障害者のための手話通訳者の配置、要約筆記の提供、磁気ループの敷設などの配慮を講じている。
障害者基本法(昭和45年法律第84号)第13条に基づき、障害者のために講じた施策の概況について、毎年、政府が国会に提出する年次報告書である本「障害者白書」については、平成28年版障害者白書(平成27年度の障害者施策の概況)より、視覚障害者や普通の印刷物を読むことが困難な人々のためのデジタル録音図書の国際標準規格として、近年用いられている情報システムである「マルチメディアデイジー(※)」版を作成し、内閣府のホームページにおいて公表している。
※:マルチメディアデイジー図書は、音声にテキストおよび画像をシンクロ(同期)させることができるため、使用者は音声を聞きながらハイライトされたテキストを読み、同じ画面上で絵を見る等、一人一人のニーズに合った「読み」のスタイルを可能にするもの(デジタル録音図書)。視覚障害者のほか、学習障害、知的障害、精神障害等のある人にとっても、今後も有効なツールとなっていくものと考えられる。
障害のある幼児児童生徒と、障害のない幼児児童生徒や地域の人々が活動を共にすることは、全ての幼児児童生徒の社会性や豊かな人間性を育成する上で意義があるだけでなく、地域の人々が障害のある子供に対する正しい理解と認識を深める上でも重要な機会となっている。
このため、幼稚園、小・中・高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等において、交流及び共同学習の機会を設ける旨が規定されているとともに、教育委員会が主体となり、学校において、各教科やスポーツ、文化・芸術活動等を通じた交流及び共同学習の機会を設けることにより、障害者理解の一層の推進を図る取組等を行っている。また、「ユニバーサルデザイン2020行動計画」(平成29(2017)年2月20日ユニバーサルデザイン2020関係閣僚会議決定)に基づき、「心のバリアフリー学習推進会議」を設置し、平成30(2018)年2月に交流及び共同学習の推進方策について提言を取りまとめた。提言を踏まえ、交流及び共同学習を通じた障害者理解を推進するなど更なる施策の充実を図るとともに、教育委員会や学校等に対して積極的な取組を促すこととしている。
障害のある幼児児童生徒が、自立し社会参加するためには、広く社会一般の人々が、幼児児童生徒と教育に対する正しい理解と認識を深めることが不可欠である。
社会教育施設等における学級・講座等においては、障害のある人に対する理解を深めることを重要な学習課題の一つと位置付け、青少年の学校外活動や成人一般、高齢者の学習活動が展開されている。
また、精神保健福祉センターや保健所では、精神障害のある人に対する正しい理解を促すため、住民に対する精神保健福祉に関する知識の普及・啓発を行っている。
学習指導要領において、道徳、総合的な学習の時間及び特別活動等において、思いやりの心や助け合いに関する指導、ボランティア活動の充実などを図っている。
また、高等学校等においては、生徒が行うボランティア活動などの学校外における学修について、校長が教育上有益と認めるときは合計36単位を上限として単位として認定することが可能となっている。
ボランティア活動の振興の基盤整備については、全国社会福祉協議会内の「全国ボランティア・市民活動振興センター」へ補助を実施している。「全国ボランティア・市民活動振興センター」では、「ボランティア全国フォーラム」の開催などのボランティア活動等に関する広報・啓発活動、情報提供、研修事業等を実施している。
内閣府では、地域における共生社会の実現に向けた課題解決に対応できる人材育成を目的とした「地域課題対応人材育成事業『地域コアリーダープログラム』」を実施した。
このプログラムは、平成27(2015)年度まで実施した「青年社会活動コアリーダー育成プログラム」の成果を活かしつつ、地域の共生社会の中核を担う人材の能力向上、地域の団体間での分野横断的ネットワーク形成等を目的としている。障害者関連、高齢者関連、青少年関連のそれぞれの3分野において、地域における社会活動に携わる日本の青年を海外に派遣するとともに、海外の様々な組織で活動する青年リーダーを日本に招へいして地域における課題の共有や意見交換等を通じて相互に交流することにより、35我が国の地域社会活動の中核を担う青年リーダーの非営利団体の運営、国・企業・地方公共団体等との連携及び人的ネットワーク形成の方法等の実務的な能力の向上及び各国、各分野間のネットワークの形成を図るものである。
