今日はずっと眠っていた。
夢を見た。
公園に行った。
とっても気分がよかったから、ボクは走っていた。そうしたらフワッと体が軽くなって、ボクは空を飛んだんだ。空を飛んでも、まだまだ走り続けていた。とってもいい気持ちだった。
走って走っていたら、空の空の空の天井にぶつかっちまった。
「痛っ! あ、何か字が書いてある。た・い・き・け・ん。なんだろう。」 よーく見ると「た・い・き・け・ん」と書かれた文字を囲むように、天井に空色のわくが見えた。
ボクは「た・い・き・け・ん」の文字をギュッとおしてみた。そうしたら天井が開いて、空の屋根裏部屋にたどり着いたんだ。
そこの部屋には、数えきれないほどのキラキラ光る石がいっぱい散らばっていた。
赤く光る石、黄色く光る石、青く光る石、ダイヤモンドみたいに光る石。
ネックレスにしてお母さんにプレゼントしたらきっとよろこぶだろうな。だって、お母さんの宝石箱にはこんなにキラキラ光る石は入っていないからな。
ボクは、キラキラ光る石をつかもうとした。でも、思ったよりも遠くだったみたい。部屋のすみにあった虫とりあみを使ったけど、もっと遠くだった。反対のすみにあったハシゴにのぼったけど、まだ遠くだった。
ハシゴにのぼって虫とりあみを使ってみたけど、まだまだ遠くだった。
すぐ近くに見えるのに。
でも、ひとつのキラキラ光る石と話ができたんだ。
「ねえ、石さん、どうしてそんなにキラキラとキレイなの?」
石は言ったよ。
「キラキラして見えるかしら?」
「うん、とっても。」
「じつは、わたしたちは夢のカケラなのよ。」
「夢のカ・ケ・ラ?」
「そう。みんなの夢が輝いている間は。ずっと光っているのよ。」
「いつから、ここにいるの?」
「一番長くいる石は、46億年くらい前からよ。」
「46億年?」
「地球ができた時に、ここの屋根裏部屋にやってきて、ずっと平和を夢見ているの。南の方で白く輝いている石。見える?」
「うん。」
「あれがヒカルくんの石よ。」
「ボクの石?」
「たくさんの夢がつまっているから、ひときわ輝いているわね。」
「ボクの石、あんなに輝いているんだぁ。ねえ、となりで小さく光り出した石があるよ。」
「生まれたのね。またひとつ、夢のある命が。」
「あっ、流れ星!」
青く輝く星が、ひとつ、すごい速さでふってきた。そして、ボクの左の手のひらの中にすっと入ってきたんだ。
そうっと左手を開いてみた。あまりのキラキラするまぶしさに、ボクはいっしゅん目をギュッと閉じたんだ。