日曜日。

 今日きょうはずっとねむっていた。

 ゆめた。

 公園こうえんった。

 とっても気分きぶんがよかったから、ボクははしっていた。そうしたらフワッとからだかるくなって、ボクはそらんだんだ。そらんでも、まだまだ走り続はしりつづけていた。とってもいい気持きもちだった。

 はしってはしっていたら、そらそらそら天井てんじょうにぶつかっちまった。

 「いたっ! あ、なにいてある。た・い・き・け・ん。なんだろう。」 よーくると「た・い・き・け・ん」とかれた文字もじかこむように、天井てんじょう空色そらいろのわくがえた。

ボクは「た・い・き・け・ん」の文字もじをギュッとおしてみた。そうしたら天井てんじょうひらいて、そら屋根やねうら部屋べやにたどりいたんだ。

 そこの部屋へやには、かぞえきれないほどのキラキラひかいしがいっぱいらばっていた。

 あかひかいし黄色きいろひかいしあおひかいしダイヤモンドみたいにひかいし

 ネックレスにしておかあさんにプレゼントしたらきっとよろこぶだろうな。だって、かあさんの宝石ほうせきばこにはこんなにキラキラひかいしはいっていないからな。

 ボクは、キラキラひかいしをつかもうとした。でも、おもったよりもとおくだったみたい。部屋へやのすみにあったむしとりあみを使つかったけど、もっととおくだった。反対はんたいのすみにあったハシゴにのぼったけど、まだとおくだった。

 ハシゴにのぼってむしとりあみを使つかってみたけど、まだまだとおくだった。

 すぐちかくにえるのに。

 でも、ひとつのキラキラひかいしはなしができたんだ。

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 蝶つがいがついた「たいきけん」と書かれた扉を押し上げて、空に向かって片手をおおきくあげて何か叫んでいる僕。胸元には猫が同じように上を見上げています。背景は濃紺の空に無数の星がみえています。

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「ねえ、いしさん、どうしてそんなにキラキラとキレイなの?」

いしったよ。

「キラキラしてえるかしら?」

「うん、とっても。」

「じつは、わたしたちはゆめのカケラなのよ。」

ゆめのカ・ケ・ラ?」

「そう。みんなのゆめかがやいているあいだは。ずっとひかっているのよ。」

「いつから、ここにいるの?」

一番いちばんながくいるいしは、46おくねんくらいまえからよ。」

「46おくねん?」

地球ちきゅうができたときに、ここの屋根やねうら部屋べやにやってきて、ずっと平和へいわ夢見ゆめみているの。みなみほうしろかがやいているいしえる?」

「うん。」

「あれがヒカルくんのいしよ。」

「ボクのいし?」

「たくさんのゆめがつまっているから、ひときわかがやいているわね。」

「ボクのいしあんなにかがやいているんだぁ。ねえ、となりでちいさく光り出ひかりだしたいしがあるよ。」

まれたのね。またひとつ、ゆめのあるいのちが。」

「あっ、流れ星ながれぼし!」

 あおかがやほしが、ひとつ、すごいはやさでふってきた。そして、ボクのひだりのひらのなかにすっとはいってきたんだ。

 そうっと左手ひだりてひらいてみた。あまりのキラキラするまぶしさに、ボクはいっしゅんをギュッとじたんだ。

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 濃紺の空にひときわ大きく強く瞬く白い星を見上げるぼくの横顔。頭上には流れ星も描かれています。

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