このうち障害者関連分野について、平成29(2017)年度は、10月に日本青年9名(団長含む)をニュージーランドに派遣し、平成30(2018)年2月にドイツ、ニュージーランド及びオーストリアの青年リーダー計13名を日本に招へいした。
派遣プログラムでは、日本参加青年は、「社会的障壁を障害の主原因と捉えるニュージーランドの文化的背景と社会システムを学び、日本の各地域に根差した仕組みを構築・実践することにより、『障害』に対するネガティブな認識を解消し、誰もが自分の可能性や役割を感じることができる社会を目指す」を派遣団のテーマとし、社会的障壁を障害の主原因と捉えるニュージーランドの文化的背景と社会システムを学ぶために同国を訪問した。社会開発省障害問題担当室、保健省、教育省等の関係省庁による同国の障害に関する取組の歴史及び現状、政策について講義を受け、意見交換を行った。また、在ニュージーランド日本国特命全権大使表敬訪問後、障害者支援システム改革やインクルーシブ教育、アクセシビリティの推進や就労支援、介護者の役割やニーズに対する意識促進・啓発活動等、多様な課題に取り組む諸行政機関及び団体から説明を受け意見交換及び視察訪問を行った。
招へいプログラムでは、外国参加青年は、東京で別途公募により参加した日本青年とともに「NPOマネジメントフォーラム(合宿型ディスカッション)」を行い、「非営利団体運営に求められるリーダーシップ」というテーマで討議した。
その後、鹿児島県を訪問し、県の障害者施策の現状と取組についての説明を受け、医療福祉センターにおいては施設見学及び医療・福祉サービスの連携及び社会参加への取組についての意見交換、「人と人との関係性の中から、自立を目指す」として教育バリアフリーに取り組み、全国で初めて普通科共生コースを設置した高等学校にて授業見学や意見交換を行った。また、障害福祉サービス、保育園、児童発達支援、「多機能拠点整備型面的整備モデル」を目指す地域生活支援等、多角的な活動を行う社会福祉法人の事業所等においては、視察及び施設利用者との交流、鹿児島市との連携についての説明に基づいた意見交換を行った。
鹿児島県のプログラムの総括として「全ての人が障害者への理解を深め、医療・福祉・教育・企業・自治体の連携と障害者支援の取組を発展させる」をテーマに、「障害者の社会参加に向けた多様な主体による地域での連携(ドイツ)」「学校教育を通じた障害者理解と差別解消への取組(ニュージーランド)」「障害者への就労支援の取組(オーストリア)」「日本(鹿児島)の取組」について各国発表の後、障害者支援に携わる人々と外国参加青年がディスカッションを行うセミナーを実施した。
「ユニバーサルデザイン2020行動計画」(平成29(2017)年2月20日ユニバーサルデザイン2020関係閣僚会議決定)において「心のバリアフリー学習推進会議(仮称)」の設置が明記されたことを踏まえ、平成29年7月に文部科学省において「心のバリアフリー学習推進会議」を設置し、厚生労働省と協力して交流及び共同学習の具体的な推進方策について検討を実施した。
本会議における議論に資するよう、全国の小・中・高等学校における交流及び共同学習の実施状況について調査を実施したところ、特別支援学級との交流が実施されている割合は約8割と比較的高かったものの、特別支援学校との交流は2~3割程度であるとの結果が示された。
小学校 | 中学校 | 高等学校 | |
---|---|---|---|
学校間交流 | 16% | 18% | 26% |
居住地校交流 | 37% | 23% | 4% |
特別支援学級との交流* | 81% | 80% | - |
障害のある人との交流 | 40% | 29% | 21% |
*回答には、特別支援学級が設置されていない小学校(17%)、中学校(17%)が含まれる。
こうした現状を踏まえつつ、先進的な自治体や学校等の事例の紹介を交えながら、全5回にわたって議論を実施し、平成30(2018)年2月に「学校における交流及び共同学習の推進について ~心のバリアフリーの実現に向けて~」を取りまとめた。
本報告は ①交流及び共同学習の推進、 ②障害のある人との交流の推進、 ③ネットワーク形成の促進、 ④今後の推進方策という構成になっており、
