さんさんくらぶのこと

さんさんくらぶは、2015年10月にはじまった、放課後等デイサービス※1です。
大阪市西淀川区の障がいのある子どもたちが、 放課後や長期休業日に来て、 おやつやご飯を作ったり、 創作活動をしたり、 公園遊びをしています。 活動の柱はなんといっても療育としての料理です。 療育とは、その人が将来自立生活ができるように様々なトレー二ングをすること。 最近の療育は細分化され見た目にわかりやすくなる一方で 療育自体が目的になって、生活と切り離されるように感じます。 であるならばわたしたちは、生活の中での療育をしたい。 それはやっぱり料理だ!と思いました。 自分で作って食ベる。 子どもたちの目は輝いておなかが鳴ります。
何が食ベたいか考えられるということは自己決定力。
それをみんなと話し合って決めるということはソーシャルスキルトレーニング。※2
必要なものをリストアップし、いつものスーパーへ買い物へいくのは社会活動。
買い物代金を払う、 料理の材料を計るということは数の慨念、量の感覚の獲得。
道具を扱うには体の様々な動きの連動によって可能となるので、 リハビリや作業療法。
調理作業を友だちと協力しあうということもまたソーシャルスキルトレー二ングという風に、 各種の療育が総合的に組み合わさっています。
子どもにとっては、作って食ベたい、という強いモチベーションで取り組める。 そして支援者がそれぞれの子どもの課題を理解しながら支援することで、 楽しく日常的に療育が可能です。 季節の旬、各家庭の味なども大切にしながら、 いつの日か目指したい自立生活へと一歩一歩・・・  自立生活といっても、完全になんでも一人でできるようになる、という考えではなく わたしたちは、友人、支援者の手を借りて実現する社会的自立を目指します。
いつも友だちと力を合わせておいしいものを作って食ベるさんさんくらぶの子どもたち。
学校も、年齢も、障がいの特性もみんな違うけれど、食卓を囲めば家族みたい。
ほかには工作、音楽、ダンスなどの創作活動もよくやります。
絵本好きなスタッフの中には、家庭文庫や読み聞かせを続けてきたり、 大学の絵本コースで学んだ童話作家の卵もいたり、元教師もいますので、 ふだんの活動中にいつも絵本が、物語があります。
さんさんくらぶの子どもたちはまさに、さんさんくらぶ物語の主人公たちです。
これから先も子どもたちと夢も苦労も共有しながらわたしたちの物語を紡いでいきたいと思っています。
よろしければ、いっしょに仲間になりませんか? お待ちしています。

※1 放課後等デイサービス
障がいのある学齢期児童が学校の授業終了後や学校休業日に通う、療育機能・居場所機能を備えたサービスのこと。「障がい児童の学童保育」とも呼ばれる。
※2 ソーシャルスキルトレーニング
対人関係や集団行動をスムーズに行っていくために必要な技能(スキル)を身につけるトレーニングのこと。