障害者総合福祉法の早期制定を求める意見書 我が国では、平成18年4月、障害のある人も障害のない人と共に 地域社会で生活できるための仕組みを目指した「障害者自立支援法」が施行された。 しかし、この法の施行直後から、新たに導入された応益負担という仕組みをはじめ、 さまざまな問題点が指摘されてきた。 また、国連では、平成18年12月に障害者権利条約が採択され、平成23年10月現在で 既に106ヵ国が批准を終えているが、我が国は、国内法が未整備のために、 未だ批准できていない状況にある。 これらの問題解決に向けて、障害者制度の集中的な改革を行うため、平成21年12月、 内閣府に「障がい者制度改革推進本部」が設置された。 その推進本部での検討を踏まえ、平成22年12月の臨時国会で、「障害者自立支援法」 の原案が可決されたが、更なる抜本的な見直しが求められた結果、 国は平成25年8月までに同法案を廃止し、新たな制度を構築することとされてきた。 こうした状況の中、障害の種類や程度、家族の状況、経済力、居住する自治体にかかわらず 「権利としての地域生活」が保障されるためには、「障害者自立支援法」に代わり、 障害者制度を根本から見直した法律である「障害者総合福祉法」を着実に立法化する必要があり、 平成23年8月には内閣府の障がい者制度改革推進会議総合福祉部会でまとめられた 「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」は障害者・関係者の幅広い 意見を反映したもので、新たな障害者支援制度の構築に向けて具体的な道筋が示された と思われた。しかし、平成24年3月13日「障害者自立支援法」に代わる 「障害者総合支援法案」が閣議決定だれたが、この内容は、現行法の枠組みを基本的 に踏襲したものを一部改正となっており、骨格提言とはほど遠いものとなっている。 よって、国におかれては、「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」 に基づいた「障害者総合福祉法」を早期に制定されるよう強く求める。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成24年3月27日 京都府京丹波町議会議長 野口 久之