具体的には、
等についてまとめられている。
これを受け、文部科学省から各都道府県・指定都市教育委員会等に対し、また、厚生労働省から各都道府県福祉部局に対し、交流及び共同学習の推進等について、積極的に取り組むよう協力を依頼する通知を発出している。
文部科学省においては、心のバリアフリーに関する事業を充実し、事業を行っている学校だけではなく全ての学校が継続的に実施できるよう、全国に取組を普及させるとともに、平成30年度中に「交流及び共同学習ガイド」を学校がより活用しやすいものに改訂し、考え方や進め方を周知する予定である。
障害のある人が地域において安全に安心して生活していく上では、公務員を始め公共サービス従事者等が障害及び障害のある人について理解していることが重要である。
警察では、警察学校や警察署等の職場において、新たに採用された警察職員に対する採用時教育の段階から、障害者施設への訪問実習、有識者による講話等、障害のある人の特性や障害に配慮したコミュニケーション等への理解を深めるための研修を行っている。
刑務所等矯正施設に勤務する職員に対しては、矯正研修所及び全国7か所の矯正研修所支所において、各種研修を行っているが、その中では、人権擁護、精神医学などの科目を設けて適切な対応の仕方について講義しているほか、社会福祉施設における介護等体験実習を実施するなどし、障害のある人に対する理解を促進している。
更生保護官署職員に対しては、各種研修において、職員の経験や業務内容に応じ、障害のある人や障害特性に対する理解を含む人権全般に関する知識等を深めるための講義や精神障害のある人等が入所する施設の見学を実施するなどし、障害のある人に対する理解の促進とその徹底を図っている。
法務省の人権擁護機関では、中央省庁等の職員を対象として、人権に関する国家公務員等の理解と認識を深めることを目的とした「人権に関する国家公務員等研修会」を、また、都道府県及び市区町村の人権啓発行政に携わる職員を対象として、その指導者として必要な知識を習得させることを目的とする「人権啓発指導者養成研修会」を実施している。その中で、障害のある人をテーマとした人権問題も取り上げている。これらの取組を通して、障害のある人の人権問題を含む各種人権問題への理解と配慮の必要性を訴えている。このほか、検察職員、矯正施設職員、入国管理関係職員及び裁判官・家庭裁判所調査官に対する研修等に講師を派遣し、司法機関及び法執行機関の職員の人権問題に関する理解と認識を深めることに努めている。
日本司法支援センター(法テラス)では、本部の担当職員がサービス介助士の資格を取得し、全国の職員が参加する研修で、障害のある人への支援の方法や、利用者の立場を理解した丁寧かつ適切な対応方法等の知識を伝達し、各地の取組につなげている。さらに、各地で取り組んだ障害のある人への合理的配慮等を全国の職員間で共有することで、法テラス全体における職員の対応や事務所の環境の改善につなげている。
障害者による人権及び基本的自由の享有を確保し、障害者の固有の尊厳の尊重を促進するため、障害者の権利の実現に向けた措置などを規定した「障害者の権利に関する条約」 (以下「障害者権利条約」という。)が、平成18(2006)年12月の第61回国連総会において採択され、平成20(2008)年5月に発効した。
我が国においては、この起草段階から積極的に参加するとともに、平成19(2007)年9月に署名して以来、締結に向けた国内法の整備と国会承認を経て、平成26(2014)年1月に批准書を国連に寄託し、同年2月から効力が発生している。
障害者権利条約は、障害に基づくあらゆる形態の差別の禁止について適切な措置を求めており、我が国においては、平成23(2011)年の障害者基本法(昭和45年法律第84号)の改正の際、障害者権利条約の趣旨を基本原則として取り込む形で、同法第4条に差別の禁止が規定された。
この規定を具体化するものが障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号) (以下「障害者差別解消法」という。)であり、障害を理由とする差別の解消を推進し、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的として、平成25(2013)年6月に成立し、平成28(2016)年4月から施行された。
