惑星を飛び渡っていく僕  とてつもなく大きな太陽からほぼ一直線に並んだ惑星を僕が飛び移りながら移動しています。猫が落ちないようにしがみついています。表面が炎の太陽に一番近いのはマーキュリー(水星)次は薄紫のビーナス(金星)、ムーン(月)を伴った地球、フォボスとダイモスを伴った薄茶色のマーズ(火星)、一番手前には薄い赤の縞模様のジュピター(木星)。僕は今、木星からさらに次の星へとジャンプしようとしています。

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 帽子のようにつばのあるサターン(土星)の上に両手を横に広げて上を向いて目をとじ満足そうな顔の僕が立っています。猫はそのそばで座って顔を洗っています。

ゆっくりとけてみた。

ゆめからめた。

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 なつ午後ごごたかのぼっていた太陽たいようは、いつのにか地平ちへいせん付近ふきんまでかたむき、それでもそのひかり力強ちからづよく、学習がくしゅうづくえねむっていたボクをこした。

 どこかとおたびていたような、不思議ふしぎ感覚かんかくだった。

 ボクはなかに、かたつめたく、でもどこか生命せいめいりょくのあるものをかんじ、にぎっていた左手ひだりてひらいた。

 おとうさんに宇宙うちゅう学館がくかんってもらったシャープペンのノック部分ぶぶんだった。

 それは、地球ちきゅうかたちをしていて、夜光やこう塗料とりょうのせいであおかがやいていた。

 うみえる。

 生命せいめいえる。

 宇宙うちゅうえる。

 未来みらいえる。

 ボクはめた。

 おおきくなったら宇宙うちゅう飛行ひこうになるぞ!

「そうだ、将来しょうらいゆめ作文さくぶんこう。」

 ボクはあおかがや地球ちきゅう右手みぎてににぎりしめた。しっかりと。

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 机に座って紙に「将来の夢」というタイトルをかき、地球の形のノックのシャープペンシルを力強く握って目を輝かせている僕。ネコはその横で伸びをしています。後方には海が広がり魚やクジラが泳ぎさらにその向こうには、今まさに、6つの惑星やたくさんの星が見える宇宙に向けて飛び出したロケットが描かれています。