障害者白書は、平成5年に施行された「障害者基本法」に基づき、毎年国会に提出している年次報告です。今回は平成6年から数え、24回目となります。
我が国は、平成19年に国連の「障害者権利条約」に署名し、平成26年に批准しました。「障害者権利条約」の考え方を踏まえ、我が国では、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」などの障害者に関する法的な枠組みを着実に整備するとともに、「障害者基本法」に基づく「障害者基本計画」により、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進しています。
この障害者白書は、以上のことを中心に、平成28年度における我が国の障害者施策全体の概況を紹介しています。
昨年は、障害者の方々が被害に遭われた痛ましい事件が発生しました。改めて、お亡くなりになられた方々への哀悼の意を捧げるとともに、負傷された方々の心身の御回復をお祈りいたします。今回の白書では、「障害者基本法」が目的とする共生社会の実現の重要性を改めて取り上げ、事件の検証及び再発防止の検討の取組とともに、共生社会の実現に向けた課題に関する国民の理解促進のための啓発等について記載しています。
また、「障害者総合支援法」と「発達障害者支援法」の改正についても取り上げています。
全ての国民が障害の有無にかかわらず相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現することは、女性も男性も、お年寄りも若者も、一度失敗を経験した方も、障害や難病のある方も、家庭で、職場で、地域で、あらゆる場で、誰もが活躍できる「一億総活躍社会」の実現へとつながるものであり、政府として全力で取り組んでまいります。
国民の皆様に障害者施策に関する理解と関心を深めていただくためにも、この白書が、多くの方々に広く活用され、共に生きる社会を実現する一助となることを願っております。