対象となる障害者は、障害者差別解消法第2条に規定された 「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」である。
これは、障害者が日常生活又は社会生活において受ける制限は、心身の機能の障害 (難病に起因する障害を含む。)のみに起因するものではなく、社会における様々な障壁と相対することによって生ずるものとのいわゆる「社会モデル」の考え方を踏まえている。したがって、対象となる障害者は、いわゆる障害者手帳の所持者に限られない。なお、高次脳機能障害は、精神障害に含まれる。
障害者差別解消法は、国や地方公共団体などの行政機関等のほか、事業者も対象に含まれる。対象となる事業者は、商業その他の事業を行う者 (地方公共団体の経営する企業及び公営企業型地方独立行政法人を含む。)であり、個人事業者やボランティアなどの対価を得ない無報酬の事業を行う者、非営利事業を行う社会福祉法人や特定非営利活動法人なども、同種の行為を反復継続する意思をもって行っている場合は事業者として扱われる。
分野としては、教育、医療、福祉、公共交通、雇用など、障害者の自立と社会参加に関わるあらゆるものを対象にしているが、雇用分野についての差別の解消の具体的な措置(障害者差別解消法第7条から第12条までに該当する部分)に関しては、「障害者の雇用の促進等に関する法律」(昭和35年法律123号)(以下「障害者雇用促進法」という。)の関係規定に委ねることとされている。
障害者差別解消法では、障害を理由とする差別について、「不当な差別的取扱いの禁止」と「合理的配慮の提供」の二つに分けて整理している。
不当な差別的取扱いとは、例えば、正当な理由なく、障害を理由に、財・サービスや各種機会の提供を拒否したり、制限したり、条件を付けたりするような行為である。このような行為は、行政機関等であるか事業者であるかの別を問わず禁止される。
正当な理由となるのは、障害を理由として、財・サービスや各種機会の提供を拒否するなどの取扱いが、客観的に見て正当な目的の下に行われたものであり、その目的に照らしてやむを得ないと言える場合である。正当な理由に当たるか否かについては、個別の事案ごとに、障害者、事業者、第三者の権利利益 (例:安全の確保、財産の保全、事業の目的・内容・機能の維持、損害発生の防止など)及び行政機関等の事務・事業の目的・内容・機能の維持などの観点に鑑み、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必要である。
合理的配慮としては、障害者やその家族、介助者等、コミュニケーションを支援する人から何らかの配慮を求める意思の表明があった場合には、その実施に伴う負担が過重でない範囲で、社会的障壁 (障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のもの)を取り除くために必要かつ合理的な配慮を行うことが求められる。
この典型的な例としては、車椅子を使う障害者が電車やバスなどに乗り降りするときに手助けをすることや、窓口で障害の特性に応じたコミュニケーション手段(筆談や読み上げなど)で対応すること、障害の特性に応じて休憩時間を調整することなどがあげられる。こうした配慮を行わないことによって、障害者の権利利益が侵害される場合には、障害を理由とする差別に当たる。
過重な負担の有無については、行政機関等及び事業者において、個別の事案ごとに、事務・事業への影響の程度(事務・事業の目的・内容・機能を損なうか否か)、実現可能性の程度 (物理的・技術的制約、人的・体制上の制約)、費用・負担の程度、事務・事業規模、財政・財務状況といった要素などを考慮し、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必要である。
ただし、合理的配慮に関しては、一律に義務付けるのではなく、行政機関等には率先した取組を行うべき主体として義務を課す一方で、事業者に関しては努力義務とされている。これは、障害者差別解消法の対象範囲が幅広く、障害者と事業者との関係は具体的な場面などによって様々であり、それによって求められる配慮の内容や程度も多種多様であることを踏まえたものである。
障害者差別解消法第5条では、41不特定多数の障害者を主な対象として行われる事前的改善措置 (「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(平成18年法律第91号)(以下「バリアフリー法」という。)に基づく公共施設や交通機関におけるバリアフリー化、意思表示やコミュニケーションを支援するためのサービス・介助者等の人的支援、障害者による円滑な情報の取得・利用・発信のための情報アクセシビリティの向上など)については、個別の場面において、個々の障害者に対して行われる合理的配慮を的確に行うための「環境の整備」として実施に努めることとしている (これには、ハード面のみならず、職員に対する研修などのソフト面の対応も含まれる。)。
前述した合理的配慮は、こうした環境の整備を基礎として、個々の障害者に対して、その状況に応じて個別に実施される措置である。したがって、各場面における環境の整備の状況により、合理的配慮の内容は異なることとなる。
また、障害者の状態などが変化することもあるため、合理的配慮を必要とする障害者が多数見込まれる場合や障害者との関係性が長期にわたる場合などには、その都度の合理的配慮の提供ではなく、環境の整備を考慮することにより、中・長期的なコストの削減・効率化につながる点は重要である。
政府は、障害者差別解消法第6条の規定に基づき、障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策を総合的かつ一体的に実施するため、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」(平成27(2015)年2月閣議決定) (以下「基本方針」という。)を定めることとされており、障害者政策委員会 (障害者基本法第32条に基づき内閣府に置かれている機関。障害者や学識経験者などを委員として構成されている。)における検討やパブリックコメントなどを経て、平成27年2月24日に閣議決定された。
この基本方針に即して、国や地方公共団体などの行政機関等は、不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供に関し、その職員が適切に対応するために必要な「対応要領」を定めることとされている。このうち地方公共団体の機関等の策定は努力義務であるが、都道府県及び指定都市においては、平成29(2017)年度末までに全て策定済みとなっている。
また、事業を所管する各主務大臣においては、基本方針に即して、不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供に関し、事業者が適切に対応するために必要な事項 (相談体制の整備、研修・啓発等)や、各事業分野における合理的配慮の具体例等を盛り込んだ「対応指針」を定めている。
平成29(2017)年度に内閣府が実施した世論調査の結果によると、障害者に対して差別や偏見があると思う割合は83.9%であった。その一方で、障害者差別解消法を知っている割合は21.9%にとどまっており、障害を理由とする差別については、国民一人ひとりの障害に関する知識・理解の不足、意識の偏りに起因する面が大きいと考えられる。
そのため、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることのない共生社会を実現するためには、障害者差別解消法で求められる取組やその考え方が、幅広く社会に浸透することが重要である。政府においては、同法の円滑な施行に向けた各般の取組により国民各層の関心を高め、障害に関する理解と協力を促進することによって、建設的対話による相互理解を通じた合理的配慮の提供等を促進していく。
内閣府では、障害者差別解消法に基づく合理的配慮の提供や環境の整備に関する事例を関係省庁、地方公共団体、障害者団体などから収集し、障害種別や生活場面別に整理した上で、「合理的配慮の提供等事例集」として取りまとめた。
この事例集の活用を通じて、合理的配慮を始めとする障害者差別の解消に向けた取組の裾野が更に広がるとともに、障害者差別解消法に対する国民の理解が一層深まることが期待される。
障害者差別解消法第17条において、国及び地方公共団体の機関は、「障害者差別解消支援地域協議会」 (以下「地域協議会」という。)を組織することができるとされている。地域協議会を設置することで、その地域の関係機関による相談事例等に係る情報の共有・協議を通じ、各自の役割に応じた事案解決のための取組や類似事案の発生防止などを行うネットワークが構築されるとともに、障害者や事業者からの相談への迅速かつ適切な対応や紛争解決に向けた対応力の向上などが図られることとなる。
平成29(2017)年度末までに全ての都道府県及び指定都市において設置済みとなっているが、現在未設置の地方公共団体に対しても取組を後押しするため、課題整理などを支援する有識者等を内閣府からアドバイザーとして派遣している (平成29年度は、福島県郡山市、東京都墨田区、東京都日野市、静岡県掛川市、愛知県半田市、滋賀県大津市、広島県呉市、広島県廿日市市へ派遣)。
障害者差別解消法について、地方公共団体と連携し、学識経験者、障害当事者、事業者等によるパネルディスカッション等を通じて、地域の障害のある人や関係者の意見を広く聴取し、障害者差別解消法の円滑な施行を目指すとともに、各地域における取組の促進と気運の醸成を図ることを目的とする地域フォーラムを開催している (平成29(2017)年度は、岩手県・盛岡市、福島県、京都府、岡山県、高知県、佐賀県、宮崎県にて開催)。
事業者における障害者差別解消に向けた取組は、主務大臣の定める対応指針を参考にして、各事業者により自主的に取組が行われることが期待される。
しかしながら、事業者による自主的な取組のみによっては、その適切な履行が確保されず、例えば、事業者が法に反した取扱いを繰り返し、自主的な改善を期待することが困難である場合など、特に必要があると認められるときは、主務大臣又は地方公共団体の長等は、事業者に対し、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができるとされている (平成29(2017)年度は主務大臣等による行政措置の実績なし)。
平成18年 | 12月13日 | 第61回国連総会にて障害者権利条約 採択 |
平成19年 | 9月28日 | 日本による障害者権利条約 署名 |
平成20年 | 5月3日 | 障害者権利条約 発効 |
平成23年 | 8月5日 | 障害者基本法 改正 |
平成24年 | 9月14日 | 障害者政策委員会差別禁止部会意見取りまとめ |
平成25年 | 4月26日 | 障害者差別解消法案 閣議決定、国会提出 |
5月31日 | 〃 衆議院本会議にて可決 | |
6月19日 | 〃 参議院本会議にて可決 | |
6月26日 | 障害者差別解消法 公布 | |
9月27日 | 障害者基本計画(第3次)閣議決定 | |
11月19日 | 衆議院本会議にて障害者権利条約 承認 | |
12月4日 | 参議院本会議にて障害者権利条約 承認 | |
平成26年 | 1月20日 | 障害者権利条約 締結(2月19日発効) |
平成27年 | 2月24日 | 障害者差別解消に関する基本方針 閣議決定 |
平成28年 | 4月1日 | 障害者差別解消法 施行 |
岡山県立大学では、障害のある学生からの相談について具体的な対応プロセスが構築されており、大学、学生、保護者、支援実施者の合意形成・連携による問題解決が図られている。
岡山県立大学には、福利厚生に資する組織として、学生支援室、学生相談室、学生支援班、保健室が置かれている。障害のある学生から支援要請(相談)を受けたときは、これらの室員・班員が、修学状況のアセスメントと支援ニーズの把握を行いながら、『支援申請書』を学生とともに作成する。
支援申請書の内容は、まず「支援・配慮一次検討会議」において、合理的配慮の必要性や支援方法の方向性などが検討され、続いて招集する「支援・配慮二次検討会議」において、具体的な支援方法などに関する合理的配慮計画案が作成される。
合理的配慮計画案について、学生支援室長が学生及び保護者との合意形成を図り、合意が得られると配慮の内容を示した『配慮要請』が作成される。この配慮要請は学生支援室長から支援実施者(関係教職員又はピア・サポーター学生)に渡され、合理的配慮の提供や環境の整備などが行われることとなる。
平成27(2015)年11月に閣議決定された「2020年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会の準備及び運営に関する施策の推進を図るための基本方針」において、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会(以下「東京大会」という。)を契機として、障害の有無等にかかわらず、誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う「心のバリアフリー」を推進することや、全国展開を見据えつつ、東京においてユニバーサルデザインの街づくりを進めることで、共生社会を実現し、障害者等の活躍の機会を増やしていくことが位置づけられた。同年12月までの間に、多数の障害者団体が参画する分科会を12回開催し、分野毎の専門的な議論を行い、平成29(2017)年2月、「ユニバーサルデザイン2020行動計画」(以下「行動計画」という。)を決定することとなった。なお、これら施策の重要性に鑑み、その決定に当たっては、同連絡会議を関係閣僚会議に格上げし、総理及び障害者団体の出席を得て、「ユニバーサルデザイン2020関係閣僚会議(第1回)」を開催した。
行動計画で取り組む「心のバリアフリー」とは、様々な心身の特性や考え方を持つすべての人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合うことである。そのためには、一人一人が具体的な行動を起こし継続することが必要であり、そのために重要なポイントとして、以下の3点を挙げた。
「心のバリアフリー」を実現するための施策は、あらゆる年齢層において継続して取り組まれなければならない課題であるとともに、学校で、職場で、病院などの公共施設で、家庭で、買い物や食事の場で、スポーツ施設や文化施設など地域のあらゆる場において、また、日々の人々の移動においても、切れ目なく実現されなければならない。よって、以下の主な施策を含め、社会全般に渡って施策を展開することとした(図表2-4)。
我が国において、交通分野、建築・施設分野のバリアフリー化(情報にかかわる内容を含む)については、平成18(2006)年以降、バリアフリー法のもと、交通施設、建築物等の種類毎に目標を定め、個々の施設のバリアフリー化と地域における面的なバリアフリー化に全国的に取り組み、一定の水準まで整備が進んできた。東京大会は、こうした取組に加え、世界に誇ることのできるユニバーサルデザインの街づくりを目指して、更なる取組を行う好機である。
街づくりは極めて幅広い分野であり、かかわる施策も多岐にわたる。このため行動計画においては、大きく ①東京大会に向けた重点的なバリアフリー化と ②全国各地における高い水準のユニバーサルデザインの推進という2つの観点から、幅広い施策をとりまとめた(図表2-5)。
「ユニバーサルデザイン2020行動計画」では「心のバリアフリー」とは、様々な心身の特性や考え方を持つすべての人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合うことである。そのためには、一人一人が具体的な行動を起こし継続することが必要であるとしている。
平成28(2016)年度に、以下3点の気づきを受講者に与えることを目的とする研修プログラムを、障害者団体・経済界協議会等の協力を得て作成した。
①「障害はどこにあるのか?」を理解する(「障害の社会モデル」の理解)
②社会にある「バリア」によって人々に生じている困りごとや痛みに気づく
③共生社会をつくるために、具体的な行動を起こす
平成29(2017)年度においてはより入門編にあたるツールとして、2020年を契機に、誰もが当たり前のように、異文化、障害等に対する理解を深め、自分とは異なる条件を持つ多様な人々とのコミュニケーションを実践する社会を実現するため、個々人のマインドセットを促すツールとしてアニメーション教材を作成している。
(参考:http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tokyo2020_suishin_honbu/udsuisin/program.html)
コンテンツの概要
(1)「心のバリアフリーについて学ぼう」~メッセージ編~(10分程度)
目指す社会(共生社会)イメージの共有、心のバリアフリーの意義、障害をはじめ多様な特性を理解する際のポイント等、教材で伝えたいメッセージをまとめ、一人一人に次の行動を促す
(2)「バリア」とはなんだろう?(2分程度のモジュール6本で構成)
① 声かけが必要なのはどんなとき?
②困っていることに気づいたら1 ~適切な距離を保って相手の求めに沿った手助けをしよう~
③困っていることに気づいたら2 ~見た目で判断せず要望を聞いてみよう~
④コミュニケーションの取り方がわからないときは?
⑤見慣れない状況に出会ったら
⑥「障害」とは何だろう
(参考)異文化交流をしてみよう(3分程度のモジュール7本で構成)
ホストタウンでのボランティア人材等の育成に資するものとして、外国人との交流に役立つコミュニケーションポイント(語学力以外)を扱う教材も作成している
この行動計画をもとに、関係省庁等が共生社会の実現に向けた諸施策を推進する中、2020年パラリンピック大会まで1000日を切った平成30(2018)年1月に「ユニバーサルデザイン2020関係閣僚会議(第2回)」を開催し、レガシーとしての共生社会の実現に向け、以下のような「心」と「街」の両分野における積極的な取組を共有し、施策の更なる進展を図り、共生社会の実現に向けた取組の加速化を確認した。
〈関係閣僚会議第2回で確認された進捗の例〉
①「心のバリアフリー」
②ユニバーサルデザインの街づくり
JIS Z8210「案内用図記号」は、言語ではなく目で見ただけで案内を可能とし多くの公共交通機関や公共施設等で広く使われており、ピクトグラムとも呼ばれている。本規格は、平成14(2002)年に開催されたサッカー日韓ワールドカップを契機に、日本人だけでなく外国人観光客の円滑な移動誘導を目的とし、理解度・視認性テスト等を経て経済産業省が制定した。
今般、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定し、より多くの外国人観光客が訪日することが見込まれることから、あらゆる人にとってより分かりやすい案内用図記号とするため、平成28(2016)年から平成29(2017)年にかけてJIS Z8210の改正を検討した。JIS Z8210原案作成委員会では関係省庁、観光業界、障害者団体等の幅広い関係者を含め図記号の内容を検討し、経済産業省の審議会である日本工業標準調査会(JISC)の審議を経て、平成29年7月20日にJIS Z8210を改正した。具体的な改正内容としては、既存の図記号についてISO規格との整合化を図るとともに、ヘルプマークなど新たに図記号を追加した。
2020年東京パラリンピック大会を契機に、そのレガシーとして、共生社会を創り出すことが重要である。このため、政府レベルの取組としては、平成29(2017)年2月に「ユニバーサルデザイン2020行動計画」を策定し、その進捗及び更なる加速化を、平成30(2018)年1月の「ユニバーサルデザイン2020関係閣僚会議(第2回)」で確認したところである。
この行動計画に基づく取組とあわせて、地域でのユニバーサルデザインへの自立的なきめ細かい取組を促すため、パラリンピアンとの交流をきっかけに、共生社会の実現に向けて継続的かつ加速的に取り組むホストタウンを【共生社会ホストタウン(平成29年11月に新設)】として登録し、その取組を促進していく。
共生社会ホストタウンが目指すものは、障害のある海外の選手たちを迎えることをきっかけとした、「ユニバーサルデザインの街づくり」と「心のバリアフリー」の推進であり、自治体ならではの特色ある、総合的な取組が地域主導で進められることが期待されている。
具体的な例として、「ユニバーサルデザインの街づくり」では交通施設や運動施設、宿泊施設等のバリアフリー化やユニバーサルツーリズムの推進、「心のバリアフリー」分野では、選手たちとの交流をきっかけとした住民や子供たちへのパラスポーツ体験や研修や教育等が期待されており、これらが大会後にも定着することを狙いとしている。
【平成29年12月に登録した6自治体とその主な特徴】
今後も継続的に公募を続け、政府・地域の両軸から共生社会実現に向けた取組を推進する。